王とサーカス

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評判

王とサーカスの評価:

3.86/5点 レビュー 106件。 B ランク

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平均点3.86pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全90件 21〜40 2/5ページ
No.70
(5pt)

推理自体に加え、現在の世界状況、報道の意味などが絡み合い、読者自身に迫ってくる

読み物として最高に面白い。人が死ぬ事件の様相を追いながらWHO、WHY、HOW、加えてWHEREを探り、最後に下手人を明らかにするという推理小説のフォーマットで構成されていますが、途中で読者は何重にも騙され、この意外さに嬉しくなります。
2001年に起きたネパールでのナラヤンヒティ王宮事件にフリーランスの記者になった大刀洗万智が偶然に遭遇し、さっそく取材を開始する。今も真相が明らかになっていないこの王族殺害事件に新たな解釈が加えられるのかと思いながら読み進みました。これが第1の騙しなのですが。
王都カトマンズのホテルや街の様子、貧しい子ども達、流れ着いたような異邦人、王族の大事件に揺れる民衆。土埃のざらつき、現地の食の豊かな味、裏街の匂い、人によって大きく異なるものの見方、はたまた「報道」の意味・意義についての真剣な問い掛け、と物質面でも精神面でも多種の情報に翻弄されるのを楽しんで読んでいると、本も半ばで本題となる事件が勃発します。この事件は王族殺害事件と関係があるのか無いのか大刀洗万智が調査・推理していきます。
万智は現地警察に拘束されかかったり、逆に保護してもらったりしながら、推理の当否に自分の記者生命が賭かっていると自覚して戦慄するところは、「謎解き」の枠を超えた緊張があります。そこを表現するタイトル「王とサーカス」の意味は重く、報道の受け手である我ら一般人にも厳しい刃を向けてきます。最終盤の最後の謎の解明と衝撃は受け止めるには大きすぎるほど。
「神様に真相をご説明いただく推理物」とは全く違って、ヒロイン大刀洗万智が鋭いけれども万能には程遠く、自分の生き方に悩み惑っているところが共感をもたらしてくれて、引き込まれました。一方、現実のネパールという国の魅力、悩み、困難も伝わってきて、現代の話として生きています。
400頁を超えるのに一気に読ませる引力があるので、評価が高いのもうなずけました。
王とサーカス Amazon書評・レビュー: 王とサーカスより
4488027512
No.69
(4pt)

おもっしろい。

りょうこうの作品。清張並みにするには、更に工夫が必要。
王とサーカス (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 王とサーカス (創元推理文庫)より
4488451101
No.68
(4pt)

おもっしろい。

りょうこうの作品。清張並みにするには、更に工夫が必要。
王とサーカス Amazon書評・レビュー: 王とサーカスより
4488027512
No.67
(4pt)

ネパールの事件

2015年に出た単行本の文庫化。
 『さよなら妖精』の大刀洗真智が主人公。
 2001年に発生した、ネパール王族殺害事件に揺れるカトマンズを背景としたミステリだ。フリーライターの主人公が事件を取材するなかで殺人事件にまきこまれ、身の危険もあるなかで真相へと迫っていく。
 動機に目新しさがあり、衝撃的。そこだけでも読む価値があるだろう。
王とサーカス (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 王とサーカス (創元推理文庫)より
4488451101
No.66
(4pt)

ネパールの事件

2015年に出た単行本の文庫化。
 『さよなら妖精』の大刀洗真智が主人公。
 2001年に発生した、ネパール王族殺害事件に揺れるカトマンズを背景としたミステリだ。フリーライターの主人公が事件を取材するなかで殺人事件にまきこまれ、身の危険もあるなかで真相へと迫っていく。
 動機に目新しさがあり、衝撃的。そこだけでも読む価値があるだろう。
王とサーカス Amazon書評・レビュー: 王とサーカスより
4488027512
No.65
(5pt)

今だからこそ問われるジャーナリズムのあり方。

ミステリーとしても良くできている。最初からあちこちに伏線が張り巡らされ、それが終盤に向かって一気に回収されていく。ヒロイン、大刀洗万智とカトマンズの路地を疾走しながら、また、ほこりっぽい高地の空気を呼吸し香やゴミのにおいをかぎながら、日干しレンガの建物、大通り、川、祠や寺院を眺める。美しい山々の描写は少ししか出てこない。メインは、観光客からできるだけお金を巻き上げて、自分の生活が少しでも豊かになるようにと願う、貧しい人々の描写である。その中心がサガル少年だろう。
 サガルは、自分たちの貧しい暮らしは外国のジャーナリストによる報道が原因だと信じて疑わない。尊敬する兄が死んだのもそのせいだと思っている。それでも、お金のために大刀洗の取材には協力すると申し出る。王族の大量虐殺に揺れるカトマンズの町を取材するには、どうしても現地の案内が必要だったので大刀洗はこの10歳くらいの少年を雇うことにする。そして、軍の王宮警護にあたっていたラジェスワル准尉にインタビューを試みるのだが…。
 実際にあったネパール王室の事件を舞台に、フリージャーナリストになった大刀洗万智は記事をどう書いたらいいか苦悩する。本書の中にも出てくる「ハゲワシと少女」の問題を持ち出すまでもなく、ジャーナリズムのあり方は常に問われてきた。しかし、数々の悲劇を経験したにもかかわらず、我々は同じようなことを繰り返していないだろうか。要するに我々の「野次馬根性」「怖いもの見たさ」によりジャーナリストが動いているのではないかということだ。
 そのいい例が「京都アニメーション事件」だろう。当初、犠牲者の名前の発表は、遺族の承諾を得た方々だけに限られていた。それが、葬儀が終わったという理由で犠牲者全員の名前が公表された。当然、メディアは遺族のものとに殺到する。なぜ、遺族が苦しまなければならないのか。まさに、本書の中でラジェスワル准尉の言った「サーカス」を楽しむ感覚ではないのか。消費される「悲劇」にどんな意味があるのだろう。
 同じ作者の『氷菓』は多くのファンを獲得しアニメにもなった。そのファンはこの本を気に入るだろうか。『さよなら妖精』以降、『満願』と本書と『真実の10メートル手前』は性格がずいぶん異なる。できれば両方のファンになってくれるとうれしいのだが。
王とサーカス (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 王とサーカス (創元推理文庫)より
4488451101
No.64
(5pt)

今だからこそ問われるジャーナリズムのあり方。

ミステリーとしても良くできている。最初からあちこちに伏線が張り巡らされ、それが終盤に向かって一気に回収されていく。ヒロイン、大刀洗万智とカトマンズの路地を疾走しながら、また、ほこりっぽい高地の空気を呼吸し香やゴミのにおいをかぎながら、日干しレンガの建物、大通り、川、祠や寺院を眺める。美しい山々の描写は少ししか出てこない。メインは、観光客からできるだけお金を巻き上げて、自分の生活が少しでも豊かになるようにと願う、貧しい人々の描写である。その中心がサガル少年だろう。
 サガルは、自分たちの貧しい暮らしは外国のジャーナリストによる報道が原因だと信じて疑わない。尊敬する兄が死んだのもそのせいだと思っている。それでも、お金のために大刀洗の取材には協力すると申し出る。王族の大量虐殺に揺れるカトマンズの町を取材するには、どうしても現地の案内が必要だったので大刀洗はこの10歳くらいの少年を雇うことにする。そして、軍の王宮警護にあたっていたラジェスワル准尉にインタビューを試みるのだが…。
 実際にあったネパール王室の事件を舞台に、フリージャーナリストになった大刀洗万智は記事をどう書いたらいいか苦悩する。本書の中にも出てくる「ハゲワシと少女」の問題を持ち出すまでもなく、ジャーナリズムのあり方は常に問われてきた。しかし、数々の悲劇を経験したにもかかわらず、我々は同じようなことを繰り返していないだろうか。要するに我々の「野次馬根性」「怖いもの見たさ」によりジャーナリストが動いているのではないかということだ。
 そのいい例が「京都アニメーション事件」だろう。当初、犠牲者の名前の発表は、遺族の承諾を得た方々だけに限られていた。それが、葬儀が終わったという理由で犠牲者全員の名前が公表された。当然、メディアは遺族のものとに殺到する。なぜ、遺族が苦しまなければならないのか。まさに、本書の中でラジェスワル准尉の言った「サーカス」を楽しむ感覚ではないのか。消費される「悲劇」にどんな意味があるのだろう。
 同じ作者の『氷菓』は多くのファンを獲得しアニメにもなった。そのファンはこの本を気に入るだろうか。『さよなら妖精』以降、『満願』と本書と『真実の10メートル手前』は性格がずいぶん異なる。できれば両方のファンになってくれるとうれしいのだが。
王とサーカス Amazon書評・レビュー: 王とサーカスより
4488027512
No.63
(5pt)

上手い!

新聞記者をやめフリーライターになった太刀洗万智は、事前取材のためにネパールのカトマンズにやって来る。トーキョーロッジという宿で、アメリカ人のローバート・フォックス、インド人のシュクマルウェル、僧侶姿の日本人の八津田、宿の女主人のチャメリ、観光客相手の物売りの少年サガルと交流をしていくのだが、この辺りの描写がごく自然な感じでとても上手い。このまま事件が起こらなくて旅行記となってしまっても、充分面白いのではないかと思わせる。読む楽しみが堪能できるのだ。
しかし、王族一家殺害事件が起こり、大刀洗は取材をすることになって、大きく物語は動き始める。そして、情報を得ようと紹介された軍人のラジェスワルが殺され、大刀洗に嫌疑がかかる。これらの事件の中で、大刀洗はジャーナリズムの意義への疑問を突き付けられ、自らの生き方を問われることになる。大刀洗は、ラジェスワルの事件の謎を自ら解決することによって、最終的には自分なりの生き方の回答を見出すことができたのだ。
最後のどんでん返しは、あっと驚くほどではないが、上手く主人公のジャーナリストとしての生き方と関わってくる。ミステリーという形が、いい具合に生かされている。この作者は上手い!
王とサーカス (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 王とサーカス (創元推理文庫)より
4488451101
No.62
(5pt)

上手い!

新聞記者をやめフリーライターになった太刀洗万智は、事前取材のためにネパールのカトマンズにやって来る。トーキョーロッジという宿で、アメリカ人のローバート・フォックス、インド人のシュクマルウェル、僧侶姿の日本人の八津田、宿の女主人のチャメリ、観光客相手の物売りの少年サガルと交流をしていくのだが、この辺りの描写がごく自然な感じでとても上手い。このまま事件が起こらなくて旅行記となってしまっても、充分面白いのではないかと思わせる。読む楽しみが堪能できるのだ。
しかし、王族一家殺害事件が起こり、大刀洗は取材をすることになって、大きく物語は動き始める。そして、情報を得ようと紹介された軍人のラジェスワルが殺され、大刀洗に嫌疑がかかる。これらの事件の中で、大刀洗はジャーナリズムの意義への疑問を突き付けられ、自らの生き方を問われることになる。大刀洗は、ラジェスワルの事件の謎を自ら解決することによって、最終的には自分なりの生き方の回答を見出すことができたのだ。
最後のどんでん返しは、あっと驚くほどではないが、上手く主人公のジャーナリストとしての生き方と関わってくる。ミステリーという形が、いい具合に生かされている。この作者は上手い!
王とサーカス Amazon書評・レビュー: 王とサーカスより
4488027512
No.61
(5pt)

解説は事前に読まないほうが良い。なぜなら、半分くらいまでのストーリーが書かれているから

読み終わった後の感想は、一言、「うまいなぁ」。
事件だけ取り上げると地味といえば地味な事件ですが、背景になるのはドラマティックな王族による王族殺し。
物語りも、王宮でおきたクーデターとその後の緊張下の町の様子、主人公の周りで起きた殺人、記者としての主人公のアイデンティイの確立を3つの柱に複合的な構造で描かれています。
主人公にとって、殺人事件の解決は単なる好奇心や正義感のためではなく、記者として自分が生きるために切実に求められるものだという点が他の多くの作品との差になっていると思います。
今更という気もしますが、読んでおいて損は無いと思います。
王とサーカス (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 王とサーカス (創元推理文庫)より
4488451101
No.60
(5pt)

解説は事前に読まないほうが良い。なぜなら、半分くらいまでのストーリーが書かれているから

読み終わった後の感想は、一言、「うまいなぁ」。
事件だけ取り上げると地味といえば地味な事件ですが、背景になるのはドラマティックな王族による王族殺し。
物語りも、王宮でおきたクーデターとその後の緊張下の町の様子、主人公の周りで起きた殺人、記者としての主人公のアイデンティイの確立を3つの柱に複合的な構造で描かれています。
主人公にとって、殺人事件の解決は単なる好奇心や正義感のためではなく、記者として自分が生きるために切実に求められるものだという点が他の多くの作品との差になっていると思います。
今更という気もしますが、読んでおいて損は無いと思います。
王とサーカス Amazon書評・レビュー: 王とサーカスより
4488027512
No.59
(4pt)

自分にとっての正義は誰かの悪かもしれない

米澤さんの小説が好きで色々と読んでいますが、この方の小説にしてはかなり重たい内容だと思いました。
(といっても、読ませる文章力で最後まで一気に読んでしまいました)
物事には、色んな側面があるのだということを、改めて考えさせられました。

カトマンズの描写も素晴らしくて、今まで興味のない国だったけど、初めて行ってみたいと思いました。

☆ひとつ減らしたのは、サガルはかしこすぎるし、女性記者が探偵並みの推理力で少しだけ違和感を感じたので。
実際には、☆4.5くらいです。
王とサーカス (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 王とサーカス (創元推理文庫)より
4488451101
No.58
(4pt)

自分にとっての正義は誰かの悪かもしれない

米澤さんの小説が好きで色々と読んでいますが、この方の小説にしてはかなり重たい内容だと思いました。
(といっても、読ませる文章力で最後まで一気に読んでしまいました)
物事には、色んな側面があるのだということを、改めて考えさせられました。

カトマンズの描写も素晴らしくて、今まで興味のない国だったけど、初めて行ってみたいと思いました。

☆ひとつ減らしたのは、サガルはかしこすぎるし、女性記者が探偵並みの推理力で少しだけ違和感を感じたので。
実際には、☆4.5くらいです。
王とサーカス Amazon書評・レビュー: 王とサーカスより
4488027512
No.57
(5pt)

「報道と倫理」と言うテーマに誠実に取り組んだ、骨太な作品に感銘

日本人には馴染の薄いネパールの首都カトマンズで実際に起きた王族殺害事件。偶然遭遇したフリージャーナリスト太刀洗が取材を始めると、謎の死体に出くわして、というストーリーで、実際の事件がモチーフなだけに、まるで現地ルポのような描写で迫真の内容。死体が出てから、いわゆる「ミステリ」らしくなるが、前半はあまり知らなかったカトマンズについて読まされるのが興味深い。ただ、単純に謎解きミステリを楽しみたい人にとっては辛いかも知れない。
 後半は謎解きミステリらしい展開で十分楽しめると思うが、それが主眼の「本格ミステリ」ではない。全体を貫くテーマは、「報道と倫理」で、それを突き付けられて立ちすくみ苦悩する大刀洗の姿が読みどころ。結局明快な答は見出せず、モヤモヤしたものが残る苦い結末だが、作者がこのテーマに誠実に取り組んだ事がうかがえる。自らの存在意義に疑問を抱きながら、それでもジャーナリストとして生きて行こうとする大刀洗の姿に感銘を受けた。
王とサーカス (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 王とサーカス (創元推理文庫)より
4488451101
No.56
(5pt)

スピード感ある展開

スピード感ある展開で引き込まれる作品。優しさと厳しさが交差する世界に引き込まれます。それらを支えるのは著者が使う日本語の素晴らしさ。シンプルかつ繊細な描写は著者の才能だと思いました。
王とサーカス (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 王とサーカス (創元推理文庫)より
4488451101
No.55
(5pt)

「報道と倫理」と言うテーマに誠実に取り組んだ、骨太な作品に感銘

日本人には馴染の薄いネパールの首都カトマンズで実際に起きた王族殺害事件。偶然遭遇したフリージャーナリスト太刀洗が取材を始めると、謎の死体に出くわして、というストーリーで、実際の事件がモチーフなだけに、まるで現地ルポのような描写で迫真の内容。死体が出てから、いわゆる「ミステリ」らしくなるが、前半はあまり知らなかったカトマンズについて読まされるのが興味深い。ただ、単純に謎解きミステリを楽しみたい人にとっては辛いかも知れない。
 後半は謎解きミステリらしい展開で十分楽しめると思うが、それが主眼の「本格ミステリ」ではない。全体を貫くテーマは、「報道と倫理」で、それを突き付けられて立ちすくみ苦悩する大刀洗の姿が読みどころ。結局明快な答は見出せず、モヤモヤしたものが残る苦い結末だが、作者がこのテーマに誠実に取り組んだ事がうかがえる。自らの存在意義に疑問を抱きながら、それでもジャーナリストとして生きて行こうとする大刀洗の姿に感銘を受けた。
王とサーカス Amazon書評・レビュー: 王とサーカスより
4488027512
No.54
(5pt)

スピード感ある展開

スピード感ある展開で引き込まれる作品。優しさと厳しさが交差する世界に引き込まれます。それらを支えるのは著者が使う日本語の素晴らしさ。シンプルかつ繊細な描写は著者の才能だと思いました。
王とサーカス Amazon書評・レビュー: 王とサーカスより
4488027512
No.53
(4pt)

「報道」とは…? 考えさせられる報道のあり方。

ネパールにプレ取材に行った万智は、おりしも起こった国王以下多数の
王族殺人事件に遭遇する。
早速、ガイドの少年サガルとともに王宮に向かい、町の様子や人びとの
インタビューなど取材を進めるうち、万智のまわりで新たな殺人事件が
勃発した。

新聞記者歴5年の若い万智がベテラン並の行動力と推理で真相に迫る。
彼女は記事の書き方にも一家言持っている。
「わたしの仕事には、他人の悲劇を見せ物にしているという側面がある。
…問題は、それにもかかわらず伝えねばならないという哲学を持ち得るか
どうかにある。」というところだ。

しかし、その前にこんなことも言っている。
「わたしは情報を選別する。…何かを書くことは、同時に、何かを
書かないことだ。」
言い換えれば、ニュースになる事件と、ならない事件がある、という
ことだ。
うけるネタだけがニュースになって、本当に知らなければいけないことを
わたしたちは知らされていないかも知れない。
都合の良いことは伝え、都合の悪いことは伝えないメディアだって時として
ある。
万智がいうとおり、メデイアには「無限の時間と紙幅があるわけではない」
からだ、という理由で、それが正当化されてはいないか…。
王とサーカス (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 王とサーカス (創元推理文庫)より
4488451101
No.52
(4pt)

「報道」とは…? 考えさせられる報道のあり方。

ネパールにプレ取材に行った万智は、おりしも起こった国王以下多数の
王族殺人事件に遭遇する。
早速、ガイドの少年サガルとともに王宮に向かい、町の様子や人びとの
インタビューなど取材を進めるうち、万智のまわりで新たな殺人事件が
勃発した。

新聞記者歴5年の若い万智がベテラン並の行動力と推理で真相に迫る。
彼女は記事の書き方にも一家言持っている。
「わたしの仕事には、他人の悲劇を見せ物にしているという側面がある。
…問題は、それにもかかわらず伝えねばならないという哲学を持ち得るか
どうかにある。」というところだ。

しかし、その前にこんなことも言っている。
「わたしは情報を選別する。…何かを書くことは、同時に、何かを
書かないことだ。」
言い換えれば、ニュースになる事件と、ならない事件がある、という
ことだ。
うけるネタだけがニュースになって、本当に知らなければいけないことを
わたしたちは知らされていないかも知れない。
都合の良いことは伝え、都合の悪いことは伝えないメディアだって時として
ある。
万智がいうとおり、メデイアには「無限の時間と紙幅があるわけではない」
からだ、という理由で、それが正当化されてはいないか…。
王とサーカス Amazon書評・レビュー: 王とサーカスより
4488027512
No.51
(5pt)

世界にひきこまれます

風景がうかぶ描写、主人公の目を通すから日本人目線で見える海外の町並み
作者特有のミステリー感も楽しめ、意外性自体より、主人公が意外性のある結論に至る思考を読ませる小説だと思います。
王とサーカス (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 王とサーカス (創元推理文庫)より
4488451101