ヴァリス
評判
ヴァリスの評価:
4.46/5点 レビュー 28件。 B ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全42件 41〜42 3/3ページ
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ヴァリスの評価:
4.46/5点 レビュー 28件。 B ランク
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創元推理文庫の「ヴァリス」の難解度丸出しの版に比べると、今回の新訳はかなりくだけた訳になっていて、新しいディックファンには入りやすいのではないかと思う。
「巨大にして能動的な生ける情報システム(旧)」と「巨大活性諜報生命体システム(新)」
どっちもなんのこっちゃという感じだけど、旧訳がなんだか生きててメッチャ動き回るでっかい機械なのか?というニュアンスに比べて、新訳は生きてる大きな巨大コンピューターみたいなイメージで、なんかシュッとしてる。これも21世紀に生きている私たちだから理解できることなのであって、こんなことを "なめネコ" ブームの1981年に本にしているディックは、やっぱりブッとんでいる。
「ぼくはホースラヴァー・ファットだ。(P.13-3)」と言い切った次のセンテンスから、もうファットとフィルに分離してしまっている、この物語。村上春樹のぼくと影、カフカとカラスのような内省的な自己対話の世界が既にそこから始まっていく。そこから第8章までのめくるめく神学論と精神病の話はかなり読者を選ぶと思うが、第9章の映画『ヴァリス』から始まるハイスピードな物語を堪能するには、どうしても理解しておかねばならない知識が前半に詰め込まれているので、わたしみたいに読みながら熟睡してしまって、どこまで読んだかわからなくて、同じところを何度も読むハメになったとしても、ページは進めていくべきでしょう。
それにしても大滝版ヴァリスをまだ中坊の頃に読んで、さっぱり理解できなくて、だけど第9章からのちょっとサスペンスな感じが楽しくて、理解できないまま、また再読していたのを20年以上経って、なんだかポッと思い出してしまった。今後も「聖なる侵入」と「ティモシー・アーチャーの転生」が続けて刊行されるようなので、ハヤカワ文庫の無謀なディック推しを、わたしは諸手を挙げて支援したい。