変身

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評判

変身の評価:

4.08/5点 レビュー 390件。 C ランク

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平均点4.08pt

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全393件 281〜300 15/20ページ
No.113
(5pt)

私はグレーゴルを責められない

家族一、家族思いで家族の為に尽くしながら、突然一夜にして巨大な虫、しかも毒虫に変身したグレーゴルは、次第に人間性を失いそうになり、虫の存在に移行してしまいそうになるが、必死に人間として留まろうとしてひたむきに生き、かろうじて人間らしい尊厳を保とうとしていた。
なのに、グレーゴルに尽くしてもらって生活を成り立たせていた家族は、グレーゴルの存在を蔑ろにし、何事もなかったかのように振る舞い、全ては現実に起こった事実にも関わらず、幻想でしかなかったかの如く、冷酷なくらい淡々と考えを切り替えて決断するのである。
ストーリーの最後では、お互いに自立に向けた旅立ちをしようと決意するものの、決して自力ではなく、目に写る存在に希望を抱いた新たな旅立ちを始めている。
これもまた、単なる幻想の世界に思えてくる。
だからこの家族には、またいつの日か、同じ境遇が訪れるのではないかという危惧さえ抱いた。
人間の心に押し寄せる依存と甘え、エゴと愚かさを、嫌というほど見せ付けられた小説である。
そして人間の存在意義と価値を見出だして生きること、人間の尊厳性に敬意を払うことの大切さを学ばせられた。
グレーゴルがやってきたことの、どこに非や間違いがあっただろうか。
自己犠牲とも捉えられるグレーゴルの家族に対する愛情と思いやりがもたらした功績は、全てが裏目に出て、何一つとして報われていないのである。
グレーゴルが働くことで、本来自力で働ける力があった家族は、動けない理由、働けない理由を作り上げて、生活の全てをグレーゴルに頼り切り、本来なら一人一人がやるべきことを疎かにし、努力なしに、楽をして自由に生きていたのである。
そうした家族の姿が、反対にグレーゴルの自由を奪い、その人生を束縛していたとも捉えられる。
グレーゴルは、身を粉にし、自由を失いながら懸命に生きていた。
それなのに、そのグレーゴルの生き方が、そうした怠惰なやる気の失せた家族を生み出したのだ等と、どうしてグレーゴルを責められるだろうか。
グレーゴルのせいで、実は家族が自立を阻まれて犠牲になっていたのではないか、などという責任転嫁をすることはできない。
責任は明らかに一人一人の中に存在しているのに。
出来事の全ては、自己責任でしかない。
人間関係のボタンの掛け違いは、その状況に順応して感覚が麻痺してしまったならば、ずれにずれて元に戻ることは不可能。
これは前にしか進まない「時間」というものが実証してくれている。
勿論新たなスタートを切らない限り、掛け合わせることは不可能になる。
小説には、それらしき表現はないのだが、グレーゴルの心に押し寄せていた疲弊感、我慢の限界値を超え、それ以上の生きる選択肢が見出だせない状況の中で、修復不可能な現実を思い知らされて行き詰まり、逃れようのない行き場のない不自由さに苦悩してもがいた結果が、現実では有り得ない変身をもたらしたのではないだろうか。
虫になったら虫らしく生きていく権利と自由さえある。
確かにグレーゴルは、僅かながらも虫としての自由と楽しみを見出だそうと、いや、見出だしていたのかも知れない。
しかし、言葉が通じないことで理解し合えない、共存できないことの不自由さと壁が生じる。
異質な存在に変身した人間を助ける者、救おうと心を寄せ、手を差し伸べる者は誰一人としていない。
存在を認めないのである。
不気味がり、とことん嫌い排斥しようとする。
そのあげく疎外されて孤独に陥り、否応なく来たるべき時間が訪れて葬られるのである。
凄まじい恐怖感に堪えて生き抜いたグレーゴルを、私は寧ろ褒めたたえたい。
グレーゴルが、家を支配して家族を追い出す、と考えること以外の選択肢を持たない家族の判断と決断の奢りが、実は本当に大切な存在を失うことになるのに。
尽くした者だけが自己犠牲を払い、役目が果たせない状況に陥ると、冷たく切り離され、見放され、見捨てられていく。
そして時間とともに、その存在すら忘れ去られていく。
ついには、覚えている者は誰もいなくなる。
親しかった人々の記憶から消え去る日が訪れるのである。
本当に大切な存在を忘れ果て、我が身を一番大切にする生き様もまた人間社会ならではのことなのだ、と認めなければならないのか。.....理不尽であるが。
変身 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 変身 (新潮文庫)より
4102071016
No.112
(1pt)

本を読む気力が失せた

純文学が好きなので、本書を購入しました。早速読んでみると、全然イメージと違い、全く面白くありませんでした。話し全体にクライマックス(盛り上がり)が感じられません。そういうところが面白いと言う人もいるようですが、私にはどうしてか良くわかりません。

批判し過ぎてすみません。でも、最初の始まりかたが個人的には面白いと思います。
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4102071016
No.111
(4pt)

嫌悪は大きく大きく膨らんでいく
一度、レッテルを貼られたらそれを覆すことは至極困難。
救われない。当たり前のように。
どうにかするにはどうしたらいいのだろう。
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4102071016
No.110
(4pt)

前にテレビで結末をやっていた。

だがしかし、妙に気になって書店で購入してしまった。
ラストがわかっていても先を読まないと気が済まなくなるような感覚は読んでいて独特だった。
読み終わった後、一気に胸が熱くなり様々な感情が押し寄せてきた。

これが、これがカフカの世界なのだと初めて思い知った作品。
読破した今でも時々読み返します。
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4102071016
No.109
(4pt)

人生はトホホの連続。

カフカの作品だからではなく。古典新訳文庫に含まれているから読んだ本である。本を買ってからなぜか変身だけは読まずに本箱に放置していた。今回、3年ぶりに本箱から引き出して読んでみた。カフカというとなんだか病的な顔でカメラを睨みつけている写真が有名だが、wikipedia によると職場では常に礼儀正しく、上司や同僚にも愛され、敵は誰一人いなかったと、とても優し人柄であったことが記されている。
ザムザはその名前の通り、もちろんカフカの分身だろう。真面目で、小心者、そして妹思いの優しいイイヤツだ。ところが、ある朝目が覚めると、巨大な虫になっている。それからがトホホの人生なのだ。家政婦にはくそ虫と呼ばれたり、家族から嫌われたり、家族を支えるためにひたすら働いてきたのにね。その凋落ぶりを楽しんでしまいました。
実存主義とか、生きる不安とか、決められた言葉にとらわれずに作品を味わうと。。何だか重ーい感じになるんだけれど、そうじゃない読み方もできると思う。
ザムザの生は、なんだか粗大ごみと呼ばれている世のお父さんたちと重なるよね。ザムザ、イイヤツだけにその扱われぶりがなんだか哀れで、そしてちょっとおかしいよね。
高校生の時に読んだときは、なんか切実な感じがしたけれど、翻訳のせいでしょうか? なんだか、自虐ギャグを見せられているみたいで、面白かった。
変身,掟の前で 他2編 (光文社古典新訳文庫 Aカ 1-1) Amazon書評・レビュー: 変身,掟の前で 他2編 (光文社古典新訳文庫 Aカ 1-1)より
4334751369
No.108
(5pt)

大人向けの衝撃

この本は10代の若い人より、20代半ば〜30代以降の大人に向いていると思った。

若い人が読書感想文目的で、薄い本だからといった感じで読むと疲れるはず。ご注意を!

大きな虫になってしまった主人公。いつも家族の為に生きてきた。
虫になっても頭と心は人間のまま。それが一番辛い。
主人公はある時は強く家族を思い
ある時は家族を憎み、しかし虫のままだから何も出来ず、自室を這い続ける。

家族はそんな主人公をゴミのように扱うだけ。全く、醜いのはどちらだろう?

外だけ美しく飾っても無意味。中身が醜いほうが恐ろしいと私は思った。

この大きな虫についての解釈。年齢や時期や立場により変わりそう。何回でも読みたくなる。

しかしラストの虚無感。いい感じの読後感を与えた。人生、社会を上手く皮肉ってる感じだ。

高橋義孝さんの訳も軽妙。他社の訳よりストレートに響いたのでこちらを推薦する。
変身 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 変身 (新潮文庫)より
4102071016
No.107
(4pt)

味の濃い小説

村上春樹の「海辺のカフカ」を読んだが、本物のカフカを読まないとと思い、手に取ってみた。

ある朝ベッドで目を覚ますと自分は虫になっていた!という有名な物語の発端は衝撃的。そして、自分に対する家族の反応によって、孤独と疎外感にさいなまれ、やがて死んでいく。

ストーリーの滑り出しは奇想天外なのだけど、それからの展開はとてもリアルな心理理描写が特徴的で、内省的な示唆に富む。短編小説だけど、というか、それ故にこそ、迫真性が感じられる。この物語には色々な解釈があると思うので、その分、味が濃い。
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4102071016
No.106
(4pt)

いろんな意味での「変身」

ある朝、目覚めると毒虫になっていた主人公。
彼自身は、『前よりもいっそうはっきり言葉の意味がわかるようになった気がする』のに、自分の言葉は他の人間に理解されなくなってしまうという状況に陥ってしまう。

そして、そんな彼の役割は「一家の大黒柱であり、愛する家族の一員」から「邪魔者」へと変遷していき、それに伴い、『用心深く杖を突いていた』父は『しゃんとまっすぐに立って』身なりも整え、小使いとして働くようになり、体の弱い母は針仕事、音楽学校を夢見ていた妹は、店員の仕事を始める。

妹への愛情からした彼の「ある行為」が返って家族を追いつめ、彼への憎悪を増していく件は、とても切なかったです。

読んでみて、いろんな人物や心情の「変身」を描いた物語だと思いました。

「ある戦いの描写」は、私もよく理解できませんでしたので、またいつか読み直してみようと思います。
変身 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 変身 (角川文庫)より
4042083064
No.105
(4pt)

毒虫というメタファー

ある朝、夢から目覚めると自分が寝床の中でひっぴきの巨大な虫に変わっているのを発見する主人公。
謎は解明されぬまま、日々が過ぎていく…。

外形が変化することによって周囲の態度は豹変し、暗い闇の中へ葬り去られてしまう。
毒虫は「排除されるもの」のメタファーだったのではないでしょうか。
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4102071016
No.104
(5pt)

不条理

ある朝、起きたら甲殻をしょった虫になっていた。

不可解。不条理。不可思議。
どういう言葉がいいか分からない。

作品が、何を目的としているかはわからない。
存在の基盤の稀弱さを語っているのだろうか。

カミュの異邦人と同じような文脈を感じた。

ちなみに、カフカとは、チェコ語で、カラスとのこと。
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4102071016
No.103
(4pt)

温度

仄暗い部屋から明かりの下の家族を見つめる虫。
グレーゴルという人間はいつ死んでしまったのか。

読解力の乏しい方には厳しいかもしれません。
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4102071016
No.102
(3pt)

内容はいいのに…

もし自分がそうなったらどうしよう、と思わせるような恐ろしい話です。どうしようもないやるせなさがひしひしと伝わってきます。ただ翻訳が下手なので、状況の伝わらないところが山ほどあり、若い人は読めないと思いました。
変身 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 変身 (角川文庫)より
4042083064
No.101
(1pt)

お勧めできない一冊

以前、テレビ番組で紹介されていて、想定が面白いって思ったから読みました。何ていっても朝起きたら自分が虫ですから。虫になって本人かなり悩んでます。家族も困惑していますが、案外と虫になった息子を受け入れようとしています。でも、盛り上がりにかけるストーリーと、最後は中途半端に死んで終わりです。何が名作なのか不明です。気になっても、読まないことをお奨めします。
変身 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 変身 (新潮文庫)より
4102071016
No.100
(4pt)

小説としての面白さを感じよう

私は頭が良くないのでこの作品の意味が理解できませんでしたが、
好きな作品のひとつです。この作品を読む際には純粋に小説として読みましたので
突然、虫になってしまいその理由が最後まで明かされない、主人公は虫になったのに
平然としているなど、在来の小説にはないシュールな設定に挽き込まれました。
文章も間怠っこくないのでサクサク読めました。
展開の一部に、人間であることを尊重し部屋をそのままにしとく母と、
虫として生きやすくするために部屋をかたずけようとする妹のシーンは、おもわず考えさせられる場面
でした。
これからこの本を読まれる方は私のように難しく考えず気楽にこの作品を楽しまれてはいかがでしょうか。
変身 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 変身 (新潮文庫)より
4102071016
No.99
(5pt)

ここまでサクサク読める小説は中々ない。

物語の構成が極めてシンプルなせいか、サクサク読める。
読書速度に悩む私ですら二時間掛からずに読み終えられた。
読書通の方なら一時間掛からずに読めるのではないだろうか。

読書感想文に追われている生徒さんにもオススメである。とにかく読み終えるのが楽。
タップリ見積もっても三時間は掛からない筈。

肝心の内容についてだが、好みは分かれると思われる。
一方通行の上に救いようのない話なので、突き放される感覚を味わう読者も多いことだろう。

私個人はグレーゴル・ザムザの思考・行動・運命に変に共感するところがあった。
物語の最後の一行がひときわ不条理に感じられた。多分、これが良いのだろう。

なおグレーゴルを『毒虫』だと断定する記述は本文中にはない。
何ゆえ『毒虫』とされているのだろう。『衛生害虫』を『毒虫』と呼ぶのには語弊がある気がする。
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4102071016
No.98
(5pt)

蘇る生きる活力に光明

細かなストーリーの展開も忘れてしまうほど久々に読みました。
そのためかいろんな先入観なしに、今までの自分自身の経験に引きつけて読むことが出来ました。

ある日突然巨大な毒虫になってしまったグレーゴル・ザムザですが、彼は3年前の父親の事業の失敗を経て一家全体を背負って立っていました。
彼の「変身」は確かにショックですが、まるで神様が「ごくろうさん!良く頑張ったね。ゆっくり休みな。」と言っているかのようです。
何故なら、父親も母親も妹も彼に頼ることなく働くようになり、将来に向かって歩き始めるからです。

それまでの家族やその他の人たちの反応は、冷た過ぎるかも知れません。
でも、世の中ってそんなものでしょう。

とは言うものの、解っていながらグレーゴルがもう一度人間に戻ったらなあと思いもしました。
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4102071016
No.97
(3pt)

酷すぎる

前々から読んでみたくて漸く手にしたのだが、救いがなく悲しい気持ちになった。
元々稼ぎ頭だったのに、いきなりある日虫になってしまい、今までどおり家族のことを大切に思っているのに家族からは巨大なおぞましい虫としてしか認識されなくなっていく。それが、時間とともにエスカレートしていく様がリアルに描かれている。最終的に命を落とすのも家族によってであり、現在働いて一家を養っている立場の人間として読むと何とも胸が痛む内容であった。
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4102071016
No.96
(5pt)

無意味という意味

フランスのマルセル・プルースト、イギリスのジェイムズ・ジョイス、そしてドイツのフランツ・カフカが、二十世紀の文学を変えた三大文豪だと言われている。カフカがトーマス・マンよりも上かどうか疑問はあるものの、少なくともそれまでにはなかった作品を提示したという功績に関しては、とりわけ純文学の世界ではほとんど絶対的な評価を獲得している。
 カフカが文学にもたらした革命は「意味の脱臼」であると言われている。それまでの文学においては、物語の推移は意味によって連結されていた。作品は意味によって支えられていなければならなかった。ところがカフカはその意味を作品から取り去った。不条理文学と呼ばれるその作品は、唐突な展開と説明の脱落によって、今でいう「シュール」な雰囲気に満ちている。
 ある朝主人公のグレゴール・ザムザが目を覚ますと、一匹の巨大な毒虫に変わっていたという有名かつ衝撃的な冒頭。その理由が全く分からないまま迎える死と、何事もなかったかのように再開される日常。その無意味な結末は、冒頭の無意味な変身よりも、そしていかなる有意味な結末よりもはるかに衝撃的である。
「意味の脱臼」をすれば不条理文学が出来上がるというわけではない。無意味な文章をいくら書き並べても、無意味な作品が出来上がるだけである。本書『変身』が読み継がれているのは、メタレベルにおいて「無意味という意味」が成立しているからにほかなるまい。画期的なだけに二番煎じを許さない本作は、小作品ながらダイヤモンドの輝きを持つ名作であると思う。
変身 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 変身 (新潮文庫)より
4102071016
No.95
(4pt)

やっと読んだ。変身というか『変態』ですね。

有名な本ということで読みたかったが、やっと25歳で読む機会がありました。

微妙な件(くだり)や表現などは、その時代や文化などに多少理解があれば
もっとその描写が鮮明に思い描けるんだろうと思った。

なので、今後読み返しても非常に色々な発見があるような気がする本。

無意味に冷静すぎる虫に変身した主人公。

よく考えると、変身というきれいな語感よりも、『変態』の方が適していると思う。

だって、毒虫に変わって、干からびて、人間扱いももちろんされずに
孤独のままよくわからずに息を引き取ってしまう哀れさ。。。

非常に発想力豊かで面白い本だと思います。
変身 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 変身 (新潮文庫)より
4102071016
No.94
(5pt)

我が身に置き換えるとゾッとする

起きたら虫になっていた、という奇天烈極まりない設定。
しかも慌てるのではなく、冷静にその状況を見つめる。

この物語の悲惨なところは、家族のために骨身を削って働いていた男が虫に変身してしまったことにより、邪魔者扱いされていくという事だ。
これを読んで私が感じたのは、世間で働くお父さん達の状況だ。
若く才気溢れていた若者が徐々に老いていき、家での居場所が無くなるという状況を、たった一晩のうちに成し遂げたのがこの「変身」な気がした。
勿論カフカにそんなつもりはないだろうが・・・

「ある戦いの描写」に関しては、まったくもって理解不能でした。
こんな難解なものを21歳で書き上げたというのですからカフカって男は尋常じゃない。
変身 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 変身 (角川文庫)より
4042083064