名探偵 木更津悠也
評判
名探偵 木更津悠也の評価:
3.93/5点 レビュー 15件。 B ランク
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全28件 1〜20 1/2ページ
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名探偵 木更津悠也の評価:
3.93/5点 レビュー 15件。 B ランク
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逆に言えば本作が書かれた2004年までの麻耶雄嵩作品が異常なのですが、奇抜さや独創性が前面に出ており、地に足がついていなかったようにも見えます。もちろんこの時期の作品は、若い頃にしか書けない作品で、大好きですが、本作は少し毛色が違います。
個人的に一番のお気に入りは一作目の「白幽霊」。図式がとにかく美しい。脳天に突き抜けるような美しさ。
何も考えずに本作を読むと確かに「地味な凡作の極み」なのですが、本作が犯人当てだった場合に真実に辿り着ける読者は何%いるでしょうか?
ここまで精緻で、ロジックが美しい本格ミステリは滅多に出逢えませんし、自分が好きな短編本格ミステリベスト10には入るように思います。
逆に本作を「凡作」と感じてしまうようだと、なかなか厳しいかもしれません。
1990-2000年代の麻耶雄嵩の評価は、「デビュー作が人気だが、それ以外は一部のファンにカルト的な人気があるだけの無冠のマイナー作家」という認識でした。
「鴉」が本格ミステリベスト10で1位に輝いたりもしましたが、綾辻行人崩れのような作風で、今から読み返すとあまり「麻耶雄嵩的」ではなく、迷走していたようにも見えます。
それが一気にメジャーになったのが、2010-2015年の「貴族探偵」「隻眼の少女」「メルカトルかく語りき」「さよなら神様」などの麻耶雄嵩の全盛期であり、本格ミステリの権化のような精緻なロジックと、本格ミステリに対する麻耶雄嵩独特の問題意識・新規性が結びついた傑作群で、数々の賞を総なめにしました。
そういう歴史から見ると、2000年代はまさに麻耶雄嵩が羽化するための過渡期でした。
この「名探偵木更津悠也」は麻耶雄嵩が本格ミステリ的なロジック、作り込みに正面から取り組みだして、作品のクオリティを1段階引き上げた、基礎体力をつけることに一役買った作品のように思っています。
この作品なくしては後の作品群は産まれなかったと思います。
確かに全体的に「地味」ではありますが、麻耶雄嵩のターニングポイントとして非常に重要な作品であり、派手さはないものの、個人的には大好きな短編がぎっちり詰まった宝箱のような作品です。