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(短編集)
戦国鬼譚 惨
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戦国鬼譚 惨の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.70pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全20件 1~20 1/1ページ
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タイトルが戦国鬼譚 惨 というだけあって内容はかなり悲惨な内容。裏切り、だまし討ちが当たり前と言われる戦国時代だが、この作品で描かれる武田家滅亡時は特に酷い印象がある。 生き残るために裏切ることはさして珍しくはないが、そうしてまで家の存続を図っても、結局滅亡してしまった家が多いのが、その印象に拍車をかけている。基本的に裏切られ滅亡していく人々の話は読んでいて辛くなるのであまり好きではないのだが、この本に関しては、著者の伊東さんの人物の心理描写の妙と文章の迫力で、嫌悪感よりも人の業の凄みに圧倒され、一気に読み切ってしまう面白さがある。 普通であれば、史実を知らないで読む方が良いとは思うけど、この作品に関しては、ある程度史実を知った上で読んだ方が、よりこの作品の凄さが判るかも知れません。 読み応えのある短編連作集です。 | ||||
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おもしろいすぐ読みましたおすすめです | ||||
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丁寧に包装されて配達予定日に届いていました。所蔵本として大切にしたいと思います。 | ||||
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以前、王様への忠義は、保護にたいして求められるものと聞いたことがある。 この本も、まさにそういう面が問われてる。小豪族には、死んだ後の名誉が絡んでくる。人質を出してると、妻子への愛情まで絡んでくる。主、武田勝頼がどんな人間なのか。領民の平和な生活か、皆殺しか。 豪族や、その息子たち、親族たち。考え方の違いでもめ、さて…・。 | ||||
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武田家滅亡まじかの短編集でしたが少しずつつながっていて 面白かったです。 忠義か生き残るかの選択の難しさがよく書かれててよかったです | ||||
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最初に離反した木曽一族に始まり、武田逍遥軒、穴山梅雪ら、まともに戦わないままに自壊した武田家の脇役たちに焦点を当てた「裏切り」テーマの短編集全五編収録。 もっとも、所領と領民を守るための木曽一族の苦渋の決断を描いた一話がダントツに読み応えがあり、他の四編はミステリ調の陰謀論で少々がっかり。展開が昔の時代劇みたいなんだもの。だいたい後ろのお話になるほど伝奇色がどんどん色濃くなっていくのであります。そんな中、衆道の恋人(!)が裏切ったかと思ったらひと捻りしてあった四話にはすっかりひっかかりました。また最終話は二転三転するプロットが巧みで、70ページ余り(原稿用紙百枚弱?)の短編とはとても思えない密度。 なお、同じ作者の『武田家滅亡』は武田勝頼を引き立てようとしていたものの、本書では滅ぶべくして滅んだ暗君でした。 | ||||
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人物の会話、心境がリアルで実際にその場に居たかの様な感覚になって来る。 | ||||
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武田氏の滅亡の短編ですなるほどと感心する着眼点です。 無駄は無い思います。 | ||||
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織田家による甲州征伐をテーマとした5つの短編が収められています。 各編の内容は、武田家武将の投降や寝返りに関する話で、それぞれ独立しながらも緩く連携しており、 全体として大きな世界観で武田家滅亡のプロセスを描いています。 各武将の背景を掘り下げて全体を再構築することで、臨場感がものすごく高まり、一気に本書の世界観に引き込まれました。 期待以上におもしろかったです。 | ||||
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信長の甲州征伐における武田国境の武将、国人たちの短編集です。 1.木曽義昌:木曽口、木曽谷領主 2.下條一族:平谷口、吉岡城主 3.武田逍遥軒:下伊那口、大嶋城主 4.仁科五郎盛信:上伊那口、高遠城主 5.穴山信君:駿河口、江尻城主 忠義か保身かで揺れ動く心。 渦巻く疑心暗鬼。 覚悟と諦め。 大国に挟まれた国人衆の悲哀と、精強を誇った武田の内部崩壊。 崩れゆく武田を見切り、織田方について安堵したと思ったら、数か月後にはその織田も瓦解。 あっちにつき、またこっちにつく慌しさの中で、いくつもの命が失われていく。 彼らがたどった人生の流転は筆舌に尽くしがたい。 | ||||
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伊東潤氏を知り、そしてその作品群にどっぷりとハマるきっかけとなりました。短編集ながら、どれも読み応え十分で読み飽きしません。 | ||||
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時を忘れ1日で読んでしまいました。 面白く読者を魅了する作品集、と賛を呈します。 巻頭の作品、木曽氏なる国人、全く存じ上げない氏族でしたが、 様々なドラマがあったこと、地道な史実の蒐集、 あるいは作家の創作、交錯しての興趣が貴重でした。 下條氏についても同様、 権謀術数の中で腐食、腐敗していく人間の繊細ともいえるあざとさと、 苦労知らずの子孫の脆さ、愚昧、その対比が鮮やかでした。 信玄の父、信虎の奇々怪々、 醜悪、おぞましいほどの権勢への貪婪さと傲岸さ、 これも素晴らしい描写でした。 ただ最後の2編は構想に奇をてらい過ぎた、 そんな不自然さをぬぐいきれませんでしたが。 | ||||
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言葉の誤用があります。 「衰運に棹差すことは叶わなかった」(51頁) 「棹差す」は、抵抗するの意味ではなく、むしろ勢いを増すという意味です。 舟の川下りにさらに棹を使うことによって速度を増すことだからです。 「将棋でも打ちながら」(70頁) 将棋は「指す」もので、囲碁が「打つ」ものです。 | ||||
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武田家に関して,いくつかのそしてそれぞれの立場や視点からその滅亡の背景となるものが書かれています。教科書等では一義的にしか書かれていないことが複眼的に示され,その理解が深まったように思いました。一つの出来事も,どの角度から見つめるかでその捉え方も変わり,改めて人間の業や想いというものこそが歴史となることに感じ入りました。読んでよかったと思います。 | ||||
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今最も期待されている時代小説作家「伊東潤」の意欲作。第1話の「木曽谷の証人」では木曾義昌、第2話の「要らぬ駒」では下條頼安、第3話の「画龍点睛」では武田信綱、第4話の「温もりいまだ冷めやらず」では仁科盛信、最後の「表裏者」では穴山信君の決断を取り上げている。歴史の背景に武将のどんな決断があったかと、伊東ならではの研ぎ澄まされた感性で描ききっている。現代を生きるビジネスマンにも役立つ一冊。 | ||||
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滅び行く戦国最強の武田一族。 木曽義昌の離反から、本能寺の変での穴山梅雪の死まで。各話50ページ5本の短編集。 有名無名の武将の生き様死に様、その選択に至るまでの苦悩と、壮絶な結末の物語。 下り坂の運命の中、自らの意地、他人の思惑に翻弄される「濃い」キャラクター達。 生き延びるため、或いは存念を果たすため、善悪を超えたところに現出する人間の底力。 漢字が多く、情報量も多いが、読み始めると止まらない面白さがあり、 ストレス無く最後まで読むことが出来た。 | ||||
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「武田家滅亡」の外伝的要素の濃い短編集。 1)木曾義昌の弟、木曾義豊を主人公にした「木曾谷の証人」は、家族愛が胸を打つ。木曾谷の領民と家族を守るために、義豊が懸命に生きる姿が印象的だった。 2)下条頼安の登場する「要らぬ駒」は、城郭での戦闘シーンがあって楽しみの一つになっている。作者が何度もこの城跡を訪ねたり、実際の合戦祭りに参加するなどの努力の結晶が詰まった一品になっている。臨場感溢れる合戦シーンには手に汗握る思いだった。自分自身が望まないままで当主にならざる終えなかった頼安が、それでも何とか当主として立派になろうとしているところなどが印象的だった。後半の、どんでんどんでん返しが見事な作品だった。思わず、そう来たか! と膝を叩いた。 3)武田信玄の弟、武田逍遥軒信廉の「画龍点睛」では、彼ら兄弟の父親信虎と長坂釣閑斎光堅との駆け引きは面白かった。些細な理由から、武田家の滅亡が始まったのだと感じた。 4)「温もりいまだ冷めやらず」は異色な感じがしたが、こういう視点もあったかと思った。友情とも愛情ともつかぬ感情の中で、盛信と源三郎が最後までお互いを信じたところが感動的だった。それさえも信長が利用したところが、恐ろしいような気持ちになった。 5)利巧というのが本当に危機の時に、命を縮めることもあるのだということを感じた。穴山梅雪信君主人公の「表裏者」。家康が相手では少々利巧なだけでは太刀打ちできない。上には上がいるものだ。右往左往する信君が哀れにさえ感じる作品だった。 | ||||
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本作品は「戦国奇譚 首」に続く短編集であると同時に、大作「武田家滅亡」のスピンアウト集という側面も持っている。一本一本は独立した作品であり、それぞれを別個の短編として味わうこともできるが、作者の得意な「多視点同時進行形式」を生かした壮大な連作として捉えることもできる。そして作者が描くものはありきたりな英雄譚や伝記ものでは決してなく、無論「義」だの「愛」だのを振り回す独善的な感動ドラマでもない。「生き残り」のためにありとあらゆる手を尽くして、騙し合い裏切り裏切られ、抗いきれぬ運命に弄ばれてゆく人間の懊悩という本質そのものである。 本作では作者の持つ重厚かつ、めくるめくような怒涛の展開に加え、素材の選び方に作者のセンスと狙いがよく現われている。 木曽義昌、下條頼安、武田逍遙軒、仁科盛信、穴山梅雪。彼らは武田家の滅亡に際して一定の役割を果たした人物たちであるが、決して主役を張れる一線級の役者ではない。しかし、あえて彼らに光を当てることにより、くっきりとした「影」として浮かび上がってくるのは、武田家滅亡に至るストーリーそのものである。そして作者はその「影」によってみごとに武田家三代をも描ききっているのである。 作者の恣意的とも取れる極端な人物設定もまた単なる作者の思い込みや思い入れではなく、精緻なストーリー展開上の必然である。それらは「実際にこういう事もあったであろう」「こういう人物像であり得たであろう」というリアリティを感じるだけの説得力がある。その説得力を支えているのは作者の徹底した実証主義である。彼が表現する人物や風景は、実地を歩き、彼らの城跡に立ち、史料を精読した者でないと表現できない本物の質感を持っている。それが単なる史実の羅列や知識・経験のひけらかしにならないのは史料や文献に顕れない部分を補う想像力・推察力・構成力によるものである。そしてそれこそが伊東潤の持つ最大の魅力である。 | ||||
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伊東さんの最新作というコトで手に取らせていただきました。 崩壊直前の武田家家臣を扱った短篇集。 個人的に一番良かったのは「木曾谷の証人」 読んでて途中から涙が止まりませんでした… 絶対に何ともいえない感情が込み上げてくる、そんな一冊です! | ||||
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著者、伊東潤の「戦国忌憚 首」とは違った面白さと読み易さがありました。 戦国の国境周辺の在地豪族の悲しい性、義を尽くして名を残すのか?代々受け継がれてきた土地と民を守るのか? 難しい選択の中での判断が正解だったとは言えない結果と結末が待っている。 「要らぬ駒」では兄弟親戚同士が騙しあい、裏切り、己だけが生き残れると信じて手を組んだ相手に最後には捨てられる。まさに厳しい現実を物語ってます。 わずか50ページの短編の中にも著者の得意な「リアルな戦闘シーン」などがあり、読者をタイムスリップさせた感覚に落としてくれる技にも感動ででした。 | ||||
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