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さまよう刃
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さまよう刃の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.83pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全243件 81~100 5/13ページ
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衝撃の事件から、被害者家族の心理を描き出す。 東野圭吾さんの作品の中でも実際の事件をモチーフに 人間の心の動きを描き出している作品だと思う。 少年法が問題になった時代に書かれたのだろうが、 今なお未成年の悲惨な事件の報道に心を痛めることが多いので まだ、社会はこの問題を解決できずにいるのかもしれない。 | ||||
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面白かったと単純に言っていいのだろうか、と迷うほどに暗いテーマ。 辛い話なれど、読むことを止められません。 長峰の気持ちが痛いほど読み手に伝わり、親であれば誰しも同じことをしたかもしれません。 法律とは? 少年法とは? 被害者の家族の気持ちは関係なく、法律は加害者を守るためのものであるということ。 マスコミの報道の在り方、などなど、考えさせられるテーマを盛りだくさんにして、物語は怒涛の如く究極のラストを迎えます。 秀作です。 | ||||
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昨今、問題となっている少年法の壁への憤りを、おそらくは被害者、世間一般の思いとして代弁し問いかけるには秀逸な作品だと感じた。 作者自身が、おそらくは徹底した取材や資料を読むうちに生まれてきたのではないかという、少年法に対する疑問が強く感じられた。 世間に今の法律への疑問、決して人ごとではないかもしれない題材、被害者に自分がなってしまったときの無念さ、とても共感し、気付いたら朝になるまで夢中に読んでいた。 そして、ラストのシーンはあれでよかったと思う。 ああいう終わりにして、作者はこの作品を完遂させた。 そして、読み終えて、僕の心に残ったものは作者の意図したものだと思う。 | ||||
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著者がエドガー賞にノミネートされたと聞き、本書を読みました。 少年犯罪や被害者遺族を扱ったものは他にも多くありますが、本書は周囲の心理や行動原理も描いており、作品に厚みを感じました。 さすがにエドガー賞にノミネートされる(世界に認められる)作家さんは素晴らしいですね。 「さまよう刃」というタイトルについて。 本書の中で織部の心中で「正義の刃」がさまよっている、というような疑問が提示されます。 本書が執筆されたあたりから、社会通念の変化があり、少年法も度重なる改正を受けています。 私は法律の専門家ではありませんので、正確にわかりませんが、おそらく主犯格の少年は傷害致死(3年以上の懲役)ではなく強姦致死(5年以上の懲役)にあたるのでは。 現在ならほぼ確実に逆送され少年審判ではなく刑事裁判でしょう。法廷では、被害者遺族にも意見を述べる機会があるのでは。 また、裁判員裁判になるでしょうから、殆どの読者が織部が例える「正義の刃」の方向を決める立場になり得るということです。 「正義の刃」が本物となるかどうかも、国民次第です。(それが国民主権) この社会通念の変化に対して、本書のような文化は一定の効果があったのでしょう。 但し、人々が無関心でいるのなら、再び「刃はさまよい」だすかも、しれません。 | ||||
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犯罪被害者の父親が未成年の犯人達に復讐をしていくという小説の題材としては目新しい話でないのに、「犯人憎し」の心境も手伝い、すぐに小説に深く引きづり込まされて、一気に読んでしまいました。 素晴らしい作品なので、敢えて難癖をつけてみます。 1.携帯の位置情報で長峰の居場所が特定できなかったのか? 2.短銃なら分りますが、不便な猟銃を携行して犯人(カイジ)を探し回り猟銃で復讐を企てるか?(映画のビジュアル的にはいいと思いますが・・) 3.長峰への情報提供者に関するどんでん返しは小説の主題の重さに比較すると軽すぎ、なくても良かったと思う 上記のことはちょっと気になりましたが、素晴らしい作品内容自体には影響ないと思います。東野作品のベスト3には入らないが、ベスト10には入る作品だと個人的に思います。 | ||||
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まず、本・映画の両方を見ましたが、間違いなく本の方がいいです。 映画は、時間の問題もあると思うのですが、省略されている内容が多く、イマイチです。 本は、主人公の憎しみや悔しさが伝わり、体が震えっぱなしでした。 どちらもまだ見ていない方は参考にしてください。 内容についてですが、細かいところも丁寧に書かれていると思います。 特に絵摩が蹂躙される場面などの描写には、胸が痛くなりました。 現代の社会問題に大きく関わる重いテーマの本です。 読み終わった後も数日間、この本のことばかり考えました。 ファンも、そうでない人も、ぜひ読むべき一冊です。 買って損はしませんよ。絶対。 | ||||
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やはりというか、やり切れないラスト。いつものように、登場人物たちの「その後」に、頭を巡らせてしまう。 心に刺さる事柄は2つ。 あだ討ちが許されていない以上、どんな理由でも殺人はいかん。というのは頭では理解しているが、結局、自分が長峰さんと同様の立場となったらどうするのか。恐らく、同じように復讐(敵討ち)に駆り立てられるのだろう。理屈ではないんだよなぁ、というのが1つ。 もう1つは、刑事さん(誰か失念しましたが)の言った、結局のところ、「警察が守ろうとしているのは法律」であるということ。被害者ではなく。いい意味では職人的な響きがあるが・・・・・・。 少年法云々より、法律そのものの存在とその使用法に恐怖を覚え、とちょっとブルーになりました。 一方で、たくさんの方のレビューに見受けられる「長峰さん」という呼び方(「長峰」でもなく、「彼」でもなく・・・)が、この作品に対する、多くの方々の心情をあらわしているのかな、と、少しほっとしました。 | ||||
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結構なボリュームのある作品である。 父子家庭の愛娘をレイプされ殺されたため、父親がその復讐に執念を燃やすといったストーリーだけでも惹き込まれるものがあるが、本作品はそれに加えて少年犯罪の問題点(過剰に加害者である少年を保護)を絡めているため、中断することが出来ず夜を徹して一気に読んだ。 私自身、実際に娘を持つ父親としては、この父親に復讐を果たして欲しいという気持ちが強く、実社会の少年犯罪でもその再犯率の高さをみれば同様の気持ちを持つ方も多いと思う。また、私の場合、過去に読んだ「死刑絶対肯定論―無期懲役囚の主張」 (美達大和)などの内容から「凶悪犯罪者は実は反省していないケースが多い」という想いも強かったこともあってかなり感情移入した。 全体的なストーリーをみると、家族を殺害された復讐劇という点では「わが魂、久遠(とわ)の闇に 」(西村寿行)を彷彿とさせ、警察からの逃走、逃走犯と知りながら協力者を得る点では「君よ憤怒の河を渉れ」(西村寿行)を思い出した(両作品とのお薦めできるが描写がかなりグロいので女性は苦手かも)。 終盤にちょっとしたどんでん返しもあって傑作と呼ぶに値する作品だと思う。 映画化されているが映画を観る前に読んだ方が楽しめる(考えさせられる)と思う(映画を観ると、文章が頭の中で映像化され過ぎて純粋に楽しめない)。 東野作品は外しがなく売れる理由に納得。 | ||||
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いっきに読み切りました。 未成年の犯罪について考えさせられ、被害者のやるせない気持ちとか、 泣きそうになりました。 ちょっとブルーになる話ですが。 電車でも読みふけれるほどはいりこみます。 | ||||
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ストーリー自体は正直女性である私にとっては想像しただけで嘔吐してしまいそうな残忍な描写に精神的に参ってしまいそうでしたが、主人公の長峰さんがどうなっていくのか?それだけをただただ見守りたい気持ちで最後まで一気に読みましたが、、、、なんともいえない複雑な感情に包まれ今も心の整理ができてない状態にあります。 もし自分が長峰さんの立場だったら同じように復讐しただろうか? 少年法は今のままでいいのんだろうか? 18歳以下でも人の命を殺めた人間にはそれ相当の刑罰を与えるべきではないか? でももし自分がその子供の母親だったら、「まだ子供なんだから許してほしい」ときっと思うだろう。 いろんな感情がうごめき、苦しいです。 でもこの苦しみには今の社会で皆がシェアするべき事柄なのかな、とも思います。 それとタイトルの「さまよう刃 」とは最初は愛娘を無残な形で殺された父親の復讐心を比喩したものかと思ってたのですが、途中からそれは捜査官たちの心であり、そして「法律」そのものではないか?と感じ、さらにこの作品が投げかけたものの大きさを感じました。 | ||||
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個人的には、少年だったらどんな罪を犯そううとも、ひたすら更生を重視するという考え方は、無理があると思うので、主人公の長峰さんの気持ちは理解出来ますね。 加害者のプライバシーは守られ、数年間のお勤めを果たしたら、なにごともなかったかのように暮らしていく一方、被害者家族はいつまで経ってもなにも報われないという動かし難い現実があるのだから、長峰さんを止めないでと思いながら最後まで読んでしまいました。 もちろん、警察(司法)の立場では長峰さんの背中を押せないのは当然でしょうが、現代のかたき討ちをさせてあげたかったです。 | ||||
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1度読んだだけでは、著者が何を書きたかったかわからないかもしれない。 少年犯罪に対する社会の仕組みへの警鐘だととらえれば社会派小説だろう。 家族を失った親の思いだととらえれば,家族愛の表現だろう。 殺されて失った親と,事故で失った親の同行。 それ以外の何かは,まだわからない。 | ||||
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東野圭吾さんが好きで何でも読んでいました。この作品も出版されてすぐ購入したのですが、読み始めて数十ページでその先にあるつらい出来事が想像され読み進むことができずに数年積読してしまっていました。このたび心をきめて再度読み始めたら"さすが東野圭吾"といった感じで最初の数十ページをがんばって読んだら、痛いだけではなく、面白さにぐいぐい引き込まれて読了していました。しかし、、復讐をとげてほしいという気持ちとペンションの女性のように思いとどまって生きてほしいという気持ちの間でゆれうごきながら読み続けてあの結末。。。結末を含めて賛否両論あると思いますが、面白い作品であることは間違いありません。 | ||||
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東野圭吾の小説はいつも期待を裏切らない。 読者の心を掴み、軽快な筆致で話を進めていく。 この小説のメインテーマは少年犯罪と罪の軽重という容易に答のでない重いものであるが、 その問題を読者に強く問いかけて来る。 ただ個人的には被害者感情を重視せよという立場からの表現が強すぎるきらいがあるように思う。 この小説を読めば、(私もそうだが)多くの人が主人公に共感するだろうし、少年犯罪の刑罰は軽すぎるという考え方に傾くだろう。 (もちろん少年の人権を守るという立場にも一定の配慮はされているが) 私自身は現実問題としては特にどちらの立場に強く与する考えはないが、 この小説を読んで短絡的にそのような方向に傾く人が多いとやや問題はあるかなと思う。 ラストの終わり方も相俟って、スカっとしない気持ちになった。 | ||||
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この物語を読んで、いろいろな事を考えさせられました。 今の世の中、子供に無関心な親が多いのではないでしょうか?時代と共に、親、子、孫といった世代間の繋がりが段々弱くなっている気がします。 子供が小さい時からちゃんと向き合っていれば、自然な感情を持った人間に育つはずです。 親からの愛情が足りないと、社会にうまく適応できない人間になる可能性が高くなるような気がします。 子供が何か問題を起こしたときに子供を庇おうとするのは、結局保護者としての責任を認めたくないからのようにも感じてしまいます。 物語については、やはり現在の少年法では被害者の遺族の気持ちは報われないということでしょう。しかし、もっと問題なことは失われた命は二度と帰ってこないということ。 現実にも似たような事件が起こっています。犯罪行為に至らせないためには社会全体で取り組むべきことではありますが、やはり一番身近な親子関係がしっかりしていることだと思います。 最後に東野さんの書く小説全般に言えることですが、だいたいにおいて次に読者が読みたくなることしか書いていません。なので非常に読みやすいです。しかも、登場人物の感情や背景、思いに共感できる部分も多く、物語に入り込みやすいです。 | ||||
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「さまよう刃」は私が初めて読んだ東野圭吾の作品です。 こんなに残酷で悲しい物語はないと思う。自分は親ではないけれど、娘を持つ親が読んだら、こんなに心を痛める物語はないと思う。 吸い込まれるようなストーリーで、寝るのも忘れて読みふけってしまいました。 人間ってこんなにも残酷になれるものなの?法律ってなんの為にあるの? いろいろなことを考えさせられる作品でした。 | ||||
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同年代の娘を持つ父親として、涙をこらえきれない所が今作もあった。 類似の事件の報道があったときに、親族がするコメントは、私自身 信じられないものばかり。 なぜそこまで理性を保つことができるのかと。 主人公が罪を犯したとき、拍手を送った。 私の意見を代弁するかのように徹底的に。 しかし・・・ 例えば、故野沢尚なら、どういうことに、どういう描写になったのだろう。 作者は、あえて中立に立つことで、現在のどうにも歯がゆい社会のあり方に 問題を投げかけたのだと思う。 そのプロとしての自制心のようなものが、この作品を一段高いレベルに 引き上げているような気がする。 でも、個人的にはあえて☆一つ減で。 | ||||
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家族を守るため愛する人を守るため不幸にも殺人を犯してしまうのと違い、同じ殺人でも、快楽の為あるいは人を殺めても罪のひとかけらも感じない人間は小説の世界だけでなく現実の世界にも存在する。しかし何が悲しいかと言えば、快楽の為に愛する者を殺した人間に復習をする人間を法の力ではどちらも重き裁きを与えざるを得ない事だ。この小説から、警察は市民を守る事が仕事ではなく法を守る事が仕事だということに気づかされた。そうでないと社会の秩序は保たれないということは分かるけれども、なんともやるせない気持ちが残る小説だった。 | ||||
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この世でたったひとりの溺愛する娘を、人間性の無い野獣のような少年たちによって、陵辱された挙句この世から葬り去られる。その男は復讐に燃え、殺人鬼となる。社会はこれを批判するのか、肯定するのか― 法治国家のこの国では、少年犯罪に対する処罰が甘く、人を殺めても数年で社会復帰することもありえる。しかし、それでは被害者の遺族はけっして納得することができない。かといって、この小説の主人公のように、被害者の遺族が敵討ちをするのは善なのか?いや、悪だろう。負のスパイラルに陥るだけだ。 500頁にわたる長編小説だが、話の展開が早く読みやすい為、いっき読みできる。 少年少女にも、被害者または加害者に共感できる部分があると思う為、ぜひ学校の図書室に置いてもらいたい。また、その親御さんも読むべき一冊だろう。 | ||||
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基本物語の内容に引き込まれてしまう為、 暗い話を読む前はある程度覚悟をしてから読み始めるのですが・・・ こちらの作品は予想以上に悲しい結末、 ただただやるせない気持ちでいっぱいです。 愛する娘を殺された父親が犯人に復讐をする行為は、 道徳的に考えればやられたらやり返す行為は間違っているでしょう。 でも私は主人公を支持します。 被害者遺族になってしまった以上、心から笑える日ってくるのかなと思います。 犯人が罪を償い、事件から年月が経ち遺族が新しい人生を歩みだしたとしても 自分の身内が殺されたという事実は、しこりとして一生残り続けるのではないでしょうか。 でも途中、主人公を助けてくれたペンション経営の女性が言うように 主人公が罪を犯してしまったらそれこそ新しい人生は送れないし、 罪人として罪を償っていかないといけません。 自分が主人公の立場ならどうするのか、被害者を守ってくれない法律、 深く考えさせられる作品です。 | ||||
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