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さまよう刃
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さまよう刃の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.83pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全243件 61~80 4/13ページ
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迅速丁寧な対応また商品の説明もシッカリしていて、感謝しております。 また機会が有れば宜しくお願いします。 | ||||
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一気に読み終えました。 愛する娘の死を受け入れられずに、復習に燃える長峰の心情は、親であれば皆同じでしょう。 正義とは何か? 法律とは何か? 青少年の保護更正とは何か? 警察とは何か? 被害者とは何か? 愛とは何か? 加害者の保護者の責任は? 考えれば考えるほど混沌としてきます。 何故、作者は長峰を殺したのか・・・・?さまよった刃の行き着く先としては、あまりにもむごいと感じたのは、私だけでしょうか? | ||||
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カバー裏にも説明がありますが、レイプ殺人の被害者の心情を描いてあります。 東野圭吾を読んだことがある人なら、もう出だしから、「ああ……これは」という前ふりです。 百ページまでは父親の心情が伝わりすぎて、このままではページが閉じられないと、一気に読みました。 舞台といい、テーマといい、昔のあの残虐な事件を下敷きにしたんだろうなと思います。 それを客観的に、時に主観的に、真正面から容赦ない描写で取り扱っています。 ラストのおまけのような種明かしは、「見事なミスリード!」と思ったけど、 ページを巻き戻ると、最初にそうとしか受け取れない書き方をしていたのでちょっとずるいなと思いました。 話の結末をどう思うかは人それぞれかもしれません。 私はそこで、☆-1としました。 | ||||
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復讐や仇討は是か非か。 本書を読むと、どうしても被害者家族の気持ちに沿ってしまいますが、 実際本当に難しい問題だなと思いながら読みました。 本当に、答えを出しずらい問題をテーマにしているだけに、 先の展開が気になり一気に読みました。 一冊の本としての結末は収められていますが、この問題に対する自分の 結論は出せそうにありません。 | ||||
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江戸時代の昔から、日本人は仇討ちという行為を良しとしてきた。 この小説は忠臣蔵ではないが現代社会における仇討ちの物語だ。 しかしそれを邪魔する大きな壁が、少年法という法律だ。 鬼畜ともケダモノとも言えるような18歳の少年、それが法によって守られてしまうという理不尽。 警察に捕まっても大事に保護され、ほんの数年で何もなかったかのような顔をして社会に出てくることは明白。 その前にこの手で殺してしまわなければならない、無残に殺された娘の仇を討たなければならない。 主人公はこう考えた。 大方の読者はおそらくこの主人公長峰の行動を支持していたんじゃないかと思う。 私もそうだった。 殺せばいいのだ、殺すしかないのだこんな奴は、そう思った。 殺してほしかった。 そして実はここに登場する刑事たちの心も同じだったのだ。 法に従わざるをえない、つまり仕事として長峰を逮捕するよりほかないのだが、心のどこかでは長峰があのガキを撃ち殺すことこそが正義ではないのかと思っていたのだ。 長峰がまだ18歳の鬼畜を撃ち殺してその後逮捕される、それこそがこの小説のハッピーエンドのはずだった。 しかしそうはならなかった。 長野のペンションの娘、和佳子のためだ。 この人物の存在が今ひとつすっきりしない。 人殺しの長峰を助けかくまう気になったのだが、なぜここまでと思うほどの行動を取る。 べつに男女の仲でもなんでもないのだ。 刑事に先を越され、一時は小諸の駅で2人は完全に別れた、はずだった。 しかしその後すぐ和佳子は高崎駅までやって来て、また長峰と再会した。 気弱になっていた長峰は、和佳子の勧めるがままに自首することを決心した。 読者としてはそれでいいのか、それしかないのか、こう思わざるをえない。 しかしその後急転直下、舞台は上野駅前に移る。 長峰が猟銃を水平に構えている。 その前には呆然とした顔をした鬼畜のガキがいる。 これでハッピーエンドだ。 しかし、引き金を引こうとしたその瞬間、またしても和佳子の叫び声で長峰の心と銃の照準が乱れた。 結局長峰は娘の敵を討てずに死に、鬼畜は生き残って保護された。 和佳子はこうなることを望んだわけではないし、刑事だって長峰を殺したかったわけじゃなかったはずだ。 でも結局こうなった。 人間は法に支配されているのだ。 こんな世界を見せてくれた作者に感謝したい。 | ||||
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序盤は最高に面白かった。最愛の娘がレイプされ、その父が復讐をするという話なのだが、気が付けば自分も復讐に賛成していた。人殺しを容認していたのである。しかし中盤からやや展開が遅くなり、不必要なキャラも登場するため、少し萎えた。それに結末も微妙だった。何より気になったのは、警察から逃亡している人間が携帯電話を使っているのに、場所を特定されないということだった。リアリティに欠ける。ただ、それを考慮してもこの作品は傑作だと思う。きっと読み終わった後には人殺しについての意見が変わるに違いない。法律の存在意義にも、疑問を感じることだろう。 | ||||
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いろいろと考えさせられるストーリーでした。登場人物に娘の名前が出てくるとドキッっとしますね! | ||||
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花火大会の帰り、一人で夜道を帰宅中の高校生の娘が 未成年の少年3人組(いずれも高校中退してつるんでいる仲間)に 拉致されレイプ被害に遭った上、殺害され死体を遺棄され… 主人公はこの娘の父親で、被害者の親となり 娘を失った苦しみと怒りと絶望に苛まれていきます。 そして、遂に復讐へと行動に移っていきます。 あまりにも生々しい設定と、生々しい描写。 特に、性犯罪を受ける描写シーンの残酷さは容赦なく、 ある程度の覚悟をもって読まないと酷いショックを受けると思います。 ただ、実際の犯罪の場面は、こんな生易しいものではないでしょう。 被害者の人相が解らないほどに殴られたり蹴られたり 引きずり回されたり、多人数による暴行や罵倒…もっともっと悲惨です。 発見された遺体は、暴行の凄惨さを物語っています。 身体の一部が欠損していることも少なくありません。 もちろん、詳細が報道されることはありません。 精神衛生上の配慮をされ、上辺のみが報道されるのみです。 現実は、もっと恐ろしいのです。 ですから、「この描写は酷すぎる」というご意見もありますが、 むしろ、東野氏は抑えて書いたと思われます。 このような題材を扱う以上、事前の取材や資料は膨大だったと思いますが そこから読者への配慮をし、ある程度フィルターをかけて限界まで抑え、 その上での描写だと察します。 非常に怖いことですが、これが現実で起きている事件であり 決して目をそらしてはいけない現実です。 これほど残忍な犯罪をおかしても、少年法で加害者が守られることを 筆者は切に訴えたかったのでしょう。 現実よりもソフトな、ドラマに出てくるような強姦シーンを書いただけでは、 いまひとつ加害者たちの残忍性や異常性は伝わりにくく、 読者に「更生の機会があるのでは」と、誤解を与える恐れがあります。 それを避けたかったのだと思います。 現実は、更生の余地がないほど人間性を欠いた犯罪が多いのです。 未成年であっても、もう救いがないほどに。 ただ、もう少し掘り下げて描いて欲しかったのが 犯罪に遭う前の親子関係や、娘さんの様子ですね。 もっと幼い頃から娘を大切に育ててきた場面、 妻の死後、男手ひとつで必死に娘を見守り育ててきた場面、 そういう部分が少ないので、被害者の性格も嗜好も解らないし、 娘さんが、単なる性犯罪の被害者としてしかイメージが湧かないのは とても惜しいところ。 もっと、生前の娘さんの人物像や、 愛情あふれる親子関係が解るエピソードを丁寧に設けてあれば、 読者は、より身近で親しい人を失った悲しみを強く感じられ もっと深く悲しみに共感できたのではないかと思います。 同時に、加害者の幼少期にも触れて欲しかったです。 ここまで残忍な犯行をおかすには、原因と前触れがあります。 劣悪な家庭環境、親の育児放棄と良識の逸脱など。 おそらく、中学時代にも散々悪いことをしてきたし 人を傷めつけることなど何とも思わないエピソードがあるはず。 色々な要因が重なって人格が歪む過程を描ききってあれば、 事件後の加害者の親たちの態度にも、より説得力があり、 読者が腑に落ちやすかったでしょう。 そのあたりが残念でしたが、テンポもよく最後まで一気に読めました。 途中で、何度も涙しました。 ただただ虚しく悲しい。 復讐をしてもしなくても、犯罪に巻き込まれた時点で もうどうにもならない地獄に落とされるのが現実で、 遺族は、その苦しみから解放されることはありません。 その持っていき場のない葛藤や怒りが最後まで続きます。 だからこそ、正解はいつまで経っても見つからない。 やりきれない思いでいっぱいになります。 この絶望感こそ、子供を犯罪で失うことの現実であり 生き地獄にひとしい、筆舌に尽くしがたい苦しみなのです。 この小説に登場する、もう一人の被害者の父親… この人が、最も現実の被害者遺族に近いのではないでしょうか。 主人公は、いささか理想化された被害者遺族の姿ですし 実際は復讐の機会など与えられないのが殆どだからです。 この父親の苦しみや怒りこそ、私には最もリアリティがありました。 被害者遺族、刑事、マスコミ、加害者、加害者家族… 色々な観点から描かれているので、より深く考えさせられる内容です。 映画の内容とはかなりかけ離れており、原作のほうが深く凄い。 また、心理的描写が見事なので映画しか知らない方は 原作を一度読まれることをお勧めします。 きつい描写も多いですが、これが現在の日本の現実。 実際に、いくらでもこういうことが起こりうるのが現実です。 事実、起きています。 危機管理意識が薄かったり、「私は大丈夫」「うちの子に限ってまさか」 と、どこか他人事に構えていたりする人にこそ ぜひ読んでいただきたいと思うのです。 少年法のおかしさ、加害者ばかりが守られる裁きについても 折につけ、この本で何度も触れられています。 大変遺憾なことであり、怒りさえ湧きます。 けれども、すぐに少年法が改定されることはないでしょうし そうこうしている間も犯罪は後を絶ちません。 夜道をひとりで歩かない、世の中にはおかしい人間がたくさんいる。 そういう危機管理意識や自覚をもって自衛をする大切さも、 同時に痛感した一冊です。 | ||||
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文字だけでこうも表現できるものかと感心したい所だけど 内容が内容なだけに逆に迷惑だわと思う気持ちの方が強い 読んでいて焦点が合わなくなったり、頭がバス酔いした時の様な気分に陥ったのもこの小説だけ しかしそれだけ引き込まれる展開であり描写であったという事 中盤から後半はドラマティックな展開に欠けるので 物足りないですね、前半が前半だっただけにという面もあるのでしょう また密告する少年と出会う機会がないというのは個人的に残念 更に言うとラストもこれで終わり?感が否めない 随分前に読んだ作品だけど未だになにかの拍子に思い出す 非常に印象深い作品だった、が面白いかと聞かれるとまあまあ | ||||
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非常に心が痛くなる作品でした。主人公の葛藤が痛いくらいに分かります。ワタクシには息子しかいませんが、もし、娘がいれば…と思うと、簡単に娘を外に出せなくなるところでした。 娘さんがいらっしゃる親は、読まない方が…(-_-;) | ||||
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娘を蹂躙された父親が、その様子が映されたビデオを偶然見てしまい、復讐する話。 あんなビデオを見た直後に遺族が犯人と会ったら、衝動的に殺してしまうのも無理はない。 読者は自然と「自分がこの立場に置かれたらどうするか」を考えることになるだろう。 とくに少年法の理不尽さを被害者側に立って体感できる。だからこそ読み進めるのが大変つらい。最後まで救いがないので読後に虚しさが残る。 「少年法は被害者のためにあるわけでも、犯罪防止のためにあるわけでもない。 少年は過ちを犯すという前提のもと、そんな彼らを救済するために存在するのだ。 そこには被害者の悲しみや悔しさは反映しておらず、実状を無視した、絵空事の道徳観だけがある。」 「裁判所は犯罪者に制裁など加えない。むしろ裁判所は犯罪者を救うのだ。罪を犯した人間に更正するチャンスを与え、その人間を憎む者たちの目の届かないところに隠してしまう」 不良少年自身も、「未成年だからどうせたいした罪にはならない」とわかっており、少年法に守られている、という事にあぐらをかいている。 そして、少年を守ろうとする弁護士が登場し、 「まずは更正して、心の歪みを正し、事の重大さを理解させ、真に反省させる。これが最大の償い」 「子供のプライバシーを守れ」だのを叫び、 育ちが悪く不幸な子だったから、未成年だったから、アルコールのせいで正常な判断ができなかったから、更正と社会復帰を優先するべき、などなど、 被害者側の人間の気持ちを全く無視した意見を交わす。 これでは被害者の傷は癒えない。 被害者は少年の成長の踏み台でしかないのか? 元法相の平岡秀夫は、被害者遺族の前で「あなたは死の恐怖を味わせてやりたいのですか?」「犯罪者にも事情がある」「加害者を憎んではいけない」と遺族を責めたことがある。 子供の命を奪われた親に、「その張本人たちの将来を考えろ」というのはあまりに酷だ。 他人事で、心が痛まないから理想を言えるのだ。 痛みや事実を知らない人に、何かを判断することはできない。 「いかにして同様の被害が出ることを防げるか」というのも難題だ。 結論を言うと防げない。実際の人間の中には、犯罪を繰返す全く更正しない悪人がいるから。 そして社会の仕組みも法律もそういう現実に対応していない。 少年法では、現状にあった裁きができない。このような悪法は改正するべきである。 | ||||
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著者は、85年に『放課後』で江戸川乱歩賞を受賞した東野圭吾。 (H20/05/25 初版発行) 主人公・長峰の一人娘が花火大会の帰りに少年らに蹂躙され殺害された。 長峰は謎の密告電話によって犯人を知り、復讐心を燃やすこととなる。 犯人の一人を殺害し、さらにもう一人の少年を追うが、そこに犯人少年の遊び仲間、警察官、同被害者の父親、長峰を隠避するペンションオーナーの娘などもっと様々な人々の思惑が交錯しながら、ストーリーが紡ぎだされる。裁きを加えるのは一体誰なのか。正義とは一体何なのか。 東野圭吾作品の一人称をころころ変えつつ、一つのストリームを辿っていく手法は、一つの事象でも多面的に物事を考えさせられるから面白い。 “さまよう”刃、様々な人たちの“刃”がさまようが、実は一番さまよっていたのは当本人の長峰ではなかった。(最後のお楽しみである) これを知った後では、二回目読んだ時の楽しみ方も変わってくるだろう。 本書は、散々議論され尽くしたであろう「少年法」が命題になっているが、話はそれだけに留まらない倫理的・哲学的問題を孕ませてある。 話の終わり方は呆気にとられたが、自分は嫌いじゃない方法だった。 このラストにすることで、読者により真意が伝わることになったと思う。 ───「一番最初はすべての駒が揃っている。そのままなら平穏無事だが、それは許されない。動き、自分の陣地から出ていかねばならない。動けば動くほど、相手を倒せるかもしれないが、自分も様々なものを失っていく。それは人間の人生と同じだ。将棋とは違って、相手から奪ったからといって、それを自分のものにはできないんだ」(p.202) | ||||
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東野さんのこの手の小説を読むと本当に考えさせられる。 盛り上げ方が巧すぎる。 感情的についなってしまいました。 何が正しくて、何が間違っているのか。 法律を守ることに意味があるのか。 読者の皆が皆、自分も長峰であったら菅野を殺してやると思っただろう。 「法律は守られるためにある、これによって秩序が保たれる。でも法律は万全ではない、だってよく改正されてるじゃないか。」 まさにその通りだと思った。 しかし明確な答えを見つけない限り私たちは現行の法律によって秩序を保たなければならない。 と言う皮肉がこの小説の結末であったと思う。 これは真理なんじゃないかなと…。 長峰さんには安らかに眠ってほしい。 | ||||
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読みはじめから重い。少年達のあまりにも身勝手な犯行に長峰のような平凡な大人が残酷な殺人を果たす。誰もが共感するだろう。長峰のように苦しんでいる人は実際に存在すると思う。救いようのない人間はいる。だからこそ長峰が望む結末にして欲しかった。せめて小説の中では…と。 | ||||
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やはり被害者遺族の無念さなのに 現状は加害者・加害者家族が守られているように感じます 大切な人が、理不尽に殺されるような事になったら 『復讐』と言う言葉や行動が頭をよぎるかと思います そんな最悪な状態にならない為に、法はどのような助けになってくれるのか… 残念ながら、まったくの助けにはならない 『無念』『理不尽』などの言葉がのしかかってくるような状態です そんな世の中は間違っている、と多くの人は思うのに 当事者にならない限り、他人事のように思ってしまっているのも現実です この本は、被害者・被害者遺族・その周りの人・警察などあらゆる角度から やるせない現状を見て、本当にこのままではいけないと思わせてくれる内容です ぜひ一読していただきたい一冊です | ||||
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中身に関しては触れませんが、一見の価値はありです。 この作者が好きな方は、意外な一面をみると思います。 内容がかなり濃い目なので、読後はすっきりというも のではありませんが、否応なく考えさせられます。 初めての作者の本としてはおすすめ出来ませんね。 | ||||
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18歳未満の少年は、殺人を犯しても少年法という壁のために社会的に制裁を科すことができない。個人による復讐が許されないのはわかっている。しかし、ここで踏み留まっていては「より辛い苦悶の日々が待っている。地獄のような人生が死ぬまで続くにすぎない。愛する者を理不尽に奪われた人間には、どこにも光はない・・・」妻に先立たれて一人で育てた、ただ一人の娘を無残にも殺害された長峰は、犯人を自分の手で制裁するという重い決断を実行する。 正義とは何かを考えさせられる、問題提起の作品です。読み終わってやるせない思いにならない人はいないのではないでしょうか。さすがは東野圭吾だという感じです。 | ||||
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長峰に復讐を成就させたかった。高1女児を持つ親として強くそう思う。 それは、例えば赤穂浪士討ち入りや必殺シリーズ等に連綿と受け継がれて来ている、日本人の感情の通低音としての勧善懲悪に連なる。 だが長峰に復讐を成就させると仇打ちを奨励しかねず、著者が提示したいテーマと印象が異なってしまうのだろう。 正解はありはしないのだ。正解が無いまま、提示すること、それはエピローグの無いまま、読者の脳内にリアルな感情を起こすことであり、虚構と現実をつなぐ小説という表現形式にかなっている。 それにしても、長峰に復讐を成就させたかった。彼は最愛の娘を最も忌むべき蛮行で奪われて天涯孤独になったのだから、復讐して自決できなければ浮かばれない、そうでなければ悲し過ぎる。それが沸々と湧いてくる、私のさまよう刃だ。 もし、彼に愛すべき家族が他に残されていれば、展開が違っていたかもしれない ・・・しかし、もっと複雑でもがき苦しむことになった事だろう。それも一層耐えられないが。 | ||||
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81ページを読み終えたとき、 本書がありきたりな復讐劇でないことがわかります。 さすが東野さんと思わせる内容でした。 万人におススメできます。 | ||||
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東野圭吾さんの小説。娘を殺害された父親が残りの犯人を追う内容。 この小説を読めば少年法の意味について考えさせられる。 あまりに悪質な犯罪には一般と同じように裁いても良いのではないかと 思ってしまう。 人間は弱いものであっさりと一線を超え犯罪を犯してしまうし 人も殺害してしまう。 他の東野作品に比べるとオチやラストも意外に普通。 長峰は最後亡くなってしまうが生きて何かを成し遂げて欲しかった。 最後長峰に通報したなぞの声の主の存在は個人だけではなく まさに社会(の多数)の意思表示でもあったように思えてならない。 | ||||
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