透明カメレオン
評判
透明カメレオンの評価:
3.72/5点 レビュー 32件。 B ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全46件 41〜46 3/3ページ
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透明カメレオンの評価:
3.72/5点 レビュー 32件。 B ランク
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俊英道尾秀介氏がそこまで言うのだから、いったいどんな、どんでん返しが待っているのだろうと期待して読みました。「カラスの親指」などの予測不能な初期作品がまた読めるんじゃないかと。
ところが、です。
実際にはオチが予想できてしまった。
以下、本作のオチと『向日葵の咲かない夏』のオチを書きますので、未読の方はお戻りください。
最初のほうで、あれだけ家族を強調しておきながら直接会話することが皆無なので、もしかしてこれは、
「実はすでに死んでいる」パターンか?
と思って読み進めると、そのとおりのオチでした。
無念。
もちろん、人間ドラマとしては素晴らしい作品だと思いますし、他の作家とは段違いに細かく丁寧に張られた伏線も、さすが道尾秀介氏だ、と思いました。終盤、皆の過去が判明したときは、バーの名前(if)にも意味があったんだと、ニヤリとしましたし。物語の締め方のも美しかったです。
ところが、です。
そのレベルでは満足できない身体に、私はなってしまったのです。
道夫氏にはどうしても、初期作品群のような、がっつりミステリーを期待してしまう……。
初めて道尾秀介氏に出会ったのは、『向日葵の咲かない夏』でした。天地がひっくり返るような衝撃を受け、なんなんだこの作家は、と道尾中毒に陥り、次々と作品に手を出しました。そのたびに気持ちよく騙されていた幸せな日々。道尾さんすごすぎて言葉が出ないです、と。どうして騙されたのだろうと繰り返し読みました。
それがいけなかったのかもしれません。
道尾さんのミスディレクションの手法に慣れてしまったのかも。
本作品のミスディレクションの手法は、『向日葵の咲かない夏』と同じです。
主人公は家族が死んだことを認めたくなくて自分自身をも騙す、つまり、家族が生きているように書かれているので、それを信用した読者はまんまと騙される、というやつです。
手法が二番煎じの上に、真実のインパクトはさらに弱い。
人と思っていたらキャラが、実はトカゲや人形だったという『向日葵の咲かない夏』の衝撃に比べると、本作は、(家に)いない人は(この世に)いないというだけなので。
もはや道夫氏が新たなミステリーを書くことはないのでしょうか。
新たな手法で気持ちよく騙される日が来ることを願いつつ。
厳しめの評価とさせていただきます