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PSYCHE
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PSYCHEの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.63pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全19件 1~19 1/1ページ
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嫌いな内容ではないが、凄く面白いとも思わなかった | ||||
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言うほど暗い話ではない。特に鬱になるようなものでもなかった。が、作品の雰囲気は良く、不思議と読み進めたくなる文体ではある。 今回が初めての唐辺作品だったが、今後別のものも読んでみようと思う。 | ||||
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たぶん駿兄も本当は蝶の羽による幻覚を見ていたのだろうとおもう。それもおそらくは麻衣(主人公の姉)の幻覚をだ。麻衣はこの作品において死神的な存在だ。主人公ナオにとってもである。一見敵のように見えるアイが実は最大の味方であったのにたいして、麻衣はナオに味方のふりをしてミスリードをしかけ、ナオを冷蔵庫のなかに閉じ込めたままにしようとする(そして姉さんは人差し指を唇にあてて、小さく笑った)。たぶん駿太郎の前にも現れ、彼にたいしても何某かの策略をしようとしたのだろう。が、ナオと同じく死を怖れていながらも、ナオと異なり誤魔化しのきかない彼は、その麻衣に対抗してナオとは違う選択をする。駿太郎「正直自分のことで手一杯で、それどころじゃなくってさ」「僕はゾンビと人間の区別を認めていない」「ああそうか。そうだったな! 死んでしまったんだっけ」そんな彼に比してナオは最初から最後まで小賢しく「(本当は誤魔化しているだけなのに)冷静に現状を分析・理解・受け入れたふり」をし続けて、彼とは別種の破滅へと突き進む。ナオ「それが、いまこの僕が感じている全部だっていうの?」アイ「うん。だとしたらどう思う?」ナオを助け出そうとする構造色たちのリーダーであるアイは、もう駄目だ、おそらく今からじゃ間に合いっこない、と大いに呆れつつも最後の最後まで、せめて今のナオの気持ちはどうなのだろう、少しでも現実への復帰を望むならばだめもとでもまだ協力してあげたい……などと、一縷の可能性にかけてナオに問う。「だとしたらどう思う?」「"だとしたら"」「"だとしたら"」「"だとしたら"」「"どう思う?"」……。しかしナオは最初から最後まで……。「残念だわ」もしも本当は飛行機事故を生還したのちのこの妄想の世界、そこでは自己のこの世界に至るまでの経緯を小野田さんに仮託したナオが、この世界から抜け出せたとしたら、そのときは現実世界においても(羽による幻覚を見ていようといなかろうと)死に急いでいるであろう駿太郎のもとへ駆けつけ、そして彼を救い出すことができたのだろうか? 少ない可能性でありながらもそんな気がする。そう、長い長いこの冬が終わり、蝶が春を迎えたなら。――と、少々長い文章となってしまいましたが一言にまとめるならば、本書はただの夢オチとはちょっと違うもっと興味深いものなんじゃないか?ってことです。愛してます。 | ||||
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スクエニ版のものと内容は変わりませんが、ところどころ加筆修正がなされています。 新旧併せて何度も読みたくなって、また実際に何度も読み返しています。 唐辺さんの作品は他のものもお気に入りですが、これと電気サーカスは読んでいて何というか「楽しい」気分になるというか、好きなんでしょうね。 何がかは上手く説明できないけれど。 内容そのものは暗いのだけど、主人公の心情・考え方や登場人物同士のやり取りとか、きっとそういうものがツボにはまったのかな。とにかく惹かれるものがあって、好きな作品です。 | ||||
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唐辺 葉介サンらしさ出てます。読み終わったとき、軽く鬱になりました。気を付けてください。 | ||||
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さあーっ、と読んでいける小説です。 中身があるようなないような、重たいのか軽いのか、まるであらすじだけじゃ分からない。 人々とのぽつぽつとした会話がテンポよく小気味よく発せられていって、自分の吐露がつらつらと述べられていく。 扉絵が度重なるごとに黒く塗りつぶされていってきびが悪くなっていく。 表紙のカバーイラストがかけらもない。扉絵に騙された!という人もいるのではないでしょうか。 くるっていくさくひん、だと書いている人が多いですが、くるっているかどうかなんて人によって違いますし、くるっていくさまがそのとおりかどうか読んでお試しあれ、です。 | ||||
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文学にあまり精通していない私がレビューを書くのは忍ばれますが、感想を書きますね。 なんだかんだで私は唐辺さんの書く文がすきなんだな〜って思っちゃったりして。 中盤の展開が私からすれば特に面白かったですね。 後半にもっとすごい展開がくるのかと思っていましたが、この作品ではこういう感じで終わるんだな〜と・・・。 私だけかもしれませんが、中盤あたりで主人公がある事実を告げられるシーンがあるんですけど・・・事実だと誤謬していますかね。でも事実か、あれ?笑 普段、登場人物にあまり感情移入しない私ですがそのシーンを呼んだら、とてももの悲しい気分になってしまいました。 そういう感情を誘うように展開、描写はしていなかったと思うんですけどなんだか不思議でした。 まあとりあえず氏を知っている方は呼んで損はないかと・・・。 文庫化してくれてよかったです。 | ||||
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他の方々が内容に好き嫌いがあろうか?と評価しているが、そもそもそれ以前の問題として 小説とはプロットを練り上げ、それから不要な贅肉を削ぎ落し、未構成原稿を何遍も推敲し どこまで削れるか、何処まで自分の書きたいテーマを伝えているか、が大事ではないか?この小説は訳の解らん水増し文章こそ多いが 伝えたい何かが有るわけじゃあ無く、何とプロットさえも見当たらず 本来の内容は「ショートショート」程度の着想。それならそれで妄想を書き連ねるだけ、とか最後は全てが妄想だとか 妄想がどれだか読者には判らないとか、既に手法は戦前から出尽くしている。黒岩涙香然り、泉鏡花 小栗虫太郎 夢野久作 室生犀星等など この分野の先輩諸氏の作品を読んだ事が有るのだろうか?もし読んでいたら この駄文を人目に晒すと思えない。そもそも作者は長い文章を書き連ねる能力が基本的に無いのではないか。担当記者との読み合せとか基本が全然出来ていない作者に234頁の原稿は荷が重かったと感じられる。私が買ってしまったのは「冬目景」氏のカバーが良かったからで この本の唯一の美点であろう。この文章を褒めるのは小学生低学年の夏休み後の「読書感想文」程度であろう。 | ||||
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この著者の作品、犬憑きさんとドッペルゲンガーの恋人と死体泥棒は読みました。 とりあえず一番思ったことは唐辺作品で一番読みやすかったということ。 私は死体泥棒や犬憑きさんを読んでて何だが少し気持ち悪くなりました。嘔吐感とは違う感じの気持ち悪さを。(勿論、そこがこの著者の作品の肝となりますので、良い意味で述べています。) ドッペルゲンガーの恋人は気持ち悪くはなりませんでしたけど、少し分かりにくかった部分があったし、唐辺さんにしては怒涛の展開がなかったかなと思います。 しかし、このPsycheは こう読んでて気持ち悪くなりませんでしたし、分かりやすかったし、中盤まで読んでこのまままったり行くのかなと思ったら、最後は唐辺さんらしい怒涛の展開、狂気を見せてくれました。 なのでこれからこの著者の作品を読もうとしている人はこの作品から入って欲しいかなと思います。 値段もまあ手頃だし、無駄に長くないので。 | ||||
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【あらすじ】 飛行機事故で家族を失ったナオには、死んでしまった家族の姿が見える。 だから、家の中は思いのほか賑やかだ。姉さんが階段を駆け降りる音が 聞こえてくるし、テーブルに着いた父さんは文庫本を捲っていて、 母さんは何処かでボソボソと何かを呟いている。 奇妙な家族と従姉妹のアイと交流しながら、ナオはある一つの絵を仕上げ ようとキャンバスに向かっていた。 夢と現実の境が曖昧になる中、ナオが見たものとは―― 【感想】 星海社文庫版の方の感想です。 何処か遠くから眺めているような文章が夢と現実を曖昧にし、とても不思議 な世界観を作り出していると思います。何が現実で何が夢なのか、読み手側も だんだんと分からなくなってきます。この曖昧な空気がこの作品の最大の魅力 ではないでしょうか。 全体的に欝でダークな内容ですので、非常に読み手を選ぶ作品でもあると思い ます。明るい話が好きな方にはお勧めできません。ラストもすっきり終わる訳 ではないので、そこから自分なりの答えを見つけて味わえる方でないと、不完 全燃焼な読後感になると思います。 私はこの暗い雰囲気は好きなので、とても興味深く読み進めることが出来ました。 | ||||
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スクエニ版で読んだ。 この著作者の本を読むのはこれが初めてだったけれど、面白すぎて、少し困惑してしまった。 文章が特徴的で、独特の世界観を創り上げている。 まず、「僕」の一人称にも関わらず、語り手と語られる対象物の距離が遠い。 それは「僕」が「僕」自身を語っている時も同様で、たとえば冒頭、死んだ家族が見えるようになった事を考察する時、霊魂は無いと仮定的に結論を下した後の一文。 「まっさきに考えられるのは、僕の幻覚ってことだ。」(序章 P17) 理屈で言えば、筋が通っているように思えるが、霊的現象が間近で起こっていて、霊魂はいないのだから、オイラは幻覚を見てるんだな、と内省し、納得しようとする人が果たしてどれほどいるだろうか? たぶん実際にはあまりいなく、病院に行くなり、自分自身が信じられなくなって誰かに相談するなりするのが一般的だと思うのだが、この小説では冒頭からして、すでに寄る辺の無い幻想性が入り込んでおり、べったり地に足ついた「リアル」を期待した人はそこでリアリティがないと思ってしまうのかもしれない。確かにそれはそうなのだけれど、私自身はそういう点は気にならずに読めた。なぜなら、主人公「僕」の心理がロジカルに描写されているので、そこに幻想的ながらも一貫したリアリティがあるからだ。 少し話が逸れたので、「語りの距離」に話を戻すと、上記の引用の後の二行の方が、この小説の語りを如実に表している。 「僕の気がヘンになって、見えてはいけないものが見えている。」 「それだと理屈は通っているんだけれど、個人的にはあまり面白くない結論だ。」 特に下の一文に顕著なのだけれども、自分の事をまるで他人ごとのように語っているのが、わかると思う。 つまり、語っている「僕」と語られている「僕」の分離、またはそのあからさまな距離感にこの小説の語りの特徴がある。これは夏目漱石が提唱した「写生文」の文章構造に類似している。 「つまり、大人が小供を視るの態度である。」(「写生文」夏目漱石) もちろん、この場合の大人とは語る「僕」で、子供は語られる「僕」である。 達観して俯瞰的に語る「僕」と、幻想的な超常現象の中でまごつく語られる「僕」と言い換えても良い。 この写生文的態度が語りの距離を生み出し、この小説の不思議な「夢の世界」を創り上げている。 このような「語り」と物語内容の幻想的な世界が非常にマッチしていて、なおかつ主旋律からブレないカーテンの隙間からの一条の光などの伏線の作り方も巧みだ。 「ライトノベル」というカテゴリでここまで書ける人がいるなんて、正直思っていなかったので、文句無しにオススメしたいが、その救いの無さから、万人に受けるものではないと思う。 | ||||
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奇妙な環境にいて、そこでも自分なりに精一杯真面目に、誠実に生きていたいと思う。 でも、それは上手くはいかない。 現実でもそうだし、唐辺葉介が書く世界でもそう。 個人的にはギリシャ神話のような印象を受ける。 私たちが生きるこの世界においても、星を繋げて名前を付けていた世界においても 人間はその愚かさによって不幸になる訳ではない。 その尊さや優しさによって抜けられない場所に迷い込む。 正しいと思っている事が、場所や時間によってまったく違う意味になる事を知っている人なら 唐辺葉介が書く文章に何かを見つけられると思う。 | ||||
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瀬戸……唐辺葉介氏らしい、とても難解で、解釈のわかれそうな、深い作品でした。 ちなみに、副読本としてギリシャ神話(特にエロスの件)を読んでおくことをオススメします。 ※以下、感想というより、結論のみの考察です。 氏の作品に共通している“みんな同じではない”という、テーマの根底にあるものが、今作でも見えていました。 クオリアは物事自体が持つものではなく、個々の心で形成されるものであり、 それぞれ違った感じ方や捉え方――つまり個性がある。 それが目に見えるものとして現れるのが、まさに芸術の特性で、 そうして生み出された作品が持つクオリアもまた、個人個人で感じ方は違う。 要約すれば、“誰もがみんな、同じ物事に対して、同じ感じ方をするわけではない”ということですね。 そして今作においては、 「人間はね、心が腐ったらおしまいなのよ」 という、序盤に書かれていた先生の台詞が、テーマを表わしているのだと思いました。 それは“良くも悪くも、心の持ち方一つで、自分から見える世界はどうにでも変わる”ということ。 我ながら結構無理矢理な解釈っぽいですが、 それが今回、絶望的な物語の中で氏が示した“希望”の部分なのかなと。 | ||||
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読む人を選ぶ作品です。陰鬱で独特の雰囲気を楽しめるのなら、最高の作品になります。例えるならライトノベル版色川武大。那須きのこが好きな人などにもお勧めできるかもしれません。物語のストーリーを楽しむのではなく、作品の持つ空気を楽しむ作品。個人的にはここ最近の中の白眉。「おもしろそうだ」と感じられたなら読んでみる価値はあると思います。 | ||||
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こういう系統の小説が好きなので、かなり楽しめました。ただ、話を投げるバランスというか、もう少し書き込んでも良かったんじゃないかと思いました。本当にあと一歩で星4つの面白い作品でした。 | ||||
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やれ評価が分かれる。 やれ鬱。 そして瀬戸口氏復帰説。 私の食指が動くには十分でした。 実際読み終えた今残るのは、生ぬるく空虚で奇妙な読後感です。とても大衆向けとは思えません。 「瀬戸口さんの作品だ」といわれれば「確かにそうかも」と思わせるだけの独特の空気感はありますし、他の方のレビューにもあるとおり掛け値なしに文章の質は高いです。「psyche」というタイトルセンスも◎。 お話の内容は、家族を失った少年が冷静に狂ってゆく様を終始陰鬱な雰囲気で淡々と綴っているもので、好きな人にとっては良質なエンターテインメント。嫌いな人にはトコトン不快な気分を与えてくれることでしょう。(当然私は前者です。) 文章量の少なさもあってか、一見内容薄く投げっぱなしにも見えますが、耽美でクリアーな不透明さが感じられる、考察を重ねることで化けそうな可能性を持つ作品です。よって評価は暫定で4としました。 <余談> 表紙は冬目景さんですが、ハマリまくりですね。彼女の作品が好きな方にはお勧めできると思います。(注:絵は表紙のみです。) また、読んでいてふと「GreatGatsby」が頭を過ぎりました。過大評価かも知れませんが似ている部分もありますしね・・・。 | ||||
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ネタバレは許されないとなると書きにくいですが、ようするに○○オチなのねと 一言であしらわれてしまう物語の構造は、文章がよいだけにもったいないですね。 | ||||
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表紙が最高です。 冬目景さんの描く儚さと危うさを持った少女は、本当に素晴らしいと思います。 ただ残念なことに、本文とはあまり関係がありません。 「アイ」なのかもしれませんが、作中のイメージとは違います。 星三つは全て表紙への評価で、内容に関しては評価対象外です。 はっきり言って、浅い。 文章もプロとしてはかなり下手だと言っていいレベルでしょう。 重く、深い話を書こうとした素人が、見事に失敗したといった印象。 主人公を初め、登場人物全員にリアリティがまったくなく、少しも共感できませんでした。 退廃的な雰囲気を好まれる、小説を読み慣れていない方にはいいかもしれませんが、 他に読むべき本はいくらでもあると思うので、お勧めはしません。 | ||||
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表紙に惹かれて購入しました。 全体的に暗い雰囲気の作品で、救いのないストーリーと相まって、残念ながら読後の後味の悪い作品でした。 なんとか最後まで読み切りましたが、明るいストーリーの好きな自分には合いませんでした。 かなり好き嫌いの分かれる作品です。 | ||||
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