(短編集)

女たちは二度遊ぶ

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評判

女たちは二度遊ぶの評価:

3.39/5点 レビュー 36件。 B ランク

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平均点3.39pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全108件 41〜60 3/6ページ
No.68
(4pt)

短編ドラマにピッタリのストーリー

1編が20ページ程度の短編が全11編。
どれも人生の一時期にすれ違った女性との出会いを切り取ったような短編。
下宿に居座る女、よく泣く女、バイト先、勤め先で出会った女、などなど。
どれも鮮烈で、臨場感あふれる描写が際立ち、読ませる短編に仕上がっている。
映像化されたようだが、確かに短編ドラマにピッタリのストーリー。
「この短編の女性には、この女優が適役かな」などと想像しながら読むのも一興か。
よかった2編。
『殺したい女』。つきあっている女性「あかね」と、あかねの家族との奇妙な付き合いが絶妙。
『最初の妻』。この作品だけが異色で、中学生男女の物語り。甘酸っぱく、せつない1日限りのデートが青春時代を思い出させる。
女たちは二度遊ぶ (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 女たちは二度遊ぶ (角川文庫)より
B009GPMNX2
No.67
(4pt)

短編ドラマにピッタリのストーリー

1編が20ページ程度の短編が全11編。
どれも人生の一時期にすれ違った女性との出会いを切り取ったような短編。
下宿に居座る女、よく泣く女、バイト先、勤め先で出会った女、などなど。
どれも鮮烈で、臨場感あふれる描写が際立ち、読ませる短編に仕上がっている。
映像化されたようだが、確かに短編ドラマにピッタリのストーリー。
「この短編の女性には、この女優が適役かな」などと想像しながら読むのも一興か。
よかった2編。
『殺したい女』。つきあっている女性「あかね」と、あかねの家族との奇妙な付き合いが絶妙。
『最初の妻』。この作品だけが異色で、中学生男女の物語り。甘酸っぱく、せつない1日限りのデートが青春時代を思い出させる。
女たちは二度遊ぶ (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 女たちは二度遊ぶ (角川文庫)より
4043912013
No.66
(4pt)

やっぱり好きな作家

話だけ掻い摘んでみれば、大して面白いとは思えないはずなのに、吉田修一が書くと面白くなる。視点が独特なのだろうと思う。短い作品が11作。待ち時間や電車の移動時間で、さらっと読むのにとても適している。主人公はすべて男。男から見られる女が題材になっている。

 登場する女たちには共通点があるように思えた。
 彼女たちはそれぞれ恋愛したり、ある種の関係を男たちと持つのだけれど、実は彼女たちは男たちより、もっと別のなにかにとらわれている。ここに登場する男女はいわゆる「恋愛」とは異質な関係で結ばれている。恋愛がもし相互理解であるとするなら、ここに描かれた男女は恋愛などしていないといえるかもしれない。相手を理解したいと思うのが男性本位の優しさとするなら、吉田修一が描く男たちは女たちを理解しようとはしないように見える。無関心とか包容力のなさとかでもなく、ただ関わろうとする。

 決して深みに陥らず、人間の本心の男と女のさりげない姿を描く作風は、淡いんだけれども、リアリティーがある。こういうの書かせると、ホント上手いなと思う。吉田修一は人物たちの表層的な関係を描く。普通短編ならば瞬間を切り取るのが多いのだけれど、吉田はあくまで表層を描く。
 前半に掲載されてある作品のほうが好み。これが面白かったら、吉田の初期の『熱帯魚』『日曜日たち』『東京湾景』なども面白く読めると思う。
女たちは二度遊ぶ Amazon書評・レビュー: 女たちは二度遊ぶより
4048736825
No.65
(4pt)

やっぱり好きな作家

話だけ掻い摘んでみれば、大して面白いとは思えないはずなのに、吉田修一が書くと面白くなる。視点が独特なのだろうと思う。短い作品が11作。待ち時間や電車の移動時間で、さらっと読むのにとても適している。主人公はすべて男。男から見られる女が題材になっている。

 登場する女たちには共通点があるように思えた。
 彼女たちはそれぞれ恋愛したり、ある種の関係を男たちと持つのだけれど、実は彼女たちは男たちより、もっと別のなにかにとらわれている。ここに登場する男女はいわゆる「恋愛」とは異質な関係で結ばれている。恋愛がもし相互理解であるとするなら、ここに描かれた男女は恋愛などしていないといえるかもしれない。相手を理解したいと思うのが男性本位の優しさとするなら、吉田修一が描く男たちは女たちを理解しようとはしないように見える。無関心とか包容力のなさとかでもなく、ただ関わろうとする。

 決して深みに陥らず、人間の本心の男と女のさりげない姿を描く作風は、淡いんだけれども、リアリティーがある。こういうの書かせると、ホント上手いなと思う。吉田修一は人物たちの表層的な関係を描く。普通短編ならば瞬間を切り取るのが多いのだけれど、吉田はあくまで表層を描く。
 前半に掲載されてある作品のほうが好み。これが面白かったら、吉田の初期の『熱帯魚』『日曜日たち』『東京湾景』なども面白く読めると思う。
女たちは二度遊ぶ (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 女たちは二度遊ぶ (角川文庫)より
B009GPMNX2
No.64
(4pt)

やっぱり好きな作家

話だけ掻い摘んでみれば、大して面白いとは思えないはずなのに、吉田修一が書くと面白くなる。視点が独特なのだろうと思う。短い作品が11作。待ち時間や電車の移動時間で、さらっと読むのにとても適している。主人公はすべて男。男から見られる女が題材になっている。

 登場する女たちには共通点があるように思えた。
 彼女たちはそれぞれ恋愛したり、ある種の関係を男たちと持つのだけれど、実は彼女たちは男たちより、もっと別のなにかにとらわれている。ここに登場する男女はいわゆる「恋愛」とは異質な関係で結ばれている。恋愛がもし相互理解であるとするなら、ここに描かれた男女は恋愛などしていないといえるかもしれない。相手を理解したいと思うのが男性本位の優しさとするなら、吉田修一が描く男たちは女たちを理解しようとはしないように見える。無関心とか包容力のなさとかでもなく、ただ関わろうとする。

 決して深みに陥らず、人間の本心の男と女のさりげない姿を描く作風は、淡いんだけれども、リアリティーがある。こういうの書かせると、ホント上手いなと思う。吉田修一は人物たちの表層的な関係を描く。普通短編ならば瞬間を切り取るのが多いのだけれど、吉田はあくまで表層を描く。
 前半に掲載されてある作品のほうが好み。これが面白かったら、吉田の初期の『熱帯魚』『日曜日たち』『東京湾景』なども面白く読めると思う。
女たちは二度遊ぶ (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 女たちは二度遊ぶ (角川文庫)より
4043912013
No.63
(4pt)

古風に言うと「縁は異なもの」的短編集

出会った、かかわった、といってしまうときちんとしすぎているから、敢えて、
偶然行きあった、たまたま一瞬自分の日常を通りすがった…そんな女たちとの
あわい、その割に印象があとからあとから濃くなる関わりを、男目線で描いた
ショートストーリーが収録されている短編集。

実際、きちんと恋人になった、友達になった、みたいな名前をつけられる関係に
なった以外の人って、誰の人生にもいるものだ。私でいうと、日雇いのバイト先で
1日だけ一緒に働いた誰誰さん、とか…そういう「確かに一緒にいたけど、
あれはなんだったんだろう」という人との話を、読ませる小説にして、しかも
「○○な女」というタイトルで括るあたり、吉田修一は、小説を書くのも
コンセプトという名の「ハコ」を作ってそこに物語を納めるのもほんとうまいなーと
思う。

力強く怖い「悪人」みたいな小説もいいけど、こういう、人生における魚の小骨的
エピソードを描けるのも、この作家の強みで魅力だなあと思い知りました。
女たちは二度遊ぶ Amazon書評・レビュー: 女たちは二度遊ぶより
4048736825
No.62
(4pt)

古風に言うと「縁は異なもの」的短編集

出会った、かかわった、といってしまうときちんとしすぎているから、敢えて、
偶然行きあった、たまたま一瞬自分の日常を通りすがった…そんな女たちとの
あわい、その割に印象があとからあとから濃くなる関わりを、男目線で描いた
ショートストーリーが収録されている短編集。

実際、きちんと恋人になった、友達になった、みたいな名前をつけられる関係に
なった以外の人って、誰の人生にもいるものだ。私でいうと、日雇いのバイト先で
1日だけ一緒に働いた誰誰さん、とか…そういう「確かに一緒にいたけど、
あれはなんだったんだろう」という人との話を、読ませる小説にして、しかも
「○○な女」というタイトルで括るあたり、吉田修一は、小説を書くのも
コンセプトという名の「ハコ」を作ってそこに物語を納めるのもほんとうまいなーと
思う。

力強く怖い「悪人」みたいな小説もいいけど、こういう、人生における魚の小骨的
エピソードを描けるのも、この作家の強みで魅力だなあと思い知りました。
女たちは二度遊ぶ (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 女たちは二度遊ぶ (角川文庫)より
B009GPMNX2
No.61
(4pt)

古風に言うと「縁は異なもの」的短編集

出会った、かかわった、といってしまうときちんとしすぎているから、敢えて、
偶然行きあった、たまたま一瞬自分の日常を通りすがった…そんな女たちとの
あわい、その割に印象があとからあとから濃くなる関わりを、男目線で描いた
ショートストーリーが収録されている短編集。

実際、きちんと恋人になった、友達になった、みたいな名前をつけられる関係に
なった以外の人って、誰の人生にもいるものだ。私でいうと、日雇いのバイト先で
1日だけ一緒に働いた誰誰さん、とか…そういう「確かに一緒にいたけど、
あれはなんだったんだろう」という人との話を、読ませる小説にして、しかも
「○○な女」というタイトルで括るあたり、吉田修一は、小説を書くのも
コンセプトという名の「ハコ」を作ってそこに物語を納めるのもほんとうまいなーと
思う。

力強く怖い「悪人」みたいな小説もいいけど、こういう、人生における魚の小骨的
エピソードを描けるのも、この作家の強みで魅力だなあと思い知りました。
女たちは二度遊ぶ (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 女たちは二度遊ぶ (角川文庫)より
4043912013
No.60
(5pt)

「忘れられない女」たち

ある時間の経過の後、想い出として語られる十一人の女に関する短編集です。

その時の男性は、学生であったり、フリーターであったりと、未だ確固とした生活基盤を持っていないものばかりです。
従って、男と女の関係はあくまでテンポラリーなものです。
しかし、そうしたものであるに拘わらず、男にしっかりとした印象を残しています。
それは、筆者の鋭すぎるほどのリアリティに表れています。
だからと言って、そこに描かれる女性たちは決して「いい女」ではありません。
しかし、別れを迎える男の目には、焼き付いているのです。
愛されていたかどうか解らないが、彼女らは「忘れられない女」であったことは確かでしょう。

非常に短い短編の連続なので、ちょっとした時間で一編が読めてしまうと言う、非常に読みやすい本です。
しかし、その短い文章の中身は充実しており、そこには「名言」で一杯です。
「短編」とは、こうした小説をいうのでしょう。
女たちは二度遊ぶ Amazon書評・レビュー: 女たちは二度遊ぶより
4048736825
No.59
(5pt)

「忘れられない女」たち

ある時間の経過の後、想い出として語られる十一人の女に関する短編集です。

その時の男性は、学生であったり、フリーターであったりと、未だ確固とした生活基盤を持っていないものばかりです。
従って、男と女の関係はあくまでテンポラリーなものです。
しかし、そうしたものであるに拘わらず、男にしっかりとした印象を残しています。
それは、筆者の鋭すぎるほどのリアリティに表れています。
だからと言って、そこに描かれる女性たちは決して「いい女」ではありません。
しかし、別れを迎える男の目には、焼き付いているのです。
愛されていたかどうか解らないが、彼女らは「忘れられない女」であったことは確かでしょう。

非常に短い短編の連続なので、ちょっとした時間で一編が読めてしまうと言う、非常に読みやすい本です。
しかし、その短い文章の中身は充実しており、そこには「名言」で一杯です。
「短編」とは、こうした小説をいうのでしょう。
女たちは二度遊ぶ (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 女たちは二度遊ぶ (角川文庫)より
B009GPMNX2
No.58
(5pt)

「忘れられない女」たち

ある時間の経過の後、想い出として語られる十一人の女に関する短編集です。

その時の男性は、学生であったり、フリーターであったりと、未だ確固とした生活基盤を持っていないものばかりです。
従って、男と女の関係はあくまでテンポラリーなものです。
しかし、そうしたものであるに拘わらず、男にしっかりとした印象を残しています。
それは、筆者の鋭すぎるほどのリアリティに表れています。
だからと言って、そこに描かれる女性たちは決して「いい女」ではありません。
しかし、別れを迎える男の目には、焼き付いているのです。
愛されていたかどうか解らないが、彼女らは「忘れられない女」であったことは確かでしょう。

非常に短い短編の連続なので、ちょっとした時間で一編が読めてしまうと言う、非常に読みやすい本です。
しかし、その短い文章の中身は充実しており、そこには「名言」で一杯です。
「短編」とは、こうした小説をいうのでしょう。
女たちは二度遊ぶ (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 女たちは二度遊ぶ (角川文庫)より
4043912013
No.57
(4pt)

不可解さと余韻

急展開で終る各物語の感想は 
意味不明・でも分かる気がする
といった漠然としたものです。
その不可解さと余韻が感じられる面白い作品でした。
しっかり読めば話のオチにも納得がいくのかもしれませんが
さらっと読んで「は?意味不明。でもなんとなくいいなぁ・わかるなぁ」なんて
読み方もありかもしれません。

それにしてもCMの女はいいですね。
「まるで出会わなかったような出会いだったからこそ、何年も経ってから
 とつぜん懐かしく思い出すこともあるのだ。」
このフレーズが印象に残ります。
刹那の出会いが好きな私にとってはいい名言を得たなと思いました。
女たちは二度遊ぶ Amazon書評・レビュー: 女たちは二度遊ぶより
4048736825
No.56
(4pt)

不可解さと余韻

急展開で終る各物語の感想は 
意味不明・でも分かる気がする
といった漠然としたものです。
その不可解さと余韻が感じられる面白い作品でした。
しっかり読めば話のオチにも納得がいくのかもしれませんが
さらっと読んで「は?意味不明。でもなんとなくいいなぁ・わかるなぁ」なんて
読み方もありかもしれません。

それにしてもCMの女はいいですね。
「まるで出会わなかったような出会いだったからこそ、何年も経ってから
 とつぜん懐かしく思い出すこともあるのだ。」
このフレーズが印象に残ります。
刹那の出会いが好きな私にとってはいい名言を得たなと思いました。
女たちは二度遊ぶ (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 女たちは二度遊ぶ (角川文庫)より
B009GPMNX2
No.55
(4pt)

不可解さと余韻

急展開で終る各物語の感想は 
意味不明・でも分かる気がする
といった漠然としたものです。
その不可解さと余韻が感じられる面白い作品でした。
しっかり読めば話のオチにも納得がいくのかもしれませんが
さらっと読んで「は?意味不明。でもなんとなくいいなぁ・わかるなぁ」なんて
読み方もありかもしれません。

それにしてもCMの女はいいですね。
「まるで出会わなかったような出会いだったからこそ、何年も経ってから
 とつぜん懐かしく思い出すこともあるのだ。」
このフレーズが印象に残ります。
刹那の出会いが好きな私にとってはいい名言を得たなと思いました。
女たちは二度遊ぶ (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 女たちは二度遊ぶ (角川文庫)より
4043912013
No.54
(4pt)

男女のビミョーなニュアンスを表現したアフォリズム

11人の男がそれぞれが付き合った11人の女の思い出を語る短編集。「十一人目の女」という作品をあえて十番目に置いたのも洒落てる。それにしても、この、男女にまつわるエピソードのヴァリエーション、リアリティはさすが。枚数も少ないし、軽く読み飛ばせる気楽さもあるんだけど、コンセプチュアルな長編よりも、こういった短編のほうが著者のエッセンスが無防備な形で表出している気がする。
 それにしても、著者の観察眼、感じ方、表現は「現代」とずれていない。意外なことに、小説家で「現代」とずれていない人って稀少だと思う。今回、特に印象に残ったのは男女間のビミョーなニュアンスを表現した数々のアフォリズム。
 「頭では来るはずがないと分かっているのに、心では来ないはずがないと思っているのだ」
 「住みたいところじゃなくて、みんな、住めるところに住んでるんだよねぇ」
 「好きでなかったわけではない。ただ、好きだったわけでもない。きっとこれから好きになれると、そう思っていたのは間違いない」
 「恋愛でもなんでもそうだが、沈黙に耐え切れなくなるのは、必ず優位な立場にいるほうだ」
 こうしたフレーズが象徴するように、どの作品もわりと輪郭がはっきりしていて、シーンや言葉が印象に残る。一番面白かったのは「明るいオーラ」と「暗いオーラ」に関する考察で、これはフムフムと思った。気になる人は是非ご一読を!
女たちは二度遊ぶ Amazon書評・レビュー: 女たちは二度遊ぶより
4048736825
No.53
(4pt)

男女のビミョーなニュアンスを表現したアフォリズム

11人の男がそれぞれが付き合った11人の女の思い出を語る短編集。「十一人目の女」という作品をあえて十番目に置いたのも洒落てる。それにしても、この、男女にまつわるエピソードのヴァリエーション、リアリティはさすが。枚数も少ないし、軽く読み飛ばせる気楽さもあるんだけど、コンセプチュアルな長編よりも、こういった短編のほうが著者のエッセンスが無防備な形で表出している気がする。
 それにしても、著者の観察眼、感じ方、表現は「現代」とずれていない。意外なことに、小説家で「現代」とずれていない人って稀少だと思う。今回、特に印象に残ったのは男女間のビミョーなニュアンスを表現した数々のアフォリズム。
 「頭では来るはずがないと分かっているのに、心では来ないはずがないと思っているのだ」
 「住みたいところじゃなくて、みんな、住めるところに住んでるんだよねぇ」
 「好きでなかったわけではない。ただ、好きだったわけでもない。きっとこれから好きになれると、そう思っていたのは間違いない」
 「恋愛でもなんでもそうだが、沈黙に耐え切れなくなるのは、必ず優位な立場にいるほうだ」
 こうしたフレーズが象徴するように、どの作品もわりと輪郭がはっきりしていて、シーンや言葉が印象に残る。一番面白かったのは「明るいオーラ」と「暗いオーラ」に関する考察で、これはフムフムと思った。気になる人は是非ご一読を!
女たちは二度遊ぶ (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 女たちは二度遊ぶ (角川文庫)より
B009GPMNX2
No.52
(4pt)

男女のビミョーなニュアンスを表現したアフォリズム

11人の男がそれぞれが付き合った11人の女の思い出を語る短編集。「十一人目の女」という作品をあえて十番目に置いたのも洒落てる。それにしても、この、男女にまつわるエピソードのヴァリエーション、リアリティはさすが。枚数も少ないし、軽く読み飛ばせる気楽さもあるんだけど、コンセプチュアルな長編よりも、こういった短編のほうが著者のエッセンスが無防備な形で表出している気がする。
 それにしても、著者の観察眼、感じ方、表現は「現代」とずれていない。意外なことに、小説家で「現代」とずれていない人って稀少だと思う。今回、特に印象に残ったのは男女間のビミョーなニュアンスを表現した数々のアフォリズム。
 「頭では来るはずがないと分かっているのに、心では来ないはずがないと思っているのだ」
 「住みたいところじゃなくて、みんな、住めるところに住んでるんだよねぇ」
 「好きでなかったわけではない。ただ、好きだったわけでもない。きっとこれから好きになれると、そう思っていたのは間違いない」
 「恋愛でもなんでもそうだが、沈黙に耐え切れなくなるのは、必ず優位な立場にいるほうだ」
 こうしたフレーズが象徴するように、どの作品もわりと輪郭がはっきりしていて、シーンや言葉が印象に残る。一番面白かったのは「明るいオーラ」と「暗いオーラ」に関する考察で、これはフムフムと思った。気になる人は是非ご一読を!
女たちは二度遊ぶ (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 女たちは二度遊ぶ (角川文庫)より
4043912013
No.51
(4pt)

吉田修一は、短編集も悪くない。

男性視点で過去に「擦れ違った」さまざまな女を描いた作品。11の短編で11人の女たちが登場する。炊事、洗濯、掃除はおろか、腹が減ってもコンビニ弁当すら買いに行こうともしない女が男の家にいついた「どしゃぶりの女」。新宿の公衆電話で電話待ちをしている時に会話を盗み聞きしてしまった女を勤め先で見つけてしまった「公衆電話の女」…。

淡々としていて「いい女」は一人も出てこないが、どの女も、どの挿話も、リアリティーがあまりにも強すぎる。バーで出会った自堕落な女、別れの言葉を一言も残さずいなくなってしまう下町の女、駅で出会った美形の女、些細なことでも泣きべそばかりかいている女…、本当にさまざまな女が登場し、男であれば誰もがそんな女の記憶をもっている。

どの短編にも小気味のよい「落ち」があり、女は不可解さを残し去っていく。女性から見れば軽薄でつまらない話しばかりなのかもしれないが、男にとっては、その「余韻」が何ともいえない。男には理屈がなくて、映像の残影だけがあるのだから。

これまで吉田修一の長編しか読んだことがなかったが、短編もなかなか悪くない。切れ味は、もしかしたら長編よりも上かもしれない。
女たちは二度遊ぶ Amazon書評・レビュー: 女たちは二度遊ぶより
4048736825
No.50
(4pt)

吉田修一は、短編集も悪くない。

男性視点で過去に「擦れ違った」さまざまな女を描いた作品。11の短編で11人の女たちが登場する。炊事、洗濯、掃除はおろか、腹が減ってもコンビニ弁当すら買いに行こうともしない女が男の家にいついた「どしゃぶりの女」。新宿の公衆電話で電話待ちをしている時に会話を盗み聞きしてしまった女を勤め先で見つけてしまった「公衆電話の女」…。

淡々としていて「いい女」は一人も出てこないが、どの女も、どの挿話も、リアリティーがあまりにも強すぎる。バーで出会った自堕落な女、別れの言葉を一言も残さずいなくなってしまう下町の女、駅で出会った美形の女、些細なことでも泣きべそばかりかいている女…、本当にさまざまな女が登場し、男であれば誰もがそんな女の記憶をもっている。

どの短編にも小気味のよい「落ち」があり、女は不可解さを残し去っていく。女性から見れば軽薄でつまらない話しばかりなのかもしれないが、男にとっては、その「余韻」が何ともいえない。男には理屈がなくて、映像の残影だけがあるのだから。

これまで吉田修一の長編しか読んだことがなかったが、短編もなかなか悪くない。切れ味は、もしかしたら長編よりも上かもしれない。
女たちは二度遊ぶ (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 女たちは二度遊ぶ (角川文庫)より
B009GPMNX2
No.49
(4pt)

吉田修一は、短編集も悪くない。

男性視点で過去に「擦れ違った」さまざまな女を描いた作品。11の短編で11人の女たちが登場する。炊事、洗濯、掃除はおろか、腹が減ってもコンビニ弁当すら買いに行こうともしない女が男の家にいついた「どしゃぶりの女」。新宿の公衆電話で電話待ちをしている時に会話を盗み聞きしてしまった女を勤め先で見つけてしまった「公衆電話の女」…。

淡々としていて「いい女」は一人も出てこないが、どの女も、どの挿話も、リアリティーがあまりにも強すぎる。バーで出会った自堕落な女、別れの言葉を一言も残さずいなくなってしまう下町の女、駅で出会った美形の女、些細なことでも泣きべそばかりかいている女…、本当にさまざまな女が登場し、男であれば誰もがそんな女の記憶をもっている。

どの短編にも小気味のよい「落ち」があり、女は不可解さを残し去っていく。女性から見れば軽薄でつまらない話しばかりなのかもしれないが、男にとっては、その「余韻」が何ともいえない。男には理屈がなくて、映像の残影だけがあるのだから。

これまで吉田修一の長編しか読んだことがなかったが、短編もなかなか悪くない。切れ味は、もしかしたら長編よりも上かもしれない。
女たちは二度遊ぶ (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 女たちは二度遊ぶ (角川文庫)より
4043912013