踊る手なが猿
評判
踊る手なが猿の評価:
4.13/5点 レビュー 8件。 A ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全12件 1〜12 1/1ページ
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踊る手なが猿の評価:
4.13/5点 レビュー 8件。 A ランク
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最初に感じたのは、この『踊る手なが猿』というタイトル名が悪すぎることです。このタイトルでは、この中に素晴らしい作品があっても読み逃してしまう人がいても仕方がない気がします。この4編どれもが島田荘司らしさに溢れていて素晴らしいのにタイトルで手に取らない。そういうヒトを生んでしまいそうです。
むしろこの中でも飛び抜けて傑作である『暗闇団子』をタイトル名にした方が良いのではないのだろうか。そう感じているヒトは、きっとぼくだけではない気がします。
この『暗闇団子』こそ、島田荘司の江戸研究からの最初の作品であって、最終的には、あの『写楽 閉じた国の幻』に繋がる作品であると確信しました。『写楽 閉じた国の幻』の素晴らしさは、『わずか10ヶ月間の間、突如として登場し、突如として消える写楽とは何者か』という歴史的謎をミステリーの大家島田荘司自身が、解き明かしていく、という点にあると思っています。この『暗闇団子』も発掘された江戸時代の白骨と見事な櫛。そして『暗闇団子』という言葉などから、ストーリーを作っていきます。
正に島田荘司の基本である、
・まず、ありえないくらいの奇想がある
・その奇想をいくつかの別の奇想が加わり、より深い奇想になる
・それを最後には論理的に帰結させてしまう
が、ほぼ完全なカタチで構築されています。
そして、文体が本当に素晴らしいです。目に浮かんで来るのは、今大河ドラマで放映中の『べらぼう』で素晴らしい演技を見せてくれている小芝風花演ずる瀬川の花魁姿です。この作品の主人公辰巳と彼女の姿が重なってしまい、最後の悲しい結末まで見事という言葉しか浮かんできません。
不覚にも最後は涙が出てきてしまいました。この作品を読み逃さなくて良かった。そう思っています。