ブルックリン・フォリーズ

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評判

ブルックリン・フォリーズの評価:

4.68/5点 レビュー 44件。 A ランク

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平均点4.68pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全88件 81〜88 5/5ページ
No.8
(5pt)

書かれていることが全てではなく、ここに書かれていないことにも。

ブルックリンを舞台に主人公ネイサンとその周辺の人間の再生の物語です。わかる人にはオースター自身が関わった映画「スモーク」、「ブルー・イン・ザ・フェイス(こちらはようやくDVD/BDで出ましたね)」を彷彿とさせる世界と言えば分りやすいかな。後半になるにつれよりメッセージも直接的になり、オースターの作品中最も「わかりやすい作品」だとも確かに言えます。読んでいる間は主人公の話す(書いた)物語の世界にじっくりと浸るといいと思います。ただ読み終わって本を閉じた後もう一度思い返してみると、主人公が世界に絶望していた甥・トムについてどう語っていたか、主人公が書いていたのは「愚行の書」。ということは、、、等、考えれば考えるほどこの本が単純ではないと思えてきました。皆さんも読み終わった後に自分なりにこの本の感想を考えてみてください。
ブルックリン・フォリーズ Amazon書評・レビュー: ブルックリン・フォリーズより
4105217151
No.7
(5pt)

それでも最後には「いいなぁ」と思える悲喜劇

仕事を辞め、妻と別れ、死に場所を求めてブルックリンに越してきた初老の男ネイサン。
将来を嘱望された文学青年でありながら、論文に挫折し、一時はタクシードライバーに成り下がってしまった甥のトム。
誰とも疎遠になっていた2人は偶然にもブルックリンの古書店で奇跡の再会を果たした。
そこにバイで詐欺師でトムの雇主にして古書店の店主であるハリーを合わせた3人の小さな共同体生活が始まるのであった。

前半は結婚生活、家庭問題、死別や挫折など3人の悲劇的な独白で占められているものの、それぞれどこか前を向いた所があり、
ポール・オースターのウィットに富んだ文のおかげで、テンポよく興味を刺激されながら読み進めることが出来ました。

特に中盤以降、ルーシーが登場してからは暇さえ有れば読みふけるほどハマり込みました。
この笑顔がステキで頭のいい少女がなぜ、あえて喋ろうとしないのか。彼らの元に突然現れたのか。
解き明かされていくと同時に、変化していくネイサン達の心情に思わず感情移入してしまいました。

悲劇を抱えた(抱えることになる)人物の多い物語ですが、それでも読み終わった後には喜劇と思えたり、どこかしら光がさしている。
読んだあと温かくなれた作品でした。
ブルックリン・フォリーズ Amazon書評・レビュー: ブルックリン・フォリーズより
4105217151
No.6
(4pt)

舌なめずりして楽しみながら書いている!

朝日新聞の朝刊で、もはや何の噺だったのかも分からず意味不明の学校ネタと自動車ネタを小林秀雄の晩年の講演会の如く垂れ流している奥田英朗、伊坂幸太郎。そして吹けば飛ぶよなこんにゃく文体で下らないヨタ噺を書き飛ばして原稿料を略取している重松清に失望落胆かつあきれ果てたら、この1冊を手にとってみよう。

オースターは毎年1冊のペースで力作を出し続けているようだが、これは2005年の作品でニューヨークのブルックリン界隈に棲息する市井の人々のいかにもありそうで、しかし絶対にない話を抜群のストーリーテリング術を駆使、するのみならず、舌なめずりして楽しみながら書いている! から空恐ろしい。

「私は静かに死ねる場所を探していた」

という出だしからして読む者をじゅうぶんに惹きつけるが、続く数ページでもはや読者は完璧に著者が繰り出すものがたりの蜘蛛の糸の虜になってしまうに違いない。

んなわけであるからしてあらすじ等については触れないが、晩年のカフカが公園で出会った人形を無くして悲しんでいる少女のために、なんと3週間続けて渾身の力を振るって人形からの手紙を書き続けた、という感動的な逸話ははたして本当なのかしらん。

そんな手紙は少なくとも私が読んだ2種類の全集には収められてはいなかったが、これもオースターの「天才的な」作り話だったりして。
ともあれ小説家のプロの仕事の最良の見本が、ここにある。
ブルックリン・フォリーズ (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ブルックリン・フォリーズ (新潮文庫)より
410245117X
No.5
(4pt)

舌なめずりして楽しみながら書いている!

朝日新聞の朝刊で、もはや何の噺だったのかも分からず意味不明の学校ネタと自動車ネタを小林秀雄の晩年の講演会の如く垂れ流している奥田英朗、伊坂幸太郎。そして吹けば飛ぶよなこんにゃく文体で下らないヨタ噺を書き飛ばして原稿料を略取している重松清に失望落胆かつあきれ果てたら、この1冊を手にとってみよう。

オースターは毎年1冊のペースで力作を出し続けているようだが、これは2005年の作品でニューヨークのブルックリン界隈に棲息する市井の人々のいかにもありそうで、しかし絶対にない話を抜群のストーリーテリング術を駆使、するのみならず、舌なめずりして楽しみながら書いている! から空恐ろしい。

「私は静かに死ねる場所を探していた」

という出だしからして読む者をじゅうぶんに惹きつけるが、続く数ページでもはや読者は完璧に著者が繰り出すものがたりの蜘蛛の糸の虜になってしまうに違いない。

んなわけであるからしてあらすじ等については触れないが、晩年のカフカが公園で出会った人形を無くして悲しんでいる少女のために、なんと3週間続けて渾身の力を振るって人形からの手紙を書き続けた、という感動的な逸話ははたして本当なのかしらん。

そんな手紙は少なくとも私が読んだ2種類の全集には収められてはいなかったが、これもオースターの「天才的な」作り話だったりして。
ともあれ小説家のプロの仕事の最良の見本が、ここにある。
ブルックリン・フォリーズ Amazon書評・レビュー: ブルックリン・フォリーズより
4105217151
No.4
(5pt)

待望の翻訳

9.11以降、右傾化するアメリカの中にあって、一時期は「ニューヨーク市独立論」さえ真剣に考える論評を書くに至ったオースターが、他の作品とは一味違う、まっすぐなアンチブッシュを打ち出した愛と決意の物語。ある場所のある時間の中にしか書けなかった唯一無二の物語にあふれる人間賛歌には、あの歴史的瞬間に向かっているNYの、真に人間らしい「そこに生きる人々」のレクイエムの気持ちが込められている。フランスっぽいオースターやマンハッタンっぽいオースター、アナザー・ワールドっぽいオースターがあるとすれば、これは下町オースター。こういうオースターにはめったに出会えないからこそ、何年も待っていた待望の翻訳に拍手です。
ブルックリン・フォリーズ (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ブルックリン・フォリーズ (新潮文庫)より
410245117X
No.3
(5pt)

待望の翻訳

9.11以降、右傾化するアメリカの中にあって、一時期は「ニューヨーク市独立論」さえ真剣に考える論評を書くに至ったオースターが、他の作品とは一味違う、まっすぐなアンチブッシュを打ち出した愛と決意の物語。ある場所のある時間の中にしか書けなかった唯一無二の物語にあふれる人間賛歌には、あの歴史的瞬間に向かっているNYの、真に人間らしい「そこに生きる人々」のレクイエムの気持ちが込められている。フランスっぽいオースターやマンハッタンっぽいオースター、アナザー・ワールドっぽいオースターがあるとすれば、これは下町オースター。こういうオースターにはめったに出会えないからこそ、何年も待っていた待望の翻訳に拍手です。
ブルックリン・フォリーズ Amazon書評・レビュー: ブルックリン・フォリーズより
4105217151
No.2
(5pt)

Xとは現在地 "the spot"

妻と娘に見放された60歳の男、辣腕の元保険外交員。大学院を中退した甥30歳、優秀な元アメリカ文学研究者。詐欺師の友人66歳、元画廊のオーナーにして現在は古書店主。彼らブルックリンの愚者たちーfollies。元(ex)彼らが近未来に求めるのは「Hotel Existence」。それは内面の隠れ家あるいは絵空事の避難所。ではそのサンクチュアリはいったいどこにあるの? 彼らは懸命に探す。どうやら、そのX(ex)は足元の現在地"the spot"にあるようだ。「ポスト過去?」、「いまってことですよ。それと、これから。とにかくあのころのことはうだうだ考えない」。9.11。その直前の物語。私(元保険外交員)は幸福だった。わが友人たちよ、かつてこの世に生きた誰にも劣らず、私は幸福だった。「本の力をあなどってはならない」(P.オースター)。
ブルックリン・フォリーズ (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ブルックリン・フォリーズ (新潮文庫)より
410245117X
No.1
(5pt)

Xとは現在地 "the spot"

妻と娘に見放された60歳の男、辣腕の元保険外交員。大学院を中退した甥30歳、優秀な元アメリカ文学研究者。詐欺師の友人66歳、元画廊のオーナーにして現在は古書店主。彼らブルックリンの愚者たちーfollies。元(ex)彼らが近未来に求めるのは「Hotel Existence」。それは内面の隠れ家あるいは絵空事の避難所。ではそのサンクチュアリはいったいどこにあるの? 彼らは懸命に探す。どうやら、そのX(ex)は足元の現在地"the spot"にあるようだ。「ポスト過去?」、「いまってことですよ。それと、これから。とにかくあのころのことはうだうだ考えない」。9.11。その直前の物語。私(元保険外交員)は幸福だった。わが友人たちよ、かつてこの世に生きた誰にも劣らず、私は幸福だった。「本の力をあなどってはならない」(P.オースター)。

ブルックリン・フォリーズ Amazon書評・レビュー: ブルックリン・フォリーズより
4105217151