■スポンサードリンク
人民は弱し 官吏は強し
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
人民は弱し 官吏は強しの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.49pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
星薬科大学の創立者、星一(ほしはじめ)を主人公とする小説である。 当時の政権や官僚に様々な妨害をされる様子が述べられる。強引ないじめである。 ただ、息子の星新一が書いているせいもあるのだろうが、善(主人公側)と悪(敵対勢力)がはっきりしすぎており、登場人物に人間的魅力・深みが感じられない。山崎豊子なら、主人公の人間的欠陥も含めて書き上げて、もっと深みのある小説になったかもね。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この本だけを読めば、官僚は正義の主人公の前に立ち塞がる悪役のように見えてしまうかもしれない。 しかし、それは一面的であり、ある種のプロパガンダだと言える。 一時期流行った「桃太郎は本当に正義なのか?」という話に似ている。テキストをそのまま事実して扱う事ができる桃太郎でさえそうなのに、当事者の孫という感情に支配されやすく、信頼性にかける人間の根拠を持たない叙述では、その内容にさえ懐疑の目を向けざるを得ない。 しかし、ここで主人公の史実の人生を検証するわけにはいかないから、本の内容を全面的に信用するとしよう。 その上で言えるのが、公益を重んじる官僚と、私益を重んじる主人公の対比である。 勘違いしてはいけないのは、官僚は実業家ではないのだ。官僚が徴収した金は(基本的には)、国民に還元される。 一方で、主人公が徴収を間逃れた金は、どこにいくのか。主人公のポケットの中に収められるのだ。 そこまでは「自由主義」に基づいて許そう。しかし、主人公が死んだ後、その金はどこにいくのか。子々孫々へと相続されていく。 その傾向が続けば、今度は逆に大金は持たないがアイデアはある、まさに主人公のような人間が成功できない膠着した社会が完成してしまう。 本書を通じて、理想の国として無批判に紹介されるアメリカも、現実には既にそんな停滞した国と化している。アメリカンドリームは、「困難は乗り越えるためにあるのだ」という精神論だけでは乗り越る事ができないくらいに消え去ってしまっている。 本書は一つの芸術として見るべきである。 懐疑精神を持って理性で主人公とか会話すれば、おそらくいくらでも論破できる脆弱な発言や矛盾した姿勢が多い。 しかし、そういった行為を求めず、単なる憧憬の対象として認める人間が多いから、本書は高い評価を得られているだけだ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
子供の頃から大好きだった星新一さん。そのお父様の伝記風小説です。理想に燃える実業家の生き様を見せ付けられます。政敵、官僚にさんざん苛められ抜き、子供の星新一さんとしては怒りに震えるはずなのに、冷静さを失うことなく描いているように思います。悲惨な話であるはずなのに、読後サワヤカなのです。まるで、星新一さんのSFショートショートのようです。怒り、絶望などのガツガツした心情を描くのは本々苦手なのかな?と思いました。あるいは、星一という人の生き様があまりにも気持ち良いので、サワヤカなのかもしれません。ライバル、三原作太郎の会社は何となく分かります。今でもCMでやってます。この本だけを読むと完全な悪者のようですが、果たしてどうなのか? それを考えてみるのも面白いかもしれません。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!