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人民は弱し 官吏は強し
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人民は弱し 官吏は強しの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.49pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全55件 1~20 1/3ページ
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星新一はどうしてもショートショートのイメージが強いですが、大変面白かったです。 今も続く、人民は弱しという現状、日本人に強く響く。響いてほしい。 | ||||
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救いのないストーリーの中で、星一が地方の商売人や農民、女性を相手に「株式会社とはなにか」「国民が国政に注意を向けることで、自分が払った税金がより良い使われ方をして、自分に返ってくる」という講義をして、昔ながらの生活をしている人々は最初は何を聞かされているんだという感じだが、帰ることにはすっかり眠りから覚醒したように、早く帰ってみんなにこの話をしなければ!自分も日本よくする役に立つことができる!と奮い立つエピソードに希望を感じた。 官僚たちにとって、星一は自らの後ろめたさを映し出すムカつくほど曇りのない鏡だったのだろう。 巨大なシステムにシステムで対抗しても潰される。 広い世界に開かれた目は二度と閉じることはなく、どんな邪魔が入ろうとも波紋は広がっていく。 | ||||
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本のカバーもついていて、とても好印象です。お取引きありがとうございました。 | ||||
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SF作家の星新一の親父が社長だった星製薬は、満州に麻薬を卸していた。星は『人民は弱し官吏は強し』で必死になって否定しているが、星の親父は終戦の数日前に満州に飛んで満州国の夜の帝王・大杉栄殺しの甘粕正彦に会っている。 製薬会社の社長がなぜそんな時にそんな場所でそんな人物にと思うが、麻薬取引の証拠隠滅だろう。 佐野眞一『阿片王 満州の夜と霧』にも少し書かれているので、興味のある人は読んでみるとよい。 人道に反することに手を染めた父を、SFの手法?で悲劇の人物に仕立て上げたいかがわしい本だ。 | ||||
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いわき市出身で、戦前に一代で星製薬という大きな製薬会社をつくりあげた星一(はじめ)の伝記。著者はその子息であり、著名なSF作家の星新一。 もともと起業家の素養があった星が、アメリカで得た文明の考え方を取り入れつつ、新しい製薬や販売方法などを確立し、新進の製薬会社を築き上げる。 星製薬は目覚ましい成長を遂げるが、実直で清廉潔白なやり方が災いし、役人から恨みや反感を買うことになる。 政争があったとはいえ、内務省に嫌われ、阿片を出汁にした国家規模の嫌がらせを受け、最後は禿鷹の民間に始末された。 ここには、この十年ほどの日本に起きた、モリカケや利権人事、知事失脚、国益売却とまったく同じ構図が見える。官僚、連動する検察、それになびく報道、裁判官、横取りする競合企業など、すでに戦前から日本の悪習は存在した。この星製薬のでっちあげ事件には官憲の圧力で死んだ人が少なくとも2人いた。 執筆時、星新一氏の心境いかばかりだったか。 一面ではあるにせよ、日本の官僚と企業の関係を知るには最適な一冊。 | ||||
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拝読。素晴らしい作品であるということを前提に2点に於いて考えさせられる。1点目はどの時代においても正しく真っ直ぐな力は魅力的であり最終的には人民にとっても国にとっても有益となる結末に導かれようとも、それを面白いと思わぬ何かが政治的な力を振るうと正義だけでは守りきれない世であるということ。2点目は法の解釈はどのようにでも受け取られ、それが良くも悪くも力の強いもの、行使出来るものの手によって捻じ曲げられる可能性があるという点である。物語としては信念を曲げず正しい方向に進んで欲しい、成功して欲しいということになるが、そこに大きな利権が発生する、それを妬み我がものにしたいという人間に狙われてしまうと、正義だけでは到底守りきれなくなってしまう。そのことを踏まえ、事業を盤石なものにするためには政治との結びつきは不可避であるようにも感じる。政治との結びつきありきで表の世界も裏の世界もうまくやらねば発展しないとは考えたくないものの、根回しというのは時代背景とは別に普遍のものであり文明が起こったときから存在する。悪い意味では政治的であるが、いい意味ででは円滑に物事を運ぶ上での重要なテクニックであるとも言える。これらのことから実直でフェアな考えを持ち事業に対して注力する主人公に対し応援したいという気持ちも強いが、ある程度関連のある組織や重要人物に対しアンテナを張り不穏な動きに対しては柔軟な対応も併せ持つという側面も必要であったのではないかと考えさせられる。 | ||||
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今でも同じです。 | ||||
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いまの、日本国の危機的状況。 いつの世も変わらない。為政者、権力者は、民が知識を得ることを、嫌う。 なぜ? | ||||
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大政奉還時、政治に武士道を残さねばならぬ、と見抜いていた公武合体派は本当に偉大だった。しかし、戊辰戦争から西南戦争まで、利権と名誉、金に執着した派閥による粛清に次ぐ粛清、弾圧、虐殺が行われ、血生臭い中で明治政府はよちよち歩きを始めた。陰謀術に長けた西洋国家にとっては、生まれたての赤子の様に可愛い存在だった筈だ。 星製薬の阿片事件は、2回の世界大戦の背後にある最新技術利権、医療利権に大きな関係がある。2回のハーグ会議の時期と、日本に政治家、官僚組織、警察、検察が一体となって自国企業をイジメ抜き、身包み剥ぎに夢中になって行く時期がぴたりと重なる。優良な日本企業を潰す事によって、最終的には一体誰が1番利益を得るのか。欧州大戦で棚ぼた式に戦勝国入りを果たした日本には、当時既に自分達が(国際利権家や武器、医療利権家によって)、対米戦争に向かわされているなど、当時は全く微塵も気が付かなかった事であろう。 | ||||
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憲法が変わったはずの戦後も天皇制官僚機構からは、本当には脱皮できていません。国民主権官僚機構に変わっただけで、官僚による支配は変わりませんでした。星さんのこの本は、全ての国民への戒め、教訓です。星さん、素晴らしい本を残してくださってありがとう。 | ||||
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直ぐに商品が届きました。すごく喜んでいます。 | ||||
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勉強になりました。 確かに政府は今も昔もピントがずれていますが、 これはもう公務員制度が大きく変わらない限り難しいと思います。 僕はもう諦めています。一応、行政に言うだけのことは言いますけどね。 | ||||
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自分のことだけでなく世界を見据えていたと思った。 | ||||
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当時の政財界の腐敗の有り様がよくわかる素晴らしい作品。 作者の親が当事者であるだけにリアリティがあり、思いが胸に応えてくる。 作本も丁寧で昔の文庫は本として素晴らしい。新潮文庫見直した。 | ||||
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この主人公となった星一のモットーが親切第一。 他人に対してだけでなく、自分や仕事、時間、お金のあらゆるものを思いやることが必要と言ってた方のようです。 製薬会社の社是のようなものには、営利を目指すが社会貢献との並立の可能性を示すんだなんてこともあったようです。すべてが正論なんですが、今もある名だたる製薬メーカーと政府・官僚により、都合や感情につぶされていく。今もまだ、それに近いことがあるように思います。やりきれないお話ですが、こんな正論が堂々と通じていく世の中になっていってほしいです。 皆さんぜひ読んでみて下さい。星新一の大好きな作品の一つです。 | ||||
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星薬科大学の創立者、星一(ほしはじめ)を主人公とする小説である。 当時の政権や官僚に様々な妨害をされる様子が述べられる。強引ないじめである。 ただ、息子の星新一が書いているせいもあるのだろうが、善(主人公側)と悪(敵対勢力)がはっきりしすぎており、登場人物に人間的魅力・深みが感じられない。山崎豊子なら、主人公の人間的欠陥も含めて書き上げて、もっと深みのある小説になったかもね。 | ||||
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身内の作品って事もあるが事実の方が多いなら 日本の歴史も一部変わっていたんだろうな。 | ||||
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高校の頃、同級生が「星新一のノンフィクションはつまらない」と言って いましたが、数十年経ってその言葉を信じて損をした気がします。 調べると、星新一さんは結婚が遅かった星一の五十過ぎの子どもで、そのため 星一の生きた時代は、もうひと世代上に当たり、星新一さんの「明治の人物誌」 でその時代の人脈を知ることができます。 コロンビア大学に苦学し、日本では製薬会社を立ち上げ、アルカロイドに着目 してモルヒネの精製に成功し、会社を大きくしながらも、英米流の公共の役割も 果たそうと奮迅しますが、この態度を快く思わない内務省の役人からの嫌がらせ を正論で押しのけます。 恩義のある後藤新平伯に対しては、伯が気にしていた大戦後疲弊したドイツに 奨学金を寄付する形で報い、たしかノーベル賞学者も輩出したと聞きます。 それが一気に暗転するのは、当時の政党政治の醜い面が噴出する形で、憲政会が 勝利すると後藤や近い人脈に対する見境のない攻撃が始まり、内務省の役人の 一部が台湾総督府を席捲して星に嫌がらせを仕掛け、最後は内務省をあげて 新聞社も巻き込んで製薬会社の商売を停滞させる挙に出て、結果として様々な 有為な先進的事業も画餅に帰すことになりますが、この政党政治とメディアの 醜態はいずれ軍部の独走を許すことにもなり、日本の破滅に繋がります。 そんな中で、解説で後藤の孫にあたる鶴見俊輔さんが書いているように 「その信念とともに、口笛ふいて生涯をわたった」さわやかさが 哀しくも心地好い印象として残ります。 | ||||
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非常に読むのはつらい作品。現代にも通じる日本の問題かもしれませんが。 | ||||
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最近聞いた話。ある製薬会社が割と画期的な新薬を開発・発売した。その薬は専門性が高い医師や医療機関よりはより一般的な場で処方されることでその「画期的」な意義を発揮しやすい。ところが発売の直前になって厚労省が「専門性が特別高い条件」を満たさなければ処方できないように決めてしまった。厚労省の意図はともかくとして、やったことは実質的に企業に対する妨害であり、この話をきっかけに35年目に読んだ本書を思い出した。SF・ショートショートの大家星新一氏に実父で星製薬の創業者であった星一の伝記のような小説だ。 本書の中身が厚労省の源流である内務省が星製薬を苛め抜く話であることは覚えていたのだけれど、そのいじめの内容の詳細までは覚えていなかった。ざっくりとまとめれば主人公が内務省衛生局の「不合理」をついた後で、同局からの意趣返しをはねのけて、さらにその面子を潰してしまい、主人公と親交があった後藤新平の政敵が政権をとったところで、警察・検察による「因縁」「嫌がらせ」により主人公が多大な損害を受ける。この辺の法律や制度、その他の中身について35年前の子供時分にはよく理解できなかったのが、いくらか馬齢を重ねて多少は理解できるようになった。「国策捜査」「不当起訴」によって主人公が受けた損害は社会の忖度と自主規制を動因として生じている。それにしても本書の話がさらに最相葉月の本と星新一の本で読んだ潰れかけた製薬会社をいきなり継いで社長室で途方にくれる場面につながるのかと思うと感慨深い。 本書にあった主人公が友人だった野口英世と一緒にエジソンに会いに行くエピソードは全く覚えていなかったけれど、今になると感慨深い。これだけ官憲に徹底的にいじめ抜かれたとしても、自分に恥じることなく生きていられればとりあえずどうにかなるんだな、ということを考えた。35年前は単行本で読んだのだが、文庫本では後藤新平の孫でもある鶴見俊輔があとがきを書いていてそれも感慨深い。鶴見俊輔も戦前の日本から弾かれて米国に行った人だったね。 | ||||
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