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人民は弱し 官吏は強し
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人民は弱し 官吏は強しの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.49pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全55件 41~55 3/3ページ
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本宮ひろ志の「猛き黄金の国」の三菱・岩崎弥太郎氏とは別のニュアンスで官と戦った星一氏の伝記(伝記小説?)です。 官の横暴は誰もが読み取れますが、マスコミ(新聞)のスタンスに注目すると面白いんじゃないでしょうか。 従業員一同がお金を出し合って意見広告を出しても、その後すぐに官発表の記事を掲載してしまう箇所がありました。 以前誰かが 「警察権力の最大のものは、捜査権でも逮捕権でもない、事件性の有無の判断だ」 と言っていました。 俗に第四の権力と言われているマスコミの権力は、報道性の有無の決定権でしょう。現場ではなくデスクが握っているのかな?もしそうなら旧日本陸軍の悪弊そっくりだ。 この当時の新聞が官と癒着していたのかどうかは調べてみないとわかりませんが、新聞が星製薬叩きに乗った理由が知りたいです。 | ||||
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この話を読んだのは、まだ10代の頃だった。星新一の本はほとんど読破しているが、この作品を読んだときの感動は今も忘れない。とても印象的な小説だった。ちなみに、星新一の長編小説の中で、私的には1・2を争う名作であると思う。 彼の父の生涯を綴った物語だが、事実関係を追いかけるだけになりがちのこの手の作品で、十分にドラマチックな、読み応えのある小説として仕上げられている。だから、決して読者を飽きさせない。のみならず、当時の世相や時代背景をわかりやすく、リアルに表現し、あたかも自分がその時代に生きているかの如く浮かび上がらせてくれている。さすがに星新一である。 なかでも、星一と野口英夫との交流は、同じように身体に障害を持った人間同士の深い心のつながりを感じさせ感動的だし、星が己の才覚と人脈を駆使して、一代で星製薬会社をたちあげ、日本で初めてのモルヒネ精製を実現していく前半から、軍を敵に回し、官僚の圧力に追いつめられていく後半、そして、最後に彼が漏らす言葉までの流れは、読む者の心をわしづかみせずにはおれないだろう。 但し、ここに書かれている星一像はあくまで彼の一面である。 実は、個人的に星一の消息を、別の関係から耳にするチャンスを得たことがあるのだが、そこで語られた彼の姿は、この物語とはだいぶ違っていた。ちょうど、偉人として語られることの多かった野口英夫が、実は、それとは正反対の私生活を持っていたという話とよく似ていて、二人が仲が良かったという本書の記述に、私の中では、逆にリアリティーを持たせてしまっている。 だからこの作品は、ショートショートを確立した、日本を代表する小説家星新一という人物が、愛する父への思いを結実させた物語として読んだ方がいいだろう。そう言う視点で素直に読む方がより感動できると思う。 史実はともあれ、それでもこの小説は、一読の価値がある名作である。 | ||||
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素晴らしい本です。感じるところが多すぎますので簡単に箇条書きで。 ・星一という人物の自らの考える正義をどんな迫害にあっても貫く異常なまでの意志の強さ ・官僚、というよりも人間の嫉妬心の凄まじさ ・「正しい=報われる」ではなく「報われる=正しい」でもない世の中の摂理 ・今更ながら「官」の力の強さ どんな理不尽な逆境にも決してくじけなかった星一が最後の最後にタイトルの言葉を漏らすシーンは今まで読んだどんな本よりも感動するシーンです。 | ||||
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星新一による、父星一の企業家として切磋琢磨、奔走する人生の中盤編を書いた実録記と言う所でしょうか。 明治大正頃、当時日本では規制等で事実上扱えず他の企業が手を出せ無かったアルカロイド事業を必死に知恵を絞る事で開拓し大成功を収め、東洋一の製薬会社と呼ばれるまで登り詰めて行くが、 やがて官僚や関連企業の慢心や嫉妬等により目の敵にされ、総叩きと言える程の孤立無援の状況に追い込まれて行くー 時代は一世紀近く前の話ですが、通信技術や輸送等格段に進歩した現代にも依然通じる社会の根本的本質が星一氏の企業家人生に立ち塞がる無数の困難の出来事によって浮かび上がる形で描かれており、考えさせられる事の多い読み応えの有る作品です。 個人的には選挙時の敗退をのちの出来事に至って悔やむ辺りが考えさせられました。 作品内に登場する数他の関連した人物や企業も調べて一読してみたくなる興味を惹く者が多く、そういう意味でも読み応えが有りました。 | ||||
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作者はショートショートで有名です。 中長編は珍しいのでは。 タイトルに関して。 つい最近出たような新書よりはるかにセンセーショナルなタイトルだと思います。 この世の核心を突いているし、味わい深い一言でもあります。 作者の持ち味であるリズム感を出しつつ、一気に読ませるタイプの作品かと思います。 自分の父親を「こう」書けるというのはやっぱりすごいです。 よい作品です。 | ||||
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官僚、経済人いずれも必読すべき本の一つ。淡々と書かれる一企業家の人生を、官僚との衝突として描写。官僚国家日本の悪しき一面が描かれている。本書で描かれた構図は、現在も生き続けているようである。「強し」といわれる官僚も、それに対抗する企業人も、日本という「国」が豊かになるような政策と経営を心掛けるために、本書を参考書とされたい。 | ||||
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星新一のお父さん星一が苦学して米国の大学を卒業し日本で星製薬を興す。主な商品は植物アルカロイドを有効成分としたもの。現在の日本では禁制品のモルヒネ、コカインもあります。勤勉さに革新的、開放的、楽天的な性格もあって大成功です。 しかし、内務省(今は、総務省、警察庁、厚生労働省等になっています)の官僚や憲政党系の政治家に迎合しなかったために執拗、悪辣、残酷な仕打ちを受けます。権力間のチェックが利かない戦前(今も?)のことでJ.Eアクトンの言葉「権力は腐敗する。絶対的権力は絶対に腐敗する。」を思い浮かべます。鶴見俊輔さんの解説で内容が事実であることが分かります。 登校人物の相関関係や星一と星亨が無関係であることも分かりました。 情報開示、内部通報制度、オンブズマン、良心的かつフェアなメディア、ネットなどが必要だと改めて思います。 | ||||
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私は星新一が大好きです。 彼のショートショートを多く読んだ後の一冊だったため、 非常に印象に残っています。 タイトルを眺めた初めの印象と、 読み終わった後の印象では重さが違います。 不条理だと思われる仕打ちは、 程度の差はあれ現在も行われています。 善いか悪いかではなく、 この本は生きた証になったと思います。 父にとってもです。 星新一のファンで、まだ違う一面をみてない方にオススメしたいです。 | ||||
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言うまでも無く星新一はショートショートの第一人者だが、本書はそれらとは趣を変えた、星の父親を描いた一代記。 彼の父が明治大正期に製薬会社をやっていて、事業に失敗して現在その存在の無いことまでは知っていたが、この「人民は弱し、官吏は強し(昭和42年)」を読んで、実に陰惨な官憲からの圧力によって窮地に追い込まれたことを知り、衝撃を覚えた。 明治から大正昭和に移り変わり、日本は徐々に国際社会から隔絶され、国内の情勢も乱れてゆく。その時期に星の父・星一は国家権力に翻弄され大敗北した。 当時、星製薬は大企業として日本の経済、産業発展の先頭を切っていた。それが官憲になびかないという理由だけでつぶされたのである。いつの世も正論と正義感を持って行動する者にはやっかみと妨害が付きまとうものなのかと・・・複雑な思いで読み終えた。 本書にも登場する星と関係の深かった政治家、後藤新平の事も合わせて知るとより味わい深く読めるかもしれない。 おすすめは、郷仙太郎「小説 後藤新平」(人物文庫 学陽書房)。 | ||||
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子供の頃から大好きだった星新一さん。そのお父様の伝記風小説です。理想に燃える実業家の生き様を見せ付けられます。政敵、官僚にさんざん苛められ抜き、子供の星新一さんとしては怒りに震えるはずなのに、冷静さを失うことなく描いているように思います。悲惨な話であるはずなのに、読後サワヤカなのです。まるで、星新一さんのSFショートショートのようです。怒り、絶望などのガツガツした心情を描くのは本々苦手なのかな?と思いました。あるいは、星一という人の生き様があまりにも気持ち良いので、サワヤカなのかもしれません。ライバル、三原作太郎の会社は何となく分かります。今でもCMでやってます。この本だけを読むと完全な悪者のようですが、果たしてどうなのか? それを考えてみるのも面白いかもしれません。 | ||||
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大学でたまたまこの本を手に取って、無意識に読み始めたのですが、とにかく感動しました。内容的にも読み応えのある面白い本ですが、何より、主人公で著者の父である星一の言葉ひとつひとつが、すごく心に響きます。生まれて初めて、言葉というものが身に染わたっていくのをこの本で初めて感ました。ちなみに、彼の交友関係も面白く、また彼ら(例えばエジソンや野口英世)の言葉も、彼の言葉同様、とても深いものです。 歴史好きには、学校で習わない歴史を垣間見る事が出来て面白く、また経営学に興味のある人には、経営していく勇気を与えてくれる本です。 | ||||
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日本のシステムに対して、疑問を持たせてくれた初めての本。 自分の父親を描くにしては、ずいぶん冷静な筆致なのはすごい。 けれど、静かな語り口の後ろには、並々ならぬ、怒りを感じる。 | ||||
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ショート・ショートでは無い 一味違ったこの手の星新一さんの書き物が 大好です。もちろんショート・ショートも! おススメです。 | ||||
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著者、星新一の父親星一(ほし・はじめ)が、事業(製薬会社)のライバ ルと役人が結託して行うさまざまな妨害活動にもめげず、明るさを失わ ず強く生き続けるさまを描いた伝記。最初に読んだときはあまりにかわ いそうすぎて泣けました。 まず、星一の若い頃をえがいた明治・父・アメリカを先に読んでおく 事をおすすめします。 | ||||
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作家、星新一の父、星一が苦心して創業した製薬会社(星製薬)の輝かしい成功に対し、心無い官僚と彼らに癒着した商売敵たちが行う執拗な妨害。 常に正義を信じ戦いつづける星一を愛情深く描ききった伝記的作品。 | ||||
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