さよなら渓谷

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評判

さよなら渓谷の評価:

3.58/5点 レビュー 88件。 C ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点3.58pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全104件 41〜60 3/6ページ
No.64
(4pt)

どちらかというと。

映画を見る前にこの原作を読んだ方がいいかな。
文章自体はそれほど難しくもなく、ストーリーもわかりやすいと思います。
さよなら渓谷 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: さよなら渓谷 (新潮文庫)より
4101287546
No.63
(4pt)

どちらかというと。

映画を見る前にこの原作を読んだ方がいいかな。
文章自体はそれほど難しくもなく、ストーリーもわかりやすいと思います。
さよなら渓谷 Amazon書評・レビュー: さよなら渓谷より
4104628042
No.62
(4pt)

ハッピーエンド

面白い、最初から最後まで一気に行ける。
でも推理ものにあるような、ページを進むほど真実に近づいているといった感覚ではない。
どこか、悲痛な感じで物語を見ていた。

ラストシーン、状況から考えると、主人公は彼女から許された。と言えると想像するが、
それにしても、もう少し二人にとって平穏な結末は描けなかったのかと、思う。
さよなら渓谷 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: さよなら渓谷 (新潮文庫)より
4101287546
No.61
(4pt)

ハッピーエンド

面白い、最初から最後まで一気に行ける。
でも推理ものにあるような、ページを進むほど真実に近づいているといった感覚ではない。
どこか、悲痛な感じで物語を見ていた。

ラストシーン、状況から考えると、主人公は彼女から許された。と言えると想像するが、
それにしても、もう少し二人にとって平穏な結末は描けなかったのかと、思う。
さよなら渓谷 Amazon書評・レビュー: さよなら渓谷より
4104628042
No.60
(4pt)

「男って、ほんとに嫉妬深いっていうか、狷介っていうか」…男性世界からの内部告発

映画みて消化不良で、原作に手を伸ばした。

「男って、ほんとに嫉妬深いっていうか、狷介っていうか」作中の小林の、この言葉に集約されていると思う。
本作は、男・吉田修一による、男の小ささの内部告発である。

極端に装飾的・叙情的描写を抑え、
暑さに何もかも裸にされたような味気ない情景の中で、とにかく渡辺、俊介から汗が流れ、
生きているだけでからがらの、虜囚の情けなさ息苦しさが
重苦しい通奏低音のように描かれ続ける。

(その中を吹き抜ける涼しい渓谷は、
一歩踏み出せば楽になれる別の世界(死)の象徴なのだろうか。)

映画で描かれたら良かったのに、と思ったピースは、渡辺の原風景だ。
母が屈強な男達に侮辱され、あわや、という風景を見て渡辺少年は、
男達に飛びかかるでもなく、助けを呼びに行くでもない。

そしてその場に居尽くした彼が感じ、噛み締めた感情は、
大切な者を踏みにじられた憤りでもなく、哀れな母への同情でもなく、
「弱者の側になりたくない」という切迫し硬直した浅ましいプライドだ。
それが罪悪感も批難もなく、彼の青春の原動力となったのだ。

また渡辺は「男の犯人だと、なんとなく何を考えているかわかる。
女だと分からず、必要以上にマイクを突っ込んでしまう、もっと謝ってほしいと思っていしまう」
とも小林女史に告白している。

俗に言う、男は男に甘い、という部分が客観化や、
女というだけで未知の恐怖を抱き、そく攻撃性に変化してしまう小ささも告発している。

ほか、マウンティングの手段のようにレイプが発生したこと。
マッチョイズムの虜囚となって、そのなかでもがいた先にあるのは、
コネでしか生きられない、男の狷介な世界、という体育会系の暗部の告発も見逃し難い。

かなこが俊介と暮らすことを選ぶ、というのがありえるかどうか、が議論になっているようだが、
それほどまでに無情に性犯罪被害者を締め出している社会を描き出すための総体的な演出というか…
そこの現実性つつき回すよりは、今も実社会で生きている性犯罪被害者に
そんな選択肢を選ばせるような姿勢を自分は社会構成員として取っていないか、
省みる材料として心に留めておいては、と感じた。
さよなら渓谷 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: さよなら渓谷 (新潮文庫)より
4101287546
No.59
(4pt)

「男って、ほんとに嫉妬深いっていうか、狷介っていうか」…男性世界からの内部告発

映画みて消化不良で、原作に手を伸ばした。

「男って、ほんとに嫉妬深いっていうか、狷介っていうか」作中の小林の、この言葉に集約されていると思う。
本作は、男・吉田修一による、男の小ささの内部告発である。

極端に装飾的・叙情的描写を抑え、
暑さに何もかも裸にされたような味気ない情景の中で、とにかく渡辺、俊介から汗が流れ、
生きているだけでからがらの、虜囚の情けなさ息苦しさが
重苦しい通奏低音のように描かれ続ける。

(その中を吹き抜ける涼しい渓谷は、
一歩踏み出せば楽になれる別の世界(死)の象徴なのだろうか。)

映画で描かれたら良かったのに、と思ったピースは、渡辺の原風景だ。
母が屈強な男達に侮辱され、あわや、という風景を見て渡辺少年は、
男達に飛びかかるでもなく、助けを呼びに行くでもない。

そしてその場に居尽くした彼が感じ、噛み締めた感情は、
大切な者を踏みにじられた憤りでもなく、哀れな母への同情でもなく、
「弱者の側になりたくない」という切迫し硬直した浅ましいプライドだ。
それが罪悪感も批難もなく、彼の青春の原動力となったのだ。

また渡辺は「男の犯人だと、なんとなく何を考えているかわかる。
女だと分からず、必要以上にマイクを突っ込んでしまう、もっと謝ってほしいと思っていしまう」
とも小林女史に告白している。

俗に言う、男は男に甘い、という部分が客観化や、
女というだけで未知の恐怖を抱き、そく攻撃性に変化してしまう小ささも告発している。

ほか、マウンティングの手段のようにレイプが発生したこと。
マッチョイズムの虜囚となって、そのなかでもがいた先にあるのは、
コネでしか生きられない、男の狷介な世界、という体育会系の暗部の告発も見逃し難い。

かなこが俊介と暮らすことを選ぶ、というのがありえるかどうか、が議論になっているようだが、
それほどまでに無情に性犯罪被害者を締め出している社会を描き出すための総体的な演出というか…
そこの現実性つつき回すよりは、今も実社会で生きている性犯罪被害者に
そんな選択肢を選ばせるような姿勢を自分は社会構成員として取っていないか、
省みる材料として心に留めておいては、と感じた。
さよなら渓谷 Amazon書評・レビュー: さよなら渓谷より
4104628042
No.58
(5pt)

苦しめる人へ。

ものすごい小説。
生きることの苦しみを突きつけられる。
だけど、それで苦しくなるわけじゃない。
むしろ、何か突き動かされるものがある。

こういう小説でこれだけ心を動かされるのは
きちんと苦しんできたからだと思った。
辛いことを経験すればするほど、
新しい出会いが味わい深くなるのだと実感した。

数少ないけれど、
恋愛をしてきてよかったと思った。
辛いこともあったけれど、
それがなければ、
この小説は記憶にも残らなかったかもしれない。
さよなら渓谷 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: さよなら渓谷 (新潮文庫)より
4101287546
No.57
(5pt)

苦しめる人へ。

ものすごい小説。
生きることの苦しみを突きつけられる。
だけど、それで苦しくなるわけじゃない。
むしろ、何か突き動かされるものがある。

こういう小説でこれだけ心を動かされるのは
きちんと苦しんできたからだと思った。
辛いことを経験すればするほど、
新しい出会いが味わい深くなるのだと実感した。

数少ないけれど、
恋愛をしてきてよかったと思った。
辛いこともあったけれど、
それがなければ、
この小説は記憶にも残らなかったかもしれない。
さよなら渓谷 Amazon書評・レビュー: さよなら渓谷より
4104628042
No.56
(5pt)

死んで楽になるのなら、決して死なせない・・・。

このレビューを見てみると否定的な見解が多いのだが、
元来小説とはフィクションで、作者は共感してほしいとかではなく、
架空の話を創作し、世に出しているだけだというドライな感覚を前提に、
今作を読んでほしいと思う。
読者がいろいろ物議をかもしあっていることだけで価値がある。

確かに、性犯罪被害者の苦しみを軽んじているようにも見えるであろう。
ここまで贖罪意識が強い加害者が果たしてこのような犯罪を犯したであろうか
という疑問を持つであろう。

しかも、この二人が・・・していることが一番ありえないと思えるだろう・・・。

しかしだ。
拙私は、幸いなことに犯罪加害者・被害者になったことのないいい年したおっさんなので、
あくまで仮定の話ではあるが、主人公の気持ちを察するにわからないでもない部分があった。

自分にとって、壮絶な過去を隠す必要のない唯一の対象は誰か?
しかも、その対象が人生をかけて贖罪をしたいとそばにいたなら・・・。
必死に前向きに生きようと努力してきたが、過去の悲劇がそれをすべて
ぶち壊してきた・・・。

人生を生きるにあたり、どうにもならないことの中で一番もどかしいことは何か?

それは、「記憶を葬ること」ではないか。

いい思い出は消え去ってほしくないのだが、消え去ってほしい記憶こそ
忘れられない。

彼女が身体を重ねるのも、その瞬間だけは忌まわしい過去を記憶の中から消すため
ではなかったか?

「幸せになりそうだったから・・・。」

切ない。やりきれない。幸せになっていいんだよ、夏美。

結末の解釈は、消し去れない記憶と共に、「強く生きていくこと」を選択
したんだろうと思いたい。

悩んだ末、他の人にこの役をやらせたくないと言って、演じきった真木よう子。
確かにアカデミー最優秀主演女優賞モノの凄味のある演技だった・・・。
さよなら渓谷 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: さよなら渓谷 (新潮文庫)より
4101287546
No.55
(5pt)

死んで楽になるのなら、決して死なせない・・・。

このレビューを見てみると否定的な見解が多いのだが、
元来小説とはフィクションで、作者は共感してほしいとかではなく、
架空の話を創作し、世に出しているだけだというドライな感覚を前提に、
今作を読んでほしいと思う。
読者がいろいろ物議をかもしあっていることだけで価値がある。

確かに、性犯罪被害者の苦しみを軽んじているようにも見えるであろう。
ここまで贖罪意識が強い加害者が果たしてこのような犯罪を犯したであろうか
という疑問を持つであろう。

しかも、この二人が・・・していることが一番ありえないと思えるだろう・・・。

しかしだ。
拙私は、幸いなことに犯罪加害者・被害者になったことのないいい年したおっさんなので、
あくまで仮定の話ではあるが、主人公の気持ちを察するにわからないでもない部分があった。

自分にとって、壮絶な過去を隠す必要のない唯一の対象は誰か?
しかも、その対象が人生をかけて贖罪をしたいとそばにいたなら・・・。
必死に前向きに生きようと努力してきたが、過去の悲劇がそれをすべて
ぶち壊してきた・・・。

人生を生きるにあたり、どうにもならないことの中で一番もどかしいことは何か?

それは、「記憶を葬ること」ではないか。

いい思い出は消え去ってほしくないのだが、消え去ってほしい記憶こそ
忘れられない。

彼女が身体を重ねるのも、その瞬間だけは忌まわしい過去を記憶の中から消すため
ではなかったか?

「幸せになりそうだったから・・・。」

切ない。やりきれない。幸せになっていいんだよ、夏美。

結末の解釈は、消し去れない記憶と共に、「強く生きていくこと」を選択
したんだろうと思いたい。

悩んだ末、他の人にこの役をやらせたくないと言って、演じきった真木よう子。
確かにアカデミー最優秀主演女優賞モノの凄味のある演技だった・・・。
さよなら渓谷 Amazon書評・レビュー: さよなら渓谷より
4104628042
No.54
(4pt)

透明感のありよう

映画「さよなら渓谷」を鑑賞したことで本書を読むきっかけとなった。

映画はかなり気に入った作品となった。題名にある「渓谷」も美しく描かれており、主人公のカナコが
渓谷を「去った」ことへのリアリティーが生まれていた。一方、原作は「暑さ」が際立っている。常に主人公は汗だくになっている印象を強く受けた。

「汗臭い」作品はいくつかある。例えば中上健次 のいくつかの作品は行間から正に汗の臭いが立ち上っていた。
においを漢字変換すると「臭い」と「匂い」が出てくるが、まさに「臭い」に当てはまる作品群であった。けもの
臭とすら言って良い。
それに比べると本作は汗まみれながらも、「匂い」という言葉が相応しい気がする。これは主人公と
カナコにある妙な透明感によるものだろう。

主人公とカナコの透明感が何から齎されているのか。

本書が設定しているシチュエーションは透明感から程遠い。但し、そのシチュエーションに対峙している
二人の「対峙の有り様」が不思議と透明なのである。ある意味では「他人事」のように状況を眺めている
かのような描き方だ。その意味で、現実感がそこにはない。いや、少なくともカナコが現実感を持つことを
恐れていた点は描かれている。

その意味ではカナコが最後に家を出て行ったところから現実感が動き出したのかもしれない。
本書はそこで終わっているので、その後の二人がどうなるのかは各自想像するしかないわけだが。
さよなら渓谷 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: さよなら渓谷 (新潮文庫)より
4101287546
No.53
(4pt)

透明感のありよう

映画「さよなら渓谷」を鑑賞したことで本書を読むきっかけとなった。

映画はかなり気に入った作品となった。題名にある「渓谷」も美しく描かれており、主人公のカナコが
渓谷を「去った」ことへのリアリティーが生まれていた。一方、原作は「暑さ」が際立っている。常に主人公は汗だくになっている印象を強く受けた。

「汗臭い」作品はいくつかある。例えば中上健次 のいくつかの作品は行間から正に汗の臭いが立ち上っていた。
においを漢字変換すると「臭い」と「匂い」が出てくるが、まさに「臭い」に当てはまる作品群であった。けもの
臭とすら言って良い。
それに比べると本作は汗まみれながらも、「匂い」という言葉が相応しい気がする。これは主人公と
カナコにある妙な透明感によるものだろう。

主人公とカナコの透明感が何から齎されているのか。

本書が設定しているシチュエーションは透明感から程遠い。但し、そのシチュエーションに対峙している
二人の「対峙の有り様」が不思議と透明なのである。ある意味では「他人事」のように状況を眺めている
かのような描き方だ。その意味で、現実感がそこにはない。いや、少なくともカナコが現実感を持つことを
恐れていた点は描かれている。

その意味ではカナコが最後に家を出て行ったところから現実感が動き出したのかもしれない。
本書はそこで終わっているので、その後の二人がどうなるのかは各自想像するしかないわけだが。
さよなら渓谷 Amazon書評・レビュー: さよなら渓谷より
4104628042
No.52
(5pt)

さよなら渓谷

映画を観てから小説を読んだのですが,やはり小説の方が内容が濃く,自分の想像で映像をイメージ出来るので,大変面白かったです。
さよなら渓谷 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: さよなら渓谷 (新潮文庫)より
4101287546
No.51
(5pt)

さよなら渓谷

映画を観てから小説を読んだのですが,やはり小説の方が内容が濃く,自分の想像で映像をイメージ出来るので,大変面白かったです。
さよなら渓谷 Amazon書評・レビュー: さよなら渓谷より
4104628042
No.50
(4pt)

いい作品

現実にはありえないと思うが、被害者と加害者がお互いそばにいることで、
世間からの差別を避けることができるならばその関係は成立するかもしれない。
最後のシーンに、事件の重い記憶からは決別できないが、
それでも未来はよりよくできるはずという希望を感じました。
さよなら渓谷 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: さよなら渓谷 (新潮文庫)より
4101287546
No.49
(4pt)

いい作品

現実にはありえないと思うが、被害者と加害者がお互いそばにいることで、
世間からの差別を避けることができるならばその関係は成立するかもしれない。
最後のシーンに、事件の重い記憶からは決別できないが、
それでも未来はよりよくできるはずという希望を感じました。
さよなら渓谷 Amazon書評・レビュー: さよなら渓谷より
4104628042
No.48
(4pt)

映画も・・

映画を観てから 読んだので つい「真木洋子さん」が浮かんでしまいます・・

大森さんの記者も良かったですね・・・

原作よりも映画のほうが 良かったように思えてしまいます・・
ただ、渓谷のところは「原作」の方が 味わい深い感じがしました。。

やはり 映画です^^^
さよなら渓谷 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: さよなら渓谷 (新潮文庫)より
4101287546
No.47
(4pt)

映画も・・

映画を観てから 読んだので つい「真木洋子さん」が浮かんでしまいます・・

大森さんの記者も良かったですね・・・

原作よりも映画のほうが 良かったように思えてしまいます・・
ただ、渓谷のところは「原作」の方が 味わい深い感じがしました。。

やはり 映画です^^^
さよなら渓谷 Amazon書評・レビュー: さよなら渓谷より
4104628042
No.46
(4pt)

どちらの“性”を選びますか

「人の心に潜む“業”を描ききる」と帯に書いてある。
「悪人」「パレード」と並んで評価されているが、犯罪を一般化しようという作者の意識が強かったのか、いくらなんでも突飛な結末だからなのか、ちょっと説教臭くて、2作品のより観念的だと感じる。
でも、私はひさしぶりに読んで、これは事実に基づいた話なのではなかろうかと思ってしまった。
犯罪は大きく2つおこり、幼児殺害と、集団レイプだ。
集団レイプに見られる“業”とは、男性の暴力、という意味だけでなく、女性の弱さ、ひいては、弱い者と強い者、という人の無意識・意識から、人がどうあろうとするか、であると感じられた。いろんな角度からスポットライトを当てて検証している。被害に合われた方は本著を読んでとても嫌な思いをしたかもしれないが、被害者という点で、レイプを捉えて描きたい意志に依って描かれてない。女は男にかしずかれて(?)、組み敷かれて生きるしかないのか、男は女を支配することが、強さなのか、と、問うてるのだと感じた。
幼児殺害は、いらないのではないか、とレビューされてるかたもいたが、母親による幼児殺害、に作者は、女性の“性”に閉じ込められた役割の窮屈さというか、そんな問題提起をしているのだとも読める。母親にならなければならない“性”(せい)と、強者にならなければならない“性”、それを各自自分の中で位置づけないと生きていけない“性”への深層的な強迫観念。
性同一性障害への理解は、障害として、差別問題として理解が図られる方向にあるけど、あまりにも野生や本能とかけ離れた人間が、“性別”に縛られてることへの、違和感の投げかけなんかなあとかあらためて思った。
さよなら渓谷 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: さよなら渓谷 (新潮文庫)より
4101287546
No.45
(4pt)

どちらの“性”を選びますか

「人の心に潜む“業”を描ききる」と帯に書いてある。
「悪人」「パレード」と並んで評価されているが、犯罪を一般化しようという作者の意識が強かったのか、いくらなんでも突飛な結末だからなのか、ちょっと説教臭くて、2作品のより観念的だと感じる。
でも、私はひさしぶりに読んで、これは事実に基づいた話なのではなかろうかと思ってしまった。
犯罪は大きく2つおこり、幼児殺害と、集団レイプだ。
集団レイプに見られる“業”とは、男性の暴力、という意味だけでなく、女性の弱さ、ひいては、弱い者と強い者、という人の無意識・意識から、人がどうあろうとするか、であると感じられた。いろんな角度からスポットライトを当てて検証している。被害に合われた方は本著を読んでとても嫌な思いをしたかもしれないが、被害者という点で、レイプを捉えて描きたい意志に依って描かれてない。女は男にかしずかれて(?)、組み敷かれて生きるしかないのか、男は女を支配することが、強さなのか、と、問うてるのだと感じた。
幼児殺害は、いらないのではないか、とレビューされてるかたもいたが、母親による幼児殺害、に作者は、女性の“性”に閉じ込められた役割の窮屈さというか、そんな問題提起をしているのだとも読める。母親にならなければならない“性”(せい)と、強者にならなければならない“性”、それを各自自分の中で位置づけないと生きていけない“性”への深層的な強迫観念。
性同一性障害への理解は、障害として、差別問題として理解が図られる方向にあるけど、あまりにも野生や本能とかけ離れた人間が、“性別”に縛られてることへの、違和感の投げかけなんかなあとかあらためて思った。
さよなら渓谷 Amazon書評・レビュー: さよなら渓谷より
4104628042