半島を出よ

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評判

半島を出よの評価:

4.00/5点 レビュー 320件。 A ランク

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平均点4.00pt

Amazonレビュー一覧

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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全383件 101〜120 6/20ページ
No.283
(5pt)

堕落しきった日本人への警告書

社畜のサラリーマンは疲れきっており、何も考えることができない。
朝鮮人に占領されても、へらへらと笑みを浮かべるだけで、現実を認めようとしない日本人。
経済は崩壊し、日本は世界的地位を失った。
誰も助けてはくれない。
日本の価値など金だけでしかなかったのだ。

この本を読了した直後、私はとてつもなく悲しい気分になった。
強くなりたいと思った。もっと勉強したいと思った。

村上龍は、「立ち上がれ!日本人」と我々に呼びかけているのかもしれない。
私の胸にはしっかりとその思いは届いた。

とても良い本です。
ぜひ読んでください。
半島を出よ〈上〉 (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 半島を出よ〈上〉 (幻冬舎文庫)より
4344410009
No.282
(5pt)

堕落しきった日本人への警告書

社畜のサラリーマンは疲れきっており、何も考えることができない。
朝鮮人に占領されても、へらへらと笑みを浮かべるだけで、現実を認めようとしない日本人。
経済は崩壊し、日本は世界的地位を失った。
誰も助けてはくれない。
日本の価値など金だけでしかなかったのだ。

この本を読了した直後、私はとてつもなく悲しい気分になった。
強くなりたいと思った。もっと勉強したいと思った。

村上龍は、「立ち上がれ!日本人」と我々に呼びかけているのかもしれない。
私の胸にはしっかりとその思いは届いた。

とても良い本です。
ぜひ読んでください。
半島を出よ (上) Amazon書評・レビュー: 半島を出よ (上)より
434400759X
No.281
(5pt)

個人の多様性と、想像力の欠如

北朝鮮を怖れる全ての日本国民に読んでほしい。

 国家的な不気味さばかりが強調されるが、国家は当然個人の集まりで成立している。
その個人の思想を統制しようとしている点が、かの国の真に怖れるべきところであるが、
日本に侵入し、自由に考える余裕ができた事で、その統制に乱れが生じる。皮肉だが実に有り得る話だ。
 昔、共産圏から米国への亡命者を、まずディズニーランドに連れて行くという話を読んだ記憶がある。
娯楽に巨万の富を投入する資本主義を見せつける事で亡命者の常識を覆すのが狙いだろうが、これも一種の洗脳ではある。
都市伝説の一種とは思うが、忘れられない。

 作品中で、北朝鮮(反乱)軍に対し、政府や国民は何の対策も講じる事が出来ない。
リアクションを起こしたのは僅かに、26歳の女性アナウンサー、83歳の老医師、10代の反社会的とされる少年グループのみ。
所謂、戦時における「非戦闘員」ばかりだ。そこに政治や経済を担っているはずの壮年男性の姿はない。
武器を持つ相手に「恭順」以外の反応が出来たのは、自ら考え、無謀とも言える行動に出た者だけだ。
その方法はそれぞれ違ったが、日本人の国民性を一括りで想定していた北朝鮮人には衝撃を与える。
そう、個人の思想や行動にズレが生じるのは全くもって当たり前の事なのだ。
そしてそれは、北朝鮮においても、どの国においても、同じである筈だ。

 現代日本の中に燻り続けるアジア蔑視。ネットに溢れる中国・韓国・北朝鮮への誹謗中傷。
私は88年に修学旅行で韓国を、08年に北京五輪観戦で中国を訪れたが、そこで知り合えた人々に不快な思いをさせられた事はなかった。
 韓国の博物館では、子供を引率した老人に「私は日本の植民地時代に日本語を覚えました」と話し掛けられたが、
物腰も言葉もとても穏やかで、「歓迎します。我が国の歴史を学んで下さい」と優しく微笑まれた。
 中国の五輪会場では、日の丸の鉢巻きと扇子、ポンチョを身に付けた私は、中国人を含む多くの外国人から記念撮影を求められた。
日の丸を不快に感じる人がいるかも知れない、という懸念は旅行前からあったが、日本人として日本人を応援する際に、他に適当なものは思いつかなかった。
 中韓どちらも観光客に対するただの拝金主義である、とする日本人はいるだろうが、そんな人にこそ聞いてみたい。
「あなたは現地で個人と接触した事があるのか? メディアで見聞きした情報だけで判断していないか?」と。

 イタリアを訪れた際も、スキンヘッドの若者から、片言の英語で「ここのタクシー待合所の表示は古い」と教わり、正しい場所に案内してもらった。
わずか3国で外国を知ったように語るのは憚られるが、結局どの国にも「絶対の国民性」などないと思う。
日本だって、「安全な国、勤勉な国民性」という評価が既に古いではないか。

 最近起きたハイチ地震に対するリアクションとして、折り鶴を送る運動が日本の一部で広がっているという。
ここに致命的な「想像力の欠如」を感じる。暴動が起きるほど飢えた人々に一般市民ができる範囲の支援なら、募金の方が絶対に有効だ。
「自分がしたいことではなく、相手がしてほしいことをする」という、基本的な事が理解されていない。
村上龍氏が描き出した「考えない日本人」、または「考えているふりをする日本人」
―占領下にある福岡市民の為にと、キャンドルを持って祈るような―に通じるものを感じて、なんとも言えない暗い気持ちになった。
 しかし、2010年の冬季五輪前に韓国で行われたフィギュアスケートの大会のニュースで、少し救われた。
日本人選手の演技への妨害を煽るようなネット上の書き込みに反して、観客からは演技に対する拍手が送られたそうだ。
真のスポーツファンなら当然の事で、両国の対立を深めているのは、結局現場に行かない人々なのではないだろうか。

 一部の国民の卑劣な行為に激昂し、その国をまるごと批判してしまうのは、愚かな事だ。
日本人、日本国も諸外国からそう見られる危険性がある事を、常に認識しておくべきだと思う。

 村上龍氏は北朝鮮と日本ではなく、個人を描いた。小説とはもともと、個人を描くものだ。
左手に残る未読ページが少なくなる事を惜しく思った、素晴らしい作品だった。
半島を出よ〈下〉 (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 半島を出よ〈下〉 (幻冬舎文庫)より
4344410017
No.280
(5pt)

考えろ

村上龍氏が発するメッセージは、とてもシンプルだ。

 考えろ。考えるために、情報を集めろ。
疑え。その情報は操作されてないか?操られるな。
恐れるな。恐怖は判断を鈍らせる。恐れを冷静に分析しろ。
成功するためではない。成功なんて幻想だ。金も名誉も一瞬で消える。
ただ生き延びるために、考えろ。そういう時代なんだ。

 日本の敗戦を振り返れば「五分後の世界」を書き、
疫病が流行すれば「ヒュウガ・ウィルス」を書く。
前の世代が妄信していたものに疑問を持ち、人が目を背けるものに焦点を当て、
自分なりの結論が出るまで追求する。

 日本にとって北朝鮮とは何なのか。
恐怖か?軽蔑か?それは何を理由に生まれた感情なのか?
浅はかな感情を振り切り、現実だけを見詰めろ。
冷静に、最悪の事態に備えろ。

 多くの小説や音楽が、ここ一週間程のスパンの恋愛しか語らない。
あるいは「昔は良かった」的な懐古主義、感傷的な内容だ。
それではこの時代を生き抜けない。

 常にエッジに立ち続ける村上龍氏の危機感は、一読に、いや何読にも値する。
半島を出よ〈上〉 (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 半島を出よ〈上〉 (幻冬舎文庫)より
4344410009
No.279
(5pt)

考えろ

村上龍氏が発するメッセージは、とてもシンプルだ。

 考えろ。考えるために、情報を集めろ。
疑え。その情報は操作されてないか?操られるな。
恐れるな。恐怖は判断を鈍らせる。恐れを冷静に分析しろ。
成功するためではない。成功なんて幻想だ。金も名誉も一瞬で消える。
ただ生き延びるために、考えろ。そういう時代なんだ。

 日本の敗戦を振り返れば「五分後の世界」を書き、
疫病が流行すれば「ヒュウガ・ウィルス」を書く。
前の世代が妄信していたものに疑問を持ち、人が目を背けるものに焦点を当て、
自分なりの結論が出るまで追求する。

 日本にとって北朝鮮とは何なのか。
恐怖か?軽蔑か?それは何を理由に生まれた感情なのか?
浅はかな感情を振り切り、現実だけを見詰めろ。
冷静に、最悪の事態に備えろ。

 多くの小説や音楽が、ここ一週間程のスパンの恋愛しか語らない。
あるいは「昔は良かった」的な懐古主義、感傷的な内容だ。
それではこの時代を生き抜けない。

 常にエッジに立ち続ける村上龍氏の危機感は、一読に、いや何読にも値する。
半島を出よ (上) Amazon書評・レビュー: 半島を出よ (上)より
434400759X
No.278
(5pt)

面白かった!気持ち悪いけど。

長い本なので俺読めるかな?と思いましたがサラサラ読むことができました。

最近虫がいる!!みたいなことをコリョの兵士が言った時に「シノハラだっ!!!」っと鳥肌が立ちました。

屈強で鍛え抜かれたコリョの兵士達が、いや、だからこそかもしれないが、日本のユルイ空気の中で統率力や団結力が薄れていく過程も私は楽しめました。

気持のよい本ではないですが面白かったです。
半島を出よ〈上〉 (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 半島を出よ〈上〉 (幻冬舎文庫)より
4344410009
No.277
(5pt)

面白かった!気持ち悪いけど。

長い本なので俺読めるかな?と思いましたがサラサラ読むことができました。

最近虫がいる!!みたいなことをコリョの兵士が言った時に「シノハラだっ!!!」っと鳥肌が立ちました。

屈強で鍛え抜かれたコリョの兵士達が、いや、だからこそかもしれないが、日本のユルイ空気の中で統率力や団結力が薄れていく過程も私は楽しめました。

気持のよい本ではないですが面白かったです。
半島を出よ (上) Amazon書評・レビュー: 半島を出よ (上)より
434400759X
No.276
(4pt)

これは小説か。。。?

加筆完全版宣戦布告を読み、それならと薦められた本作品。
時代背景や生活が大変緻密に書かれており、リアリティあふれる作品となっていた。
近未来の設定であるが、おそらくその近未来まで、
小説の中と現在のの諸問題は今のところ解決されそうにない。
日本の行く末を考えさせられる本作品であった。

読み終わって完結する物語は多いが、今後の自分を考えさせられる本作品は稀有な物語である。
ご一読、お薦めします。
半島を出よ〈上〉 (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 半島を出よ〈上〉 (幻冬舎文庫)より
4344410009
No.275
(4pt)

これは小説か。。。?

加筆完全版宣戦布告を読み、それならと薦められた本作品。
時代背景や生活が大変緻密に書かれており、リアリティあふれる作品となっていた。
近未来の設定であるが、おそらくその近未来まで、
小説の中と現在のの諸問題は今のところ解決されそうにない。
日本の行く末を考えさせられる本作品であった。

読み終わって完結する物語は多いが、今後の自分を考えさせられる本作品は稀有な物語である。
ご一読、お薦めします。
半島を出よ (上) Amazon書評・レビュー: 半島を出よ (上)より
434400759X
No.274
(4pt)

胡麻菓子がキライになります。

隣接する国の危うさを通して日本の危うさも浮かび上がらせる作品。
国境、道徳、法律など人が描いた物全てはその立場に置いて、ある時意味を成さなくなる。

過酷な環境に身を置き研ぎすまされる隣国人と甘やかされ自我すら保てなくなっている日本人が
拷問と痺れる程の甘さをもたらす胡麻の菓子にオーバーラップしてきます。

世界有数の富める国、知的水準も高く、平和な国そんな誤摩化しで支えられた日本。
足下広がる湖面の薄氷のように今にも陥りそうな危機を透かしているようです。
半島を出よ〈上〉 (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 半島を出よ〈上〉 (幻冬舎文庫)より
4344410009
No.273
(4pt)

胡麻菓子がキライになります。

隣接する国の危うさを通して日本の危うさも浮かび上がらせる作品。
国境、道徳、法律など人が描いた物全てはその立場に置いて、ある時意味を成さなくなる。

過酷な環境に身を置き研ぎすまされる隣国人と甘やかされ自我すら保てなくなっている日本人が
拷問と痺れる程の甘さをもたらす胡麻の菓子にオーバーラップしてきます。

世界有数の富める国、知的水準も高く、平和な国そんな誤摩化しで支えられた日本。
足下広がる湖面の薄氷のように今にも陥りそうな危機を透かしているようです。
半島を出よ (上) Amazon書評・レビュー: 半島を出よ (上)より
434400759X
No.272
(4pt)

龍先生の授業

個人的には面白かったです。 しかし、人物の背景や内面以外の説明が多く細かいのが今作の特徴の一つで、その為全編に渡りスピード感が無く、登場人物(イシハラ達)が余り動かない事もあり感情移入出来ませんでした。 僕は興味の無い箇所はスカッと流す感じ読んだんですが、それでも所々でめんどくさい感じがしました。 近い作品を挙げるなら麻生幾の(ZERO)みたいな感じでしょうか?
半島を出よ〈上〉 (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 半島を出よ〈上〉 (幻冬舎文庫)より
4344410009
No.271
(4pt)

龍先生の授業

個人的には面白かったです。 しかし、人物の背景や内面以外の説明が多く細かいのが今作の特徴の一つで、その為全編に渡りスピード感が無く、登場人物(イシハラ達)が余り動かない事もあり感情移入出来ませんでした。 僕は興味の無い箇所はスカッと流す感じ読んだんですが、それでも所々でめんどくさい感じがしました。 近い作品を挙げるなら麻生幾の(ZERO)みたいな感じでしょうか?
半島を出よ (上) Amazon書評・レビュー: 半島を出よ (上)より
434400759X
No.270
(5pt)

いわゆる「文学」ではありません

上下巻を2日で読み切ってしまいました。他のレビューアーも書いているように、字数が圧倒的に多いです。丁寧に読むと、特にカタカナの名前の人物が誰が誰やらわからなくなり、いちいち確認していると、イライラします。でも、そんな必要は全然ない物語です。これを「文学」と思って読んで文句を言っている人は、現実がわかってない人です。北朝鮮の兵士については、知識がないのでわかりませんが、政府内の状況、病院の状況、東京と福岡の市民の感情など、どれもこれもまさに今の日本ではありませんか。この小説の後で本当にドルが暴落し、日本の経済状態が悪化し、オバマ大統領が任命した駐日大使は「ジャパンパッシングの現れか」と新聞にかかれ・・・村上龍が書いたこの小説の書き出しにあまりに似ていませんか? 確かにグロいです。活字が多すぎます。誰に感情移入していいかわかりません。下巻は突然ものすごいスピードで話が進んでしまうし、ラストはちょっときれいすぎ。でも、それがなんだというのでしょうか。これは、文学ではなく、近未来シミュレーション小説というべきでしょう。村上龍は、日本の現状を官僚よりも政治家よりも銀行家よりも企業家よりもまじめに本質を理解して憂えているのでしょう。よくこんな小説を書いたものです。読むこっちもヘトヘトになるのですから、村上さんは、さぞや疲労困憊なさったことでしょう。しかし、これ以上こんな小説を書かれては、ファンは困りますので、当分はのんびり休養にあてて適当なエッセイでも書いていてほしいです。しかし、この小説の中で、一番説得力がある場面は、赤坂のバーでした。これが村上さんの一番親密な世界なんでしょうねえ・・・
半島を出よ〈下〉 (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 半島を出よ〈下〉 (幻冬舎文庫)より
4344410017
No.269
(5pt)

傑作。全く飽きさせない驚愕のリアルさ。下巻への興味は尽きない。

謎の国、北朝鮮を扱った作品であるため、その真偽は別としても、
圧倒的な情報量とリアルさに驚かされる。

北の反乱軍が福岡を武力制圧するという、一見荒唐無稽なストーリーが、
ディテール描写により肉付けされ、瞬く間に現実感を帯びながら、
読者の前に起立している。

このレビューは下巻の読後に書いているのだが、
上巻を読み終わった時点では、結末は何となく予想できたものの、
一体どんな過程で結末に持っていくのか、そのプロセスは見当がつかなかった。

長い、重い、読み難い、とのレビューがあるが、
活字に慣れていれば全くそんなことはない。普通の本。

乞う映画化。
半島を出よ〈上〉 (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 半島を出よ〈上〉 (幻冬舎文庫)より
4344410009
No.268
(5pt)

傑作。全4巻でもいける。もっと描いてもいい。それほど面白い。

内容については、他のレヴュアーが書いているので、割愛。

上巻とはかなり趣が異なり、イシハラグループの最終的な破壊工作に至るまでの
各人、各方面が描写されている。

ただし、上巻で描かれた内閣官房や危機管理に関わる政府要人たちの動向は、
パラレルにはほとんど書かれておらず、そこが残念。
同じ九州内の他県の動向や市井の福岡市民を登場させてもよかった。
もっと描けたし、描いて欲しかった。

これだけのスケールの大きな物語なので、
切り口は豊富にあるし、上下2巻は確かに相当なボリュームだが、
その倍あっても濃密な心理・情景描写があれば、退屈しないはず。

それにしても傑作、一気に読めた。
半島を出よ〈下〉 (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 半島を出よ〈下〉 (幻冬舎文庫)より
4344410017
No.267
(5pt)

傑作。全く飽きさせない驚愕のリアルさ。下巻への興味は尽きない。

謎の国、北朝鮮を扱った作品であるため、その真偽は別としても、
圧倒的な情報量とリアルさに驚かされる。

北の反乱軍が福岡を武力制圧するという、一見荒唐無稽なストーリーが、
ディテール描写により肉付けされ、瞬く間に現実感を帯びながら、
読者の前に起立している。

このレビューは下巻の読後に書いているのだが、
上巻を読み終わった時点では、結末は何となく予想できたものの、
一体どんな過程で結末に持っていくのか、そのプロセスは見当がつかなかった。

長い、重い、読み難い、とのレビューがあるが、
活字に慣れていれば全くそんなことはない。普通の本。

乞う映画化。
半島を出よ (上) Amazon書評・レビュー: 半島を出よ (上)より
434400759X
No.266
(5pt)

最上の出だし

まだ上巻の途中までしか読んでいないが、最高の出だしだった。その点は「希望の国のエクソダス」と同様だと思った。北朝鮮は最悪である、という前提を持っている日本人は多いと思うのだが、本書を読むとイメージが変わる。そして北朝鮮のコマンド達と、今後一戦交えることになる日本人のチーム(マイノリティー)との戦い、という展開は面白すぎて、先を待たずにはいられない。村上龍さんにしか書くことができない小説であると思った。映画化のはなしは流れたのかもしれないが、実写版も個人的には見てみたかった。
半島を出よ〈上〉 (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 半島を出よ〈上〉 (幻冬舎文庫)より
4344410009
No.265
(5pt)

最上の出だし

まだ上巻の途中までしか読んでいないが、最高の出だしだった。その点は「希望の国のエクソダス」と同様だと思った。北朝鮮は最悪である、という前提を持っている日本人は多いと思うのだが、本書を読むとイメージが変わる。そして北朝鮮のコマンド達と、今後一戦交えることになる日本人のチーム(マイノリティー)との戦い、という展開は面白すぎて、先を待たずにはいられない。村上龍さんにしか書くことができない小説であると思った。映画化のはなしは流れたのかもしれないが、実写版も個人的には見てみたかった。
半島を出よ (上) Amazon書評・レビュー: 半島を出よ (上)より
434400759X
No.264
(5pt)

村上龍がこれでもかと見せつける圧倒的な世界

ずいぶん前に出版されていて、気にはなっていたものの、まとまった時間で一気に読んだ。

経済が没落し、失業率が10%を越え、アメリカからは見放され、国内には閉塞感が漂い、
その出口を核武装も辞さない軍拡主義に見出した日本に、
北朝鮮の「反乱軍」を名乗る精鋭部隊が侵入し、福岡を「占領」、
その独立と、12日後、12万人の「反乱軍」が日本に入国することを日本国政府に要望する。
一方、イシハラというカリスマ的人物の周りに集まった少年たちが、
その「反乱軍」に対して、ある計画を実行する、というストーリーである。

荒唐無稽なようで、上巻は、圧倒的な情報量で、非常に緻密に描かれている。
日本の政治家が「最優先事項を決められない」ということ、
北朝鮮の内情、兵士の訓練の様子、人間性の記述、冷徹さ、脆さ、
イシハラグループの少年たちの生い立ち、心の傷、心理描写、
あまりにもリアルであり、巨大な作戦が少しずつ動いていく様子に、まったく無理がない。
下巻の計画実行のくだりは、さすがにリアリティーに欠けるように思えたものの、
構築されている世界はすさまじい。

北朝鮮兵士の日本人からは想像しがたい精神構造、退廃を発見する瞬間、
北朝鮮兵士とアナウンサーとの恋、それを打ち消す職務への邁進、
西日本新聞記者の北朝鮮兵士への問いかけ、
「国家というものは必ず少数派を犠牲にして多数派を守るものだ」という問題意識、
処刑式を阻止しようと走る老医、
少年たちの、それぞれの物事への狂気的なこだわり、愛情の欠落、何かの欠落、
自分を刺した母親を許した少年など、
映画のシーンが思い浮かぶような印象的な場面、
強烈なイメージを残す思考の跡が随所にある。

著者は、
「コインロッカーベイビーズ」で、人間と人間のつながりは何か、本性は何か、ということを問いかけた。
また、「五分後の世界」、「希望の国のエクソダス」は、
「日本は有史以来、日本固有の領土を侵略された経験を持っていない」という問題意識が貫かれ、
日本の現状を根底から問うていた。
本作は、その両方の問いが、さらに激烈な形で、現れているように思う。

グロテスクな描写もあり、非常に好き嫌いが分かれる作品だとは思うが、
現在の日本へのアンチテーゼ、心の傷とその快復を、圧倒的な情報量と迫力で描ききった、傑作だと思う。
半島を出よ〈上〉 (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 半島を出よ〈上〉 (幻冬舎文庫)より
4344410009