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サイバークライム 悪意のファネル
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サイバークライム 悪意のファネルの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.40pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全5件 1~5 1/1ページ
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セキュリティ・コンサルタント君島悟が、サイバー・セキュリティのさまざまな事件や トラブルを解決するシリーズの第3作。 主人公が技術系ハッカーというよりは、ソーシャル・エンジニアリングに長けている プロということもあって、読み進めるのにたいした技術的な知識は必要としません。 他の作品同様、安定感のある面白さです。 このシリーズは全5作の構成で、 「檻の中の少女」 「サイバーテロ 漂流少女」 「サイバークライム 悪意のファネル」 「絶望トレジャー」 「掌の迷宮」(未刊) と続いていて、現時点ではまだ完結していません。 前作と本作は、あのフラワシとの対決のない独立した物語になっています。 サイバーものが好きな人にはオススメのシリーズ作品です。 ちなみに、「サイバーテロ 漂流少女」「サイバークライム 悪意のファネル」 「絶望トレジャー」の3作には短編形式のアナザーストーリーがあって、 作者のホームページからパスワードつきPDFでダウンロードできるようになっています。 | ||||
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集団犯罪というのは露見しやすいものですが、それを当作品ではたくみな方法で回避、あるいはエスケープしています。プロバブリィクライムの現代像の一種だと思います。 このアイディア自体は装いを除けば意外に古典的で、ドラマの『富豪刑事』や京極夏彦の某作品、古くは星新一のショートショートなどでその原型が見受けられる訳ですけども、こういう話でもっとも重要なのはリアリティの保持であり、その点、この作者の作品は安心して読むことができます。 個人的には前作のような大仕掛けの話が好きという理由で星4つです。 | ||||
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おそらく、この本を読んだ殆どの人の感想は「君島シリーズの続きが読みたくなった」だろう。 「サイバーもの」と「ミステリー」を兼ね備えた本作品は、今までのSF系とは違い「リアル感」が伝わってくる。 なぜ、この本が読者をそう思わせるのかを箇条書きにするとこうだ。(君島の真似をしてます) ■リアル感 ・サイバー系のニュースが網羅されている。それだけでなく、ニュースの核心にある「だから何?」が理解できる。 ・どこかでこんな会話があってもおかしくないセリフが多くて読みやすい。 ・会社がどうやって成り立っているのか、客観的に知ることができる。(作者は社長経験者だからか) ■展開の巧みさ ・ある横領事件を追う話だが、意外な展開が何度もあって楽しめる。話の伏線を貼るのが上手く、つじつまが合っている。 ・話の展開がスムーズ。例えば、「コーヒーです」だけで、シーンが変わって和田が話しているセリフなのだとわかる。 ・ネットのテクニックだけで問題を解決するのではなく、人vs人で最終的に終わるところが納得感がある。 一方、改善して欲しかった点も見受けられる。 ・社内の横領事件の話なので、スケール自体は大きくない。(「キリストゲーム」はスケールが大きかった) ・猟奇的表現がなくて安心したが、少し残念だった気もする。 ・エピローグの終わり方は消化不良 (これは次回作への伏線なのでしょうが) 他の君島シリーズもリアルにありえそうな事件を取り扱っていた。 既にこの本の未来にあたる話の続きが2冊も出ていることは、読者にとって喜ばしいことだろう。 「マスコミに話題にされる事件や出来事は氷山の一角にすぎない。世の中、何があっても不思議ではない。」 そんな風に作者が僕らに語りかけてくれているような作品だ。 | ||||
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帯で著者のことを「本格サイバーセキュリ小説の旗手」と紹介していましたが、むしろ唯一無二の存在だと思います。 デビュー作『檻の中の少女』『サイバーテロ 漂流少女』と続く君島悟シリーズの第3弾ですが、時系列としては最初に当たります。 君島悟はまだ独立しておらずある大企業の一社員として勤務しており、シリーズで重要な位置を占める和田ちゃんや吉沢警部との出会いも描かれています。 本作は文学賞に応募する為に書かれたそうですが、応募前にデビューが決定し、こうしてシリーズ物として楽しめることに喜びを感じます。 ストーリーは二本の軸が同時に進行し、それぞれが君島悟を通じて繋がるという特別な形態をとっています。サブとメインではなく、両方メインです。 ひとつの軸は、いままでと少し異なり、ある大企業内の話です。 業務上横領が疑われる事案を、主人公は一社員の身として調査を進めていきます。 もちろん、捜査にはシリーズの見せ場であるアンダーグラウンドの技も使います。ネット犯罪で犯人を特定するには、裏技を使わざるを得ないという実態が生々しく描かれます。そこには他の小説や映画で使用されるような荒唐無稽な技はなく、すべて技術的裏づけがあります。専門家たる著者の面目躍如というところです。 そうして、主人公は業務上横領の事実を突き止めていきます。 もうひとつの軸が、作者専門分野かつ唯一無二の力を持つネット空間での話です。 「ギデス」という殺人サイトが現れます。それは、十数人のひとが協力し合うことで完全犯罪を成功させるという恐ろしい取り組みです。 殺すための殺し。 そして、殺人事件は、ストーリーや裁判で必要となる物的証拠とともに販売される。購入者はだれかに殺人事件を被せることもできるし、自らが殺人者だと名乗り出て死刑判決を受けることもできる。 このサイトの行方は、ちょっと衝撃的かもしれません。 本作では、単なるミステリに留まらず、「破綻した司法」という重要な論点が示されています。その通りと思いつつ、具体的内容をここで書くのは憚れる部分がありますので、本書を読み、皆さんで考えて欲しいと思います。 今回も作者から購入者へのプレゼントがあります。 遥美が、殺人サイト「ギデス」を作り上げ、自首するまでの短編が、3月10日から4月末日までの期間限定でダウンロードできるのも嬉しいところです。 | ||||
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セキュリティコンサルタント君島悟が、サイバーセキュリティのさまざまな事件・トラブルを解決するシリーズ第三作。 本作は、過去にさかのぼって、君島がそもそもサイバーセキュリティコンサルタントという仕事をすることになったきっかけを綴っています。 ハッカーが出てくるフィクションにありがちな、ありえないハッキング(60秒で国防総省をハッキングするとか、人工衛星を落とすとかそういう類いの荒唐無稽)が完全に排除されていて、技術的なリアリティをしっかり保ちながらミステリを成立させているところは、コンピュータプログラマでもあり、IT企業の経営者として活躍していたという、作者の経歴ならではだと思います。 また、本書は、徳丸浩氏(「体系的に学ぶ 安全なWebアプリケーションの作り方」著者)、武田圭史氏(慶應SFC教授)、鵜飼裕司氏(フォティーンフォティ技術研究所 社長)という、情報セキュリティの錚々たる専門家が査読をしています。 インターネットは人間の良心ではなく「悪意」を集積させる、という作者のダークな世界観に基づいて、第一作「檻の中の少女」では「ミトラス」という自殺幇助のためのSNSサービスが出てきましたが、本作ではそれを一歩進めた「ギデス」という犯罪販売サイトが出てきます。ギデスは、インターネットで情報を集めて、行動力のある有志を募って、完全犯罪(主に放火や殺人)を実行し、犯人がいない完全犯罪の情報と証拠一式を、富裕層の死刑願望者などに高額で販売するというWebサービスです。 いつも通り、すかっとしたカタルシスは味わえませんが、インターネットの功罪について考えてみたい方にはおすすめします。 追伸 君島シリーズのヒロインである和田と、主人公の君島がはじめて出会うシーンが秀逸です。ここだけ笑えるようになっています | ||||
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