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光の山脈
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光の山脈の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.12pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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おもしろい! 最後の100頁を超特急で読んでしまった。前半は人物の紹介(現在と過去のエピソード等)に少し紙数を割き過ぎかなとも思ったが、それもこの後半のために用意されていたのである。 短く言えば、山を守る狩人とヤクザとの対決、そして復讐のお話。方向性は単純なのに読んでいて飽きないのは、山や動物・自然の描写が素晴らしく、臨場感が半端じゃないから。西村寿行の世界に通じるものがある。 ロッタや亜希は言うに及ばず、沢村や堂崎、孫市など、脇役も実に魅力的。悪役も本当に憎らしいので、彼らと敵対する主人公への感情移入は簡単だ。ロッタにはモデルがいるらしい。 敢えて欠点を探すなら、アクションを中心としたこの作品の、もうひとつの柱である「人を許す」ことのヒューマン・ドラマ的側面。この点をもう少し書き込んだら、物語に厚みが増したのではないだろうか。 もちろん紙数に制限もあったのだろうが、最後(病院のシーン)で、その昔亜希を罠にはめたという同級生が許しを請うために登場する。これは余計だったのでは? 最後に何もかもがうまく収まる、というのもヒューマン・ドラマとして何だか嘘っぽい。何か別のストーリーは考えられなかったのかな、と少し違和感が残った。 | ||||
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口の利けない妻と犬達と共に猟師と季節労働者としてひっそりと暮らしているロッタは、山を汚し、不正を暴く為の取材をしていたジャーナリスト兄と愛する妻を殺された事から街を支配するヤクザ共に復讐の牙を立てるといった。バイオレンスアクションだが、都会が舞台ではなく山村を舞台とすることで、山や大自然への畏敬の念や人として譲れないものの存在を絡めて単純なバイオレンス小説とは毛色の違う作品になっていて感慨深い作品であった。 良かった! | ||||
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樋口氏の作品を読むのは4作目になる。緻密な描写は無駄がなく、なおかつ氏独特の迫力があり、それを読むだけでも1900円を支出する価値はある。しかし、この「光の山脈」はそれだけの本ではない。 社会派小説とも呼べるだろう。産廃行政の問題、人が人を私的に制裁することの是非、封建的な地方の因習とそれにかみあわないよそ者との確執。南アルプスの山麓に居を構えて自ら日々体験しているであろう、そうした問題提起は執拗で、氏の執念が感じられる。 しかし、その重さを吹き飛ばす純粋な空気と爽快感が全編を貫いている。悪者を良い者がやっつけるという単純なストーリーと甲府駒ヶ岳のキーンと冷えて澄んだ空気が、ストレートに読者の心臓にたたき込まれる。 読んだ後に、1人山に登りたくなった。そう、氏の冒険小説はいつもそうなのだ。どこか知らない山に、1人で登りに行きたくなる、すぐれた冒険小説というのは、そうやって男の冒険心を揺さぶるものだ。 | ||||
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