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ショートスカート・ガール



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【この小説が収録されている参考書籍】
ショートスカート・ガール

ショートスカート・ガールの評価: 3.50/5点 レビュー 2件。 -ランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.50pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(3pt)

これも「本格」なのか?

島田荘司プロデュース「ベテラン新人発掘プロジェクト」つまり、60歳以上の作者によるコンペティションの
第一回受賞作品である。
 このプロジェクトは、あくまでも「本格ミステリー」の書き手を発掘するものであるらしい。が、それを期待して
読み始めると、やや違和感を覚える。私の考える「本格ミステリー」、「本格推理」は、以下のような条件が必要だ
と思う(多少の違いはあるにせよ、基本はこれのはず)。

○まず、事件などで「謎」が提示される。
○その謎を解くのに必要かつ充分な「ヒント」が提示される。
○論理的な思考により、謎が解明される。

 が、これとは明らかに違うように思える。まあ、独特の「本格ミステリー観」を提唱している島田荘司氏のことだ
から、彼なりにこれは「本格ミステリー」の定義に背いていないということなのだろう。彼が審査員をしている、
福ミスの受賞作品にも似たような傾向は見られる。
 ミニスカートの中を盗撮されるという被害を受けた女性、臼井あさぎを中心としたストーリーで、多くのページを
法律事務所絡みや法廷闘争に割いている。その意味で前半は、これはリーガルミステリーか、と思えたほどだった。
つまり、全体の7割は、「これのどこが本格なのだ?」という感じで話が進んでいく。
 が、最後には、どんでん返しがあり、その中でちゃんと事件の真相が暴かれる。その意味では、「本格もの」と言
えなくもない。ただ、そのインパクトはさほど大きくなく、カタルシスもあまり得られない。
 新人だから仕方がないとはいえ、文章はかなりヘタだ。文章を改良するだけで、もう少し良い作品になるだろうと
思えるので、それが惜しい。終盤では、法律事務所の助手、栗原瑞穂と臼井あさぎが直接会って真相を語り合うこと
で解答編としているのだが、それは特に悪くはない。しかし、なかなかあり得ないような偶然がいくつもかさなって
おり、それはご都合主義と言われても仕方がない。同じような偶然でも、構成やアプローチの仕方で、もっと自然に
感じさせるようにも出来るだろう。そのあたりは、まだまだ改良の余地があっただろうし、それを施した上で上梓し
て欲しかったとも思う。
 甘く採点して、☆は3つが妥当だろう。
ショートスカート・ガールAmazon書評・レビュー:ショートスカート・ガールより
4062176033

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