■スポンサードリンク
ショートスカート・ガール
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
ショートスカート・ガールの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.50pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全1件 1~1 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
島田荘司プロデュース「ベテラン新人発掘プロジェクト」つまり、60歳以上の作者によるコンペティションの 第一回受賞作品である。 このプロジェクトは、あくまでも「本格ミステリー」の書き手を発掘するものであるらしい。が、それを期待して 読み始めると、やや違和感を覚える。私の考える「本格ミステリー」、「本格推理」は、以下のような条件が必要だ と思う(多少の違いはあるにせよ、基本はこれのはず)。 ○まず、事件などで「謎」が提示される。 ○その謎を解くのに必要かつ充分な「ヒント」が提示される。 ○論理的な思考により、謎が解明される。 が、これとは明らかに違うように思える。まあ、独特の「本格ミステリー観」を提唱している島田荘司氏のことだ から、彼なりにこれは「本格ミステリー」の定義に背いていないということなのだろう。彼が審査員をしている、 福ミスの受賞作品にも似たような傾向は見られる。 ミニスカートの中を盗撮されるという被害を受けた女性、臼井あさぎを中心としたストーリーで、多くのページを 法律事務所絡みや法廷闘争に割いている。その意味で前半は、これはリーガルミステリーか、と思えたほどだった。 つまり、全体の7割は、「これのどこが本格なのだ?」という感じで話が進んでいく。 が、最後には、どんでん返しがあり、その中でちゃんと事件の真相が暴かれる。その意味では、「本格もの」と言 えなくもない。ただ、そのインパクトはさほど大きくなく、カタルシスもあまり得られない。 新人だから仕方がないとはいえ、文章はかなりヘタだ。文章を改良するだけで、もう少し良い作品になるだろうと 思えるので、それが惜しい。終盤では、法律事務所の助手、栗原瑞穂と臼井あさぎが直接会って真相を語り合うこと で解答編としているのだが、それは特に悪くはない。しかし、なかなかあり得ないような偶然がいくつもかさなって おり、それはご都合主義と言われても仕方がない。同じような偶然でも、構成やアプローチの仕方で、もっと自然に 感じさせるようにも出来るだろう。そのあたりは、まだまだ改良の余地があっただろうし、それを施した上で上梓し て欲しかったとも思う。 甘く採点して、☆は3つが妥当だろう。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!