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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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戸梶圭太の持ち味である、過激で「テンポの良い」バイオレンス描写は相変わらず面白く、そのスピード感に乗って一気に読める。しかし、本作は他の戸梶作品に比べると、社会派な作品と言える。 まず主人公の明坂が割とまともである。ブラックな下請けの制作会社での激務のせいで荒んではいるが、学生の頃から映像制作を志してきた真っ当な人物である。 そして明坂の周囲で次々に起こるトラブルも、現実離れした設定ではない。性犯罪者や前科者が住む荒んだ住宅地、キモヲタに囲まれるコスプレイヤー、周囲への迷惑を省みないナルシストな芸術家気取り、社会への不満を煽動するセラピスト、社長はヤクザと関わりがある、等々。暴力と狂気が誇張されているものの、どれも現実にある出来事であり、ブッ飛んだ荒唐無稽さはない。そんな連中を取材して、スポンサーの意に添うように番組にまとめなければならない、テレビ制作現場の苦労がひしひしと伝わってくる。 会社のブラックぶりも緻密に描かれている。給与も碌に支払われないのに、仕事だけは理不尽に次々に降って来る。上司や取引先は人格の破綻したパワハラ野郎ばかり。ブラック企業で激務を経験した者であれば、トラウマを思い起こされて胃が痛くなってくるような展開である。 しかしそんな中でも明坂は、多少は暴力に走りはするが、根本的に狂う事はなく、最後はテレビの下請けという「バカの世界」から足を洗い、自由になって新たな道を歩んでいる。主人公にはそれなりに共感できるし、読後感は爽快である。 但し本作は2008年に書かれた作品であり、17年の時を経て、現実が小説を超えてしまった面がある。本作では、こうした底辺の激安野郎が蔓延っているのは下請けの制作会社であり、キー局は華やかな憧れの存在として描かれている。 だが2025年現在は、大手キー局と大物芸能人のキチガイ・クズっぷりが露見してしまっている。大手だろうと下請けだろうと、テレビ業界そのものが「バカの世界」であり「終わっていた」のだ。もうこんな腐りきった業界など消滅すればいい、と思わせてくれる。 | ||||
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「破滅型エンターテイメント小説」の旗手である作者の、テレビ制作の裏側を書いた今作。 人間の屑Aであるディレクターと人間の屑Bである後輩ADの狭間で悩みもがく主人公の業界裏話に基づく成長物語。と思いきや、エピソードが進むによって過激さは加速して狂った人々がどんどん登場して最終的には!という、作者らしい展開は結構楽しめました。 各エピソード自体、実際の業界の裏話に基づくような信憑性のある話かどうかは判らないですが、読みやすい文体ではありますし、破天荒な展開もとても面白かったです。 三時間程で読了出来てしまうので暇つぶしには良いかもしれません。 | ||||
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