(短編集)

光の帝国 常野物語

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光の帝国 常野物語の評価:

4.14/5点 レビュー 108件。 C ランク

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平均点4.14pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全178件 81〜100 5/9ページ
No.98
(4pt)

不思議な本

初めて読んだ恩田陸の作品で、その後何冊か読んだ中でも最も好きな作品。

読みやすく、入り込みやすい。
不思議な現実感があって、本当にこういう人たちがいるように感じてしまう。

ちょっとした気分転換にオススメ
光の帝国 常野物語 (常野物語) Amazon書評・レビュー: 光の帝国 常野物語 (常野物語)より
408774292X
No.97
(4pt)

不思議な本

初めて読んだ恩田陸の作品で、その後何冊か読んだ中でも最も好きな作品。

読みやすく、入り込みやすい。
不思議な現実感があって、本当にこういう人たちがいるように感じてしまう。

ちょっとした気分転換にオススメ
光の帝国 常野物語 (常野物語) (集英社文庫) Amazon書評・レビュー: 光の帝国 常野物語 (常野物語) (集英社文庫)より
4087472426
No.96
(4pt)

本家本元は『ポーの一族』(?)

作者は萩尾望都ファンで、とくに本書は『ポーの一族』に似ているという話を以前から聞いていて、一度読んでみたいと思っていましたが、今回読んでみて、成程、部分的には確かに似ていると思いました。
似ていると思ったのは「手紙」という話で、いろんな時代にあちらこちらの場所に出没するツル先生が、果たして同一人物だろうかという話ですが、これは『ポーの一族』の「ランプトンは語る」にそっくりです。

「いったい、日本中、どれだけの場所でこの先生は草履を履いて校長をしていたのだろう。」(「手紙」より)
「世界のどれほどの地域、どれほどの年代にわたって、偶然にもエドガー・ポーツネルという名が書類にちゃんと記されているのか?」(「ランプトンは語る」より)
この相似は決して偶然ではなく、作者は『SF Japan』06年秋号での萩尾望都との対談で、「私は『ポーの一族』のなかで、とりわけ「ランプトンは語る」が好きなんです。」と語っていることからも、「手紙」の設定や上記文章の相似は、「ランプトン〜」を意識してのものであるのが明らかです。
また、「常野(TOKONO)一族」の母音も「ポーの(POONO)一族」とまったく同じです。
ただ、似ているのはここまでで、後はそれほど似ているとの感じはありません。

本書の中核は表題作「光の帝国」で、これは超感動作で、この話だけでも本書を読む価値はあろうというものです。
逆に他の話は今ひとつというか、中途半端な感じのものが多いのですが、「常野物語」というシリーズのようなので、本書の中の話の大半が序章のようなもので、これから物語が膨らんでいくのでしょうね。何にしても、続きもまた読んでみたいシリーズです。
光の帝国 常野物語 (常野物語) Amazon書評・レビュー: 光の帝国 常野物語 (常野物語)より
408774292X
No.95
(4pt)

本家本元は『ポーの一族』(?)

作者は萩尾望都ファンで、とくに本書は『ポーの一族』に似ているという話を以前から聞いていて、一度読んでみたいと思っていましたが、今回読んでみて、成程、部分的には確かに似ていると思いました。
似ていると思ったのは「手紙」という話で、いろんな時代にあちらこちらの場所に出没するツル先生が、果たして同一人物だろうかという話ですが、これは『ポーの一族』の「ランプトンは語る」にそっくりです。

「いったい、日本中、どれだけの場所でこの先生は草履を履いて校長をしていたのだろう。」(「手紙」より)
「世界のどれほどの地域、どれほどの年代にわたって、偶然にもエドガー・ポーツネルという名が書類にちゃんと記されているのか?」(「ランプトンは語る」より)
この相似は決して偶然ではなく、作者は『SF Japan』06年秋号での萩尾望都との対談で、「私は『ポーの一族』のなかで、とりわけ「ランプトンは語る」が好きなんです。」と語っていることからも、「手紙」の設定や上記文章の相似は、「ランプトン〜」を意識してのものであるのが明らかです。
また、「常野(TOKONO)一族」の母音も「ポーの(POONO)一族」とまったく同じです。
ただ、似ているのはここまでで、後はそれほど似ているとの感じはありません。

本書の中核は表題作「光の帝国」で、これは超感動作で、この話だけでも本書を読む価値はあろうというものです。
逆に他の話は今ひとつというか、中途半端な感じのものが多いのですが、「常野物語」というシリーズのようなので、本書の中の話の大半が序章のようなもので、これから物語が膨らんでいくのでしょうね。何にしても、続きもまた読んでみたいシリーズです。
光の帝国 常野物語 (常野物語) (集英社文庫) Amazon書評・レビュー: 光の帝国 常野物語 (常野物語) (集英社文庫)より
4087472426
No.94
(5pt)

続きが読みたい

不思議な能力を持った常野の人々にまつわる連作短編集。とはいっても、一話一話に終わりはなく、次を感じさせる構成になっています。何でも記憶できる春田一家、先のことが分かる美那子、200年も校長をやっているツル先生、自分の”飛ぶ”力を思い出した亜希子、裏返すか裏返されるかの戦いを続ける瑛子。これら、常野一族の能力はなんのためにあるのか。これから彼らはどう生きていくのか。話はどんどん広がりそうで、この先ずっとシリーズ化してほしいなあと思うような作品でした。

 タイトルにもなっている「光の帝国」の章では、悲しい出来事に思わず涙ぐんでしまいましたが、最後の「国道を降りて・・・」は、常に在野にあれとあちこちに散らばっていった常野の人々が、これから徐々に居場所を求めて集結しそうな気配を感じさせるとともに、過去と現在がつながる不思議な因縁に少し心があたたまりました。最後は清々しい終わり方で、私まで心穏やかな常野の人々とふれあったような不思議な感覚が残りました。

 恩田陸の作品は、いつもジャンル分けができないなあと思いますが、これもそうですね。ファンタジーという一言ではくくれない、奥の深い作品なんです。何度も読み返したくなる、ステキな作品でした。
光の帝国 常野物語 (常野物語) Amazon書評・レビュー: 光の帝国 常野物語 (常野物語)より
408774292X
No.93
(5pt)

続きが読みたい

不思議な能力を持った常野の人々にまつわる連作短編集。とはいっても、一話一話に終わりはなく、次を感じさせる構成になっています。何でも記憶できる春田一家、先のことが分かる美那子、200年も校長をやっているツル先生、自分の”飛ぶ”力を思い出した亜希子、裏返すか裏返されるかの戦いを続ける瑛子。これら、常野一族の能力はなんのためにあるのか。これから彼らはどう生きていくのか。話はどんどん広がりそうで、この先ずっとシリーズ化してほしいなあと思うような作品でした。

 タイトルにもなっている「光の帝国」の章では、悲しい出来事に思わず涙ぐんでしまいましたが、最後の「国道を降りて・・・」は、常に在野にあれとあちこちに散らばっていった常野の人々が、これから徐々に居場所を求めて集結しそうな気配を感じさせるとともに、過去と現在がつながる不思議な因縁に少し心があたたまりました。最後は清々しい終わり方で、私まで心穏やかな常野の人々とふれあったような不思議な感覚が残りました。

 恩田陸の作品は、いつもジャンル分けができないなあと思いますが、これもそうですね。ファンタジーという一言ではくくれない、奥の深い作品なんです。何度も読み返したくなる、ステキな作品でした。
光の帝国 常野物語 (常野物語) (集英社文庫) Amazon書評・レビュー: 光の帝国 常野物語 (常野物語) (集英社文庫)より
4087472426
No.92
(5pt)

ひそやかに生き、つないできた特殊な能力を持つ常世の人々を描いた短編集

一つ一つの物語は短くて、時系列に並んでいるわけではないので、人物とその能力、物語同士のつながりの把握のため二度読み直しました。世界の端々でそれぞれの物語や生活を持つ常野の血をひく人々が、知らず共通した何かに大きな仕事に向かっているという大きなくくりの中、彼らの壮絶で悲しい過去と謎が解き明かされてゆくのですが、わたしは表題の「光の帝国」と不思議な一家とこころある先生との交流があたたかい「大きな引き出し」が好きでした。それから、何十年も校長先生をしているツル先生が見殺し(ではないけれど)にしてしまった子供たちとの邂逅が描かれる「国道を降りて…」も。常野の人々は遠くの音を聞き分けたり、知識を際限なく覚えたり…といった特化した能力を持っているのですが、多くのファンタジーのように不死身でも、一般よりも丈夫なわけでもなく、ある意味では一般の人々と同じです。彼らは、静かに目立つことをせずに暮らしていても、しらず見出され、一部の目立つ能力のおかげで、ひどいめにあったり阻害される可能性を持ち続けています。常野の人々はいつのまにか、わたしの住む世界のある人々と次第にかさなってゆきました。すべてを読んだ後で、「光の帝国」の中の「お祈り」を読むとすべてが凝縮されたものを見たような気持ちになりました。苦渋の中の自己肯定の継続という難しいことをしてきた常野のこどもたちには頭がさがる思いでした。はじめは、「光の帝国」のあまりの辛さに安全さを感じないと書いたのだけれど、それをがんばって読んだあとには贈り物をもらった気持ちになりました。
光の帝国 常野物語 (常野物語) Amazon書評・レビュー: 光の帝国 常野物語 (常野物語)より
408774292X
No.91
(5pt)

ひそやかに生き、つないできた特殊な能力を持つ常世の人々を描いた短編集

一つ一つの物語は短くて、時系列に並んでいるわけではないので、人物とその能力、物語同士のつながりの把握のため二度読み直しました。世界の端々でそれぞれの物語や生活を持つ常野の血をひく人々が、知らず共通した何かに大きな仕事に向かっているという大きなくくりの中、彼らの壮絶で悲しい過去と謎が解き明かされてゆくのですが、わたしは表題の「光の帝国」と不思議な一家とこころある先生との交流があたたかい「大きな引き出し」が好きでした。それから、何十年も校長先生をしているツル先生が見殺し(ではないけれど)にしてしまった子供たちとの邂逅が描かれる「国道を降りて…」も。常野の人々は遠くの音を聞き分けたり、知識を際限なく覚えたり…といった特化した能力を持っているのですが、多くのファンタジーのように不死身でも、一般よりも丈夫なわけでもなく、ある意味では一般の人々と同じです。彼らは、静かに目立つことをせずに暮らしていても、しらず見出され、一部の目立つ能力のおかげで、ひどいめにあったり阻害される可能性を持ち続けています。常野の人々はいつのまにか、わたしの住む世界のある人々と次第にかさなってゆきました。すべてを読んだ後で、「光の帝国」の中の「お祈り」を読むとすべてが凝縮されたものを見たような気持ちになりました。苦渋の中の自己肯定の継続という難しいことをしてきた常野のこどもたちには頭がさがる思いでした。はじめは、「光の帝国」のあまりの辛さに安全さを感じないと書いたのだけれど、それをがんばって読んだあとには贈り物をもらった気持ちになりました。
光の帝国 常野物語 (常野物語) (集英社文庫) Amazon書評・レビュー: 光の帝国 常野物語 (常野物語) (集英社文庫)より
4087472426
No.90
(4pt)

いつかこの場所へ

もしかしたら、自分の居場所はほかにあるのではないか。今ここではなく、どこか遠くに。子どもの頃、そんなファンタジーを持ったことはありはしないか。
なにか特別な力を与えられ、なにか特別な運命の元に呼ばれ、なにか特別な使命を背負い、なにか特別な仲間と出会い、なにか特別な私が生まれる。
しかし、少数派であるというだけで「特別」になってしまう側から見ると、迫害される悲しみがあるかもしれぬ。ただ当り前に生まれただけであるのに、特別なものを勝手に用意されてしまって。
そんな葛藤を織り込みながらも、すっきりと淡く優しく儚げに、幻が田舎の風景に描き足されていくと、とても魅力的な人々が透けて見えてくる。

常野の一族の伝説や噂話のような、遠くのほうに位置する物語から始まり、読み進むにつれて、少しずつ、どのような一族であるのかがわかるような順序で収められている。
読み終えて思う。光の帝国は子どもたちの帝国。子どもが子どもらしく、その子らしく過ごせる、そんな世界であるのではないか、と。
読み終えたときは、きっと少しきれいな顔になれるだろう。
光の帝国 常野物語 (常野物語) Amazon書評・レビュー: 光の帝国 常野物語 (常野物語)より
408774292X
No.89
(4pt)

いつかこの場所へ

もしかしたら、自分の居場所はほかにあるのではないか。今ここではなく、どこか遠くに。子どもの頃、そんなファンタジーを持ったことはありはしないか。
なにか特別な力を与えられ、なにか特別な運命の元に呼ばれ、なにか特別な使命を背負い、なにか特別な仲間と出会い、なにか特別な私が生まれる。
しかし、少数派であるというだけで「特別」になってしまう側から見ると、迫害される悲しみがあるかもしれぬ。ただ当り前に生まれただけであるのに、特別なものを勝手に用意されてしまって。
そんな葛藤を織り込みながらも、すっきりと淡く優しく儚げに、幻が田舎の風景に描き足されていくと、とても魅力的な人々が透けて見えてくる。

常野の一族の伝説や噂話のような、遠くのほうに位置する物語から始まり、読み進むにつれて、少しずつ、どのような一族であるのかがわかるような順序で収められている。
読み終えて思う。光の帝国は子どもたちの帝国。子どもが子どもらしく、その子らしく過ごせる、そんな世界であるのではないか、と。
読み終えたときは、きっと少しきれいな顔になれるだろう。
光の帝国 常野物語 (常野物語) (集英社文庫) Amazon書評・レビュー: 光の帝国 常野物語 (常野物語) (集英社文庫)より
4087472426
No.88
(4pt)

永遠の光を求めて

東北の名もない村、「常野」から来た人々には、不思議な力が備わっていた。
膨大な書物を記憶する力、未来を見通す力、遠くの出来事を「見る」力、空を飛ぶ力…。

彼らは、一様に穏やかで、知的で、権力への志向を持たず、普通の人々の間に、
ひっそりと生きているのだが、その能力ゆえ、時として過酷な運命や
果てしない戦いに挑み続けることとなる…。

不思議な能力を持った「常野」の一族をめぐる連作短編集。著者は「ノスタルジアの魔術師」
と称されているらしいが、確かに「夜のピクニック」や「六番目の小夜子」にも通底する
ノスタルジー色を感じる。

また、「しまう(仕舞う)」とか「裏返す」とか、常野一族の能力とそれをあらわす言葉が
また面白い。

それと、お約束かもしれないが、「超」能力者たちが能力ゆえに直面する苦悩や
悲劇についての、十分共感できる「お話作り」の手際の良さは、ストーリー・テラーの
面目躍如であろう。

全部で10の短編が収められており、一部関連のあるものもあるが、基本的にはそれぞれが
独立しており、また、いずれもto be continued といった終わり方なので、続編を
早く読みたくなる。

しかし、これだけ様々な物語を作ってしまうと、これをすべて収束させるのは大事業だなと
ひとごとながら心配してしまう。全10巻、ぐらいじゃすまないのではないだろうか? 



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408774292X
No.87
(4pt)

永遠の光を求めて

東北の名もない村、「常野」から来た人々には、不思議な力が備わっていた。
膨大な書物を記憶する力、未来を見通す力、遠くの出来事を「見る」力、空を飛ぶ力…。

彼らは、一様に穏やかで、知的で、権力への志向を持たず、普通の人々の間に、
ひっそりと生きているのだが、その能力ゆえ、時として過酷な運命や
果てしない戦いに挑み続けることとなる…。

不思議な能力を持った「常野」の一族をめぐる連作短編集。著者は「ノスタルジアの魔術師」
と称されているらしいが、確かに「夜のピクニック」や「六番目の小夜子」にも通底する
ノスタルジー色を感じる。

また、「しまう(仕舞う)」とか「裏返す」とか、常野一族の能力とそれをあらわす言葉が
また面白い。

それと、お約束かもしれないが、「超」能力者たちが能力ゆえに直面する苦悩や
悲劇についての、十分共感できる「お話作り」の手際の良さは、ストーリー・テラーの
面目躍如であろう。

全部で10の短編が収められており、一部関連のあるものもあるが、基本的にはそれぞれが
独立しており、また、いずれもto be continued といった終わり方なので、続編を
早く読みたくなる。

しかし、これだけ様々な物語を作ってしまうと、これをすべて収束させるのは大事業だなと
ひとごとながら心配してしまう。全10巻、ぐらいじゃすまないのではないだろうか? 



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4087472426
No.86
(4pt)

超越した世界・・・

特殊な能力を持つ常野(とこの)という一族を描いた連作短編集。
膨大な書籍を記憶することができる能力、遠くの出来事を知る能力
未来を予測する能力・・・
しかし、その一族は、その特殊な能力をつかって権力を得ようとするのではなく、ふつうの人々の中に埋もれてひっそりと暮らしている。
「彼らは何のために存在し、どこへ帰ろうとしているのか?」

凄惨な話もあるけれど、不思議とドロドロせず
読み終わって穏やかな優しい、
それでいてどこか懐かしい感じのする本。

巻末に、久美沙織という方が寄せた「解説」のサブタイトルが
−もう人間でいたくないあなたに− とあって笑えるのだけど
何か的を得ているようでもあり、妙に納得します。

でも、この世には決して目立たないけれど、こんな魅力的な人達が
どこかにいるかもしれないと思うと、生きていくのも悪くない。
人間いつかは死ぬけれど、死に方がどんなに悲惨であっても
理不尽であっても、もしかしたらそれって不幸なことでも何でもなく
「進んでいく」「続いていく」ために通過する出来事の一区切り
なのかもしれない。
人の世の善悪、幸不幸、貧富や生死すらをも超越した世界って
あるんじゃないかなぁ。

・・・なんて、いろいろ妄想しました。

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408774292X
No.85
(4pt)

超越した世界・・・

特殊な能力を持つ常野(とこの)という一族を描いた連作短編集。
膨大な書籍を記憶することができる能力、遠くの出来事を知る能力
未来を予測する能力・・・
しかし、その一族は、その特殊な能力をつかって権力を得ようとするのではなく、ふつうの人々の中に埋もれてひっそりと暮らしている。
「彼らは何のために存在し、どこへ帰ろうとしているのか?」

凄惨な話もあるけれど、不思議とドロドロせず
読み終わって穏やかな優しい、
それでいてどこか懐かしい感じのする本。

巻末に、久美沙織という方が寄せた「解説」のサブタイトルが
−もう人間でいたくないあなたに− とあって笑えるのだけど
何か的を得ているようでもあり、妙に納得します。

でも、この世には決して目立たないけれど、こんな魅力的な人達が
どこかにいるかもしれないと思うと、生きていくのも悪くない。
人間いつかは死ぬけれど、死に方がどんなに悲惨であっても
理不尽であっても、もしかしたらそれって不幸なことでも何でもなく
「進んでいく」「続いていく」ために通過する出来事の一区切り
なのかもしれない。
人の世の善悪、幸不幸、貧富や生死すらをも超越した世界って
あるんじゃないかなぁ。

・・・なんて、いろいろ妄想しました。

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4087472426
No.84
(4pt)

「達磨山への道」がよかった

「常野一族」を巡る連作になっていて,読んでいくと「ツル先生」の意味がわかったり,ああ,あの人がこう関わってくるのかとわかったり,という風になっているが基本的には各話独立した短編となっている(著者が「あとがき」で「手持ちのカードを使いまくる総力戦になってしまった」と書いている)。

 中でも,ゾッとする読後感の「達磨山への道」が一番よかった。
 常野の聖地一族・達磨山は,人生の転機にある人間が登ると,その人間にとって重要な場面が目の前に現れるという。父親の場合は,靴が現れたらしい。それは,妻と友人が死ぬ(トラックにはねられて,血まみれの2人の靴が路上に転がる)ことの予見だった。「俺」の場合は,7歳くらいの少女が現れた。どういう意味かと考えてみると……
 常野の物語の本筋とはズレているが,読後にジワッと怖さが来る作品だった。

光の帝国 常野物語 (常野物語) Amazon書評・レビュー: 光の帝国 常野物語 (常野物語)より
408774292X
No.83
(4pt)

「達磨山への道」がよかった

「常野一族」を巡る連作になっていて,読んでいくと「ツル先生」の意味がわかったり,ああ,あの人がこう関わってくるのかとわかったり,という風になっているが基本的には各話独立した短編となっている(著者が「あとがき」で「手持ちのカードを使いまくる総力戦になってしまった」と書いている)。

 中でも,ゾッとする読後感の「達磨山への道」が一番よかった。
 常野の聖地一族・達磨山は,人生の転機にある人間が登ると,その人間にとって重要な場面が目の前に現れるという。父親の場合は,靴が現れたらしい。それは,妻と友人が死ぬ(トラックにはねられて,血まみれの2人の靴が路上に転がる)ことの予見だった。「俺」の場合は,7歳くらいの少女が現れた。どういう意味かと考えてみると……
 常野の物語の本筋とはズレているが,読後にジワッと怖さが来る作品だった。

光の帝国 常野物語 (常野物語) (集英社文庫) Amazon書評・レビュー: 光の帝国 常野物語 (常野物語) (集英社文庫)より
4087472426
No.82
(5pt)

発散・収束・胎動

表題作「光の帝国」を含む全10編の短編集。

「常野」と呼ばれる場所からやってきた、遠くの出来事を見る力や、未来を知るといった不思議な力を宿した一族を巡る、
1999年の「象と耳鳴り」以来となる、恩田陸には非常に珍しい連作短編集。

「象と耳鳴り」のような共通した主人公が登場するわけでなく、あくまで常野一族というキーワードを軸に話は展開される。時間軸は現代から戦前まで(描写は江戸時代まで)幅広く展開されるが、登場人物が年齢を重ねて再登場したり、少しずつリンクしている。レビューの最後に、本作を的確にあらわす語りを載せたが、まさにこの通り、時代のうねりとともに一族は離れ、集まり…新たな時代を迎える、胎動を予感させる作品です。

この作品からスピンオフした作品「蒲公英草子」「エンド・ゲーム」がすでに発表されているが、あとがきで著者本人が語るように、この短編からのさらなる展開を心から期待したい。


「『常野』という言葉の由来を知ってますか?権力を持たず、群れず、常に在野の存在であれ。そういう意味だそうです。(中略)これから世界は新しい局面を迎えようとしているのかもしれない。常野の人々が時代の表面に出なければならないような世界に」 本文247ページより

光の帝国 常野物語 (常野物語) Amazon書評・レビュー: 光の帝国 常野物語 (常野物語)より
408774292X
No.81
(5pt)

発散・収束・胎動

表題作「光の帝国」を含む全10編の短編集。

「常野」と呼ばれる場所からやってきた、遠くの出来事を見る力や、未来を知るといった不思議な力を宿した一族を巡る、
1999年の「象と耳鳴り」以来となる、恩田陸には非常に珍しい連作短編集。

「象と耳鳴り」のような共通した主人公が登場するわけでなく、あくまで常野一族というキーワードを軸に話は展開される。時間軸は現代から戦前まで(描写は江戸時代まで)幅広く展開されるが、登場人物が年齢を重ねて再登場したり、少しずつリンクしている。レビューの最後に、本作を的確にあらわす語りを載せたが、まさにこの通り、時代のうねりとともに一族は離れ、集まり…新たな時代を迎える、胎動を予感させる作品です。

この作品からスピンオフした作品「蒲公英草子」「エンド・ゲーム」がすでに発表されているが、あとがきで著者本人が語るように、この短編からのさらなる展開を心から期待したい。


「『常野』という言葉の由来を知ってますか?権力を持たず、群れず、常に在野の存在であれ。そういう意味だそうです。(中略)これから世界は新しい局面を迎えようとしているのかもしれない。常野の人々が時代の表面に出なければならないような世界に」 本文247ページより

光の帝国 常野物語 (常野物語) (集英社文庫) Amazon書評・レビュー: 光の帝国 常野物語 (常野物語) (集英社文庫)より
4087472426
No.80
(5pt)

常野に里帰り

ふと読みたくなって何年ぶりかで読んでみた感想です。

どの話もそれぞれ続きが気になりますが私は「光の帝国」が一番好きです。何度読んでも
最後ツル先生に子供達が語りかける所で感動します。そして「国道を降りて」での再会で
終わる所がいいですね。ツル先生は不思議な存在で彼自身の人格を感じさせません。しかし
大きな存在感があります。きっと「常野」の象徴なんでしょう。

「常野」は恩田陸ファンにとっての故郷の一つなんだと思います。(もう一つはミステリーでしょうか)
超能力・時間軸・見えない敵との戦い・一般社会にありながらそれらに関わる主人公達、等
読み手にとっての恩田陸らしさのほぼ全てがこのシリーズに出て来ます。
これらの要素に会いたくて数々の恩田作品を読み、時々「常野」に帰ってくる。
自分を含め、そんな人が沢山いるだろうと思います。

個人的な意見ですが、この作品は時間を置いて寝かせてから是非再読してみて下さい。
きっと初めて読んだ時より堪能出来ます。


光の帝国 常野物語 (常野物語) Amazon書評・レビュー: 光の帝国 常野物語 (常野物語)より
408774292X
No.79
(5pt)

常野に里帰り

ふと読みたくなって何年ぶりかで読んでみた感想です。

どの話もそれぞれ続きが気になりますが私は「光の帝国」が一番好きです。何度読んでも
最後ツル先生に子供達が語りかける所で感動します。そして「国道を降りて」での再会で
終わる所がいいですね。ツル先生は不思議な存在で彼自身の人格を感じさせません。しかし
大きな存在感があります。きっと「常野」の象徴なんでしょう。

「常野」は恩田陸ファンにとっての故郷の一つなんだと思います。(もう一つはミステリーでしょうか)
超能力・時間軸・見えない敵との戦い・一般社会にありながらそれらに関わる主人公達、等
読み手にとっての恩田陸らしさのほぼ全てがこのシリーズに出て来ます。
これらの要素に会いたくて数々の恩田作品を読み、時々「常野」に帰ってくる。
自分を含め、そんな人が沢山いるだろうと思います。

個人的な意見ですが、この作品は時間を置いて寝かせてから是非再読してみて下さい。
きっと初めて読んだ時より堪能出来ます。


光の帝国 常野物語 (常野物語) (集英社文庫) Amazon書評・レビュー: 光の帝国 常野物語 (常野物語) (集英社文庫)より
4087472426