薬指の標本

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評判

薬指の標本の評価:

4.30/5点 レビュー 84件。 C ランク

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平均点4.30pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全117件 61〜80 4/6ページ
No.57
(5pt)

幻想的なSM小説

ある人の日記で、SMシーンの一切無いSM小説だと紹介されていて、興味を持って読んでみた。確かに、ここに描かれている世界は紛れも無いSMワールドだと思う。

 標本と赤い靴という小道具が、とても妖しく世界を形作っていく。何度も何度も読み直してみたくなる、不思議な小説だ。
薬指の標本 Amazon書評・レビュー: 薬指の標本より
4104013013
No.56
(5pt)

幻想的なSM小説

ある人の日記で、SMシーンの一切無いSM小説だと紹介されていて、興味を持って読んでみた。確かに、ここに描かれている世界は紛れも無いSMワールドだと思う。

 標本と赤い靴という小道具が、とても妖しく世界を形作っていく。何度も何度も読み直してみたくなる、不思議な小説だ。
薬指の標本 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 薬指の標本 (新潮文庫)より
4101215219
No.55
(5pt)

劇薬注意!

小川さんの作品は博士の愛した数式しか読んだことがないので、てっきり温かみのあるストーリーを主に描く方かと思いきや…。いやはや、こんなサイコパス風味なモノも書ける方だとは。
情景を美しく描き出した文体に魅せられて読み進めていたら、何時の間にか「薬指の〜」の主人公のように日常から異世界へと切り離されていくような感覚に陥っている自分に気がついて、この方の持つ世界観にただ驚嘆するしかなかった。「六角形の〜」の方も、切ないストーリーの中に二度と覚めない夢の中に引きずりこむような怪しさを漂わせていてインパクト大。博士の愛した数式でファンになった方には、次にこの「劇薬本」を読むことはおススメしかねる。他作品で耐性を身に付けてからご賞味あれ。
薬指の標本 Amazon書評・レビュー: 薬指の標本より
4104013013
No.54
(5pt)

劇薬注意!

小川さんの作品は博士の愛した数式しか読んだことがないので、てっきり温かみのあるストーリーを主に描く方かと思いきや…。いやはや、こんなサイコパス風味なモノも書ける方だとは。
情景を美しく描き出した文体に魅せられて読み進めていたら、何時の間にか「薬指の〜」の主人公のように日常から異世界へと切り離されていくような感覚に陥っている自分に気がついて、この方の持つ世界観にただ驚嘆するしかなかった。「六角形の〜」の方も、切ないストーリーの中に二度と覚めない夢の中に引きずりこむような怪しさを漂わせていてインパクト大。博士の愛した数式でファンになった方には、次にこの「劇薬本」を読むことはおススメしかねる。他作品で耐性を身に付けてからご賞味あれ。
薬指の標本 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 薬指の標本 (新潮文庫)より
4101215219
No.53
(4pt)

静謐なエロティシズム

評判とおり透明で静謐な作品。どこかを突付くと、そこからこなごなに壊れてしまいそうなくらいに繊細で、微妙なバランスで保たれた世界。ディテールはリアルでありながら全く現実離れした世界。

「標本」という、いわば時間を閉じ込めた小空間。その中で、そこに収められたモノは永遠に残ったとしても、それを包括していた全体としての存在は消えているということ。存在の消失と永続性、モノに対するフェティシズムとエロティシズム。非常に雰囲気と香りを伴った、確かにフランス人好みの作品かもしれません。
薬指の標本 Amazon書評・レビュー: 薬指の標本より
4104013013
No.52
(4pt)

静謐なエロティシズム

評判とおり透明で静謐な作品。どこかを突付くと、そこからこなごなに壊れてしまいそうなくらいに繊細で、微妙なバランスで保たれた世界。ディテールはリアルでありながら全く現実離れした世界。

「標本」という、いわば時間を閉じ込めた小空間。その中で、そこに収められたモノは永遠に残ったとしても、それを包括していた全体としての存在は消えているということ。存在の消失と永続性、モノに対するフェティシズムとエロティシズム。非常に雰囲気と香りを伴った、確かにフランス人好みの作品かもしれません。

薬指の標本 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 薬指の標本 (新潮文庫)より
4101215219
No.51
(4pt)

身体の喪失感

ここのところ小川洋子さんにどっぷりはまっている。解剖学者養老猛司の愛弟子である布施英利も巻末に書いているように身体の消失感がこの本のメインテーマ。他者への依存から生まれる自己消失感。この「感じ」を、本来の精神的なものとしてではなく物理的、身体的なものに少しずつシフトさせながら描く。病は気から、ではないが精神的なものはいずれ身体へとおりてくる。ボディビルという身体への変質的こだわりから最終的に生首に至った三島由紀夫のように。静かに淡々と進むストーリながら読み終わってみると肉体的にどっと疲れている。これも身体へ強いのこだわりを描いた故なんだろうか。
薬指の標本 Amazon書評・レビュー: 薬指の標本より
4104013013
No.50
(4pt)

身体の喪失感

ここのところ小川洋子さんにどっぷりはまっている。解剖学者養老猛司の愛弟子である布施英利も巻末に書いているように身体の消失感がこの本のメインテーマ。他者への依存から生まれる自己消失感。この「感じ」を、本来の精神的なものとしてではなく物理的、身体的なものに少しずつシフトさせながら描く。病は気から、ではないが精神的なものはいずれ身体へとおりてくる。ボディビルという身体への変質的こだわりから最終的に生首に至った三島由紀夫のように。静かに淡々と進むストーリながら読み終わってみると肉体的にどっと疲れている。これも身体へ強いのこだわりを描いた故なんだろうか。

薬指の標本 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 薬指の標本 (新潮文庫)より
4101215219
No.49
(4pt)

素敵な恐ろしさ。

いかなる場合でも自分のペースを崩さない、他人の迷惑に鈍感な、こういうタイプの人はどこにでもいる。
あの時の感触ははっきり覚えているのに、感情はよみがえってこない。
本人の意思や努力によって運命を切り開けると信じている人もいるかもしれません。
けれど、意思や努力がすでに運命なのだと、わたしは感じます。決して人生を否定しているのではありません。
次の瞬間何が起こるか、わたしたちは少しも知らされていないのですから、やはり常に自分の力で選択したり判断したり築いていったりしなければならないでしょう。
いくら運命が動かしがたいものだとしても、すべてをあきらめてしまうなんて愚かです。
誰にとっても運命の終着は死ですが、だからと言って最初から生きる気力を失う人は、たぶんあまりいないはずです。

なるほどなあ〜〜と思った作中の文章であります。
薬指の標本 Amazon書評・レビュー: 薬指の標本より
4104013013
No.48
(4pt)

素敵な恐ろしさ。

いかなる場合でも自分のペースを崩さない、他人の迷惑に鈍感な、こういうタイプの人はどこにでもいる。
あの時の感触ははっきり覚えているのに、感情はよみがえってこない。
本人の意思や努力によって運命を切り開けると信じている人もいるかもしれません。
けれど、意思や努力がすでに運命なのだと、わたしは感じます。決して人生を否定しているのではありません。
次の瞬間何が起こるか、わたしたちは少しも知らされていないのですから、やはり常に自分の力で選択したり判断したり築いていったりしなければならないでしょう。
いくら運命が動かしがたいものだとしても、すべてをあきらめてしまうなんて愚かです。
誰にとっても運命の終着は死ですが、だからと言って最初から生きる気力を失う人は、たぶんあまりいないはずです。

なるほどなあ〜〜と思った作中の文章であります。
薬指の標本 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 薬指の標本 (新潮文庫)より
4101215219
No.47
(5pt)

大好きな本

表現の一つ一つがとても繊細で言葉をすごく丁重に扱っている作家さん
彼女の作品の中では、日常にありふれているはずの物まで
不思議な雰囲気をかもし出します。

文章から伝わってくる雰囲気は、とても寡黙。
でも、どこか生ぬるく独特の緩やかな時間が流れています。
最近の作品も好きですが、この頃の作品が一番好きです。
薬指の標本 Amazon書評・レビュー: 薬指の標本より
4104013013
No.46
(5pt)

大好きな本

表現の一つ一つがとても繊細で言葉をすごく丁重に扱っている作家さん
彼女の作品の中では、日常にありふれているはずの物まで
不思議な雰囲気をかもし出します。

文章から伝わってくる雰囲気は、とても寡黙。
でも、どこか生ぬるく独特の緩やかな時間が流れています。
最近の作品も好きですが、この頃の作品が一番好きです。
薬指の標本 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 薬指の標本 (新潮文庫)より
4101215219
No.45
(4pt)

封じ込めること、分離すること、完結させること

「封じ込めること、分離すること、完結させることが、ここの標本の意義だからです」。技術士の弟子丸氏は言った。彼が標本にできないものは何一つない。様々な品物が持ち込まれ、標本化によって依頼者は安堵を得る。その「標本室」に、「わたし」は事務員として採用された。

二人きりの「標本室」。弟子丸氏という不思議な人物に、いつしか「わたし」は侵食され、絡め取られていく・・・このような設定は、小川作品ではしばしば目にするが、本作品は印象深いもののひとつだ。弟子丸氏が突然露わにする「わたし」への執着。いたぶりに近い行為。それに「わたし」が飲み込まれ、自らを差し出すようになっていく怖さ・・・ 浴場(「標本室」は女子専用アパートだった建物を利用している)でのデートの場面など、映像的な魅力にも富んでいる。

ふと思う。いつから侵食が始まっていたのだろう。「わたし」が弟子丸氏に初めて浴場に案内され、靴をプレゼントされた時か。いや、事務員募集の貼紙を見て標本室を訪れた時すでに、ひょっとするともっと前から運命づけられていたことではなかったか。・・・その線引きの難しさ、境界の曖昧さに怖さを感じる。境界のあやふやさは小川作品のひとつの個性に違いない。現実と非現実、安らかさと危うさ、甘さと痛さ、穏やかさと烈しさ、正気と狂気・・・両者の重なり合う地点から静かに語られる物語には、しばしば不安な気持ちにさせられつつ、魅了される。

「標本室」と似た機能をもつ場を描いた作品に『沈黙博物館』がある。あちらも特殊なものを収集、保管する物語だが、味わいはまったく異なる長編。合わせて読まれると興味深いのではと思う。
薬指の標本 Amazon書評・レビュー: 薬指の標本より
4104013013
No.44
(5pt)

彼女に読ませて反応を観るのもよし

私がまだ、“昆虫ハカセ”だった頃身近な昆虫達を捕まえて標本にしていた。先端恐怖症の私は柄付き針を使わない、もっぱらホルマリン漬け標本家専門であった。しかも、殺生ができない子供らしくない子供だった私は屍(しかばね)専門で、
息を止めて全神経を集中させ、その「屍」=「物体」と二人きりの時間を楽しんだ。
標本作りには、たっぷりの時間が必要だ。
足の欠けたダンゴムシやメスに頭部を半分齧られ悶絶死したハラビロカマキリやらが宝物だった。
幸い、大人になった私は多忙な日々を送る商社マンだが、隙あらば、弟子丸になっていたかもしれない。

つぎは、
あなたの番だっ。
薬指の標本 Amazon書評・レビュー: 薬指の標本より
4104013013
No.43
(4pt)

封じ込めること、分離すること、完結させること

「封じ込めること、分離すること、完結させることが、ここの標本の意義だからです」。技術士の弟子丸氏は言った。彼が標本にできないものは何一つない。様々な品物が持ち込まれ、標本化によって依頼者は安堵を得る。その「標本室」に、「わたし」は事務員として採用された。

二人きりの「標本室」。弟子丸氏という不思議な人物に、いつしか「わたし」は侵食され、絡め取られていく・・・このような設定は、小川作品ではしばしば目にするが、本作品は印象深いもののひとつだ。弟子丸氏が突然露わにする「わたし」への執着。いたぶりに近い行為。それに「わたし」が飲み込まれ、自らを差し出すようになっていく怖さ・・・ 浴場(「標本室」は女子専用アパートだった建物を利用している)でのデートの場面など、映像的な魅力にも富んでいる。

ふと思う。いつから侵食が始まっていたのだろう。「わたし」が弟子丸氏に初めて浴場に案内され、靴をプレゼントされた時か。いや、事務員募集の貼紙を見て標本室を訪れた時すでに、ひょっとするともっと前から運命づけられていたことではなかったか。・・・その線引きの難しさ、境界の曖昧さに怖さを感じる。境界のあやふやさは小川作品のひとつの個性に違いない。現実と非現実、安らかさと危うさ、甘さと痛さ、穏やかさと烈しさ、正気と狂気・・・両者の重なり合う地点から静かに語られる物語には、しばしば不安な気持ちにさせられつつ、魅了される。

「標本室」と似た機能をもつ場を描いた作品に『沈黙博物館』がある。あちらも特殊なものを収集、保管する物語だが、味わいはまったく異なる長編。合わせて読まれると興味深いのではと思う。

薬指の標本 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 薬指の標本 (新潮文庫)より
4101215219
No.42
(5pt)

彼女に読ませて反応を観るのもよし

私がまだ、“昆虫ハカセ”だった頃身近な昆虫達を捕まえて標本にしていた。先端恐怖症の私は柄付き針を使わない、もっぱらホルマリン漬け標本家専門であった。しかも、殺生ができない子供らしくない子供だった私は屍(しかばね)専門で、
息を止めて全神経を集中させ、その「屍」=「物体」と二人きりの時間を楽しんだ。
標本作りには、たっぷりの時間が必要だ。
足の欠けたダンゴムシやメスに頭部を半分齧られ悶絶死したハラビロカマキリやらが宝物だった。
幸い、大人になった私は多忙な日々を送る商社マンだが、隙あらば、弟子丸になっていたかもしれない。

つぎは、
あなたの番だっ。
薬指の標本 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 薬指の標本 (新潮文庫)より
4101215219
No.41
(4pt)

映画を観てから原作を読む、のパターン

『薬指の標本』、映画の印象が強烈で、観たすぐに、

原作を読んでみました。

登場人物、プロット、台詞、イマジネーションは、

映画でもそのまま活かされていて、変な感じですが、ちょっと

安心しました。読みながら映画のシーンが、ガンガン、頭に

現れてきて、それは奇妙な体験です。

でも、映画も原作もどっちもよかった。独特の世界観とエロス、

タナトスの世界。

もう一方の『六角形の部屋』も、奇妙な世界観と後味で、

不思議な小説でした。文章や描写は平易なのですが、その分

描かれているお話、語り小部屋や主人公が遭遇する人々は

なんか、シュールレアリズムな感覚に捕らわれる、読んでいて

不思議な空間時間間隔になる一篇です。
薬指の標本 Amazon書評・レビュー: 薬指の標本より
4104013013
No.40
(4pt)

映画を観てから原作を読む、のパターン

『薬指の標本』、映画の印象が強烈で、観たすぐに、
原作を読んでみました。

登場人物、プロット、台詞、イマジネーションは、
映画でもそのまま活かされていて、変な感じですが、ちょっと
安心しました。読みながら映画のシーンが、ガンガン、頭に
現れてきて、それは奇妙な体験です。

でも、映画も原作もどっちもよかった。独特の世界観とエロス、
タナトスの世界。

もう一方の『六角形の部屋』も、奇妙な世界観と後味で、
不思議な小説でした。文章や描写は平易なのですが、その分
描かれているお話、語り小部屋や主人公が遭遇する人々は
なんか、シュールレアリズムな感覚に捕らわれる、読んでいて
不思議な空間時間間隔になる一篇です。
薬指の標本 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 薬指の標本 (新潮文庫)より
4101215219
No.39
(5pt)

繊細。

「博士の愛した数式」と同じ作者とは思えない。全く違うタッチ。

描写がとても繊細で、目の前にスローモーションで映像が浮かんでくるような不思議な感覚。匂いや温度まで伝わってきそうな感覚。静かな場所で読むと音までも聞こえてきそうな・・・。

恋、愛、をまだ知らないpureであり、でも深い、若い女性の心もが伝わってくる。

存在する物(者)が消えてゆく、消えてもなお存在し続ける そんな不思議な感覚を作り出す短編。

私は好きです。
薬指の標本 Amazon書評・レビュー: 薬指の標本より
4104013013
No.38
(5pt)

繊細。

「博士の愛した数式」と同じ作者とは思えない。全く違うタッチ。
描写がとても繊細で、目の前にスローモーションで映像が浮かんでくるような不思議な感覚。匂いや温度まで伝わってきそうな感覚。静かな場所で読むと音までも聞こえてきそうな・・・。
恋、愛、をまだ知らないpureであり、でも深い、若い女性の心もが伝わってくる。

存在する物(者)が消えてゆく、消えてもなお存在し続ける そんな不思議な感覚を作り出す短編。
私は好きです。
薬指の標本 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 薬指の標本 (新潮文庫)より
4101215219