忘れられた花園

【この小説が収録されている参考書籍】

【この小説が載っている参考書籍】

評判

忘れられた花園の評価:

4.19/5点 レビュー 21件。 A ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点4.19pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全26件 21〜26 2/2ページ
No.6
(5pt)

時渡りしながら。しかもいろんな人の視点から

もうすぐクリスマス、という時に綺麗な緑と赤の本が並んでいるのを見つけて「あらークリスマスカラーじゃないの」と手に取ったのが最初。1ページ立ち読みして「へえ、読みやすい訳だね。すーっと入ってくる」と思い、連れて帰りました。

まだ緑の方{上巻}しか読んでいないのですが{下巻が赤色}レモンのスライスが喉に詰まったような感じ、とか、ベルベットのスカーフをふわりと置いたような海、とかいう表現が出てきて「おおーオシャレ!なんか分かる気がするよそう言いたい感じだったんだなって」といちいち感心しました。物語はいろんな人の視点から語られるし、いろんな人の生きた時代に飛びます。ERっていうアメリカのドラマがあったけれどあれとちょっと似ているかもしれない。並行していくつかのお話が進んでいくような。源氏物語にも似ているかな?あれも視点が変わりますよね。源氏物語、っていうのに周りの女の人視点で物語が進んでいくんだよね。
えーと。このお話は、とにかく時渡りしまくるので、私はメモしながら読みました。家系図とかもね。メモしながら読んだ方が分かりやすいと思います。今のところネルが好きかな。吉行和子さんビジョンで読んでます。2番目がイライザかな。こちらは桐谷美玲ちゃんビジョンで。下巻も楽しみです。
忘れられた花園 上 Amazon書評・レビュー: 忘れられた花園 上より
4488013317
No.5
(4pt)

良く構成が練られている

あらすじは、他の方が書かれた通り。
作者は描写力も構成力もある。
世代の違う登場人物それぞれの時代や場所の雰囲気が良く伝わってきた。
ミステリーの背景となる出来事も読者の関心を離さず語られていく。
ただ人物を語ることに力が入れられていない。
作者が選んだ時点の出来事が語られるので、途中の心情変化などは言葉で説明されておしまいなのだ。
例えば、ある登場人物達は双方相手に対して偏見を持って出会ったのだが、次の時点では切っても切れない程の仲になっている。
なぜ、どのように、と気にはなるが、ストーリーは進んでしまう。
選んだ時点について書くことで、作者は登場人物の変化の部分を具体的に書くことから逃れている。
それがどの人物にも入り込めないことに繋がり、私にとっては少し物足りない作品になってしまった。
忘れられた花園 下 Amazon書評・レビュー: 忘れられた花園 下より
4488013325
No.4
(4pt)

主人公は3代の女性たち

1913年オーストラリアの港に一人降り立った少女。
ネルと名付けられた「この少女はいったい誰なのか?」というところから、物語は始まります。
上巻でイギリスを訪れたネルの記憶がフラッシュバックし、
ネルの軌跡を追い求める孫娘カサンドラの調査によって、ネルの両親は判明します。
しかし、それだけではないのです。
「なぜイギリスの上流社会に生まれた少女が、オーストラリアに一人たどり着いたのか?」という謎が残っています。
この謎を解くために、コテージハウスとその忘れられた庭を修復するカサンドラは、恐るべき秘密を知るのです。

第一次大戦前の退廃したイギリスの上流社会の狂気が、女性たちの運命を狂わせていきます。
イライザの救いようのない、悲しい人生。
実父母に「捨てられた」と思い込み、安らかで明るい人生のぬくもりを放棄したネル。
夫と子供を事故で亡くし、その喪失感から立ち直れないでいたカサンドラ。
3代の女性たちが奏でる悲しい旋律が物語を包み込みます。

カサンドラの友人ルビーの言葉「失ったもので人生を測っては駄目」という言葉と、不思議な体験を共有した男性の出現によって、
一つの物語は幕を閉じ、「自分の居場所」を見いだしたカサンドラは 新たな一歩を踏み出します。

サスペンスとしては謎が容易に解けてしまいますが、失われたものへの鎮魂歌として深い余韻を残してくれる一冊です。
忘れられた花園 下 Amazon書評・レビュー: 忘れられた花園 下より
4488013325
No.3
(4pt)

まあまあか、書店より入手容易だったので購入

なにかの書評を参考に入手したが、哲学性に欠ける。上巻を読んだので、とにかく下巻も読んでみた。
忘れられた花園 下 Amazon書評・レビュー: 忘れられた花園 下より
4488013325
No.2
(5pt)

まさに「物語には人々の傷ついた心を癒す不思議な力がある」(下巻60頁)のです。


 1913年、少女はひとり船に乗ってロンドンからオーストラリアへと向かった。到着地で身寄りもなく自分のことを話そうとしない少女はあるオーストラリア人夫婦に引き取られ、ネルと名付けられて育てられる。
 2005年、ネルは大往生を遂げるが、彼女の遺品をもとに孫娘のカサンドラはイギリスへと旅に出る。祖母が一体何者であったのかを探しもとめて…。

 100年以上の時と二つの国をまたいでミステリアスな物語が展開します。
 上下巻で700頁近い大部の小説ですが、実にスリリングなストーリーラインに引っ張られ、時が経つのを忘れて読みふけってしまいました。

 この物語の源はビクトリア朝時代の19世紀末にあり、ゴシック調の当時の暗く湿った時代の空気を巧みに表現しています。その一方で現代に生きるカサンドラは、物悲しい過去を背負いながら謎を追う、行動的な女性として描かれ、これもまた大変感情移入しやすい人物造形がなされているのです。

 そして謎を解いていくことによってカサンドラが目にするのは、女性たちがかつて歩まざるをえなかった哀しく厳しい時代のこと。
 しかしそれでも人間は昨日を乗り越えて明日へと歩み続けてきたこと。
 「人生は自分が手に入れたもので築き上げるものよ、手に入れ損なったもので測っちゃ駄目」(下巻226頁)。
 人生を肯定するそんな言葉が登場するのですが、その言葉が真に胸に迫ってきます。

 最後にぜひ強調しておきたいのは、訳者の日本語が大変に見事であること。
 物語の流れを堰き止めてしまうような硬質の訳文はひとつもありません。この小説があたかも最初から日本語で書かれたかのような錯覚をおぼえるほどです。
 「survivor」を「へこたれない子」、「home」を「自分の居場所」と訳すところなどは、主人公たちの心情を鮮やかなまでにつかみとっていて、ほれぼれします。
 こんな素晴らしい翻訳家がいたことを知らずにいて損をした気分がしました。

 小説を読むことの悦びを教えてくれる書として、ぜひ誰かに知らせたくなる物語というのが時に私の前に現れます。
 この『忘れられた花園』はまさにそのような書であると、いま私は自信を持って言うことが出来ます。

忘れられた花園 下 Amazon書評・レビュー: 忘れられた花園 下より
4488013325
No.1
(5pt)

ぜひ!お読みください。

「嵐が丘」、バーネットの「秘密の花園」、フィリパ・ピアスの特に「トムは真夜中の庭で」・「ハヤ号セイ川を行く」、そして、スーザン・クーパーの「コーンウォールの聖杯」などを小学校高学年から思春期にかけて読み、それがきっかけで英語やイギリスが大好きになった人にぜひ!読んでいただきたい作品です。
 作者はオーストラリア人。舞台は1913年、オーストラリア行きの船に一人取り残された英国の幼女の登場によって始まります。この子の「居場所」(ホーム)とはどこか、また、何かというのがこの作品の主題です。
 わたくしごときが最初のレビューを書くことになって恐縮です。原書の方に読み応えのあるレビューが複数ありますので、そちらにお回りください。また、3月20日の朝日新聞に、わたくしの大好きな鴻巣由季子さんの書評が掲載されていますので、そちらもどうぞ。
 謎解き自体は、わたくしががん患者なので、途中でわかってしまいましたが、美しいもの、真摯なものが何よりの薬だと思っているわたくしには、最後まで、細部に至るまで楽しめる作品でした。
 それと、訳者の青木純子さんも下巻の巻末に書いておられますが、後書きは絶対に最初には読まないでください。「ああっ、あたしも思った、思った。」ということが書かれていて笑えます。青木さんご自身はユーモア精神に富む方のようですが、しらばっくれて、きっちりとお仕事されているのもよかったです。
 あつかましいことに、わたくしは、この作者の最新作"The Distant Hours"をアマゾンさんに発注してしまいました。どうなることやら・・・

忘れられた花園 上 Amazon書評・レビュー: 忘れられた花園 上より
4488013317