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下町ロケット
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下町ロケットの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.52pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全545件 521~540 27/28ページ
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著者・池井戸潤氏が、素晴らしい小説 「下町ロケット」を 届けてくれた。 企業規模は小さいもが、将来の夢と技術力が抜群の佃製作所。 東京大田区にある、下町の中小企業が舞台となっている。 著者・池井戸氏の緻密に計算されたストーリ展開と、舞台演劇 の様な人間模様に、読者はぐいぐいと惹き込まれるのだ。 東京地方裁判所から、訴状が届く。一部上場の精密機械メーカ 「ナカシマ工業」からの損害賠償。金額九十億。大手・ナカシ マ工業は、中小企業 佃製作所の買収を企てていたのだ。 しかし、問題はこれだけでは終わらなかった。次に登場するの は日本を代表する「帝国重工」。 同社の宇宙航空部は大型ロケットの開発「スターダスト計画」 を掲げて、社長プロジェクトとして推進しているのだ。 大型ロケットのキーデバイスである、水素エンジンのバルブ システムの特許戦略で、佃製作所に先行されてしまった。 国家プロジェクト推進という大義名分を掲げる、「帝国重工」 の横柄で独断的な要求を突きつけられる。カネで特許使用許諾 を独占するというものだ。佃社長は、最後までバルブシステム の部品供給に拘る。それは、佃社長の夢だからである。 社内の反対勢力にあいながらも、佃製作所は一丸となって、 この難局に立ち向かって行くのである。 経理部長・殿村直弘の不器用であるが、技術開発部や営業部、 そして社内の若手を調整するのだ。その愚直な態度に・・・。 胸が熱くなった・・・。 一部上場企業と中小企業は日本に限らず、知的財産をめぐる法定 闘争や銀行融資などの資金調達面、あらゆる面でハンディキャッ プがあるのだ。 しかし、この様な逆境に果敢に立ち向かい、自分自身の「夢」を 追い続け、運命を切り開いていく姿は、本当に素晴らしい。 こころの中で勇気が沸いてくる、充実の一冊である。 | ||||
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町工場と大企業が、特許をめぐり熱いバトルを繰り広げる、工場エンターテイメント。 この、町工場と大企業の駆け引きに、ハラハラドキドキしながら読み進めました。 最後まで怒涛の展開で、途中で止めるのが難しいです。 知的財産をめぐり、さまざまな思惑が交錯する企業ドラマ。 資金繰り、貸し渋り、下請けいじめ‥‥中小企業の苦労がひしひしと伝わってきます。 苦境に立たされても決して諦めず、意地と矜持をかけ大企業と渡り合う姿に勇気をもらえ、町工場の底力に元気をもらえます。 こういったわくわくするビジネス小説はなかなかありません。 最先端の独自技術を持っているからこそ夢を追いかけられるのであって、現実はこういった中小企業は数少ないのでしょう。 夢と、モノ作りに対する情熱だけで生き抜いていくのは、なかなか難しい時代です。 この物語は、今の中小企業の危機時代を生き抜くヒントを提示してくれているように思います。 失敗から学び、挑戦し続けることが成功へとつながる。 夢を追いかける男の、熱いメッセージがこめられた物語です。 職種に関係なく、働く人にお勧めの一冊です。 | ||||
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ストーリーの展開にどきどきしながら、全編を通じて面白く一気に読めてしまう一冊。若干、理想型過ぎるかもしれないが、最近元気がないと言われる日本の経済において、懐かしい薫りをあたえてくれる作品である。 作者のバックグラウンドがふんだんに発揮されていて、経済小説としても十分面白いし、いろいろ勉強になった。 就活中の学生、新入社員、中堅社員等、世代を問わずに楽しめる、否、必読の一冊と思った。評者の個人的思い入れとしては、主人公の佃社長よりも、経理の「トノ」さんに強く惹かれた。 もちろん、こういう仕事人生は現実にはなかなか難しいのであろうが、その断片は誰にも手にすることができると思う。そのヒントを教えてくれるような、読後感の爽やかな作品であった。読んで大正解。 | ||||
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ネットの評判が良かったので購入。 タイトルと冒頭で、まあ全体の雰囲気は読める。 こういった作りの作品は安定して読みやすいから好きです。 登場人物がちょっと多かったのは、 週刊誌での連載で読んでたら、まずはわかんなくなるだろうなー。 これも実写化しそう。 とある自社社員の処遇や 悪役で登場の技術担当者への扱いなど、 ちょっと腑に落ちない点があるので、 マイナス★です。 | ||||
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読みました。爽快でした。自分の仕事へのモチベーションにもつながります。 ただ、空飛ぶタイヤと比べると、とんとん拍子でうまくいくので印象には残りにくい作品でした。 | ||||
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経済って何て面白いんだろう! 下手な推理小説よりナンボも ドキドキしてわくわくする。 最初から最後まであっという間に読んでしまった。 もっともっとこんな本読んでみたい! 池井戸さんって凄い人ですね。 | ||||
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町工場を経営する離婚したおじさん。かつては宇宙開発機構で働いていたのが、ロケット打ち上げに失敗した過去を持つ。 町工場のくせに開発費を潤沢にもち、使えもしないロケットエンジンの特許を持っている。 バカな勘違いおやじか。 理工系の夢見る勘違い経営者か。 特許をめぐってしかけられた大企業との訴訟。 特許をめぐって持ちかけられた別な大企業からの儲け話。 私だったらそうはしない。 いや、だれだってそんな選択をしないよ。 なぜ仕事をするのか。 何のために生きているのか。 働く意義を説きつける一冊。 でもこんな生き方をしてたら身が持たんぜ。 痛快町工場経営者の物語。 <後日追記> 3度目の正直!直木賞受賞おめでとうございます!やたー! | ||||
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とてもとても面白い本です。 実はインフルエンザで寝込んでしまって苦しみぬいた後、友達にすすめられ寝ながら読んだ本。 「病み上がりに読むにふさわしくなさそう・・・」とダラダラページを勧めたが、 これがこれが実によくできた本。 下町の中小企業を舞台にした地味〜な先入観は捨ててください。 倒産の危機に陥った佃製作所、でもそこで働く人たちには心があり、夢があり、情熱がある。 取引先から見放され、ライバル会社からは特許侵害されながらも腐らない。 夢が莫大なお金をうむ仕事へとつながっていく・・・。 読後はすっかり元気に復活できた、読む人に元気をくれる本。 | ||||
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勧善懲悪、池井戸氏の作品を一言で現わすとこうなると思う。高い志を抱き、筋を曲げずに、誠実に努力を重ねると必ず報われる。逆によこしまな考えから人を裏切ったり、貶めたりする者は罰を受ける。わかりやすい勧善懲悪ストーリーを池井戸氏は企業を舞台に繰り返し描き、私たちを「志を抱いて誠実に生きよ」と励ましてくれる。 本作は、夢と理想を追い求める中小企業経営者が主人公である。ロケット発射失敗で挫折して研究者から2代目経営者となった佃が開発したロケットエンジン技術がついに日の目を見る時が来る。幾度も妨害があり、危機が訪れるが、佃は的確な判断と行動で乗り切っていく。ここでも目先の利益ではなく「夢」や「志」の有無がものを言うのだ。シーンが浮かぶように描きだすリアルな筆致も池井戸氏の作品の特徴だろう。登場人物たちの造形が確かなのでそれぞれが身近な隣人のように感じられる。そのため読み進むにつれ魅力的な主人公に感情移入してしまう。 「空飛ぶタイヤ」「鉄の骨」と池井戸氏の作品を読んできてこの「下町ロケット」にたどり着いた。前2作も面白かったが、本作はさらにパワーアップしていて読みながらハラハラドキドキの連続。最後のロケット打ち上げのシーンでは不覚にも涙がにじみ、読み終えて「よかった」と私はつぶやいていた。 多くの人々が一度は悩むであろう「何のために働くのか」という命題にこの小説は説得力のある回答を示してくれている。退職を申し出た社員に「企業は2階建ての家のようなものであって、1階は食べるため、2階は夢を追うため、両方なければ意味がない」と佃は言い放つのだが、これは池井戸氏のメッセージそのものだろう。経済小説としても出色の出来である。とりわけビジネスに携わる人にこそ読んで欲しい。 追記:池井戸氏は元三菱銀行の銀行マンであり、「融資こんなときどうしたら」など金融関係書10数冊を上梓されている。銀行在職中はさぞ有能なビジネスマンであられたろうと想像するが、その体験が作品に生かされていて説得力を高めている。 | ||||
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大企業に知財を荒らされる中小企業は枚挙にいとまがない。本書にでてくるナカシマ工業のように訴訟を起こしてくるのは、ある意味ましなほうで、中小企業に提携話をもちかけておいて、突然打ち切りにし、自社ブランドで同じ製品を出すなんてことをする大企業がある。どうせ訴訟にたえる資金なんかないと高をくくっているからである。あるいは周辺特許を固められて泣く泣くクロスライセンス契約を交わす中小企業もある。中小企業の特許戦略が甘いといえばそれまでなのだが、中小企業側からすれば腹が立つことこの上ない(もっとも最近は中小企業をリスペクトする大企業も増えているようには思う)。でも、本書にでてくる佃製作所は、優秀な弁護士の支援を得ることができて窮地を逃れるどころか損害賠償金まで獲得する。しかし、この話は枝葉にすぎない。 本番は、佃製作所が開発した水素エンジンのバルブの特許を丸の内の大企業(だれでもわかる企業)が売ってくれないかという話から始まる。売るにせよ独占使用を認めるにせよ、佃製作所には大金が入ってくる。だが、佃が下した決断は、どちらでもない。バルブを納品させろというものだった。大企業とのかけひき、社内のあつれきが丹念に描かれる。夢を追う(中小企業にとっては大事なことだ)か、現実を追うか。読んでいて引き込まれる。とくにメインバンクから出向してきている殿村がいい。彼がキーパーソンだといってもいいだろう。顛末はだいたい想像がつくと思うが、こうあってほしいという終わり方で、読後は爽快である。 あえて難点をいえば、佃製作所は、中小企業とはいってもかなり優秀な一握りの企業だということ。多くの中小企業は、こんなうまくはいかない。著者が勤めていた三菱銀行ならば、中小企業といえばこのクラスなのかもしれないが、できればもっと小さな企業を描いてほしい。 | ||||
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読みながら、随所に「仕事の矜持」というものを感じて、胸が熱くなりました。ストーリーも抜群に面白い。ロケット技術に関するディテールも適度に専門的で、適度に分かりやすく、リアルなエンタメとして、非常によく練られています。予定調和的なラストではあるんだけど、それでも気持いいですねえ。わくわくドキドキ、ときにホロリで、最後はスッキリ。なんとも気持ちのよい読書でした。 | ||||
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典型的文系人間のくせになぜか幼少期より機械いじりが大好きで、愛用品が故障するとこれ幸い、修理という名目でやたらと分解する悪癖が未だ抜けきれない。様々な技術者たちへのインタビューで綴る「メタルカラーの時代」(山根一眞小学館)は書棚の中央に鎮座しており、今も時折眺めて楽しむいわば図鑑代わりだ。そんな私が本書を目にして黙っていよう筈がない。汗と油にまみれた技術者の悲哀を求め、勇躍しつつページを捲った。 ところが、読み進める内に作者の名前が「高杉良」または「楡周平」と混濁していく。もしやこれは経済小説?前半部分はそんな印象が強い。何事につけ日和見主義に徹する銀行の厚かましさや大企業の狡猾さ傲慢さなどを、執拗なまでに描いている。著者は元都市銀行のバンカーなだけに、多少は自責と自戒の念を込めたのかも知れない。 後半に入ると内容は一変する。描かれているのは、夢を追い求める中小企業の社長とその夢につきあう社員たちの熱き人間ドラマ。しかも入念な取材の元、宇宙航空工学をリアリティ溢れる繊細な筆力で実にわかりやすく表している。一度は離散しかけた社員の心がプライドというキーワードによって一つにまとまっていく様は、本来日本人が持つべき品格の表象といえるのかも知れない。 昨今、就活という言葉を耳にしない日はない。老若男女いずれを問わず、職を求める人で溢れている。特に新卒者の就職難は、国の存亡に関わる重大事といえよう。「仕事とは二階建ての家だ。一階は飯を食うため。そして二階は夢を育むためにある」辞めていく若い社員に投げかける社長の言葉は、単に「勤め先」だけを求めようとする若者達への著者なりの警鐘かも知れない。また「オレはもっと自分のために生きていいのかも知れない」社長自身が自問する言葉は、家族のためにと歯を食い縛ってもがき続けるオヤジ諸氏への、著者からの暖かいエールだといえるだろう。 | ||||
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大手企業から取引終了を告げられ、資金繰りに苦労している佃製作所に魔の手が伸びる。ナカシマ 工業から、特許侵害で訴えられたのだ。会社存続の危機!次々に起こる困難に、佃航平はどう立ち 向かっていくのか? 吹けば飛ぶような町工場。父親の跡を継ぎ社長に就任した航平に、次々に試練が襲いかかる。大手 企業からの取引終了宣言、銀行の貸し渋り、特許侵害訴訟・・・。八方塞がりの中、航平はおのれの 信念を曲げることなく貫いていく。どんな状況の中でも、どんな困難に陥っても、夢をあきらめることなく 追い続ければ、いつか夢は叶う。この作品からは、そういう作者の思いがひしひしと伝わってくる。 「こんなにうまくことが運んでいいのか?」そういう疑問もあったが、あきらめないことの大切さを 教えられ、努力の先に待っている素晴らしい感動を存分に味わうことができたので、満足だ。 読後もさわやかで、心に余韻が残る面白い作品だった。 | ||||
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池井戸潤に中小企業を書かせたらピカイチですね。涙なくしては読めませんよ。 中小企業を踏みにじろうとする大企業、大企業ばかりを信用する世間、負けずに頑張る町工場の社長。 全く期待にたがわない名作です。後半はうるうる来る事確実です。 できすぎ感はありますが、これでいいのです。町工場に勤めてる人、中小企業で頑張ってる人、とにかく 働いている人は絶対読んで欲しい一冊です。 不朽の名作「空飛ぶタイヤ」はスポンサー問題で潰された感がありますが、これは地上波でドラマにする べきでしょう! | ||||
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東急池上線の長原駅、大田区上池台にある(株)佃製作所。資本金30百万円、従業員200名の精密機械製造業。物作りの街、大田区にある典型的な中小企業。しかしこの会社、一味も二味も違う。最先端のロケットを打ち上げるエンジンを制御する高品質のバルブの特許を保有する。しかしなりふり構わぬ大企業の論理を押し付けられ、中小企業の誠意や真心までを踏みにじる大企業の傲慢さに泣かされる。一方で佃航平社長や、彼を支える営業第一部長、第二部長、技術開発部長がいい。特に主力行である白水銀行出身の経理部長が、当社内で仲間として認められるのが泣けてくる。そして池井戸作品の十八番である若手・中堅社員の活躍が華を添える。勿論その過程には企業内の様々な深刻な問題が展開され、社長はひどく悩む。この作品にはとにかく感激した。涙も出てきた。 では池井戸作品の面白さはどこにあるか。(1)企業・銀行内の現実が描かれていること。(2)企業や組織、また非常に多くの人物が登場すること。(3)いつも舞台は著者らしく三菱村の企業で、銀行、商事、重工、自動車のつもりで読めること。(4)若手や中堅社員の活躍が素晴らしく頼もしいこと。基本は勧善懲悪だ。本書でも若手リーダー的存在、営業第2部の江原春樹課長、そして係長、主任クラスもいい。これは「オレたちバブル入行組」等の半沢直樹や、「鉄の骨」の富島平太と同じだ。 本書では我が国の科学技術水準の高さが重要とも教えてくれる。LDP政権の財源探しの事業仕分けでは、短期的な追及のみで、中長期的視野の科学技術予算が不安になる。女性の行政刷新担当大臣の「迷セリフ」が忘れられない。また本書内の帝国重工や京浜マシナリーという大企業の仁義なき戦略は、隣の成金大国が圧倒的軍事力で周囲の小国の海域を蹂躙する傲慢さと同じだ。 | ||||
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空飛ぶタイヤ、果つる底なき、俺たちバブル入行組、俺たち花のバブル組・・・と読みついで本作品を読みました。 この作品もまた面白い!最後まで一気に読んでしまいました。 中小企業が二代目社長の情熱と、技術で大企業に伍していくという展開、正に大人のビジネスマンみんなが心に抱く夢です。 それも製造業に携わる人ならなおのこと。 銀行や大企業が絡んだときのディテールとリアリティがたまりません。 また、基本的に性善説な感じの、登場人物の性格付けも爽やかです。 詳しくはネタバレになりますので書きませんが、買って損なし、読んで損なし。 文庫化まで待つのは勿体無い。 | ||||
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ロケット打ち上げ失敗により研究所を辞め、父親の会社を引き継ぎ自身の夢を追い求める物語だ。 ロケットと言うスケールの大きい話しながら、中小企業ならでわの技術力とスタッフのチームワークで 大企業相手に押し潰されそうになりながらも、立ち向かっていく姿がとても爽快である。 私自身も以前小さな町工場で車の部品の試作品を製造していた事を思い出し懐かしかった。 とにかく面白くてあっという間に読み終わってしまいました。 | ||||
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大企業で働いている人は偉くてかっこいい。 多くの人が漠然とそう考えているような気がする世の中で、 プライドを持って働くプロフェッショナルの素晴らしさを 教えてくれる名作です。すごく面白かった。 小さな会社だから、自分のしているのはたいした仕事じゃ ないからと卑屈になるのではなく、今いる場所で今すべき ことを力の限り頑張る、そういうのが一番素敵だなと思い ました。明日からまた仕事を頑張ろうと背中を押してくれ る本です。 あらすじだけ読んでもわからない面白さがたくさんつまって います。頑張りたいと思っているすべての人におすすめです。 | ||||
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ロケットの研究者であった佃航平は、打ち上げ失敗の責任を取って 辞職し、父がやっていた町工場・佃製作所の経営者に転身する。 大企業の下請けではあるが、独自の高い技術も持つ優良会社であった。 それが下請け苛めや銀行の貸しはがしにあい、突然存亡の危機に 立たされ、さらに追い打ちをかけるように特許侵害で訴えられる…。 現在の日本のおかれている状況に思いが重なる。 価格競争ではなく品質で勝負したいのは、現場で頑張っている人たちの 本音だろう。 機械に負けない人間の技術の高さ、金の力学に屈しない航平たちの生き方 こそ、戦後日本の発展の姿だった。 今ではもう、そんなやり方は古いのだろうか…? 誰もが不安な現在だからこそ、航平の姿は拍手をもって迎えられるのでは なかろうか。 例の「仕分け」で「二番目じゃダメなんですか?」と言った人にこの本を 読ませてやりたい。 安易で楽な道を敢えて選ばず、苦難の道を歩もうとするのは会社の明日を 見据えればこそだ。 それはまたエンジニアである航平の誇りであり、夢であったと思う。 実に爽快な一冊だ。 | ||||
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大手の取引先から契約終了を告げられたり、ライバルの大企業に特許侵害で訴えられたりと次から次へと発生する苦難に従業員200人の中小企業である佃製作所が立ち向かっていくビジネス小説。 著者の別作品「空飛ぶタイヤ」もそうだったが、この著者は中小企業の苦労を描くのが本当にうまいと思う。社会的信用という観点では大企業が圧倒的に有利で、取引先の銀行からも信用してもらえない状況の中でも、自分たちにできること、自分たちがやっていることを信じて立ち向かっていく様子はリアリティがあっておもしろかった。企業で働く人なら誰にでも薦められる良書だと思う。 物語の中盤から後半にかけては、ロケットエンジンに必要な特許を取得している佃製作所が、大手企業の帝国重工と特許技術を巡る駆け引きが繰り広げられるのだが、中小企業らしく常に新しいことに挑戦していく佃製作所のスタイルは仕事に対する情熱が伝わってきた。 「仕事というのは二階建ての家みたいなもんだと思う。一階部分は飯を食べるなど生活に必要な金を稼ぐために働く。だけど、それだけでは窮屈で仕事には夢がなきゃならない。それが二階部分だ。夢だけ追っかけても飯は食っていけないし、飯だけ食えても夢がなきゃつまらない。」 佃社長が言った上記の言葉は、「働く」ということの本質をついていると思った。 | ||||
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