虐殺器官

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評判

虐殺器官の評価:

4.03/5点 レビュー 369件。 B ランク

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平均点4.03pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全557件 401〜420 21/28ページ
No.157
(5pt)

決して過大評価されている訳では無い。

とにかく一度読むべきだ。後悔ならその後でもできるし、まず後悔はしないだろう。きっと大切な本の一冊になる。
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.156
(5pt)

痛みの無い戦争。

戦争はなぜなくならないかという議論は、すでに耳に胼胝ができるくらい聞いたことがある。国家や民族の政略に利害が絡む以上、摩擦が生じるのは必然だからだ。しかしその本当の訳は戦争で受けた痛みだろうと、人はそれを忘れてしまうからに違いない。誰にとっても痛みとは厄介であって、人は長年に渡りこの感覚からの脱却を模索し続けてきた。そして本書ではついにその境地にたどり着いた場合の世界のシミュレーションをしている。そこで描かれているのは痛みと引き替えに日常的になった戦争のある風景だ。
 後進諸国の紛争が増加している近未来。主人公はアメリカが新たに設けた特殊部隊に所属する青年だ。部隊の目的は主に危険な軍事指導者を、暗殺という手口で排除することである。当然主人公は高度な任務に見合うだけの実力を持っており、殺人行為も標的に対してはなんの躊躇もなく行っていく。それは要領よく淡々と。
 物語は起伏のない単調さで占められている。戦場で目の当たりにする山積みの死体も、宅配ピザを食べながら自宅で延々と見返す戦争映画「プライベート・ライアン」の冒頭も、主人公にしてみれば大差のない光景だ。
 戦闘と人体破壊の描写はリアリティに溢れる一方で、物語を一貫するのは生死の希薄性である。ハイテク装備によって暗殺任務が極限まで効率化された一方で、死ねば備品のように代替の利く部隊の隊員たち。また、紛争によってサラエボが手製の核爆弾で消滅した背景があろうと、今一危機感が持てないでいる世界中の人々の姿。いずれも無感動な質である主人公の一人称視点とSF的なガジェットの数々が、空虚な世界観を引き立たせている。
 死が特別でなくなった最大の理由。それは進む国際化が文化の特徴を薄めたことで、世界が無色透明の平面なものになったからだ。人間同士に存在する人種、国境、宗教、政治方針といった多数の境界線は衝突と友好を延々と作ってきたが、ある意味それらのおかげで人間の底無しの闘争意欲は抑制され、世界の均衡は保たれてきた。しかし国それぞれの個性が曖昧になるとこで、人々の意識は新たに「国際社会」から「人間総合社会」へと、より規模の大きな概念に変わってしまうのだ。この人類全体を一括する感覚の欠点は、権力者側の言い分を増長させるところにある。そこには最後に明かされる、黒幕アメリカのエゴイズムも当てはまる。即ち、「テロの矛先がこちらに向く前に、勝手に各々自滅してもらう」ということだ。
 本書はフィクションだが、内容は最後まで現実とはなにかを問いかけている。あの静寂に満ちた結末に空恐ろしさを覚えた読者ならきっと気づかされることだろう。個性の喪失によって人間が数字にしか見えなくなる時代に、我々の現実世界も確実に染まってきていることに。

虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)より
4152088311
No.155
(5pt)

痛みの無い戦争。

戦争はなぜなくならないかという議論は、すでに耳に胼胝ができるくらい聞いたことがある。国家や民族の政略に利害が絡む以上、摩擦が生じるのは必然だからだ。しかしその本当の訳は戦争で受けた痛みだろうと、人はそれを忘れてしまうからに違いない。誰にとっても痛みとは厄介であって、人は長年に渡りこの感覚からの脱却を模索し続けてきた。そして本書ではついにその境地にたどり着いた場合の世界のシミュレーションをしている。そこで描かれているのは痛みと引き替えに日常的になった戦争のある風景だ。
 後進諸国の紛争が増加している近未来。主人公はアメリカが新たに設けた特殊部隊に所属する青年だ。部隊の目的は主に危険な軍事指導者を、暗殺という手口で排除することである。当然主人公は高度な任務に見合うだけの実力を持っており、殺人行為も標的に対してはなんの躊躇もなく行っていく。それは要領よく淡々と。
 物語は起伏のない単調さで占められている。戦場で目の当たりにする山積みの死体も、宅配ピザを食べながら自宅で延々と見返す戦争映画「プライベート・ライアン」の冒頭も、主人公にしてみれば大差のない光景だ。
 戦闘と人体破壊の描写はリアリティに溢れる一方で、物語を一貫するのは生死の希薄性である。ハイテク装備によって暗殺任務が極限まで効率化された一方で、死ねば備品のように代替の利く部隊の隊員たち。また、紛争によってサラエボが手製の核爆弾で消滅した背景があろうと、今一危機感が持てないでいる世界中の人々の姿。いずれも無感動な質である主人公の一人称視点とSF的なガジェットの数々が、空虚な世界観を引き立たせている。
 死が特別でなくなった最大の理由。それは進む国際化が文化の特徴を薄めたことで、世界が無色透明の平面なものになったからだ。人間同士に存在する人種、国境、宗教、政治方針といった多数の境界線は衝突と友好を延々と作ってきたが、ある意味それらのおかげで人間の底無しの闘争意欲は抑制され、世界の均衡は保たれてきた。しかし国それぞれの個性が曖昧になるとこで、人々の意識は新たに「国際社会」から「人間総合社会」へと、より規模の大きな概念に変わってしまうのだ。この人類全体を一括する感覚の欠点は、権力者側の言い分を増長させるところにある。そこには最後に明かされる、黒幕アメリカのエゴイズムも当てはまる。即ち、「テロの矛先がこちらに向く前に、勝手に各々自滅してもらう」ということだ。
 本書はフィクションだが、内容は最後まで現実とはなにかを問いかけている。あの静寂に満ちた結末に空恐ろしさを覚えた読者ならきっと気づかされることだろう。個性の喪失によって人間が数字にしか見えなくなる時代に、我々の現実世界も確実に染まってきていることに。

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.154
(5pt)

しばらくSFを読まなかった間にこんな傑作が書かれていたとは:久しぶりに読書で徹夜した

昔SFファンだったが一時期面白くなくなって遠ざかっていた。久しぶりにSFでも読もうと思って、評判の良かった本書を読んだら、一気に読んでしまった。期待をはるかに上回る傑作だった。私と同じような中年の元SFファンにも、強くすすめたい。ストーリーの面白さだけでなく、みずみずしい文体も素晴らしい。
 同じ著者の作品を読みたいが、夭折した著者の本を一気に読んでしまうのがもったいないので、躊躇している。

虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)より
4152088311
No.153
(5pt)

しばらくSFを読まなかった間にこんな傑作が書かれていたとは:久しぶりに読書で徹夜した

昔SFファンだったが一時期面白くなくなって遠ざかっていた。久しぶりにSFでも読もうと思って、評判の良かった本書を読んだら、一気に読んでしまった。期待をはるかに上回る傑作だった。私と同じような中年の元SFファンにも、強くすすめたい。ストーリーの面白さだけでなく、みずみずしい文体も素晴らしい。
 同じ著者の作品を読みたいが、夭折した著者の本を一気に読んでしまうのがもったいないので、躊躇している。

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.152
(5pt)

ナイーヴであること

伊藤計劃の、世界について。
34歳で夭折した作家がつくった世界は、うしろめたさに溢れている。
自分の母を、間接的にとはいえ、殺したうしろめたさ。「罪」という概念を認識する前の、若者、とすら呼べない少年少女達を殺したうしろめたさ。これからも、国家の命令ひとつで誰かを殺すであろうことに対するうしろめたさ。
そして、殺人を犯す彼らは常に死者からの視線を感じることになる。それをセラピストのカウンセリングで容易に取り除けるほど、彼らは無神経ではない。
戦場において、米軍大尉クラヴィス・シェパードは、信仰心に篤いカトリックの同僚が地獄について語るのを聴く。


しかし、アレックスはそうじゃないと言って自分の頭を指差した。
「地獄はここにあります。頭の中、脳みそのなかに。大脳皮質の襞(ひだ)のパターンに。目の前の風景は地獄なんかじゃない。逃れられますからね。目を閉じればそれだけで消えるし、ぼくらはアメリカに帰って普通の生活に戻る。だけど、地獄からは逃れられない。だって、それはこの頭のなかにあるんですから」
『虐殺器官』からの引用


死者の視線により、常にクラヴィスは死者との対話を強いられる。そして、人間のナイーヴさが露になる。
豪放磊落な人物像がメディア等でもてはやされる現在にあって、ナイーヴであることは欠点と見なされることが多い。
SFの意匠を利用して、伊藤計劃は、そのようなナイーヴさ故に葛藤を繰り返す人物を丁寧に表現し、彼らの感情を冷静に、的確に掬いあげる。
それらの感情は、誰もが社会や組織に対して、若しくは対人関係においてひた隠しにしている密かな思いと通ずる点があるはずだ。
意識的・無意識的にかかわらず、私達はそれに共感し、心が微かに震える。それが、伊藤計劃の世界に浸る歓び。
虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)より
4152088311
No.151
(5pt)

ナイーヴであること

伊藤計劃の、世界について。
34歳で夭折した作家がつくった世界は、うしろめたさに溢れている。
自分の母を、間接的にとはいえ、殺したうしろめたさ。「罪」という概念を認識する前の、若者、とすら呼べない少年少女達を殺したうしろめたさ。これからも、国家の命令ひとつで誰かを殺すであろうことに対するうしろめたさ。
そして、殺人を犯す彼らは常に死者からの視線を感じることになる。それをセラピストのカウンセリングで容易に取り除けるほど、彼らは無神経ではない。
戦場において、米軍大尉クラヴィス・シェパードは、信仰心に篤いカトリックの同僚が地獄について語るのを聴く。


しかし、アレックスはそうじゃないと言って自分の頭を指差した。
「地獄はここにあります。頭の中、脳みそのなかに。大脳皮質の襞(ひだ)のパターンに。目の前の風景は地獄なんかじゃない。逃れられますからね。目を閉じればそれだけで消えるし、ぼくらはアメリカに帰って普通の生活に戻る。だけど、地獄からは逃れられない。だって、それはこの頭のなかにあるんですから」
『虐殺器官』からの引用


死者の視線により、常にクラヴィスは死者との対話を強いられる。そして、人間のナイーヴさが露になる。
豪放磊落な人物像がメディア等でもてはやされる現在にあって、ナイーヴであることは欠点と見なされることが多い。
SFの意匠を利用して、伊藤計劃は、そのようなナイーヴさ故に葛藤を繰り返す人物を丁寧に表現し、彼らの感情を冷静に、的確に掬いあげる。
それらの感情は、誰もが社会や組織に対して、若しくは対人関係においてひた隠しにしている密かな思いと通ずる点があるはずだ。
意識的・無意識的にかかわらず、私達はそれに共感し、心が微かに震える。それが、伊藤計劃の世界に浸る歓び。
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.150
(5pt)

goosebumps!!

帯の文句に魅かれて購入し読みました。
こんなにも早世していなければ私はこの本を手にしていなかったのかもしれない。

その世界観は複雑にして綿密な言葉で綴られた単純な世界。
しかし、その複雑に織られた言葉があまりに巧みで情緒感溢れる本。
一見、無味乾燥で難解な単語でつづられた文章だが、その中にヒューマニティが見え隠れする。
細部まで書き込むディティールの細かさ、長さにも煩わされる事はなく、
返ってそれらの細かさはこの物語の肉となり骨格となる。
卓越した言葉選びのセンス、ふと湧きだすユーモアのセンス。

久しく日本人作家でたまらなくツボにはまった一冊だった。


本当に早世が惜しまれる作家だと思う。
まさに天は二物を与えず、だ。
虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)より
4152088311
No.149
(5pt)

goosebumps!!

帯の文句に魅かれて購入し読みました。
こんなにも早世していなければ私はこの本を手にしていなかったのかもしれない。

その世界観は複雑にして綿密な言葉で綴られた単純な世界。
しかし、その複雑に織られた言葉があまりに巧みで情緒感溢れる本。
一見、無味乾燥で難解な単語でつづられた文章だが、その中にヒューマニティが見え隠れする。
細部まで書き込むディティールの細かさ、長さにも煩わされる事はなく、
返ってそれらの細かさはこの物語の肉となり骨格となる。
卓越した言葉選びのセンス、ふと湧きだすユーモアのセンス。

久しく日本人作家でたまらなくツボにはまった一冊だった。


本当に早世が惜しまれる作家だと思う。
まさに天は二物を与えず、だ。
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.148
(5pt)

現代的

時は20XX年、テロや紛争が日常茶飯事となったころ。インテリジェンスたる主人公は、虐殺を引き起こす謎の人物ジョン・ポールを追っていく。明らかになる事実、驚愕の動機、そしてオチ。緊張感のあるストーリー進行となっている。

進化論や心の哲学など、現代人がしばしばテーマにしたがるものがストーリーに無理なく組み込まれている。急逝してしまったのが実に惜しまれる。
虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)より
4152088311
No.147
(5pt)

現代的

時は20XX年、テロや紛争が日常茶飯事となったころ。インテリジェンスたる主人公は、虐殺を引き起こす謎の人物ジョン・ポールを追っていく。明らかになる事実、驚愕の動機、そしてオチ。緊張感のあるストーリー進行となっている。

進化論や心の哲学など、現代人がしばしばテーマにしたがるものがストーリーに無理なく組み込まれている。急逝してしまったのが実に惜しまれる。
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.146
(5pt)

さいこー!

最高だ。出会えてよかった。

佐藤亜紀氏が大絶賛というのもうなづける。
佐藤亜紀の作品の緻密にくみ上げられた知識とクールさに、
とぼけた笑いやからっとしたいい意味の乾き加減が絶妙。
まるで一葉の紙を真ん中で上手にはがしたかのように、両者のトーンは似通っている。

文章から浮かび上がる香りというのか沸き起こるリズムというのか、
良書に共通するなにか、はそこに確実に存在するように思う。

注意点が1つ。電車で立ち読みしないほうがいい。
目の前で座っている老婦人が、文庫本のタイトルを見てあからさまに顔をしかめた。

あ、あと、もうひとつ。
電車で居眠りをして、本をなくさないほうがもっといい。
遺失物相談所で本のタイトルを聞かれて、
答えるのにものすごく恥ずかしい思いをするはずだから。

作者はデビュー後たった2年で、ガンのために亡くなったとか。
知らなかった。とても悔やまれる。
虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)より
4152088311
No.145
(5pt)

さいこー!

最高だ。出会えてよかった。

佐藤亜紀氏が大絶賛というのもうなづける。
佐藤亜紀の作品の緻密にくみ上げられた知識とクールさに、
とぼけた笑いやからっとしたいい意味の乾き加減が絶妙。
まるで一葉の紙を真ん中で上手にはがしたかのように、両者のトーンは似通っている。

文章から浮かび上がる香りというのか沸き起こるリズムというのか、
良書に共通するなにか、はそこに確実に存在するように思う。

注意点が1つ。電車で立ち読みしないほうがいい。
目の前で座っている老婦人が、文庫本のタイトルを見てあからさまに顔をしかめた。

あ、あと、もうひとつ。
電車で居眠りをして、本をなくさないほうがもっといい。
遺失物相談所で本のタイトルを聞かれて、
答えるのにものすごく恥ずかしい思いをするはずだから。

作者はデビュー後たった2年で、ガンのために亡くなったとか。
知らなかった。とても悔やまれる。
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.144
(5pt)

不世出の天才ではないが……。

作家が夭折した故に、過大評価されているのではないか。
そう偏見を抱いて本書を読みました。

やはり伊藤氏は不世出の天才ではなかったと思います。
知識も深そうに見えて浅いですし、『虐殺器官』についても説得力を持っていません。

しかし、だからと言って、面白くないわけではなく、氏の小説に対する誠意と熱意がひしひしと伝わる良書でした。
SF小説や硬派なライトノベルが好きだという男性には、特にお奨めです。

出版社の思惑にのって、売り上げに貢献したくないと思っていては損です。
泥中にありながらも、本書はダイモンドの光輝を発しています。
迷っている方こそ、是非購入して下さい。




虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)より
4152088311
No.143
(5pt)

不世出の天才ではないが……。

作家が夭折した故に、過大評価されているのではないか。
そう偏見を抱いて本書を読みました。

やはり伊藤氏は不世出の天才ではなかったと思います。
知識も深そうに見えて浅いですし、『虐殺器官』についても説得力を持っていません。

しかし、だからと言って、面白くないわけではなく、氏の小説に対する誠意と熱意がひしひしと伝わる良書でした。
SF小説や硬派なライトノベルが好きだという男性には、特にお奨めです。

出版社の思惑にのって、売り上げに貢献したくないと思っていては損です。
泥中にありながらも、本書はダイモンドの光輝を発しています。
迷っている方こそ、是非購入して下さい。




虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.142
(5pt)

天才っています

わたしは乱読でジャンルとか文学とかワカリマセン。映画、音楽、アート、家具やプロダクトデザイン、
コムデギャルソン、宝島とかカルチャーなもので育ったオリーブ長女(R)です。残念ながらゲームは抜け落ちてる。
SFというか「ブレードランナー」観てF・K・ディック読みました。もちろん有名なSF映画はだいたい観てます。
そういえば、子供の頃にレイ・ブラッドベリも好きで読んだ。この小説はSFとかミステリーとか確かにそうですが、
本を超えた客観的な社会感、オンラインやソーシャルメディアの世界がある。
怖くて観に行けなかった展覧会、小谷元彦ー幽体の知覚や偶然観て大好きになったサスキア・オルドウォーバース、
それから今っぽいなら、やくしまるえつこさん相対性理論の歌詞とかをハードにしたイメージ。遅くなっちゃったけど
伊藤計劃さんの本に出会えて良かった。確かに小説として小松左京さんの落選評通りですが、読み手の想像力を鍛えようと、その先は任せたよ!っていう潔さなんではないかと支持。本を読むと頭の中に映像が広がる。
死体の描写が鮮やかで怖いので健全な女子にはススメマセン。天才って、いる。
だれか映画にしてよ。日本で実写は無理か。アニメもいいし、黒沢清さん?
虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)より
4152088311
No.141
(5pt)

こんなにハマるとは。

タイトルから想像するに、描写がエグそうなので読むのに躊躇していたけれどそんなにエグくない。
ハイテクノロジーな武器や航空機などはリアリティがあり、読んでいて面白い。

暗殺部隊に所属しながらも「殺す」という行為に、その意味の所在に悩む主人公。
この話は哲学的な要素も含んでいるから面白い。

何故虐殺を誘発しているのか、その動機に納得させられたことに驚いた。
そして主人公のエピローグでの行為。その着地点には圧巻。

「ゼロ年代最高のフィクション」と謳う帯。それは間違いじゃなかった。
虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)より
4152088311
No.140
(5pt)

天才っています

わたしは乱読でジャンルとか文学とかワカリマセン。映画、音楽、アート、家具やプロダクトデザイン、
コムデギャルソン、宝島とかカルチャーなもので育ったオリーブ長女(R)です。残念ながらゲームは抜け落ちてる。
SFというか「ブレードランナー」観てF・K・ディック読みました。もちろん有名なSF映画はだいたい観てます。
そういえば、子供の頃にレイ・ブラッドベリも好きで読んだ。この小説はSFとかミステリーとか確かにそうですが、
本を超えた客観的な社会感、オンラインやソーシャルメディアの世界がある。
怖くて観に行けなかった展覧会、小谷元彦ー幽体の知覚や偶然観て大好きになったサスキア・オルドウォーバース、
それから今っぽいなら、やくしまるえつこさん相対性理論の歌詞とかをハードにしたイメージ。遅くなっちゃったけど
伊藤計劃さんの本に出会えて良かった。確かに小説として小松左京さんの落選評通りですが、読み手の想像力を鍛えようと、その先は任せたよ!っていう潔さなんではないかと支持。本を読むと頭の中に映像が広がる。
死体の描写が鮮やかで怖いので健全な女子にはススメマセン。天才って、いる。
だれか映画にしてよ。日本で実写は無理か。アニメもいいし、黒沢清さん?
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.139
(5pt)

こんなにハマるとは。

タイトルから想像するに、描写がエグそうなので読むのに躊躇していたけれどそんなにエグくない。
ハイテクノロジーな武器や航空機などはリアリティがあり、読んでいて面白い。

暗殺部隊に所属しながらも「殺す」という行為に、その意味の所在に悩む主人公。
この話は哲学的な要素も含んでいるから面白い。

何故虐殺を誘発しているのか、その動機に納得させられたことに驚いた。
そして主人公のエピローグでの行為。その着地点には圧巻。

「ゼロ年代最高のフィクション」と謳う帯。それは間違いじゃなかった。
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.138
(5pt)

貴重な才能を失った。

ハードSF好きとして、こうした作品を書き上げる才能が失われたことは
本当に惜しいとしかいいようがありません。

911後の世界で、世界に頻繁に起こる紛争・虐殺を追うアメリカの特務機関。
その活動の中で、虐殺の裏に一人の人物の姿が浮かび上がり、主人公をはじめとする
特務機関メンバーはその姿を追うことになります。

暴力の描写のリアリティは圧倒的で、回顧シーンのやや冗長な部分を補ってあまりある
表現力です。そして虐殺器官の謎は根拠が曖昧という批評もありますが、私は
その斬新さのほうに軍配を上げたいです。

作品発表当時の年齢を考えると、まだ粗削りなところは否めませんが、それを上回って余りある
寒気のするような表現力、展開力を持っているといって過言ではないでしょう。

もっと多くの作品を残してほしかったと心から思います。
虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)より
4152088311