虐殺器官

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評判

虐殺器官の評価:

4.03/5点 レビュー 369件。 B ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点4.03pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全557件 361〜380 19/28ページ
No.197
(4pt)

めったにSF読まない身にも、十分に面白かった

2000年代(ゼロ年代)に登場した最強のSF作家という評判に誘われ、前知識なしで読み始め、面白くなって最後まで読み通した。アマゾンをみると毀誉褒貶さまざまで、辛口の評を記しているのは全体にSFに詳しい方が多いような印象。こちらはSFには全然詳しくないので、本書のリアルでありながらアンチリアルな表現世界に素直に幻惑され、感心できる1冊となった。当然、次は「ハーモニー」にも手を出してみるつもりだ。

 とはいえ、評者もやはり、☆5点にはしなかった。理由は、ラストに出てくる「ぼく」の行動がいかにも想定の範囲内だった、「ぼく」はどう考えてもアメリカ人には見えなかった、ジョン・ポールが語る「動機」は作り物とはいえ、不自然の度が過ぎる、といったあたり。着想、プロット、筆力いずれも水準を遙かに超えていると思われるので、全体としては堂々の☆4つではあるが。。。


虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.196
(5pt)

刻一刻と変化する国際情勢

伊藤計劃さんにより「虐殺器官」が書かれたのはもうずいぶん前のことですが…。

近年の国際情勢をニュースなどで見たとき不思議と

「あっ。これは虐殺器官で描かれていた世界だ…」

と腑に落ちてしまう自分がいます。

シリア情勢が内戦へと突入し国連は機能不全で役割を果たせず、アメリカもメリットの少ないシリアへの軍事介入へはいまいちアクションが無い。一方ロシアはアサド政権に対し武器を輸出し政府軍を支援…。アサド政権と反政府軍の戦いは熾烈さを増しシリア国内では政府軍による「虐殺」が日常的に行われている模様。

こういう「戦争・紛争・内戦」に対する一つの解釈が伊藤計劃さんの著書「虐殺器官」にはあるような気がしてなりません。

小島秀夫監督作品「メタルギア」にも通ずる今作。

「虐殺器官」は読書をされる方なら絶対に読むべき作品だと思います。
今の世界情勢を見ていると計劃さんの作品がよりリアリティを増して読者に通じるものがあるんじゃないかと…。 そう私は思います。

伊藤計劃さんありがとう。あなたのSF作品は間違いなく傑作です。

「今こそフィクションの力を思い知るだろう」(MGS 小島秀夫監督)

p.s.

和書「ジェノサイド」(作者の名前はちょっと忘れてしまいました。汗)も小島秀夫監督は推していました!私はまだ未見ですが、よろしければチェックなされてみてください。混迷する世界情勢(戦争)についてTVのニュースだけではないアプローチが出来るかもしれません。(あくまで小説はフィクションですが、それでも読む価値は十分にある作品たち)
虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)より
4152088311
No.195
(5pt)

刻一刻と変化する国際情勢

伊藤計劃さんにより「虐殺器官」が書かれたのはもうずいぶん前のことですが…。

近年の国際情勢をニュースなどで見たとき不思議と

「あっ。これは虐殺器官で描かれていた世界だ…」

と腑に落ちてしまう自分がいます。

シリア情勢が内戦へと突入し国連は機能不全で役割を果たせず、アメリカもメリットの少ないシリアへの軍事介入へはいまいちアクションが無い。一方ロシアはアサド政権に対し武器を輸出し政府軍を支援…。アサド政権と反政府軍の戦いは熾烈さを増しシリア国内では政府軍による「虐殺」が日常的に行われている模様。

こういう「戦争・紛争・内戦」に対する一つの解釈が伊藤計劃さんの著書「虐殺器官」にはあるような気がしてなりません。

小島秀夫監督作品「メタルギア」にも通ずる今作。

「虐殺器官」は読書をされる方なら絶対に読むべき作品だと思います。
今の世界情勢を見ていると計劃さんの作品がよりリアリティを増して読者に通じるものがあるんじゃないかと…。 そう私は思います。

伊藤計劃さんありがとう。あなたのSF作品は間違いなく傑作です。

「今こそフィクションの力を思い知るだろう」(MGS 小島秀夫監督)

p.s.

和書「ジェノサイド」(作者の名前はちょっと忘れてしまいました。汗)も小島秀夫監督は推していました!私はまだ未見ですが、よろしければチェックなされてみてください。混迷する世界情勢(戦争)についてTVのニュースだけではないアプローチが出来るかもしれません。(あくまで小説はフィクションですが、それでも読む価値は十分にある作品たち)
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.194
(5pt)

人を選ぶSF作品

たまたま書店のPOPで見かけたのが気になってたまたま購入しただけでしたが、
私の感性(というほどのものもないけど)には酷くぶん殴られたような気分になる作品でした。
いつか訪れそうな未来をこんな風に(しかも日本人が)書き上げるだなんて、誰も思わないと思います。
フィクションの世界なのに、「いかにもこんな現実が今生きている私の世界で有り得ていそうなこと」を
作者は鋭く、冷静に淡々とした文章で伝えてくれます。

とても読む人を選ぶ作品なのでなかなかお勧めできないですが、
歪んだものを受け付けられる人なら大丈夫だと思います。

作者が虐殺の文法を明確に表現しなかったのは、それが広まることを恐れたからです。
だって、虐殺なんておきたら怖いでしょ?
虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)より
4152088311
No.193
(5pt)

人を選ぶSF作品

たまたま書店のPOPで見かけたのが気になってたまたま購入しただけでしたが、
私の感性(というほどのものもないけど)には酷くぶん殴られたような気分になる作品でした。
いつか訪れそうな未来をこんな風に(しかも日本人が)書き上げるだなんて、誰も思わないと思います。
フィクションの世界なのに、「いかにもこんな現実が今生きている私の世界で有り得ていそうなこと」を
作者は鋭く、冷静に淡々とした文章で伝えてくれます。

とても読む人を選ぶ作品なのでなかなかお勧めできないですが、
歪んだものを受け付けられる人なら大丈夫だと思います。

作者が虐殺の文法を明確に表現しなかったのは、それが広まることを恐れたからです。
だって、虐殺なんておきたら怖いでしょ?
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.192
(4pt)

SF、ハードボイルとしても秀逸

発想は秀逸。ミステリーとしても手堅い。登場する兵器もどこまで実現されているかわからないほどリアルに書かれている。お勧めできる。
虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)より
4152088311
No.191
(4pt)

SF、ハードボイルとしても秀逸

発想は秀逸。ミステリーとしても手堅い。登場する兵器もどこまで実現されているかわからないほどリアルに書かれている。お勧めできる。
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.190
(4pt)

これは面白い!

とても重厚で、ねばっこいSFです。

単なる近未来戦争モノかと思いきや、その独特の世界観がイケてます。

久しぶりにSFが面白いと思った一冊です。
虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)より
4152088311
No.189
(4pt)

これは面白い!

とても重厚で、ねばっこいSFです。

単なる近未来戦争モノかと思いきや、その独特の世界観がイケてます。

久しぶりにSFが面白いと思った一冊です。
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.188
(4pt)

冷たい文体が不思議にここちよいです。

書評を読んで『ハーモニー』を読んでみた。読了後、奇妙な充足感を得たので、続けて本書を読んだ。そして同じ著者のオリジナル長編をすべて読破してしまった。
核兵器が「使える」兵器で、使用後も世界が終末をむかえなかった近未来が舞台。世界中のいたるところで、国家は徐々に統治機能を失いつつある、奇妙な秩序ある混沌が世界を覆いつつある状況で「ハーモニー以前」の時代を描写している。
 残虐な殺戮シーンもあるのだが、著者の文章からは、おぞましさが私には伝わってこない。不思議に冷たい文体だ。そのせいか、読者である自分が、一人称の主人公「ぼく」に自然に憑依できて物語世界に浸れた。兵器・乗り物等が生体パーツで構成されていたり、兵士の心理管理にコンサルティングや化学物質の投与が前提となっている未来が設定された世界だ。
本書は冒頭、以下のパスカル・キニャールの言葉の引用で始まる。「・・・人間の言葉が表現しているのは言葉全体の四分の一でしかないと見積もられている」そして設定上は人間の言葉には言語の違いによらない「虐殺の文法」がもともと内蔵されていることになっている。その部分を以下に引用する。「・・・この文法による言葉を長く聞き続けた人間の脳には、ある種の変化が発生する。価値判断に関わる脳の機能部位の活動が抑制されるのだ。それが、いわゆる『良心』と呼ばれるものの方向づけをねじ曲げる、ある特定の傾向へと」
 おもしろい作品なのだが、1つだけ残念なのは、この、人を虐殺へとかりたてる「虐殺の文法」とやらが分かりづらい点だ。言語能力のように生得的なものらしいが、使いこなせる技術の習得は特定の人以外無理そうなので、結果的に得体の知れない説明不足の設定となってしまっている。
 1つ楽しみなこともある。著者の死去に伴い、書き出しの原稿30枚の時点でとまってしまっていた未完の長編『屍者の帝国』を芥川賞作家円城塔が書き継いでいて、近々世に出るらしい。ストーリーとともに、文体が伊藤計劃になっているかどうかとても興味深い。
虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)より
4152088311
No.187
(4pt)

冷たい文体が不思議にここちよいです。

書評を読んで『ハーモニー』を読んでみた。読了後、奇妙な充足感を得たので、続けて本書を読んだ。そして同じ著者のオリジナル長編をすべて読破してしまった。
核兵器が「使える」兵器で、使用後も世界が終末をむかえなかった近未来が舞台。世界中のいたるところで、国家は徐々に統治機能を失いつつある、奇妙な秩序ある混沌が世界を覆いつつある状況で「ハーモニー以前」の時代を描写している。
 残虐な殺戮シーンもあるのだが、著者の文章からは、おぞましさが私には伝わってこない。不思議に冷たい文体だ。そのせいか、読者である自分が、一人称の主人公「ぼく」に自然に憑依できて物語世界に浸れた。兵器・乗り物等が生体パーツで構成されていたり、兵士の心理管理にコンサルティングや化学物質の投与が前提となっている未来が設定された世界だ。
本書は冒頭、以下のパスカル・キニャールの言葉の引用で始まる。「・・・人間の言葉が表現しているのは言葉全体の四分の一でしかないと見積もられている」そして設定上は人間の言葉には言語の違いによらない「虐殺の文法」がもともと内蔵されていることになっている。その部分を以下に引用する。「・・・この文法による言葉を長く聞き続けた人間の脳には、ある種の変化が発生する。価値判断に関わる脳の機能部位の活動が抑制されるのだ。それが、いわゆる『良心』と呼ばれるものの方向づけをねじ曲げる、ある特定の傾向へと」
 おもしろい作品なのだが、1つだけ残念なのは、この、人を虐殺へとかりたてる「虐殺の文法」とやらが分かりづらい点だ。言語能力のように生得的なものらしいが、使いこなせる技術の習得は特定の人以外無理そうなので、結果的に得体の知れない説明不足の設定となってしまっている。
 1つ楽しみなこともある。著者の死去に伴い、書き出しの原稿30枚の時点でとまってしまっていた未完の長編『屍者の帝国』を芥川賞作家円城塔が書き継いでいて、近々世に出るらしい。ストーリーとともに、文体が伊藤計劃になっているかどうかとても興味深い。
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.186
(5pt)

世界の知るところとなったら、今度は彼らが選択を迫られることになるだろうな。

後進諸国で内戦や大規模虐殺が増加してる近未来が舞台のSF小説。
 といっても、内容が現在の状況にかなり近いため、近未来が舞台であることを忘れて読んでいて、作中に「人口筋肉で作られた侵入鞘」などが出てきて「ああ、これはSF小説だった」と思い出す、そんな緻密な作品です。
 米国大尉クラヴィス・シェパードが、『経歴等が謎の男ジョン・ポール』を逮捕する命令を受け部下達と供に後進国に派遣され失敗し帰還。 数回同じ命令を受けます。
 その命令が発せられる度『ジョン・ポール』の経歴が少しずつ明らかにされ、命令が持つ本当の目的が仄見えてきます。
 『ジョン・ポール』が入国した後に、その後進国で大規模虐殺が発生するため『ジョン・ポール』がある方法を使って大規模虐殺の種をまいているのではないかと推測される事。
『ジョン・ポール』とは何者で、大規模虐殺の種を撒く方法は何なのか、またその目的は?
なぜ米国が逮捕命令を出し、彼の経歴を隠すのか?

 舞台になる後進国の悲惨な内戦の様子を背景に、「自分の家族に対する鬱積した念」を抱えたクラヴィス大尉の語りで全ての謎が解き明かされる最後まで、夢中になって読みました。
 とても、面白い小説でした。
虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)より
4152088311
No.185
(5pt)

世界の知るところとなったら、今度は彼らが選択を迫られることになるだろうな。

後進諸国で内戦や大規模虐殺が増加してる近未来が舞台のSF小説。
 といっても、内容が現在の状況にかなり近いため、近未来が舞台であることを忘れて読んでいて、作中に「人口筋肉で作られた侵入鞘」などが出てきて「ああ、これはSF小説だった」と思い出す、そんな緻密な作品です。
 米国大尉クラヴィス・シェパードが、『経歴等が謎の男ジョン・ポール』を逮捕する命令を受け部下達と供に後進国に派遣され失敗し帰還。 数回同じ命令を受けます。
 その命令が発せられる度『ジョン・ポール』の経歴が少しずつ明らかにされ、命令が持つ本当の目的が仄見えてきます。
 『ジョン・ポール』が入国した後に、その後進国で大規模虐殺が発生するため『ジョン・ポール』がある方法を使って大規模虐殺の種をまいているのではないかと推測される事。
『ジョン・ポール』とは何者で、大規模虐殺の種を撒く方法は何なのか、またその目的は?
なぜ米国が逮捕命令を出し、彼の経歴を隠すのか?

 舞台になる後進国の悲惨な内戦の様子を背景に、「自分の家族に対する鬱積した念」を抱えたクラヴィス大尉の語りで全ての謎が解き明かされる最後まで、夢中になって読みました。
 とても、面白い小説でした。
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.184
(4pt)

作者の夭折が惜しまれる

文章も旨いし、さりげなく挟み込まれるSF要素も斬新で、作者が亡くなってしまったということが、なんという損失なのかと思いながら読んだ。
惜しむらくは、主人公が追い続ける男の動機にあまり説得力がなく、ちょっと拍子抜けだったことと、結末も少々期待はずれただったこと。

それでも、伊藤計劃はすごい。他の作品も読みたいと思わせてくれる作者だと思う。
虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)より
4152088311
No.183
(4pt)

作者の夭折が惜しまれる

文章も旨いし、さりげなく挟み込まれるSF要素も斬新で、作者が亡くなってしまったということが、なんという損失なのかと思いながら読んだ。
惜しむらくは、主人公が追い続ける男の動機にあまり説得力がなく、ちょっと拍子抜けだったことと、結末も少々期待はずれただったこと。

それでも、伊藤計劃はすごい。他の作品も読みたいと思わせてくれる作者だと思う。
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.182
(5pt)

リアリティのある近未来SF

ICTが軍事において先行して発達した先に社会科学(言語学)と結びついた行く末の、人間の悪意が表出したバッド・シナリオ的なリアリティのある近未来を最も表現できているSFだと思います。テロリストの動機が絶妙な空虚さであり、その点ではWhy done itのミステリとしても非常にハラハラして読みました。

このテクノロジーの発展の先に、同じ著者の「ハーモニー」がありますが、伊藤計劃による一連のシリーズをもっと読みたかったとつくづく思います。
虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)より
4152088311
No.181
(5pt)

リアリティのある近未来SF

ICTが軍事において先行して発達した先に社会科学(言語学)と結びついた行く末の、人間の悪意が表出したバッド・シナリオ的なリアリティのある近未来を最も表現できているSFだと思います。テロリストの動機が絶妙な空虚さであり、その点ではWhy done itのミステリとしても非常にハラハラして読みました。

このテクノロジーの発展の先に、同じ著者の「ハーモニー」がありますが、伊藤計劃による一連のシリーズをもっと読みたかったとつくづく思います。
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.180
(5pt)

日本SFのパラダイムシフトへ

いままでの日本SFとは断絶があるように見えるが確かな貌に日本SFのマインドを継承発展させている傑作。これからの日本SFに於いてのキーストーンだ。
虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)より
4152088311
No.179
(5pt)

日本SFのパラダイムシフトへ

いままでの日本SFとは断絶があるように見えるが確かな貌に日本SFのマインドを継承発展させている傑作。これからの日本SFに於いてのキーストーンだ。
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.178
(4pt)

伊藤計劃:『虐殺器官』

個人的に興味のある研究テーマである「生体政治工学」と緊密にリンクしているので読んでみた。すぐにデネット的進化論のパラダイムに依存しすぎているのではと思った。現在最高のSFなのはそうなのだろうが、今一つ物足りない。911以後の世界というより、911以前にすでに911的世界であった世界を描いたバラードの『コカインナイト』、『スーパーカンヌ』、また個人的には文句のつけようのない黒沢清の『CURE』の抽象水準には達していないと思う。『CURE』を消化し換骨奪胎したSFはこれだけだろうと思うが。ただ、読んですぐ、強制的にでもすべてのアメリカンに読ませたい作品と思わせたのはこれだけだ。「世界平和」のために(これは半ばジョークである)。
では、『虐殺器官』がなぜ物足りないのか。たぶん、パスカルのいう退屈と気晴らし、あるいはニーチェのいう無への意志という、バラードにおいて抽象化され思考されていたテーマの掘り下げが稀薄だったからだろう。このテーマは、最近では國分功一郎氏が深く考察している。主人公やその同僚の言動や思いの描写によって、それが裏で示唆されているかに見えるが、現に書かれた言葉はまったく別のフレームに収まって最後までそこから出ていない。不動のアメリカンパラダイムである進化論の掌から一歩も出ていないようだ。ということはアメリカン、とくにNSAやCIA、国防高等研究計画局(DARPA)の面々に読ませても、短絡的に「それは俺たちのシマだろ。しかしよく勉強したね。君なら一緒にやれる」ということで終わってしまうのかもしれない。

虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション) Amazon書評・レビュー: 虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)より
4152088311