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肉体泥棒の罠



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肉体泥棒の罠の評価: 4.29/5点 レビュー 7件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.29pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(3pt)

いつもの耽美的な雰囲気がない

出版された順に読んできていますが、この作品が一番ヴァンパイア・クロニクルらしくないというか、このあたりで好みが分かれると思います。それは、他の方もおっしゃっているように舞台が現代のみであること、展開がアクション的というかスピーディで、舞台も豪華クルーズ船が出てきたりしてちょっと007シリーズのような映画っぽい雰囲気があることなどが理由だと思います。重厚で歴史の重みが感じられる耽美的なアン・ライスが好きなので、個人的には残念ながらこれはちょっとイマイチでした。

もう一度太陽を見たいと思いこがれるレスタトにつけこんで、数日だけ体を交換しようと申し出る人間が現れる、怪しいと思いながらも、人間に戻りたいという思いを抑えきれず話にのってしまうレスタト。馬鹿だなあ、強力なパワーと能力を持つ吸血鬼になってしまったが最後、相手がそのまま逃げてしまったらもう取り返しがつかないじゃないかと思いつつ読んでいたら・・・やっぱりだまされてしまいました。
それにしても、改めて人間とはどういうものであるかという描写を読んでいたら、確かに不自由な生き物だなと感じてしまいました。寒すぎたら死ぬ、食べなければ死ぬ、食べたら排泄しなくてはいけない、行きたい場所にもぱっと飛んで行くこともできない・・・ヴァンパイアのほうがスマートで便利でずっといいですね(笑)。いつまでも若く美しく年も取らないし。

レスタトが途中で出会う修道女の女性と、延々と神学問答のような話を繰り広げるところが、正直かなり退屈でした。神はいるのか、悪とはなにか、悪魔は・・・天使は・・・などなど。このあたり無神論的な人が多い日本人にはあまりなじまないと思います。アメリカはキリスト教原理主義的な傾向の人々がたくさんいて、多くの州ではダーウィンの進化論を教えてることが禁止されています。人間を含めてすべての生き物は神が作ったと信じられているからです。この本を読んでいると、やはりキリスト教的な価値観、倫理観が色濃く、宗教的、文化的なバックボーンがかなり違うのだなと感じられます。

今回はタラマスカのデイヴィッド・タルボットが大活躍します。教養と洗練と深い愛情に満ちた渋い英国紳士。これから先のシリーズで彼はどんな存在になっていくのでしょう。楽しみです。
肉体泥棒の罠―ヴァンパイア・クロニクルズ〈上〉 (扶桑社ミステリー)Amazon書評・レビュー:肉体泥棒の罠―ヴァンパイア・クロニクルズ〈上〉 (扶桑社ミステリー)より
4594020720
No.1:
(3pt)

現代的です

これまでのヴァンパイア・クロニクルズでは、主に過去の話をキャラクターの誰かが語る、といった話が多かったのですが、この本では初めて現在進行形、現代で起こったお話です。人間に戻りたいなぁ・・と思っているレスタトに、肉体泥棒と名乗る男が期限付きで体を交換しよう、と持ちかける話です。現代のお話だけあって、これまでのお話に比べてハリウッドっぽい感じがしました。アクション的というか。とても面白くてよくできたお話ですが、これまでのような深くて哲学的、薄暗くとも神秘的な雰囲気、無限の時間が感じさせる重み・・といった要素LOVEな私としては少し物足りない気もしました。
肉体泥棒の罠―ヴァンパイア・クロニクルズ〈上〉 (扶桑社ミステリー)Amazon書評・レビュー:肉体泥棒の罠―ヴァンパイア・クロニクルズ〈上〉 (扶桑社ミステリー)より
4594020720

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