ハンニバル・ライジング

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評判

ハンニバル・ライジングの評価:

3.32/5点 レビュー 56件。 D ランク

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平均点3.32pt

Amazonレビュー一覧

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全63件 21〜40 2/4ページ
No.43
(4pt)

まずまずですが

成長し、医学生となったハンニバルが過去の記憶を取り戻し、復しゅうを重ねていく下巻。10代とは思えない冷静沈着さ、やはりこの男、ただものではない。

 混沌とした戦後間もない慌ただしい日々の中で、ハンニバルと紫夫人のまわりだけは違う時間が流れているようです。日本文化の描き方については、どちらかというと賛成できない方の方が多いようですが、外国人にしてはまずまずなんじゃないでしょうか。中国も韓国も日本も区別できないような描き方を平気でしているようなものもある中で、多少違和感は感じるものの、少年ハンニバルに影響を与えたであろう紫夫人の世界観というものは理解できると思います。

 殺人はいけないとか復しゅうはいけないとか、そんなことはわかっていてもやはりハンニバルの方を応援したくなってしまうから不思議。彼の方が正しくて、なんとか彼のしっぽをつかもうとするポピール警視のほうが悪役に思えてくるほどです。ただ・・・上巻を読んで、下巻ではこれからどんな展開が!?とドキドキしていただけに、やや予想通りの展開がちょっと残念。もう少し、読者を裏切ってほしかったな、と思いました。

 どのようにしてハンニバルがこのような怪物となったのか、その点については正直説明しきれていない気がするし、小説としても前2作には及ばないのですが、若かりし頃のハンニバルの物語として読むにはおもしろいと思います。映画は見てないのですが、おもしろかったのかな?
ハンニバル・ライジング 下巻 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ハンニバル・ライジング 下巻 (新潮文庫)より
4102167072
No.42
(4pt)

番外編?

怪物と言われるハンニバル・レクター博士の少年時代を描いた作品。どうやって怪物が出来上がっていったのか、その生い立ちを追っていくのだけれど、やっぱりわからない。この人は、生まれついての怪物だったんじゃないかと思わせられる。

 第2次大戦で、親や家族を失ったり、自分自身も悲惨な目にあった子どもはたくさんいるだろうが、そのすべてが怪物になったわけではない。ハンニバルはもともと彼の中に怪物が棲んでいて、それが表に出てくるきっかけになったのが戦争による家族の死と紫夫人の出現だったのではないかと思う。この二つがなければ、彼の中の怪物は目を覚まさなかったか、もしくはもっと遅くなってから現れたのではないかと思う。

 何のためらいもなく人を殺す男。しかも、切り刻んだり、その相手の肉を自ら食べたり、普通に考えたら吐き気を催すような恐ろしい人間であるのに、なぜだか彼には嫌悪感を感じない。なぜだろう。彼自身の美意識に共感するからだろうか。

 この上巻では、家族と家庭教師のやコフ先生と過ごした時代と、叔父に引き取られてから紫夫人と過ごした日々を通して、どのように彼の人格が形成されていくかという点が読んで取れる。ある意味、この怪物を作り上げたのは紫夫人なのではないか。そんな風に感じた。

 ただ、今までにハンニバル作品になじんでいると、ちょっと毛色の違った作品ではあるので、違和感はあるかもしれない。これまでの流れとは切り離して、「番外編」として楽しむ作品だろう。
ハンニバル・ライジング 上巻 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ハンニバル・ライジング 上巻 (新潮文庫)より
4102167064
No.41
(4pt)

単純に面白いとは思うが・・・

レクター博士がいかにして怪物になったのか?
というファンにとっては興味津々のテーマではあるが、
正直な感想としては、これまでの作品が持っていた
伏線が張り巡らされた重厚な面白さを持つ作品ではなく、
ちょっとした番外編程度の軽い作品という感じ。

確かに物語としては面白い作品ではあると思うが、
これまでの「レクター博士」シリーズの傑作の数々に比べると、
見劣りする感は否めない。

過大に期待しすぎることなく、
軽い気持ちで読んでみようかなぁ
ぐらいがたぶんちょうど良いのでは??
ハンニバル・ライジング 上巻 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ハンニバル・ライジング 上巻 (新潮文庫)より
4102167064
No.40
(3pt)

それなりには楽しめます。

評判悪いですが、それなりには面白かったです。
数年に一作、渾身の作品を出す、寡作の作家・トマスハリスの作品だと思うと拍子抜けしてしまいますが、よくいる乱作気味のベストセラー作家の作品ならば、十分及第点ってレベルかな。
ハンニバル・ライジング 下巻 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ハンニバル・ライジング 下巻 (新潮文庫)より
4102167072
No.39
(1pt)

ハリス衰えたり!!

この作品を知り、「ハンニバル」からのインターヴァルがあまりに短すぎる
と思った。案の定、前四作と較べると、実に底の浅い平凡な話にになっている。
ハリスの力量の衰えを痛感するばりの作品だ。

 どうやら彼は全盛期を過ぎた作家のリストに名を連ねてしまったようだ。
加齢による筆の衰えを跳ね返した作家を私は知らない。だが、彼のような
超一流の作家なら、第一線に返り咲きも十分可能だと思う。何年でも待つ
から、以前のように緻密で濃い話をファンの一人としては書いてもらい
たいものだ。



ハンニバル・ライジング 上巻 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ハンニバル・ライジング 上巻 (新潮文庫)より
4102167064
No.38
(3pt)

エンターテイメント小説ですから・・・・

う〜ん、と言いたくなる点は確かに散見できます。

よく言われるように「紫夫人」はいつの時代の「日本人なんだよ!」ですし、

レクターがなぜああいう人間になったかと明かされている部分にしても、

完璧に納得できるほどではありません。

非常に些細なことで言えば

レクター博士が生まれながらに6本指であったことには一言も触れられなかったし

これまで日本趣味のかけらも見せなかったのにもかかわらず

源氏物語の朝顔の巻の和歌で受け答えが出来るほど日本文化に詳しいなど

「あれほど衒学趣味のレクターがなぜこれまでその片鱗すら見せなかったのか」

と言う疑問など、突っつけばいくらでもボロがでそうです。

それでも相変わらずぐいぐいと読ませてくれるストーリーではある事には変わりありません。

真剣にレクターの過去を読むよりも、これも一つのエンターテイメントとして受け止めれば

ぞれなりに楽しめ、面白く読める小説ではあると思います。
ハンニバル・ライジング 下巻 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ハンニバル・ライジング 下巻 (新潮文庫)より
4102167072
No.37
(4pt)

マニア向け

「書かないほうが良い」というのはトマス・ハリス自身も考えたことと思います。謎は謎のままにしておかないと、怪物でなくなってしまう。
 あまり期待しないで読んだのですが、たしかにハンニバル・レクターの少年期〜青年期が描かれていて、彼が狂気に目覚める行程がある程度描かれています。
 しかし本当に核の部分は相変わらず隠されたままで、読後は「結局何だったの?」という感想です。核心を知ることがなくてよかった気もするし、結局わからないならこの本の存在意義が不明だし…。単なるB級の復讐劇に終わった感は否めません。
 レクター博士がどうして殺人趣味に転じたのか、ある程度の答えは前作「ハンニバル」で示唆されていたので、やはり「ライジング」はなくても良かったかもしれません。世界中のレクターファンへの、トマス・ハリスからのプレゼントだと思っておきましょう。
ハンニバル・ライジング 上巻 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ハンニバル・ライジング 上巻 (新潮文庫)より
4102167064
No.36
(3pt)

レクターへの思いの崩壊

この小説を映画だけでなく、原作で味わった日本人の多くにとって、レクター博士との出会いは、映画版『羊たちの沈黙』でありましょう。そのレクター博士というキャラに衝撃を受けて続きの『ハンニバル』を観たり、『レッド・ドラゴン』を観たりして各々どちらが先でも後でも映画と原作をどちらも鑑賞されてることと思います。そうさせられてしまったというのが正確かも知れません。『ハンニバル』でレクター博士の幼少期に妹ミーシャとの凄惨な思い出が勿体ぶられながら示され、人格形成のヒントとなっておりましたが、今回はその全てが明かされるという主旨ですね。多くの方の感想を拝見させていただきますと拍子抜けしたというご意見が多い様です。私も実際そうなのですが、それは作品自体が原因ではないと考えたく思います。確かに、以前の3作に比べるとリアリティーに欠けるなど批判したい面がありますが、それは皆さんの繰り返しになりますので避けたいと思います。
先に結論を申し上げますと、ここ10数年で日本の環境が変わってしまったのです。映画『羊たち』でのレクターは人肉を食う連続殺人犯でありながら、頭は聡明で芸術思考ときています。異常殺人犯=クレイジーといった固定観念を覆してくれました。頭脳明晰な医学博士が正気で人を殺しその肉を食うというキャラは異常犯罪者の頂点として堂々と君臨しておりました。監獄に居ながら本人とは接触もせずにバッファロー・ビルの行動や心理が正確に推察出来ることが納得出来たのも頂点に居たからです。しかし、この10数年間に日本で起きた凶悪犯罪、しかも少年達が引き起こしているという日本の現実世界がレクターを頂点の座から引き降ろしてしまっていたのではないでしょうか?「いた」という過去形です。当作品を読む前に価値観が変換してしまっていながら、レクターの動機解明物語を読まされた時点で、レクターはさらに単なる復讐者でしかなくなった。怪物でもなんでもないと感じてしまったのではないでしょうか。拍子抜けの一番の原因はここにあると思います。私はまだ映画は観ておりませんが、観るとしたらレクター中心でなくポピール警視の自責から来る職務への信念がどう演じられるかに着目したいと思います。ポピールは唯一の救いのキャラでしょう。
レビューとしては逸脱になるかと思いますが、レクター博士という怪物を怪物と思わせない地位にまで引きずりおろした現実世界の犯罪者達が釈放され、その人物とは誰も分からずに世の中を渡り歩き、接しあうかも知れないこれからの日本社会を思うと背筋が寒くなる思いがしました。
ハンニバル・ライジング 上巻 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ハンニバル・ライジング 上巻 (新潮文庫)より
4102167064
No.35
(3pt)

前2作には及ばず

読んで損はしないが、前2作にあったような緊張感や格調の高さが薄れている。
ハンニバル・レクターの生い立ちから、少年時代に培われた自我、戦争の極限状態がもたらしたある不幸な事件と記憶の喪失、
そして記憶を取り戻す旅と新しい行動が描かれている。
プロットは複雑でなく、物語は過去から現在へと語られる。
戦争がいかに人間を崩壊させていくのかという行動の描写にかなりの部分が割かれているが、
同じようにレクターの内面でどのようなことが起こっているのかをもっと描いて欲しかった。
ハンニバル・ライジング 上巻 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ハンニバル・ライジング 上巻 (新潮文庫)より
4102167064
No.34
(2pt)

小説になっていない。

「あらすじ」を書いているだけ。映画を見る人のためのサービスというところでしょうか。登場人物全てのうち、誰一人描き出せていないし、そうする気もないみたい。分量を3倍くらいにして人物を丁寧に書いていれば、そこそこの小説ができたと思いますが。
ハンニバルシリーズはもうこれで終わった方がいい。もちろん、これを書かずに終わった方が、ずっと良かったのだが。
ハンニバル・ライジング 上巻 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ハンニバル・ライジング 上巻 (新潮文庫)より
4102167064
No.33
(2pt)

ちとキツイ

若き日のハンニバルレクター博士が見られることにとても大きな期待がありましたが、残念ながら
「羊たちの沈黙」「ハンニバル」などから想像される人物像に結びつきませんでした。
 作者のトマスハリスは、ハンニバルに続く続編への期待から無理矢理書かされたのでしょうか?
 
 まるで違う作者の作品のよう。

 イカレた日本観はご愛敬としても、作品タイトルだけでなく、もう少し関係作品との間に繋がりが欲
しかった気がします。
ハンニバル・ライジング 上巻 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ハンニバル・ライジング 上巻 (新潮文庫)より
4102167064
No.32
(5pt)

十分に楽しめる本

十分にこの本を楽しんだ。上巻から、下巻まで一気に読める。上巻で少年だったハンニバルは、下巻では18歳の医学生となって登場する。ところどころ表れるムラサキ婦人との濃密な疎通が、いままでのハンニバルシリーズにはない、未だどこかが柔軟であった若きレクター博士を想像させる。猟奇的殺人の描写は今までの作品と遜色ないが、レクター博士が「楽しみのために、あるいは楽しみを邪魔する人間を排除する」犯罪ではなく「復讐リストにもとづいた」秩序だてた犯罪を犯すのは、今回が初めてであろうと思う。日本人であるムラサキ婦人のアイデンティティを前面に出すことで、欧米的グロテスクで濃密になりがちな作品に、私たち日本人にも読みやすい「間」が加えられ、挿入される短歌や俳句、日本的儀式はハンニバルのもつ奇妙な冷静さにもマッチすると思う。作者がどんなインスピレーションでムラサキ婦人の存在を作り出したのか知りたい。またぜひ映画をみてみたくなる。
ハンニバル・ライジング 下巻 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ハンニバル・ライジング 下巻 (新潮文庫)より
4102167072
No.31
(5pt)

ハンニバルファンなら読むべし

このシリーズはいつも文庫本でしか出ないので、読みづらくて嫌だったのだが、今回は「羊たちの沈黙」「ハンニバル」に比べて文字が少し大きくなり、上下巻ともにそんなに厚くないので、読みやすかった。ストーリーの内容と作者の筆使いも、以前のような込み入った小難しい部分が薄れ、より単純になりわかりやすく読みやすくなった。ただこの変化を良いととるか悪いととるかは読者によると思う。
10数年前にわたしたちと出会ったときはもう立派な中年の医師だったレクター博士の少年時代から青年時代とその心の迷い(青春の迷いとでも言おうか)の描写が冴えている。猟奇的殺人に対しての逡巡はみじんもみせない若きレクター博士が、ムラサキ婦人に対し青年としての心を開く描写がなまめかしい。作者トマス・ハリスが日本文化を作品に取り入れ、いたるところに短歌や俳句を引用しているのも、この密度の濃くなりがちな物語に、ところどころの「静寂と休みのテンポ」を与えてくれている。ハンニバルファンなら、これは読むべき!
ハンニバル・ライジング 上巻 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ハンニバル・ライジング 上巻 (新潮文庫)より
4102167064
No.30
(5pt)

これを読んで映画を観たくなった

欠点をあげるときりがないが、全体的な印象は良くできたエンタテインメントだと思う。実際、ページを繰るのがもどかしくなるような描写もあり、反対に、はしょりすぎ、あるいは、これってリアリティを欠くーというよりはまるで想像の産物か?のーような場面もある。むらがあるのか、はたまた発売日という締め切りに追われて、やむなく埋めてしまったようかのような部分すらある(調べるの大変だからね)が、スーパー・ヒーローとしてのレクターの生い立ちを追体験するという企てとしては成功したのではないか。ただ、登場人物を絞りきって物語の密度を上げようとしたのは判るが、同時にこんな風に偶然の遭遇が重なるのはちょいと不自然かなとも思える。映画はもっと絞ってるかな? 評判は内外ともいまいちらしいが、でもこのレクター・サーガにのってしまった自分なら映画版もぜひ観てみたいと思う。
ハンニバル・ライジング 上巻 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ハンニバル・ライジング 上巻 (新潮文庫)より
4102167064
No.29
(2pt)

スーパーマンは生まれたときから、

みんなが知ってる怪物の生まれやその後の経過をはっきりさせる小説です。

私の中での「読者への挑戦モノ」です(つまり、結果や物語の終点はある程度分かって、あるいはバラしているのにも係わらず読ませようとココロミテイル作品を勝手な私のジャンル分けとして「読者への挑戦モノ」としています)。

で、これがダメです。


だってレクター博士は子供の頃からスーパーマンなのです。

だから、何故あんな人間が生まれてしまったか?という問いにはあまり答えてくれません。一応戦争の為、あるいは幼くして死んだ妹の為、になってますが、それだけではどうしても納得できませんでした、私は。

多分「映画」にする為にハンニバル・レクターに殺される悪役だな、コイツ。とか、「映画」にする為に出てきたな、美人の日本人の未亡人『紫』、とか。そんな、本に集中したいのに、私だって、レクターの話し楽しみたいのに、頭の中の「ツッコミ小人」が黙っててくれません。黙らせる事ができないくらいストーリーとしてはっきり言えば「陳腐」なんです。

ストーリーが「陳腐」なのに、キャラだけ立ってても辛い。
が私の個人的感想です。

いままでのレクターモノは面白かったのに、「映画」も「本」も(映画「ハンニバル」より本「ハンニバル」の方が良いです、結末も、説得力も)今回は残念。

謎は謎のままが良かったのか?
ハンニバル・ライジング 下巻 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ハンニバル・ライジング 下巻 (新潮文庫)より
4102167072
No.28
(5pt)

十分面白いですよ?

散々叩かれてはいますが、普通に面白いです。
 ハリスのこれまでの作品に比べれば劣るのですが、それでも一つの作品としてみれば十分に合格点でしょう。あくまでもレクター博士の生成過程の話なので、キャラクターは完成していませんが。
 ただ作中の日本観が分けわかんないです。
 その点に関しては日本を舞台にした続編もできるそうなので、そちらに期待ましょう。
ハンニバル・ライジング 下巻 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ハンニバル・ライジング 下巻 (新潮文庫)より
4102167072
No.27
(5pt)

なんで1冊じゃないんだろう?

本を手に取り最初に思ったのがコレである。
上下巻にしなくてはならないほどの長編ではないのだ。
一冊にしてもよかったのではないか?
商売上の都合、っていうやつなのであろうか。

日本文化について、よく調べていると思う。
が、誰が教えたのか、ハリスのファンタジーなのか、日本人である私たちには「はぁ…?」というシーンが
何箇所かあった。
まあ、それを差し引いても生け花や武士道や…かなり勉強したのであろうことは確かだろう。
しかし期待していた多くの“蘊蓄”が、今回は無いに等しく残念。

私はとにかくハンニバル・レクター博士のファンであるので、おまけして星5つとした。
だが、違う人物が主人公だったら星2つぐらい、であろうか。

ハンニバルが成長してゆく過程は、なるほどなるほどと読めた。
彼が生まれついての天才的頭脳の持ち主であることも うなづけた。
復讐に走る動機も理解できる。
でも、おそらく彼でも持ったであろう“葛藤”や“焦燥”といった感情は全く描かれていないように思う。
生まれついて異常であったから、そういった類の感情は持たなかったのか?
でも、あのレクター博士の少年・青年時代である。
もっともっと深く掘り下げて描写することも、可能だったのではないか?
『記憶の宮殿』についても、もっと細やかな描写を期待していた。
が、単純に『記憶の宮殿』を持つことを、家庭教師に教えられ、勧められ…それだけでレクター博士の持つ、
壮大で美しく恐ろしいあの『記憶の宮殿』を、構築することは出来たのであろうか?
天才だから誰のアドバイスも必要なかった、というわけだろうか?
…そういった疑問やちょっとした不満が残る。

紫婦人の存在は、物語の ハンニバル・レクター博士の人生において救いになったであろう。
彼女は彼を慈しみ、愛し、愛とは何なのか、ということも示していると思う。
それなのに彼はそこから学ぶことはなかった。
ミーシャとの約束、が彼を愛することを知る人間にさせなかったのか?

そして彼は日本語を話す…どの程度かまではわからないが、とにかく話す。
もしも更に続編が書かれるとしたら…日本が舞台になることも、あるかもしれないとちょっと期待した。
ハリスはもう、ハンニバルにとり憑かれているように思う。
アメリカに渡ってからのハンニバルの物語でも、いずれ書くのではないか、と私は想像する。
…で、やっぱり買っちゃうんだろうなぁ。
ハンニバル・ライジング 上巻 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ハンニバル・ライジング 上巻 (新潮文庫)より
4102167064
No.26
(3pt)

期待を大きく持たない限り

前三作の面白さから期待を大きく持ちすぎると、「あれ」という気持ちになります。作品自体の品質は高いのかもしれませんが、どうしても日本文化に関する記述に微笑(苦笑ではない)を禁じえません。シリアスなストーリーであるにもかかわらず。

日本文化については、よく勉強されていると関心させられます。ただ、登場人物の名前がやや時代的に不自然なのと、その先祖が、あまりにも高名な武将なのはリアリティを阻害しているように思えました。

ただし、エンターテイメント小説として無心に読むならば、十分に楽しめます。また前作までを読んでいなくても楽しめるでしょう。
ハンニバル・ライジング 上巻 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ハンニバル・ライジング 上巻 (新潮文庫)より
4102167064
No.25
(3pt)

『羊たちの沈黙』にも『ハンニバル』にも及ばず

伯母がムラサキという日本人女性で、華道を嗜んだり、鎧兜が出てきたり等、作者が意外に日本を調べて書いているので驚いた。東欧や日本のイメージが欧米人には謎とか神秘といったイメージを呼び起こすのだろうか。
今回の物語で、レクター博士が何故怪物になったのかは解き明かされたが、物足りない。この程度の話ならむしろ解き明かす必要はなく、謎のままで良かったのではと残念に思った。緊迫感において、又は派手さにおいて『羊たちの沈黙』にも、『ハンニバル』にも及ばず、やや残念。
ハンニバル・ライジング 上巻 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ハンニバル・ライジング 上巻 (新潮文庫)より
4102167064
No.24
(2pt)

“ジャパニメーション”の世界?

困りました。
面白いと言うか、全く期待はずれと言うか…。
レクター博士という(お金になる)キャラクターを、
ビジネスとしてさらに活用する為に、流行の“日本的”要素を
取り込んだのではないかと、つい裏読みしたくなる内容です。
“我、いかにして怪物となりしか”の興味一点で、最後まで読みきらせて
しまうのはさすがですが…。
 Tハリス氏の次回作が、クラリスの活躍を綴る番外編などではないことを
ただ祈るのみです。

ハンニバル・ライジング 上巻 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ハンニバル・ライジング 上巻 (新潮文庫)より
4102167064