レディ・ジョーカー

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評判

レディ・ジョーカーの評価:

4.49/5点 レビュー 127件。 A ランク

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平均点4.49pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

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未読の方はご注意ください

全126件 101〜120 6/7ページ
No.26
(5pt)

LJ原作本が読み難いという映画鑑賞者の為に

LJの入門書いうか雛型習作として高村薫「日吉町クラブ」(誇りたかき掟・角川ノベルズ収録)を推薦するよ。
①人生の酸いも甘いもわきまえた男たちが、府中競馬場にたまたま集い
互いに共通の憤懣や屈託を認識し、共有しあう。
②この憤懣を何かに転換できないか→犯罪につかえないかと犯意を抱く
(※ この「犯罪動機」を説明するのが高村作品解説の最大のネック。
ま、読めば何となく情緒でわかるのだが・・・)
③府中競馬場につどう男たちと、誘拐対象である会社社長は相互の鑑無しを確認
(※ 警察の犯罪捜査は、地縁血縁知人の鑑捜査から始まる。
つまり相互の面識無ければ、警察は犯罪現場と犯人を結び付けられず完全犯罪となる)
④じゃ、誘拐犯罪をやろうかとなる
⑤読者は、犯人たちの虚無感に、ダンディズムなりヒロイズムを感じて酔うべし
LJはこの犯人たちを中心に、戦後日本という壮大な地獄巡りを読者に仕掛ける作者畢生の大作。
レディ・ジョーカー〈下〉 Amazon書評・レビュー: レディ・ジョーカー〈下〉より
4620105805
No.25
(5pt)

登場人物がみんな魅力的です

久しぶりにすごい小説を読んでしまった、と思いました。何だか自分に重くのしかかってくるような、本の中に引きずり込まれるような、そんな感じです。高村氏は、一見無くてもいいような細かい描写や専門的な話を延々と書かれることが多いです。これを敬遠する方もいると思いますが、私は逆の意見です。登場人物たちが実体を持って読み手に迫ってくるのは、こうした丁寧な肉付け無くしてはあり得ない事だと思うのです。とてつもなくハードで硬質な文章と、行間から立ち上ってくる色気。こんな小説を書けるのは、高村薫さんしかいません。わかりやすく簡単に泣ける小説に飽きてしまった方に、ぜひ。
レディ・ジョーカー〈下〉 Amazon書評・レビュー: レディ・ジョーカー〈下〉より
4620105805
No.24
(5pt)

余韻が響いている

高村薫は仕事の描写を大切にする作家である。新聞記者たちのいったん事件が起きたときの独特の空気の描写やネタ元との付きあい方、大手企業社長の分刻みのスケジュールを適確にこなし判断していく様子、刑事たちの独特な仕事の内容、今回はとくに「行確」が執拗に描かれる。しかし、この作品の中でもっとも重要な役割を持った人間達の、その仕事内容がほとんど書かれていない。総会屋と政治家の仕事である。その事は何を意味するのだろうか。読者それぞれが考える事なのだろう。長編の利点であるし、高村薫の小説の利点でもあるのだが、いろんな読み方が可能だろうと思う。社会的事件発生のメカニズムとその発生源への考察、大企業の危機管理のあり方、男たちの誇りのあり様とその失意のあり様、幾つかの隠れた愛の形。ラスト前の簡単に触れられている事件後の半年の経緯。実はこれだけでも一冊の長編ができる内容があるのだが、高村薫は語らない。このあたり、スルメのように美味しい小説ではある。ラストの数ページは最近の長編の中でも白眉であった。このラストだけは文庫版「全面改稿」でも変えて欲しく無い。
レディ・ジョーカー〈下〉 Amazon書評・レビュー: レディ・ジョーカー〈下〉より
4620105805
No.23
(5pt)

高村薫のマスターピース

現代の日本文き学が到達した一つの地点を示す文学的事件ともいうべき傑作。構成の骨太さ、文体の硬質さ、登場人物を書き込む筆の柔らかさ。そのようにいわば皮膚にひりひりと感じさせる刺激臭に満ちた 誠に過激かつ雄大な作品である。また 犯罪というものが いかに「人間性を示す」格好の題材であることを示すという点でも ドストエフスキーの「罪と罰」以来の作品と言っても 過言ではないとすら思っている。また 冒頭に出てくる 戦争直後に書かれた手紙に見られる叙情性は 高村が見せた初めての文章であり その一文が ラストで繰り返される場面では正直涙が出そうになった。まあ 800字では何も伝わりません。読んで下さい。
レディ・ジョーカー〈上〉 Amazon書評・レビュー: レディ・ジョーカー〈上〉より
4620105791
No.22
(5pt)

誠実故に苦しむ魂の咆哮

“リヴェラを撃て”を読んだ時は 普通のミステリーにはない重厚な文章にちょっと付いて行けなくなって女房から“あんたはCIA物が解らない”と笑われました。でも最近になって何となく高村さんの鋭い眼差しと帯のコピーフレーズが気になって“照柿”“李歐”“晴子情歌”“マークスの山”と読みついできました。いずれも長編、くどい程丁寧でエンジニアの様に細やかなデッサン、時に関を切る情熱に いささか持て余す事もあったのですが、昨日読み終えた“レディ・ジョーカー”はすごかった。1997年出版のようですが いよいよ映画化されましたね。正に日本のミステリーNo1と言えましょう。読まれてない方は是非読まれたらと思います。文庫版“マークスの山”の解説でどなたかが“高村は日本のドスイトエフスキーだ”と賞賛されていましたが、その通りです。社会と人間の深淵を見つめ尽くす眼力、一言一句ゆるがせにせず語り尽くす筆力に酔わされました。何故か“ジョーカー”を引かされた善良で優しい男達が突きつけた企業と社会への挑戦状、業界一のガリバー企業“日之出麦酒”城山社長の誘拐。事件は思わぬ方向に展開する、金融暴力・総会屋・政治ゴロ、闇の世界が暗躍する。それにしても大企業・警察と言った大きな組織で働く人々を見直しました。日之出麦酒城山社長の誠実で確かな実行力、加納検事の優しさ、そして迫り来る孤独に耐えてなお地上に立つ会田刑事の凛として涼やかな目。誠実故に苦しむ魂の咆哮、葛藤。高村さんはクリスチャンでしょうか?基調に流れる“神は存在し給うか”の旋律は正にドストエフスキーも奏でた物でした。私が今まで高村作品をよく理解出来なかったのは私の感性が高村さんの余りにも大きな感性に追い付けなかったのだと思い知らされました。
レディ・ジョーカー〈上〉 Amazon書評・レビュー: レディ・ジョーカー〈上〉より
4620105791
No.21
(5pt)

壮麗な大伽藍のような大作。「かい人21面相」事件を換骨奪胎した展開

前作「マークスの山」でもその緻密な構成に圧倒されたが、それさえも軽く凌駕するレベル。柱一本一本まで精密な彫刻が施された大伽藍建築を見るかのようだ。これが一人の作家のなせる技かと思うと、ただただ驚嘆してしまう。かといって冗長な展開になっていることもなく、ストーリーは鮮やかに展開する。上下巻2冊を一気呵成に読んでしまうおもしろさだ。「マークスの山」で登場した合田刑事も所轄の刑事として登場し、警察サイドで異端の刑事として活躍するが、本作全体からすれば一部にしかすぎない。ここに描かれるのは、犯人サイドだけではなく、警察、マスコミ、企業、政治家、総会屋、株屋・・多彩な人物が織り成し、作中では見えない暴力装置と言われる、一大暗黒叙事詩・・・。冒頭の、昭和22年の怪文書に記載される鬱々とした雰囲気に飲まれ、1990年の競馬場で出会う、鬱屈を抱える男たちが描かれる。彼らが犯罪を決心するまでの描写がすごい。1995年、彼らはビール会社社長誘拐を企てる・・・。「かい人21面相」こと江崎グリコ事件に材をとった作品であることはすぐにわかるが、現実には迷宮入りした事件に、著者は人間が抱える深い業、暗い闇をつきあわせた・・。事件はその後、21面相事件をなぞり展開する。実際の事件と同様、犯人サイドが見せる色々な側面に、捜査陣は振り回され続ける・・・。本作の凄みは犯人たちによる終息宣言後の展開だろう。下巻の後半3分の2を占めるこの展開で、本作が単なるミステリの範疇から越えてしまう・・・。最後は著者が頻繁に描き出す、暗い情念を抱えた男たちが残る・・。事件によって人生を狂わされた人物が多数・・・。鮮やかな手口を見せた犯人たちの結末もまた印象深い。転落していった暗黒の口と対象的に、ラストシーンの風景が何ともいえない余韻を残す・・・。
レディ・ジョーカー〈上〉 Amazon書評・レビュー: レディ・ジョーカー〈上〉より
4620105791
No.20
(5pt)

重戦車動き出す

上巻を読み終えた。下巻はまだ紐解いていない。買ってもいない。その上での感想である事に留意していただきたい。この本を買って半年、積んどく状態だった。1章の半分まで読み終えるのに半年かかった。しかしながら、そのあと上巻の全部を読み終えるまで三日かからなかった。要はこの小説、すぐにトップスピードに乗る乗用車ではなく、動き始めるまでは遅いが、いざ動き出すと猛スピードで走ることの出来、だれも止める事の出来ない、重戦車であった、ということなのだろう。
巨大企業の恐喝事件。とはいってもグリコ森永事件とは似て非なるものである。と思う。「レディ・ジョーカー」たちと、日の出ビール役員たちと、総会屋たちと、新聞記者たちと、警察組織との五つ巴の闘いが始まる。
物井は考える。「高のいうとおり、金は確かに回して儲けるものだろうが、財をなした人々が回しているその金は、元はといえばどこから来たか。」キューポラ工人だった自分から、あるいは姉や兄から絞り盗っていったものではないかと考えが至ったとき、温厚な爺さんだった物井は突然「悪鬼」となる。
大企業の社長、城山恭介は恐喝を受けたとき最初「20億ぐらいの裏金は何ということもない会社のために自分は死ねるだろうか」と自問自答してみる。「会社はそのために恩を感じるだろうか。」城山の答は速やかに決まる。
この小説の隠れた主人公は「金」なのかもしれない。みんながそれを巡って「悪鬼」となっていく。ひとり、合田雄一郎だけが前作とは違い、何かふっきれたみたいに爽やかに立っている。とりあえず今はそういう物語の様に思える。
レディ・ジョーカー〈上〉 Amazon書評・レビュー: レディ・ジョーカー〈上〉より
4620105791
No.19
(5pt)

丹精込めた作品

沢山のレビューがあるので端的に。非常に丹精込めた文章が並び、長いのに、終わるのがもったいなくなるほど、頬ずりしたくなるような、飲み込んでしまいたくなるような珠玉の文章に綴られた作品だったと思います。
レディ・ジョーカー〈上〉 Amazon書評・レビュー: レディ・ジョーカー〈上〉より
4620105791
No.18
(5pt)

渾身の一発

高村先生の渾身の一発。他の作品もいくつか読んだが、人物描写の深さと構成の巧みさ、そして全体を流れる独特のトーン、雰囲気。久しぶりに小説らしい小説を読ませてもらい、その独自の世界に引き込まれました。日頃、小説はほとんど読みませんが、この作品は別格でしたね。
レディ・ジョーカー〈上〉 Amazon書評・レビュー: レディ・ジョーカー〈上〉より
4620105791
No.17
(5pt)

ほぼ全員に感情移入しながら読みました。

犯罪者、被害者、それを追う警察や報道など、登場人物の過去や言動、考え方、家族、環境などを丹念に積み重ねることで、それぞれの行動に説得力が生まれる高村薫さんならではの大作だと思う。犯人にも被害者にも、警察にも報道にも感情移入できるから、終わり方もあれで良かった。物語の中盤で、「じいさん」が少なかったのが少し残念だったけど。
レディ・ジョーカー〈上〉 Amazon書評・レビュー: レディ・ジョーカー〈上〉より
4620105791
No.16
(5pt)

集中して読まないと途中でわからなくなる。

æ-‡å¥ãªã-のå‚'作だと思いまã-た。なかなか、æ-‡å­-が頭の中にå...¥ã£ã¦ã„かなくて、è'-è€...の言いたいã"とがすã‚"なりとå''み込めないまま、本ã‚'é-‰ã˜ãŸã‚Šã€ã¾ãŸé-‹ã„たりã‚'繰りè¿"ã-て噛み砕いてやっと読ç '(?)ã-たã'ど、最後の最後に本ã‚'é-‰ã˜ãŸå¾Œã‚‚、ずっと脳å'³å™Œã¨ã„う脳å'³å™ŒãŒå‹•き出せなかった。ただ暇だから、という読みæ-¹ã§å...¥ã£ãŸã®ãŒé-"違いだった。何度も同じとã"ろã‚'読みç›'ã-、登å '人物の感æƒ...やその背景に想像ã‚'重ねながら読まないと、結局のとã"ろ何にもわからない。そã-てæ°-づいたら、é-‡ã¨ã„うé-‡ã«ç™»å '人物とå...±ã«è‡ªåˆ†ãŒã„た、そã‚"な本です。社長という、社å"¡ã¨ã„う、被害è€...でありながら加害è€...という、脇にいる人という、æ-¥é™°ã‚'見ながら空ã‚'仰いでいる人という、人é-"のそれぞれに与えられã!Ÿç«‹å 'からの事件ã‚'、è'-è€...はその驚異的なæ-‡ç« åŠ›ã§ã€ãã‚Œãžã‚Œã®æ„Ÿæƒ...で見事に描ききってくれたと思います。「誘拐事件」というä¸-é-"ã‚'揺るがす事がきっかã'で、そã"から湧き出てくるæš-い底沼は、「事件」が起ã"らなかったら、きっと別の「何か」でå™'出ã-てくるに違いない、それに過ぎないと思いまã-た。欲望というには簡単すぎるã'ど、人é-"の欲ã-てる「何か」は、リレーのように、人から人へ渡り行き、最終的にç 'æ»...か安楽へのé"ã‚'歩む。ある人は名誉であり、ある人は平å'Œã§ã‚り、ある人は狂æ°-であり、ある人は愛æƒ...であり。いずれも「絶望」というä¸-界ã‚'一通り垣é-"見たそれぞれが、淡ã€...と進むべきé"ã‚'æ­©ã‚"でいくとã"ろが、何とも言えないæ°-分にさせられます。それぞれに相対する登å '人物が、その欲望に溺れ!たり、冷静に判æ-­ã-たりするのã‚'眺めながら、人é-"ていうのは、やっぱり悲ã-いç"Ÿãç‰©ãªã‚"だなぁと、ふと思ったりもã-た。きっとまた読みç›'すと思います。
レディ・ジョーカー〈下〉 Amazon書評・レビュー: レディ・ジョーカー〈下〉より
4620105805
No.15
(5pt)

現代社会人のあらゆる苦悩と葛藤がわかる話

正義とは、何か問いたくなる結末でした。 やっぱり現代社会では、勝者と敗者が存在し、それぞれが豊かな生活や、貧しい生活を送りながら、生きていくのですが、その中ではありとあらゆる苦悩や葛藤があることを思い知らされました。また、合田刑事と義理の兄がクリスチャンで善悪に苦しむ姿も印象的でした。全体的に不幸なストーリーだったと思います。
レディ・ジョーカー〈下〉 Amazon書評・レビュー: レディ・ジョーカー〈下〉より
4620105805
No.14
(5pt)

もしかしたら真実?

高村さんお馴染みの合田刑事シリーズで、その中の私の一押しです。何故なら、この物語は実際にあったことを書いているかもしれないのです。高村さんはこの物語を書くにあたって、3年半にわたって毎日新聞に「グリコ森永事件」の取材を行っています。そしてその毎日新聞は「グリコ森永犯今日にも逮捕」の誤報を大々的に夕刊に載せた経緯があります。物語の最後に何故この犯人が逮捕されないのかが出てきますが、それを読んだ時あの誤報がなぜ起こったのかピンときて、この物語の7割は真実と確信しました。そして真実を伝えることが仕事の筑紫哲也氏がこの物語を絶賛している事で、その確信はさらに深まりました。真実として読むと背筋が凍る一冊です。
レディ・ジョーカー〈下〉 Amazon書評・レビュー: レディ・ジョーカー〈下〉より
4620105805
No.13
(5pt)

淡々とした長い長い物語

長い長い物語でようやく昨日読み終わった。読むきっかけは実際のグリコ・森永事件自体が特異なものであり、それを物語のベースにした本書がおもしろくないわけがない!と。読みはじめ当初、いったい高村薫はこの事件の動機・結末をどうストーリー化していくのか、推理モノとして解釈していたが、結末を追い求めるだけの読み方から、次第にひとつひとつの描写を味わいながら一大叙事詩を読み進めていることに気付く。克明な背景、登場人物の描写によって次第に単なる推理モノの枠を超えて、ひとつの文学作品にまで昇華している。久しぶりに読みごたえのある本だった。たぶん何度も読み返すだろう。
レディ・ジョーカー〈上〉 Amazon書評・レビュー: レディ・ジョーカー〈上〉より
4620105791
No.12
(5pt)

24時間レディジョーカーになってしまいます。

マークスの山文庫版を読んだ勢いで、続けて読みました。二週間かけて上下巻読みましたが、その二週間は寝ても覚めても頭の中はレディジョーカーでした。プロットとは関係の無い無駄な記述が多すぎるという意見もありますが、実は犯罪のプロットは単なる素材に過ぎず、作者が本当に書きたかったのは、プロットとは離れた、各登場人物の人間的葛藤にあったのだと感じました。無駄な記述と思われることが、話の本質だったのです。多面的な人物造形は、それがあまりに画一的な山崎豊子の小説を幼稚に感じさせるほどです。
レディ・ジョーカー〈下〉 Amazon書評・レビュー: レディ・ジョーカー〈下〉より
4620105805
No.11
(5pt)

そして魂はとけた

おおよそ、史上存在するあらゆる文学作品の中でも、最高の水準である。遠い将来に、この時代を総括しようとする際に、それを文学に求める場合には、この作品しか選択のしようがないのではないだろうか。読むと分かるが、これは書き手がその精神を切り刻んで書いているような作品だ。それだけに、この種の小説に関して事実上絶筆となったのは、残念ではあるが、またよく理解もできる。(そうそう書けるものではない)過去を振り返った時に感ずる、ある種の無常感をこの小説は呼び覚ますのだ。そして、、、魂は確かにとけた。
レディ・ジョーカー〈上〉 Amazon書評・レビュー: レディ・ジョーカー〈上〉より
4620105791
No.10
(5pt)

これこそ

高村作品で一番読み返してます。警察内部の描写や、裏の事情話もスリル大。主人公の内面も他作品より自然というか、らしい。他作品の主人公の内面描写は、クドイ感じがしますがこの作品では一番の魅力です。でもこの作品も改稿されたら絶対読んでしまうな。。
レディ・ジョーカー〈上〉 Amazon書評・レビュー: レディ・ジョーカー〈上〉より
4620105791
No.9
(5pt)

現代暗黒文学の金字塔

サンデー毎日に連載されていた当時から、毎回、大袈裟ではなく、震えながら読んでいた、現代文学の金字塔。なぜに震えていたかといえば、現代日本がいかなる力、すなわち政治家、官僚、警察、ヤクザ、在日勢力、企業、市井の自営業者がどのようにからまり、差別をうみ、怨念を生み、なおかつその怨念を正当化して犯罪にはしるかを、つまりは我々の生きる世界そのものを、安易な感情移入なしに、前人未踏の筆致と描写で表現したからに他ならない。なおかつ知らないことで、その犯罪、大は官僚の汚職から、小は毒物混入事件まで、わたしやあなたが犯罪に荷担しているという事実を思い知らされる、重要な小説。 これこそ文字で書かれたヒエロニムス・ボッシュの地獄絵図。そしてポスト・モダーンな権力主義の方々がおっしゃるような、「小説がメディアとしての力を失った」「文学は死んだ」などの訳知り顔の世迷言への反証として記憶にとどめるべき傑作。平成恐慌と本書は、南北戦争と「アンクルサムの小屋」の関係と相似としたら褒めすぎか。
レディ・ジョーカー〈上〉 Amazon書評・レビュー: レディ・ジョーカー〈上〉より
4620105791
No.8
(5pt)

日本社会における暗部を描いた意欲作

この本はすごい。話を簡単にまとめると、競馬仲間が集まって、企業の社長を誘拐し、その後もその企業を脅迫して金を脅し取ろうとするという話。話の筋だけをたどれば決して好きなタイプの話ではないが、登場人物それぞれの側面から描きながら進んでいく物語はそれを単なる企業小説では終らせない。それぞれの人間模様とそれぞれが抱える社会とのしがらみは私たちに日本という社会で生きていく意味について考えさせる。そしてそれはまた私たちに日本という社会が抱える暗部をいやがおうにも鮮明に浮かび上がらせる。何処にも救いも逃げ道もない社会。それが今の日本の社会なのだ筆者は私たちに投げかける。話の終わりに近づいたころ思いもかけない一人が焼身自殺をはかる。どうして彼が焼身自殺を図らなければならなかったのか。何がそうさせたのか。それを考えた時、この物語のやりきれなさが頂点に達するのではないだろうか。
レディ・ジョーカー〈上〉 Amazon書評・レビュー: レディ・ジョーカー〈上〉より
4620105791
No.7
(4pt)

頭に映像が浮かび上がる小説

上巻は、よくしられたグリコ・森永事件を巧に使って物語が展開されていたのに対し、下巻は、作者の推理展開の分量が増えてきた分、現実味が落ちてきたため迫力が失せたように思う。上巻に比べて文字数が多くなったように感じる。それにしてもあれほど面白い前半の続きであればどういう結末になるか、やめるわけには行かない。最終章は、期待したとおりの凄い。余韻を含んでのエンディングなど、頭に映像が浮かび上がる小説であった。
レディ・ジョーカー〈下〉 Amazon書評・レビュー: レディ・ジョーカー〈下〉より
4620105805