レディ・ジョーカー

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評判

レディ・ジョーカーの評価:

4.49/5点 レビュー 127件。 A ランク

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平均点4.49pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全126件 61〜80 4/7ページ
No.66
(5pt)

わからない人にはわからない

若い人には、初めの長い手紙文を読めない人が多いですね。
 たったの10頁ほどなのになぜ読めないか。
 富裕で高慢になった日本人は、その内容に共感できなくなっているんでしょうか。 
 あの手紙文の後に、もの凄い世界が待っているのに。
 私は「レディ・ジョーカー」を7回読みました。

レディ・ジョーカー〈上〉 Amazon書評・レビュー: レディ・ジョーカー〈上〉より
4620105791
No.65
(5pt)

現時点での日本ミステリの最高峰

本書を読む前に以下の本を再読した。

「緊急報告 グリコ・森永事件」、「闇に消えた怪人 グリコ・森永事件の真相」。「緊急報告――」は文字通りグリコ・森永事件の表面的事象を、新聞記事より詳細に書かれてあり、事件の何たるかはこれを読めば判るようになっている。「闇に消えた怪人――」は事件の真相を著者なりに追いかけており、一応読み応えがあった。

本書は云うまでもなくグリコ・森永事件から発想を得ているが、舞台は東京で合田警部補が登場する。「照柿」以来だ。

いつもながら高村の圧倒的筆力には感嘆させられるが、かなり改訂しているのか、単行本で読んだ印象と較べると、この文庫版はやや硬さが取れ読み易くなっている。

冒頭から、被差別部落、日共等々の言葉が羅列され、これは一体何なんだと思わせ、次に競馬場、そこに集まる個々の人物を描写していく。

薬局の老主人、現役刑事、在日の信用金庫の職員、旋盤工、トラック運転手、そのトラック運転手には障害をもった娘(レディ)がいて、競馬のファンなのでいつも連れてくる。

やがて、これらの人物がとてつもない企てを起こす。「レディ・ジョーカー」と名乗って、大企業・日之出ビールの社長を拉致・監禁するのだ。

そして解放した後、ビールを人質にとって20億円を要求する。警察、新聞記者、仕手集団、総会屋、右翼、政治家等々を巻き込み、風呂敷をどんどん広げていくのだが、構成が見事なのと緻密な描写でリアル感があり、自然と収斂されていく。

ともあれ、私自身の熱い思い入れはあるものの、本書は日本ミステリー史上に燦然と輝く作品である事は論を俟たないだろう。





レディ・ジョーカー〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: レディ・ジョーカー〈上〉 (新潮文庫)より
4101347166
No.64
(5pt)

圧倒され、酔いしれ、ひたすら読みふけった

すでに多くのレビューが絶賛されているところへ、
屋上屋を重ねることになるが、ぜひとも79翁の感想を書きたい。
なぜなら、この著作をもっともっと多くの人に読んだもらいたいから。
わたしは、上巻を読んだばかりで、これ以降にどんな展開になるのかは知らない。
「うん。これからどうなるの?」とページをめくろうとする衝動を抑えるのに苦心惨憺した。
周到に練り上げられた構成と、徹底した取材をベースに書き上げられたこの著作を、
一語一語、噛みしめて味読するのが、著者に対するわたしなりな勤めだと思ったからである。
超一級のすごい作品だと思う。

レディ・ジョーカー〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: レディ・ジョーカー〈上〉 (新潮文庫)より
4101347166
No.63
(5pt)

その小説世界が純化していく途上で書かれた傑作

97年新潮社より刊行された作品の文庫版。いつものとおり大幅な改稿あり。単行本を読んでからかなりの時間が経過しているので初読のつもりで読んだ。いまさら言うまでもないが、この作品においても、登場する人物の誰もが心に闇や屈託を抱えて沈殿している。そして沈殿しつつも深く、本当に深く考える。その結果堂々巡りに陥り、自分自身が何をしたいのか、どうすればよいのかが判らなくなってしまう。また、その闇や屈託の理由が漠然とした曖昧なものであったり、たとえそれが最初のうちは明瞭であっても、ではどうすればよいのかということを考え続けているうちに思考の迷路に堕ちこんでしまう。そして、彼等は夫々の方法で出口を目指して喘ぎ苦しみ、時には開き直って(普通の人にとっては突飛な)何らかの行動を起こす(起こしてしまう)ことになる。この作品ではそんな人物達(レディ・ジョーカー)が計画実行した事件が大きな波を起こす。そして関係する多くの組織、登場人物すべてがこの波から逃れることができずに飲み込まれてしまう。レディ・ジョーカーも自らが起こした波に飲み込まれてしまう。合田も例外ではない(と、いうか一番先に飲み込まれそうだが)。その合田とレディ・ジョーカーの一人が最後に到達した世界は一種の狂気だ。「晴子情歌」「新リア王」「太陽を曳く馬」。これらの本作以降に書かれた作品を読んだ後で、本作を再読して強く感じたのは、著者にとって、事件は人間そのものを描き出すための単なる舞台装置に過ぎなかったのでは、ということだ。これほど練られた構成とストーリーに対し失礼であることも、前記三作で描かれる人間観や宗教観が圧倒されことによる思い込みであることも、極論であることも理解できるが、どうしてもそのように感じてしまうのだ。ただ、わたしは、前記三作に圧倒されつつも人間観(特に宗教観)の描写に純化していった作品(特に「太陽を曳く馬」)に対して、ついてゆくことの辛さと多少の窮屈さを感じた記憶がある。比較して「レディ・ジョーカー」は、人間が描かれることとストーリーの巧みさやおもしろさがバランスよく同居した見事な作品だと思う。
レディ・ジョーカー〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: レディ・ジョーカー〈上〉 (新潮文庫)より
4101347166
No.62
(5pt)

空疎な自己劇化に喘ぐ著者が至る「喪中」なる狂気!

高村薫は文庫化の際大幅に「書き替える」ので有名なクセ者だ。自糞をイジるかブランドに狂う如きミテクレ自己愛過剰な文庫化は無視し、映画化時点の原作たる本作・毎日新聞社刊上下巻のみをベースとしたいが、「毎日新聞社」は意味深だ。確か今は無き「噂の真相」がグリコ事件を追求した「一橋文哉」の名を「一橋のブン屋=毎日記者」暗号と看破したが、ブン屋描写がリアル過ぎる点から一橋文哉「ネタ元」説も浮かぶからだ〜だがブン屋含め本作諸人物には真のリアルとは違う「リアルっぽさ」が漂う。エンタメならOKなのか、マンサラデカのルサンチマン塊に過ぎぬ半田が「発狂」する展開こそは、心理系研究者なら怒り狂うだろう超デタラメだ。高村は石原慎太郎との対談で「世代」を理由に本作頻出の「存在の不確かさ」を頻発したが、正直理解不能だ〜しかし理不尽極まる経緯で孫を亡くした物井はじめ「親族を失った喪中」の者が主に集って犯罪集団に至る心理過程こそ、真にリアルな「人生の鬼」(物井)=狂気のリアリティが極まる!「喪中」をこそ癒す珠玉の1冊!
レディ・ジョーカー〈上〉 Amazon書評・レビュー: レディ・ジョーカー〈上〉より
4620105791
No.61
(5pt)

高村薫の最高傑作だと思う

これ以上、日本の現代文学において生きることの意味を問うた作品があるだろうか。
大企業家、政治家、警察、マスコミ、そこに寄生する世界、こぼれ落ちた人々の住む世界。
戦後の日本が有耶無耶にしてきた、闇と光の間合いのような世界(その象徴が競馬場か)で、登場人物のそれぞれが傷を追い、それまでの人生で抱えてきた痛みと理不尽さを内包し、うまく分かち合うこともできずに、それでも自分がこの世に生を受けた意味を問う。なぜ生きるのか。なぜ人とかかわらないと人は生きていけないのか。答えなど見つかるはずがないのだ。人それぞれの営みの隣で動く、巨額な金、陰謀。気づかずにそこに巻き込まれている私達。それでもこの世に生きてきて、我々が生を全うする意味を、高村薫は全身全霊で描き出してくれる。山村でのラストシーンに震え、号泣した。
レディ・ジョーカー〈下〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: レディ・ジョーカー〈下〉 (新潮文庫)より
4101347182
No.60
(5pt)

レディ・ジョーカー

こんなに夢中になるとは予想していなかったが
とにかくおもしろくてぐいぐい引き込まれた。
シリーズものとは知らず、誰が主人公なのかがはっきりしないまま
物語が進んでいったので変な感情移入もなく客観的に物語が楽しめた。
レディ・ジョーカー〈上〉 Amazon書評・レビュー: レディ・ジョーカー〈上〉より
4620105791
No.59
(5pt)

生きるということ、他人と関わるということは、結局ある自分を演じること

1997年に「グリコ・森永事件」をヒントに執筆され単行本が、今回全面的な改訂を行い文庫化されたものだ。巨大ビール会社を脅迫する犯人とその事件に関わる人物の生き様を丹念に描いている。
犯人は競馬仲間だが、それぞれ生きていく上で鬱積したフラストレーションが溜まっている。物井の実兄はビール会社に勤めていたが、退職後は報われない人生を送り亡くなった。孫はビール会社の就職活動中に事故死した。脅される側のビール会社にも、その社長にも人に言われぬ負い目がある。捜査する警察にも、新聞社にもいろんな事情があり、いろんな人物がいる。人それぞれに過去があり、不満があり、固執するものがあり、ということだろう。
タイトルの「レディ」とは、犯人の一人の身体障碍者の娘のことであり、「ジョーカー」とは、トランプのジョーカー、つまりババのことである。運命とはいえ身体障碍者として生まれた者、社会の底辺でしか生きられない者、・・、それらの不条理さがタイトルになっているような気がする。
また、個人が所属する組織や社会の中で演じなければならない自分と、そうでない本当の自分とのギャップを埋められない苦悩が、あちこちに描かれている。生きるということ、他人と関わるということは、結局ある自分を演じることではないかと考えさせられた。
高村薫の作品を読むのは初めてだが、心理描写の緻密さ、表現の多様さには驚かされた。単純明快に結論を出せる人は少なく、ああだこうだと心の中で反芻しながら何らかの結論を導き出すものだ。また、他人への怒りがだんだんと高まっていくときの心理描写もすごいと思った。
また、警察と新聞社の関係、地検特捜部の当事者との裏交渉、政治家と裏社会との関係なども、各所に織り込まれており、実際にもこういうことが行われて、報道され、捜査され、政治が行われているのだと感じた。
レディ・ジョーカー〈上〉 Amazon書評・レビュー: レディ・ジョーカー〈上〉より
4620105791
No.58
(5pt)

生きるということ、他人と関わるということは、結局ある自分を演じること

1997年に「グリコ・森永事件」をヒントに執筆され単行本が、今回全面的な改訂を行い文庫化されたものだ。巨大ビール会社を脅迫する犯人とその事件に関わる人物の生き様を丹念に描いている。
犯人は競馬仲間だが、それぞれ生きていく上で鬱積したフラストレーションが溜まっている。物井の実兄はビール会社に勤めていたが、退職後は報われない人生を送り亡くなった。孫はビール会社の就職活動中に事故死した。脅される側のビール会社にも、その社長にも人に言われぬ負い目がある。捜査する警察にも、新聞社にもいろんな事情があり、いろんな人物がいる。人それぞれに過去があり、不満があり、固執するものがあり、ということだろう。
タイトルの「レディ」とは、犯人の一人の身体障碍者の娘のことであり、「ジョーカー」とは、トランプのジョーカー、つまりババのことである。運命とはいえ身体障碍者として生まれた者、社会の底辺でしか生きられない者、・・、それらの不条理さがタイトルになっているような気がする。
また、個人が所属する組織や社会の中で演じなければならない自分と、そうでない本当の自分とのギャップを埋められない苦悩が、あちこちに描かれている。生きるということ、他人と関わるということは、結局ある自分を演じることではないかと考えさせられた。
高村薫の作品を読むのは初めてだが、心理描写の緻密さ、表現の多様さには驚かされた。単純明快に結論を出せる人は少なく、ああだこうだと心の中で反芻しながら何らかの結論を導き出すものだ。また、他人への怒りがだんだんと高まっていくときの心理描写もすごいと思った。
また、警察と新聞社の関係、地検特捜部の当事者との裏交渉、政治家と裏社会との関係なども、各所に織り込まれており、実際にもこういうことが行われて、報道され、捜査され、政治が行われているのだと感じた。
レディ・ジョーカー〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: レディ・ジョーカー〈上〉 (新潮文庫)より
4101347166
No.57
(5pt)

半田に傾倒してゆく自分に驚き

合田ではなく、半田に傾倒してゆく自分に驚いてしまった。
初読時は、誰にも感情移入できなかったと記憶しているが、
10年ちょっと経ってみて、半田に激しく共感を覚える自分にびっくりした。
合田も狂っているが、半田はもっと狂っている。
ならば、私自身も狂っているということなのか。
確かに、仕事に、いやもっと言えば自分の属している組織に絶望しているところがあることは否定しないが、
ここまで絶望は深かったのかと驚きを隠せない。
仕事の達成感も薄く、自分はあってもなくてもいい歯車に過ぎないと実感させられる下巻であった。
レディ・ジョーカー・・・NHKの土曜9時の枠で12回ぐらいの連続で映像化してくれないだろうか。映画は、見るに耐えなかったが、NHKのあの枠なら何とかしてくれると期待している。
サラリーマンというかなんらかの組織に属している中年にお薦めする。
レディ・ジョーカー〈下〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: レディ・ジョーカー〈下〉 (新潮文庫)より
4101347182
No.56
(5pt)

LJはこの中巻でぐっと深みを増す。

中巻の主人公は、城山社長である。
彼と合田の関係を中心に展開されるのだが、
LJを一編の小説ではなく、文学の域にまで高めているのが、
この中巻部分であろう。
「息詰まる」という言葉がぴったりだと思う。
ほかの方も書かれているが、
私などの中年職業人は、わが身を省みて、
考えることが一杯ある。
レディ・ジョーカー〈中〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: レディ・ジョーカー〈中〉 (新潮文庫)より
4101347174
No.55
(5pt)

重厚な語り口

大阪人の私にとって、グリモリは万博と並ぶ特別なものである。
それを、大阪人の高村薫が書くとなると・・・
単行本はすぐに購入。
確か3日ほどで読み終えた記憶がある。
内容もあまりはっきりとは覚えていない。
それは本の内容が悪いからではなく、
私たちぐらいの年代の大阪人にとっては、
それぞれにグリモリの犯人像やドラマがあるからだ。
単行本は、数度の引越しのため、今手元にない。
だからいつ文庫化されるのかと待ってましたよ。
まだ上巻まで読んだところですが、重厚な語りに圧倒されることは確か。
今読むべきは、「ファッション」本と化したあの人の本ではなく、
高村薫とずっと思ってきたのだけれど、
若い世代のどう受け入れられるのか。
本の内容とともに、レビューも気になります。
レディ・ジョーカー〈上〉 Amazon書評・レビュー: レディ・ジョーカー〈上〉より
4620105791
No.54
(5pt)

重厚な語り口

大阪人の私にとって、グリモリは万博と並ぶ特別なものである。
それを、大阪人の高村薫が書くとなると・・・
単行本はすぐに購入。
確か3日ほどで読み終えた記憶がある。
内容もあまりはっきりとは覚えていない。
それは本の内容が悪いからではなく、
私たちぐらいの年代の大阪人にとっては、
それぞれにグリモリの犯人像やドラマがあるからだ。
単行本は、数度の引越しのため、今手元にない。
だからいつ文庫化されるのかと待ってましたよ。
まだ上巻まで読んだところですが、重厚な語りに圧倒されることは確か。
今読むべきは、「ファッション」本と化したあの人の本ではなく、
高村薫とずっと思ってきたのだけれど、
若い世代のどう受け入れられるのか。
本の内容とともに、レビューも気になります。
レディ・ジョーカー〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: レディ・ジョーカー〈上〉 (新潮文庫)より
4101347166
No.53
(5pt)

布団と欲情

上巻10日
中巻7日
下巻5日
私がレディージョーカーに費やした時間です。多少、本の厚さは多少違いますが、数字が示す通り下巻はあっという間でした。というのも、怒涛の展開だからです。上巻はゆっくりと話が進んでいる印象でしたが、段々スピードが増してきて下巻は次から次へと展開していきます。読む手が止まりません。
下巻での城山、倉田、白井のそれぞれの決断は考えさせられるものがあります。考えに考え抜き、そしてそれぞれの事情が絡み合い、話し合い、どこまでお互いに理解を得られたかはわからないけども、それぞれが導き出した答え。物語後のストーリーを想像する楽しみがあります。また、城山が家族と向き合うシーンもとても好きです。この辺の描写は追加されたのでしょうか。
さらに、文庫版は単行本時に比べて、闇社会の薄気味悪さが一層際立っている感じがしました。ある箇所を読んだ時は背中がぞくぞくしました。底知れないものがあります。
そして何よりも、下巻は加納祐介が熱いです。上・中巻は登場が少ない印象でしたが、下巻はファン必見です。単行本とは科白がかなり変わっている箇所もあります。単行本の時の加納も好きですが、今回の内に思いを秘める姿も素敵です。
物語終盤ではある人物に追加された描写がとても印象的でした。改稿されたストーリーだからこれが書けたのかぁととても楽しく読みました。また、どう改稿されるのかずっと気になっていたあるシーンは丸々切り取られていました。残念と言えば残念ですが、文庫版でのストーリー上ではこのシーンは省いたほうがまとまるよなぁ、という気もしましたし、作者は躊躇なく切り捨てたのでないでしょうか?
今作は単行本には単行本の、文庫本には文庫本のよさがあると改めて感じました。あらすじだけ似ていて、後はまるで違う作品としてとらえてよいと思います(李歐ほどの事態にはなってませんが)。改稿の比較なんてことをしなくても勿論楽しめます。折込チラシの『眠れぬ熱い夜が来る!!』はダテじゃあありません。
レディ・ジョーカー〈下〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: レディ・ジョーカー〈下〉 (新潮文庫)より
4101347182
No.52
(5pt)

人間の意志に関係なく・・・

多くは書きませんが、何と言っていいのか・・・
何気ない発端があちこちでいろんな事・人・感情・事件を巻き込み
最後はうねりのような得体の知れない生き物のように展開します。
この方の著書は読むのにとにかく体力が要りますね。
レディ・ジョーカー〈上〉 Amazon書評・レビュー: レディ・ジョーカー〈上〉より
4620105791
No.51
(5pt)

ウルトラマンごっこ

トップ企業の社長誘拐をするとどうなるのか?
会社への影響、業界内の反応、株価、報道、警察、風評、等々これでもかというくらい、丁寧に描写がされ、まるで現実に事件が起きたかのように錯覚させられる。
中巻における中心は渦中の城山社長だと思う。改稿前より、城山の描写が大変増えており、公人と私人の懊悩が物語を奥行きあるものにする。脅迫されて、何を考え、どう行動するのか?その一つ一つに苦悩と逡巡が移ろう。長年勤めてきたはずの組織なのに、組織ゆえの不合理さに埋もれてしまうが、城山はそのような重圧のもと時として個人として人間として信念の行動に出る。
合田雄一郎も同じく警察という巨大な組織の中で、どうしようもない論理に押しつぶされそうになる。それでも彼に魅力を感じるのは、長いものに巻かれるわけでもなく、苦悩しつつも自分で考え行動するからだと思う。
合田と城山双方は立場上決してお互いの本心を明かすこともなく、互いに疑念を抱きつつ相手を観察する。それでも双方が個人として振舞う時、心が一瞬でも通じるかどうかという場面がくるのは組織の中での息苦しさと、それでも自我を持つ個人のせめぎあいの絶妙な瞬間である。
二人が今の立場から完全にフリーになって、とことん話し合う機会があればなと思わずにはおれない。
レディ・ジョーカー〈中〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: レディ・ジョーカー〈中〉 (新潮文庫)より
4101347174
No.50
(5pt)

人間の意志に関係なく・・・

多くは書きませんが、何と言っていいのか・・・
何気ない発端があちこちでいろんな事・人・感情・事件を巻き込み
最後はうねりのような得体の知れない生き物のように展開します。
この方の著書は読むのにとにかく体力が要りますね。
レディ・ジョーカー〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: レディ・ジョーカー〈上〉 (新潮文庫)より
4101347166
No.49
(5pt)

怒涛の終章。改稿には驚きました

グリコ・森永事件に題材を取った『レディ・ジョーカー』も下巻で
大詰めを迎えます。日本の政・官・財と陰の勢力の癒着が暴かれ、
それに立ち向かう男たちの焦燥と無念と絶望が交響曲のフィナーレのように
圧倒的な迫力で描きだされます。
ラストはやりきれないとしか言いようがありませんが、
高村さんは一抹の救いを読者に用意してくださったようにも思います。
手元にあるハードカバー版と読み比べてみると以下のような改稿もなされています
(これはほんの一部。読者の興をそがないよう、簡潔な説明にとどめます)。
1.ラスト近くの合田の独白がより生々しく、ほとばしるような言葉で描かれている
(合田ー加納の関係が気になる方たちは驚くこと必至です)。  
2.事件後、合田とある人物の対話がそっくり削られている。  
欲をいえば「レディ・ジョーカー」チームのその後をもっと書いて欲しかった、という気も
します(物井とレディ、ヨウちゃんは一応幸せになれたのでしょうか…)。
ラストで物井清三が記者の久保に向ける視線の呵責ない厳しさは、
現代社会に向けられた高村さんの視線でもあるように感じました。                      
レディ・ジョーカー〈下〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: レディ・ジョーカー〈下〉 (新潮文庫)より
4101347182
No.48
(5pt)

改稿と我々の時代の変化で二度美味しい

グリコ森永事件をモチーフとした長編。文庫本化に際して、高村薫氏恒例の改稿が施されている。
改稿前の作を最後に読んでからだいぶ経ってしまったので、曖昧な記憶しか残っておらず読み比べないことにはどこがどう変わったかというのは明確には言えないが、「マークスの山」、「照柿」、同様かなり手が加わっているように感じる。また全体的に文章が読みやすくなっている感がある。(と言っても冒頭の文体は変わらず)
登場人物の描写がかなり丁寧になっている気がし、本編たる企業テロだけに留まらず、部落問題や障害者など日本社会が見て見ぬふりをして過ごしている問題はこれまで以上に切り込んで深い描写がなされている。
1990年代前半の日本が舞台で、現在の日本が当時と比べてあまりに多くの物事が変わってしまったという感想を持った。9.11以降、テロという言葉が日常的に使われ、息苦しくぎすぎすした感が日常的になり、それに対して何の疑問ももたなくなっているが、90年代日本が舞台の本作を読んで、今の社会情勢がいかに現代固有の事象なのかということを痛感させられた。だから、初めて本作を読んだ時と、10年近く経って読んだ今では受け止める印象がかなり違ってくる。今となってはこの作品は初出が90年代だからこそ発表できた小説でないかとすら思える。
また、インターネットや携帯電話が今ほど普及していない時代の警察や報道陣の描写は、この10年、20年で技術が大きく発達したものだと改めて気づかされる。
改稿前を読んだ人は改稿箇所で楽しむこともできるし、我々の時代の変化による読み応えの変化でも楽しめる。初めての人は、改稿のことは気にせずに圧倒的な筆致による高村ワールドを存分に楽しんで欲しい。
レディ・ジョーカー〈上〉 Amazon書評・レビュー: レディ・ジョーカー〈上〉より
4620105791
No.47
(5pt)

改稿と我々の時代の変化で二度美味しい

グリコ森永事件をモチーフとした長編。文庫本化に際して、高村薫氏恒例の改稿が施されている。
改稿前の作を最後に読んでからだいぶ経ってしまったので、曖昧な記憶しか残っておらず読み比べないことにはどこがどう変わったかというのは明確には言えないが、「マークスの山」、「照柿」、同様かなり手が加わっているように感じる。また全体的に文章が読みやすくなっている感がある。(と言っても冒頭の文体は変わらず)
登場人物の描写がかなり丁寧になっている気がし、本編たる企業テロだけに留まらず、部落問題や障害者など日本社会が見て見ぬふりをして過ごしている問題はこれまで以上に切り込んで深い描写がなされている。
1990年代前半の日本が舞台で、現在の日本が当時と比べてあまりに多くの物事が変わってしまったという感想を持った。9.11以降、テロという言葉が日常的に使われ、息苦しくぎすぎすした感が日常的になり、それに対して何の疑問ももたなくなっているが、90年代日本が舞台の本作を読んで、今の社会情勢がいかに現代固有の事象なのかということを痛感させられた。だから、初めて本作を読んだ時と、10年近く経って読んだ今では受け止める印象がかなり違ってくる。今となってはこの作品は初出が90年代だからこそ発表できた小説でないかとすら思える。
また、インターネットや携帯電話が今ほど普及していない時代の警察や報道陣の描写は、この10年、20年で技術が大きく発達したものだと改めて気づかされる。
改稿前を読んだ人は改稿箇所で楽しむこともできるし、我々の時代の変化による読み応えの変化でも楽しめる。初めての人は、改稿のことは気にせずに圧倒的な筆致による高村ワールドを存分に楽しんで欲しい。
レディ・ジョーカー〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: レディ・ジョーカー〈上〉 (新潮文庫)より
4101347166