壊れた海辺
評判
壊れた海辺の評価:
4.00/5点 レビュー 1件。 C ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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壊れた海辺の評価:
4.00/5点 レビュー 1件。 C ランク
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名家の当主で老社会奉仕家が襲われ、危篤に陥る事件が起きた。容疑者を追い詰めた警察は、アボリジニの若者ふたりを結局死に至らしめ、ひとりを逮捕する。事件は解決したかに見えたが、キャシン刑事は腑に落ちないものを感じ、強制的に休暇を命じられながらも独自に捜査を続ける。やがて明らかになってゆくおぞましい真相・・・。
本書では、先住民族アボリジニの人種差別問題、自然環境保護の問題、そして少年への性的虐待の問題など、社会的なテーマが物語の中枢にあって、ゴールドコースト、グレートバリアリーフ、コアラ、など、日本人にとっては明るいリゾート観光地として知られるオーストラリアの影の部分が抉り出されていて、改めて考えさせられる。
また、ピーター・テンプルの、言い切りが多く、余計な説明的文章をほとんど差し挟まない、まるで読者を突き放すかのような独特の語り口は、そのまま心身ともに煩悶する孤高の主人公キャシン刑事の存在感をハードボイルドタッチで表しているといっていいだろう。
しかし、テンプルは、渡りの労働者レップ、兄のマイケル、陽気な従兄弟のバーンとキャシン刑事とのふれあいを通じて、彼に対しての救いも用意している。
本書は、社会派を標榜する硬派のミステリーであると同時に、人々の運命がさまざまに交錯する人間ドラマでもある。