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(短編集)

十八面の骰子



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【この小説が収録されている参考書籍】
十八面の骰子
十八面の骰子 (光文社文庫)

十八面の骰子の評価: 5.00/10点 レビュー 1件。 Dランク
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No.1:
(5pt)

「十八面の骰子」の感想

宋の時代の話で、巡按御史・趙希舜(ちょうきしゅん)を主人公にした連作短編ミステリです。
「巡按御史」とは、皇帝直属の監察官のことで、身分を隠して任地に赴き、地方官吏の不正の有無を吟味するのが役目ということですが、不正を発見すると皇帝から直筆のお墨付きを示して地方官吏を断罪する・・・と言うところは、本の紹介にあるように、中国版「水戸黄門」と言ったところでしょうが、内容は全く違いました。
中国版「水戸黄門」というキャッチコピーを見て、私は購入を一時ためらいましたが、このコピーが読者の購入意欲をなくしているのかも知れません(笑)

登場するのは、巡按御史・趙希舜に加えて、従者に傅伯淵(ふはくえん)、護衛役に賈由育(かゆいく)の三名ですが、途中で、元軽業師の茅燕児(ぼうえんじ)と言う女性が加わってきます。
巡按御史は趙希舜なのですが、小柄で童顔(なので、貫禄が無い)のために、彼の代理として傅伯淵を巡按御史として表に出すという所はなかなか面白いです。
毎回の話にちょっとしたミステリのあじわいがあるので、面白く読めましたが、登場人物それぞれに個性があるし、彼らの経歴が、各話にまたがって少しずつ紹介されていくという書き方も良いですね
各話を追うごとに、彼らの生い立ちや出会いの秘密(?)などが少しずつわかってくると言うところも、興味を引くところです。

とくに、趙希舜と傅伯淵には、どんな過去が二人の間にあったのか、気になります。
続編を読んでいくと、そういったことが徐々に解明されるのでしょう。

ただ、名前や地名に、難しい漢字が登場してくるので困ってしまいました。最初にはフリガナが振ってありますが、二度目からは当たり前ですがフリガナはありません。そのたびにフリガナがつけられて居るところ戻って確認という作業がちょっと面倒くさかったです。

話としては、表題作の「十八面の骰子(さいころ)」と「黒竹筒(こくちくとう)の割符」が気に入って居ます。

余談ですが、正多面体には正四面体、正六面体、正八面体、正十二面体、正二十面体の五種類しかないのに、「十八面のサイコロ」ってどうなっているんでしょうね・・・?
普通のサイコロは、正六面体なんですが、十八面のサイコロって表面が正多角形じゃ無いのかも知れません。

トラ
WFY887SY

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