琥珀枕
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中国もの怪異小説ミステリ風味であります。 描かれる事件の数々は、妖術あり、妖怪あり、予言あり、人智を超えた奇妙で恐い出来事を、逆手にとって立ちまわろうとする人間たちのしたたかさよ。 すっぽんの徐康先生とお弟子の昭之はホームズ&ワトソンのポジションかと思いきや、基本的にはただ見ているだけだったりして、読者の理解を助けるための解説者&司会進行役? 各編の主人公たちが個性的で楽しい。 大方の読者にとってなじみのない題材が、軽妙でくせのない文体ですっきりとまとめられており、読みやすさは抜群です。 | ||||
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日本を舞台にした、「あやかしもの」とは少し違う。宮部みゆき、畠中恵などとは同じようなあやかしをテーマにしながら、作風が違う。彼女たちのあやかしは、なんか、浮世離れしています。(当たり前ですがね)小野不由美なんかとも微妙に違う。 どちらかと言うと、森福都の方が、リアリティがあるのですね。物語自体は途方もないお話なんですが、なんともリアリティがあるのですね。あやかしよりも、生身の人間の方が遙かに恐ろしき存在であることが物語にリアリティを与えているのでしょう。 兎に角、面白い!に尽きます。少年が成長した続編が出れば良いのですがね。 | ||||
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中国を舞台にした、不思議な仙薬や壺、井戸にまつわる連作短篇集。「太清丹(たいせいたん)」「飢渇(きかつ)」「唾壺(だこ)」「妬忌津(ときしん)」「琥珀枕(こはくちん)」「双犀犬(そうさいけん)」「明鏡井(めいきょうせい)」の七つの話。 水晶玉を覗き込むような感じで遠見亭から事件を眺めるのは、12歳の少年・趙昭之(ちょう しょうし)と、彼の塾師である徐庚(じょこう)先生。しかしこの先生、ただ者ではありません。普段は古井戸に住んでいて、陸に上がっている時だけ老人に姿を変えている、すっぽんの妖怪であります。 連作短篇として話がつながっていく趣向が、面白いですね。前の話でちらりと名前が出てきた端役が、次の話では主役としてスポットライトを浴びている、何ていうんだろ、廻り灯籠的な話になっているのです。さらに、最初は昭之と徐庚先生のふたりだけだった舞台に他の登場人物たちが出てくるに従って、楽屋裏かと思っていたところが表舞台へと転じている妙味もあります。聊斎志異を思わせる不可思議な綺譚の味わいとともに、連作短篇の趣向が気が利いていたところ。ユニークで面白かったなあ。 なかでも気に入った話は、魅力的な妖怪が出てきた「妬忌津」と、ミステリーの妙味は集中随一の「双犀犬」。 | ||||
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昔の中国を舞台にした妖怪ものの短編集。 妖怪もの、と言ってもおどろおどろしい内容ではなく、人間の性(サガ)を様々な角度から捉えて浮き彫りにしたドラマである。 長寿・金銭・権力・愛憎……。 永遠のテーマとも言える人の持つ欲望の数々を、妖怪ネタとうまく絡ませて、どの作も見事に描出していると思う。 稚拙な表現だが、「ひょっとしたら、欲そのもの=妖怪と言えるのかもしれない」と思わせるほどの奥深さがある。 文章もすっきりしていて読みやすく、無駄のない表現が、逆に物語に重々しさを与えているような印象さえある。 個人的にこのような日本語は好きだし、手本にしたいような良質さだ。 久々に、他の作品も読んでみたいと思った作者に出会った。 | ||||
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中国を舞台に、不思議な仙薬や壺、井戸にまつわる話が七つ。 水晶玉を覗き込むようにして遠見亭から事件を見守るのは、県令の一人息子で12歳になる趙昭之(ちょう しょうし)と、彼の塾師の徐庚(じょこう)先生。しかしこの先生、ただ者ではない。普段は古井戸に住んでいるが、陸に上がっている時は老人に姿を変えているすっぽんの妖怪である。 一話一話は完結しているのだが、連作短編として話がつながっていく趣向も凝らされている。前の話でちらりと名前が出てきた人物が次の話では主役になる、そうした廻り灯籠的な話の展開。 また、最初は昭之と徐庚先生のふたりだけだった舞台に他の人物たちが出てくるに従って、楽屋裏かと思っていたところがいつしか表舞台へと転じている味わいもある。聊斎志異を思わせる怪異万華鏡の風味とともに、連作短編としての趣向の妙が利いていたところ、ユニークで面白いなと思った。 「太清丹(たいせいたん)」「飢渇(きかつ)」「唾壺(だこ)」「妬忌津(ときしん)」「琥珀枕(こはくちん)」「双犀犬(そうさいけん)」「明鏡井(めいきょうせい)」の七つの話。 なかでも印象に残る作品として、魅力的な妖怪が出てきた「妬忌津」と、ミステリーの妙味は集中随一と感じた「双犀犬」、このふたつの話を挙げたい。 | ||||
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