■スポンサードリンク


真夏の方程式



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
真夏の方程式
真夏の方程式 (文春文庫)

真夏の方程式の評価: 7.21/10点 レビュー 19件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.21pt

■スポンサードリンク


サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全9件 1~9 1/1ページ
No.9:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

真夏の方程式の感想

個人的に人気がある本は何故か疎遠になってしまう傾向があり、本書もその感覚のシリーズ作品でした。
読んでみるとやはり安定していて面白かったです。

著者の作品はミステリや謎が主体というのではなく、人や家族の物語を描くと感じていますが、本書は特にテーマが「子供」だと感じました。人としての子供を描き、ミステリとしての子供、さらには子供嫌いの湯川との関わり方でシリーズに面白味を持たせるなど、要素の絡み合わせ方が絶妙で見事な作品でした。

一方、過去の物語が合わなかったのが正直な気持ち。

▼以下、ネタバレ感想

※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[]ログインはこちら

egut
T4OQ1KM0
No.8:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

真夏の方程式の感想

映画を先に見てから原作を読みました。
物語の大筋はほとんど同じで、湯川と恭平のやりとりを楽しみつつ、湯川の推理の鋭さを堪能できました。
途中から人情味のある話も加わり、他の方が書いているように、加賀シリーズを思わせる展開も好きですね。
時間置いてまた読みたいです。

白髭9
BK2OMGW4
No.7:3人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

過ちの連鎖が哀しすぎる

探偵ガリレオ長編3作目では恐らく神奈川の伊豆辺りと想定される都心から電車で訪れる事の出来る南国情緒のある町、玻璃ヶ浦。深海鉱山開発の説明会に狩り出された湯川がそこで元刑事の殺人事件に巻き込まれる。

帝都大学の研究室を離れて、警視庁の管轄外での事件ということで定型通りに草薙と内海から事件の捜査を依頼されるわけではない。草薙が登場するのは100ページを過ぎた辺りとシリーズの中で最も遅い。
つまり本書では湯川が出張先で草薙達に先んじて事件に出くわす、変則的な構成を取っている。しかも草薙と内海は東京で湯川の援護射撃をするのみ。最終的に2人が合流するのが全460ページ中396ページと最後の辺りとシリーズの定型を崩しているのが興味深い。

さらに本書はある意味、シリーズの約束事を裏切ることで成り立っていると云える。

まず今回のパートナーが柄崎恭平という少年であることが驚きだ。シリーズ当初の短編で湯川は自身が子供嫌いであることを公言しているが、本書では電車で伯母夫婦の許に向かう恭平が湯川に助けられることが発端となっている。子供嫌いの人物ならば恐らく子供が困っていても無視するだろうと思われるのでこの展開は実に意外だった。

そして最も私が驚いたのは湯川が今回事件の捜査に自発的に関わっていることだ。特に旅先で知り合った柄崎恭平と云う少年から事件のことを知らされると自ら遺体発見現場に案内してくれと申し出る場面では面喰ってしまった。
事件に携わることで親友とかつての恩師に手錠をかけるようになってしまった湯川が再び草薙そして内海に協力していく経緯は『ガリレオの苦悩』や『聖女の救済』で語られているが、しかしそれでも湯川は事件が起きた直後は捜査協力に後ろ向きであった。しかし今回は上に書いたように自ら申し出るようになる。

子供嫌いの男性で警察の捜査に興味を示さない男が本書では全く逆の姿勢を見せている。シリーズの基盤が揺さぶられるような展開だ。

元刑事塚原の殺人事件の裏にあるのが、かつて彼が携わった仙波英俊が起こした殺人事件。
それは落ちぶれた小さな会社経営者がトラブルを起こして店を首になった元ホステスを金の縺れで衝動的に殺害した、動機も明確な至極単純な事件だったが、事件現場がそれぞれが縁のない荻窪で起きたことが唯一おかしな点だった。

最先端科学を売りにした探偵ガリレオシリーズだが、長編になると科学よりも、事件に関わった人たちが表面に見せない、人と人の間に起きた齟齬から生じる奇妙な縺れを探ることに主眼が置かれている。
純粋な左脳ミステリであるこのシリーズが長編では右脳ミステリになるのだ。

これは誰にしもあり得る過去のひと時の過ちがきっかけとなった事件。

それぞれがごく普通の日常を護ろうとした。しかし過去の過ちはそれを崩そうと彼らを苛むように忘れた頃に訪れる。
彼らにとって忘れたい忌まわしい過去が、いやもしくはそっと胸に潜めておきたい儚い恋の想い出が歪な形で追いかけてくるような思いがしたことだろう。そしてそんな過去から日常を護るにはもはや殺人と云う最悪の非日常に身を落とすしかなかった。
しかしそれが負の連鎖の始まりだった。普通の生活を続けようとするのが斯くも難しいのか。これが人生の綾なのだろうか。

そして今までの定型を崩し、事件に積極的に関わった湯川。最後に彼の思いを知った時に彼は変わったのだとさらに確信した。
『容疑者xの献身』以前以後と湯川の人物像ははっきり区分けできる。それは作者東野圭吾氏の境遇もまた重なるのが興味深い。

まさに期待通りの作品だった。湯川が解いた真夏の方程式は実に哀しい解を導いた。
しかしその解ゆえに湯川はまたより魅力的に変わる事だろう。シリーズはますます深みを増していくに違いない。


▼以下、ネタバレ感想

※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[]ログインはこちら

Tetchy
WHOKS60S
No.6:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

ガリレオ+加賀=東野集大成

ある意味、これが真夏の方程式ではないかと思う。
勿論、これはガリレオ先生=湯川学の物語なので加賀恭一郎は出てこない。
だが、殺されてしまう元捜査一課の塚原という刑事の生前の行動が人情味に溢れていて、加賀恭一郎とシンクロしてしまったのだ。
ガリレオ先生を楽しみながら、加賀も登場しているように感じる本と感じた。

湯川学は子供嫌いで有名だが、今作では恭平君という小学生と行動を共にするところが愉快で楽しい。

また、原作よりも映画の方が面白く泣ける映像に仕上がっているようで、こちらも楽しみだ。

yoshiki56
9CQVKKZH
No.5:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

真夏の方程式の感想

一気に読みました。

▼以下、ネタバレ感想

※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[]ログインはこちら

呑んだくれ
P3S7II56
No.4:3人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

真夏の方程式の感想

15年前と現在、2つの殺人事件には、大人が大事なものを守るという共通項が存在している。
で、実際はどうなったか。
誰かを犠牲にして生きている辛さ、罪を背負って生きていく辛さ。
結局は守ろうとした存在を苦しめる事になっているのが皮肉だ。
親にとって子供はいつまでたっても子供なのかも知れないが、子供はそんな大人の小賢しいごまかしにいつ迄も騙されたままでいる程幼くはないのでしょうね。

さて、
子供が苦手だという(湯川の)設定を曲げてまで、作者が描きたかったもの。
「今回のことで君が何らかの答えを出せる日まで、私は君と一緒に同じ問題を抱え、悩み続けよう。忘れないでほしい。君は一人ぼっちじゃない」
湯川にこれを言わせたかったのかな。
ここでいう「答え」こそが方程式の解って事なんだろう。ならば本作品のテーマなのだろう。


▼以下、ネタバレ感想

※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[]ログインはこちら

梁山泊
MTNH2G0O
No.3:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

真夏の方程式の感想

夏休みに少年が泊まった親戚の宿でそこに宿泊していた客の一人が崖下で死体となって発見された!果たして、これは事故か?殺人か? 今回は子供嫌いのはずの湯川が少年恭平に勉強を教えたり実験したり、事件を一緒に追ったりします!さらに事件も複雑な構成で真実が明かされるたびに深い人間ドラマ現れる話で一人一人の背景が深く書き込まれていて読みごたえがありました!そして、最後に明かされるあの真実は「いくらなんでもそれは可哀想だろ」と思える残酷なものでしたが、彼が今後何を考え生きていくのか物語の未来が気になりました。

ジャム
RXFFIEA1
No.2:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

真夏の方程式の感想


▼以下、ネタバレ感想

※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[]ログインはこちら

松千代
5ZZMYCZT
No.1:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

真夏の方程式の感想

タイミングよく夏に読めたガリレオシリーズ6作目。
湯川教授と子供のふれあいが微笑ましい。人間味がとても味わえるお話しでした。

ゆー
98N04ZLM

スポンサードリンク

  



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!