両親を亡くしたイタリア少年・マリオと暮らすようになり、恵子とともに彼の「親」となることを決意した神尾。

元一等航海士・神尾修二が法律事務所の調査員を始めて一年。奇妙な依頼が舞い込んだ。

ボクシングの師・長坂の依頼を受けた神尾修二は、謎の失踪を遂げたウィグル人ボクサーのジューを追って、中国・新疆ウィグル自治区の町・カシュガルへ着いた。

一等航海士・神尾修二は、友人の戸山が殺されたことを航海中に知る。神尾の婚約者を自称する教子をめぐるトラブルが原因という。

外国人娼婦が共同で住んでいるホテル。そこから、イタリア人の少年が誘拐されたという。

スーパーの親爺。ヤクザからは足を洗った。

弁護士・谷の同僚、戸部が失踪、つづいて彼と関わりのあった小山民子が殺された。

愛する女・牧子のために殺人を犯して、暴力団と警察に追われる幸二。

上得意の客に暴力をふるい、横浜の高級クラブのボーイを馘になった25歳の川本高志は、喧嘩の遠因となった男・室田の仕事を手伝いはじめる。

冬は海からやって来る。静かにそれを見ていたかった。

探偵・浅生、32歳、元商社マン。時として、身体を張って調査をすることもある。

「あたしの誇りは竜よ。あたしの狼、冬に向かって走る狼」女は唇を重ねる。

福岡・遠賀川で船頭のまねごとをしながら日々を過ごす小添家三男・正太。佐賀県内に三つの賭場を持つ藤家の女将・瑠〓(い)。

風吹きすさぶペルーの高山地帯。

砂糖菓子のように崩れていく―。女はそう形容した。

孔雀城―無頼の少年たちは、自分たちの寝ぐらをそう呼んだ。戦争直後の東京、焼けくずれた工場の跡地である。

依頼人は若すぎた。義姉の行方を心配する和夫は中三だった。

高校教師の西尾は、突然退学した生徒を探しにその街にやって来た。「臆病なんですよ、俺は。

獲物を追って、この街へやってきた。そいつの人生に幕を引いてやる、それが仕事のはずだった。

刑事となった良文は、抜群の検挙率をあげた。

固い決意を胸に秘め、男は帰ってきた。港町N市―妻を失った男には、闘うことしか残されていなかった。

俺をハメたのは誰だ？横浜の夜、容疑者を射殺し、刑事の職を追われた梶。

「狼は哲学者だな。戦闘に熟達しただけのコマンドじゃない」傭兵がつぶやく。

吹き荒れる雪。うなる銃弾。

荒海を渡り、絶壁をよじ登って、男は女のもとへやってきた。「私がいる。

夏の海が吼えていた。灼けつくような陽をあびて、私は教会の葬礼に参列した。

二つの腎臓を失くした「キドニー」と呼ばれる弁護士の宇野。

「なにも言わずに消える。それが俺には納得できなかった」自分の前から、突然消えた女を追いかけて、青年はこの街にやって来た。

“探偵にゃ、目的がひとつある…真実ってやつさ”私立探偵・野崎は、山中で怪我をした少年・安彦と出会い、介抱した。

私立探偵・野崎は、ある日、吉野真理子という女から、失踪した老父の捜索を依頼される。

30歳を前に商社を辞めて転職した。やくざまがいの探偵稼業。

S市郊外のトンネルを抜けると蜃気楼のような街が眼の前に広がる。私はかつての師・市来を捜すためにこの街へやってきた。

港町N市―市長を巻きこんだ抗争から2年半が経過した。

男は、3年前に別れた妻を救うために、その街へやって来た。「なにからはじめればいいのか、やっとわかったよ。

妻を亡くした元弁護士の木野健。虚無感に苛まれ、本土から離れたこの島へ流れつき、漁師として生きていた。

俺は20歳のバーテンダー。夢はクルーザーを駆って海原を疾ること。

冬が海からやって来る。毎年それを眺めているのが好きだった。

強請りに行ったバーテンの水田に逆に叩きのめされてしまったビデオカメラマン村上洋一に、水田の客だという男が仕事の話を持ち込んできた。

別れた女に、今の俺が何をできる―。かつての妻・杏子がロス―東京間を結ぶコカイン密売組織のトラブルに巻き込まれた。

「こいつ、俺に気があるんじゃないか」―女性が隣に座っただけで、男はなぜこんな誤解をしてしまうのか?男女の恋愛問題から、ダイエットブームへの提言、野球人気を復活させるための画期的な改革案、さらには図書館利用者へのお願いまで。

デザイン事務所に勤めるインテリア・デザイナー、美有のもとに、思いがけない大きな仕事が舞い込む。

躰の中で、なにかが止まった…。四年前のある日、平凡な会社員・立原に生じたある感覚。

インテリジェント・ビルのインテリアの仕事を成功させ、独立した美有。

小川の自動車修理工場に大破したポルシェを持ち込んだのは、お喋りでどこか憎めない男、矢部だった。新車同然に直してやった。

病死した戦友の息子・野本精一から金の無心をする電話がかかってきた。

かつてのパートナー、山崎進一を追いつめるために、私はこの街へやって来た。裏切りに楔を打ち込む。

定期的に食事はするが、踏み込まない。響子とは二十二年、そうしてきた。

グレーのスーツ、地味なネクタイ、きちっと刈った髪。よく独り言を呟く神経質な男。

虚飾と欲望に彩られた街。私はこの土地の権力者・久納義正を取材するためにやって来た。

羽が舞うように、ふわりとスツールに腰かけた女。黒いドレスに流れるような髪。

人生の塩辛いところばかり舐めようとして生きるため「ソルティ」と呼ばれている若月真一郎。

看板間際、雨に濡れて男はやってきた。マスターを訪ねてきたのだ。

「生きてるのがつまらないという顔をしてるな」無為な日常のある日、俺に声をかけてきた爺さんは、クラブのジャズピアニストをやる裏で、薬を売っていた。

鎌倉幕府を倒し、後醍醐天皇が敷いた建武の新政も、北朝を戴く足利尊氏に追われ、わずか三年で潰えた。

タクシードライバーの浜田英二のところに、ある日一人の女性がやって来る。ミラーごしに見た懐かしい面影。

喧嘩ばかりの毎日を送る28歳の設計技師・村田真司。