病弱で生意気な美少女つぐみ。

幸せな四人家族の長女として、何不自由なく育った弥生。ただ一つ欠けているのは、幼い頃の記憶。

妹の死。頭を打ち、失った私の記憶。

私の衝動的なプロポーズに対して、長い沈黙の後とかげはこう言った。「秘密があるの」―。

これまで書いた自分の作品の中で、いちばん好きです。これが書けたので、小説家になってよかったと思いました。

私がこの世でいちばん好きな場所は台所だと思う――。

この世で最も恐ろしいことは、自分が自分でなくなってしまうこと――。

双子のミミとこだちは、何があっても互いの味方。

悪事を働いた3人が逃げ込んだ古い家。そこはかつて悩み相談を請け負っていた雑貨店だった。

小学生の百音と統理はふたり暮らし。朝になると同じマンションに住む路有が遊びにきて、三人でご飯を食べる。

「真夜中は、なぜこんなにもきれいなんだろうと思う」。わたしは、人と言葉を交わしたりすることにさえ自信がもてない。

失恋ばかりの、私の体。私は彼のことが、本当に、好きだった。

『元気ですか?浮上したら漁火がきれいだったので送ります』彼からの2ヶ月ぶりのメールはそれだけだった。

古書店『無窮堂』の若き当主、真

「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せる「先輩」は、夜の先斗町に、下鴨神社の古本市に、大学の学園祭に、彼女の姿を追い求めた。

逃げて、逃げて、逃げのびたら、私はあなたの母になれるだろうか…。東京から名古屋へ、女たちにかくまわれながら、小豆島へ。

逆境にもめげず簡単ではない現実に立ち向かい非日常的な出来事に巻き込まれながらもアンハッピーな展開を乗り越え僕たちは逆転する!無上の短編5編(書き下ろし3編)を収録。

生前の罪により、輪廻のサイクルから外されたぼくの魂。だが天使業界の抽選にあたり、再挑戦のチャンスを得た。

楽譜に書かれた音、愛鳥の骨、火傷の傷跡…。

かけがえのない人間関係を失い傷ついた者たちが、再び誰かと心を通わせることができるのかを問いかける短編集。

どうして恋に落ちたとき、人はそれを恋だと分かるのだろう。

羊飼いの少年サンチャゴは、アンダルシアの平原からエジプトのピラミッドに向けて旅に出た。

『羊をめぐる冒険』から四年、激しく雪の降りしきる札幌の街から「僕」の新しい冒険が始まる。

４７歳で若き官房長官となり、総理への階段を駆け上がる男は、周囲を魅了する輝きを放っていた。

真夜中の屋根のぼりは、陽子・リン姉弟のとっておきの秘密の遊びだった。不登校の陽子と誰にでも優しいリン。

時計の針が深夜零時を指すほんの少し前、都会にあるファミレスで熱心に本を読んでいる女性がいた。

林ちひろは、中学3年生。