悪魔のカタルシス
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種別
長編
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あらすじ
評判
悪魔のカタルシスの評価:
1.00/10点 レビュー 1件。 E ランク
悪魔のカタルシスの総合評価:
3.75/10点 レビュー 4件。
感想一覧
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Amazonレビュー
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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結論から云うと時間の無駄だった。
あまりに広げすぎた内容は収束しないまま終わる。むしろ物語の決着をつけるのを作者が放棄したようだ。
突如悪魔の姿が見えるようになった26歳の若者、牧本祥平が同様の能力を持つ者たちを集め、悪魔の侵略に立ち向かうといった内容だが、作者はその単純なプロットに、一捻りも二捻りも加えることで複雑化し、先の読めないストーリー展開を拵えようとしているが、逆にそのために収集がつかなくなってしまったようだ。
悪魔が見える者たち、本来の姿を隠して人間の姿になり、各界の著名人に成りすまして日本を、いや世界を征服しようと企む悪魔たち。
この二局分離した設定が二転三転、四転五転と立ち替わる。
大企業、自然農法団体、右翼団体、新興政党、新興宗教団体ら、次々と現れる企業、団体があるときは悪魔の巣窟として、または悪魔の対抗組織として主人公の前に現れる。
祥平の話を聞いて賛同し、悪魔と立ち向かう決意をしたかと思えば、彼を精神病者とみなして警察に連絡を入れる者。いつの間にか悪魔となり、祥平を捕まえようとする者。
今日の味方は明日の敵。誰もが信じられない世界へと変わっていく。
これは恐らく何冊か書き続けられる伝奇サスペンス小説として書かれれば、また違った読み応えとなったかもしれない。先の読めない展開に次第に強まっていく悪魔の勢力。侵略物の小説としては定番ながら世界が広がる要素を備えている。
しかし脚本のようにあくまでシンプルで紋切り型な文体に展開が早く、また登場人物もじっくり描写されることもなく、物語を進めるためのキャラクターとして書かれているかのように鯨氏の扱いは実に淡泊だ。
ただ言葉に拘る鯨氏のエッセンスもないわけでない。鯨ミステリの仕掛けも随所に挟まれている。
作者としては自分なりのミステリの特色も出し、依頼の仕事はそれなりに果たしたと思っているかもしれないが、読み手側としては編集者に催促されてささっと書き上げた作品という印象だけが残ってしまう。
書き方によってはもっと面白く書けたと思えるだけに、この結末はまるで某有名少年誌の不人気で連載打切りを云われたマンガのように、唐突で投げやりだ。
最後に語られる読んではいけない悪魔の本の定義。鯨氏のこと、ある実際の本を指して皮肉っていることが推測されるのが、どの本を指しているのか、今のところ思い至らない。
ただし本書もその条件を十分に満たした作品である。
本書の冒頭には作者からのメッセージでこう書かれている。
「あなたにはこの本を読まない権利があります」
実際その通りで、この本は読まないでいい本だった。
本書は書き下ろし作品である。この原稿を受け取った担当者はどのような感慨を抱いたことだろうか。私はある意味冒険だったのではないかと思う。作者の意図が読者に通じるかを試すための。
しかしもしそうだとしてもそんな作者の意図は別にして小説として問題の作品だ。
これを手に取る人は作者の云う権利を行使することを強くお勧めする。
▼以下、ネタバレ感想