夜の終る時
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初版刊行(参考)
種別
長編
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あらすじ
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評判
夜の終る時の評価:
6.00/10点 レビュー 1件。 C ランク
夜の終る時の総合評価:
8.20/10点 レビュー 10件。
感想一覧
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
Amazonレビュー
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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ひとつは、名探偵がー極端な場合には現場に赴くことさえなくー推理だけで犯人を割り出すことへの不満であろう。警察官という職業の地道な苦労の割に報われないのに比べると、名探偵の論理的なインテリジェンスそれじたいが胡散臭くも感じられよう。それに第一ー本書の[解説]で郷原宏氏も書いている通りーもはや私立探偵の職業的リアリティは風前の灯でもある。また、たとえば横山秀夫の作品にも顕著なように、警察官は犯人を追い詰める以前に警察内部での葛藤が凄まじいことも知られている。そして、本書は「日本で最初に書かれた悪徳警察ものであ」り、郷原氏の「見るところでは、この作品をしのぐ悪徳警察ものはまだ書かれていない」という。
しかし、警察小説のもうひとつの特徴は、聞き込みなどに代表される足を使った捜査の部分は、読者からすれば往々にして退屈でもあることだ。本書もその轍から完全に抜けきれているわけではない。それでも、読む進むうちに徐々に面白さが走り始め、第二部を読み始めるころには、この小説が頗る興味深いものであることを確信している自分に気づくはずだ。
第一部は、犯人を追う側の物語であり、第二部は、犯人自身のモノローグである。こういう構成の小説が他にもあったか、憶い出せないが、この構成が実に巧みだ。なぜなら、犯人を追う側には、どんなに肉薄しようとも、犯人の本当の動機は所詮わかりっこない。それは、供述などでは決して浮かび上がってこない。犯人の心の闇の奥は、こうした一人称小説のモノローグという形でしか叙述できないのではないか。しかも、最初から一人称にするのではななく、第一部で犯人を外側から追いかける物語を読んだうえで本人の独白を聴くという構成が効いているのだ。つまり、一挙に犯人側に感情移入してしまえる、という趣向だ。
そういえば、件の警察小説好きの先輩は、カラオケに行くと、ムード・コーラスものだけを歌っていた。万感の哀切をクールに歌うその姿が今も忘れられない。