ノヴァーリスの引用/滝
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種別
長編
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あらすじ
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評判
ノヴァーリスの引用/滝の評価:
0.00/10点 レビュー 0件。 A ランク
ノヴァーリスの引用/滝の総合評価:
8.75/10点 レビュー 16件。
感想一覧
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
Amazonレビュー
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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ノヴァーリスというのはドイツロマン主義の詩人で、現代の量子力学で言えば極端な人間主義とも類比できるような、自己の精神の探究がそのまま現実世界の創造だという魔術的観念論者だったという。そのノヴァーリスの警句を修士論文にちりばめた院生が、卒業を前にしたある夜、図書館のテラスから転落死する。
彼を交えてマルクスの『資本制生産様式に先行する諸形態』の読書会を開いていた仲間が、彼の死から10年以上も経過した時点で、彼の死を振り返るという構成である。
他殺かもしれないという仮説が出され、彼が死んだ夜の一幕が細かに振りかえられる。
細かに振りかえられるのだが、その詳細は、否、大きな場面そのものの記憶さえ人によって異なっている。
何が真実か・・・、真実の外殻さえもが揺らいでいく小説である。
この中編の中では、初期マルクスや疎外革命論等の議論が、読書会の中で繰り広げられている。
著者は川越高校から国際基督教大学(ICU)に進んだ人なので、小説の舞台は間違いなくICUのキャンパスである。疎外革命論への言及は、当時、同大学にメンバーがいたとされる革マル派の影響かもしれない。卒業生に知り合いが10人程度いる身近な学校である川越高校だが、同校には居なかったそうだw
『滝』は、ある架空の宗教団体における少年信者たちの夏休みをかけた合宿と、その仕上げとしての山岳修練が描かれる。
こういった神道系の新興宗教の世界はよく分からないが、著者の『グランド・ミステリー』『虚史のリズム』には、皇祖神霊教なる神道系の新興宗教と山岳修練のエピソードが挿入されているので、著者にとっての十八番のようであり、その原点がこの小説だったのかもしれない。
どちらの小説も、奥泉らしい読後感を残した。