天上の火焔



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    初公開日(参考)2025年09月
    分類

    長編小説

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    天上の火焔

    2025年09月26日 天上の火焔

    大らかな性格で孫に優しい偉大な人間国宝の祖父。氷のように冷たく息子に無関心な轆轤の名手の父。物心つく前に母親を亡くした少年・城は、陽と陰のような二者の間で育ち、悩み、苦しんでいた。父に認められたいがゆえに歪んでいく心。それは宿痾のように精神を蝕んでいき……。備前市伊部を舞台に、備前焼窯元父子三世代の心の闇に斬り込み、愛と憎しみの狭間でもがく人間たちを描いた家族史。(「BOOK」データベースより)




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    No.1:
    (3pt)

    美しさは寂しさ、悲しさと同義だ

    人間国宝の祖父、轆轤名人で冷徹な父、そして二人の間で揺れ動く子の3世代陶芸史小説です。序盤から子供ながら自我に目覚めてやたら青臭く、大人じみた思考を繰り返して壁にぶち当たると逃避してしまうあたりは「令和版『次郎物語』」か「現代の『青春の門』」という趣きでやたら「教条小説」くさい感じもありました。

    小説あるあるで祖父は突然死、祖母も亡くなり、父は不治の病に倒れて自力でなんとかしなくては、という自覚が芽生えたあたりから様相はがらっと変わります。特に4代目である子どもが生まれてからはまったく別人のようです。火焔は陶器を焼く紅蓮の炎であり、神戸の街を焼き尽くした地獄の業火でもあったという対比も際立っていました。

    特にラストで大活躍する4代目がすべての希望をつなぐ灯りをこころにともしてくれる幸せな結末に大拍手!
    天上の火焔Amazon書評・レビュー:天上の火焔より
    4087700194



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