蜻蛉の夏
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初版刊行(参考)
種別
長編
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あらすじ
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評判
蜻蛉の夏の評価:
0.00/10点 レビュー 0件。 B ランク
蜻蛉の夏の総合評価:
8.92/10点 レビュー 26件。
感想一覧
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
Amazonレビュー
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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派手な事件やどんでん返しで引っ張るタイプの作品ではなく、静かに、しかし確実に心の奥に入り込んでくる小説だと感じました。読み終えたあとに残るのは爽快感よりも、どこか切なく、考えさせられる余韻です。とても魅力をかんじました。
夏の空気感とノスタルジーがあります。
作品全体に漂うのは、日本の夏特有の湿度、光、静けさ。
蜻蛉というモチーフが象徴するように、命のはかなさや、一瞬で過ぎ去る時間が強く印象に残ります。
何気ない風景描写が多いのに、こんな夏を知っていると思わせる力があり、わたしの幼少期の記憶と重なっていく感覚がありました。
人間の弱さと救いを描く視点がいいなとおもいました。
垣根涼介作品らしく、登場人物は決して強いヒーローではありません。
迷い、後悔し、過去に縛られながらも、それでも前に進もうとする姿がリアルです。
特に印象的なのは、
過去とどう向き合うか
赦しは誰のためにあるのか
といったテーマが、説教臭くなく物語の中に溶け込んでいます。
派手さはないが、深く沁みるラストです。
これでよかったのかもしれないと静かに納得させられる終わり方でした。
読み終えた直後よりも、
数時間後、数日後にじわじわと思い返してしまうタイプの結末でした。今も余韻を楽しんでいます。
読んで感じたことは人生には取り戻せない夏があるということです。
忘れることより、受け入れることのほうが難しく、尊い、、そんなメッセージを、蜻蛉の羽音のように静かに伝えてくる作品だと思いました。
刺激的な展開を求める方には向いていないかもとおもいました。心情描写をじっくり味わいたい人や
夏・郷愁・過去と再生といったテーマが好きな人にはぴったりとおもいます。