歌人探偵定家 百人一首推理抄
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恐る恐る読み始めたのだが、なかなか面白かった。定家を探偵役に和歌が絡んだミステリというのはケレン味があり、思いつきそうでなかなか思いつかない、思いついてもなかなか書けない設定だと思う。作者に拍手である。 個人的には、当時の生活に対する蘊蓄がとても興味深かった。しっかり調べてあるし、それがうまく物語に溶け込んでいて感心した。和歌が絡むということについては、作品によってばらつきがある感じがしたが、連作を最後まで読んで「なるほど」と思わせてくれたのはよかった。それでも、和歌についてはもうひとつ掘り下げてほしいような気持ちもあった。なんといっても定家を出してくるくらいなのだから、もっとびっくりさせてほしいというのが本音である。 肝心のミステリとしては、さまざまな趣向の事件を取り揃えてくる作者のサービス精神と頑張りは感じたけれど、肝心のトリックのところで「ちょっと小粒かな」と思わないでもなかった。ただ、それが鎌倉時代の文物と自然に組み合わさっていくのは見事で、そのあたりが見せどころなんだなと楽しく読めたので、それはそれで良いのだと思う。連作の中では、西行のエピソードが一番印象に残り、物語としての結末も含め「お見事」と思った。他の短編の中には「そんなの可能?」って首を傾げるようなものもあったけれど。 一番不満だったのは探偵役の造形で、エキセントリックな探偵役という、ホームズあたりから始まった典型をあまりにすんなりなぞっているようで、正直それだけは興醒めであまり感情移入ができず魅力的に感じられなかったのが悔しい。やたら出てくる「っ」とか。ワトソン役も含めて、本当にわかりやすく、安心してよめるものではあるのだが。 全体としてはとても楽しい読書になった。ぜひ「百人一首」完成まで読みたいものである。 | ||||
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