アリバイ奪取 笹沢左保ミステリ短篇選
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あらすじ
没後20年。「木枯し紋次郎」だけじゃない、ミステリ作家の面目躍如。本格推理から、サスペンス、そして著者の真骨頂たる宿命小説まで、バラエティに富んだ作品8篇をセレクトする。*収録作品殺してやりたい十五年は長すぎるお嫁にゆけない第三の被害者不安な証言鏡のない部屋アリバイ奪取「笹沢左保君の活動ぶりはまことに驚異である。ここに集録されている作品などは笹沢君の実力を示すものであろう。「鏡のない部屋」は醜女の悲劇を扱った傑作だ(中略)。それにしても笹沢君の力量は、はかり知れないものがある。現在、推理作家中、最も多作をしているようだが、それでいて、駄作が見当らないから敬服のほかはない。」(『鏡のない部屋』〈宝石社、1963年〉に寄せた江戸川乱歩のコメント)(「BOOK」データベースより)
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評判
アリバイ奪取 笹沢左保ミステリ短篇選の評価:
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アリバイ奪取 笹沢左保ミステリ短篇選の総合評価:
10.00/10点 レビュー 2件。
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棚の上に原稿用紙を広げ、夜も眠らずに立ったまま原稿を書き続けて遂に倒れ、吉行淳之介らに忠告されて病院用のベッドを改造して自宅へ持ち込んだ話は有名だ。
今日のテーブル付き介護ベッドのように、背中を起こしてテーブルの上に原稿用紙を広げ、寝た状態で執筆するようにしたのである。(カッパノベルズ版『盗作の風景』の著者近影に、そうした当時の様子が伺える)
本書の表題作「アリバイ奪取」が書かれた1963年には、さまざまな雑誌の1月号から12月号まで1年間に31作もの短編が掲載されていた。他に長篇の連載も抱えていたのに。
それほど多作でありながら、江戸川乱歩に「現在、推理作家中、最も多作をしているようだが、それでいて、駄作が見当らないから敬服のほかはない。」と評されるほどの活躍ぶりで、1962年には短編「六本木心中」で直木賞の候補にも挙がった。
選考委員の1人だった松本清張は強く推したが受賞に至らず、選評で「いうまでもなく笹沢氏はすでに流行作家だが、だからといって、受賞対象から外す理由はないように思う。」と悔しがったほどであった。
そうした時期の笹沢左保の作品から、力作が精選されており、非常に面白く読める。
表題作「アリバイ奪取」はこれまで文庫未収録だったとは思えぬ力作。掘り出し物である。
徳間文庫の編集部でも、笹沢左保の短編の秀作は「掘ればまだ出てくる」と認識しているそうだから、今後の発掘にも期待したい。
「鏡のない部屋」は、角川文庫版『六本木心中』以来、数十年ぶりに再読したが、ミステリと言うよりホラーに近い。
この作品をよりホラー的に換骨奪胎すると、楳図かずおのアレやアレになるのではなかろうか。