喪失の冬を刻む
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ミタクエ・オヤシン(我々はみんな繋がっている)・・果たして今、世界は繋がっていると誰が言うのか? 歴史の中で民族や国の為と称して、人間は虐殺を繰り返し、今日を妄想の中に築いている。現在も保留地という名のもとに、自由に生きる事さえ奪われる人々の姿が、黒く暗い幻の様に浮かび上がる。 | ||||
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居留地に纏わる犯罪と不可分なFBIとの本質的問題が提起され、はぐれ者主人公の存在意義も深まるが、一人称語りの手本に敬意を欠かさぬ作風に好感。 | ||||
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先住民の末裔としてローズバット居留地で非公式に処罰屋を営むヴァージル。 ある日、居留地に麻薬を持ち込もうとする勢力を阻止するように部族評議会の議員に依頼される。 その一方で、甥のネイサンが、麻薬がらみの問題に巻き込まれ、ヴァージルは否応なくこの問題に取り組まざるを得なくなる。 果たしてヴァージルの孤独な戦いの行方は、というストーリー。 冬数え、という原題は、先住民の間での習慣のようです。 処罰屋、麻薬、などという過激な文言が出てくるとアクション色の強いサスペンスを想像しますが、全く違います。 殆どアクション的な要素はなく、基本的には先住民の苦境や、逆境の中で逞しく生きていく姿を描いたドラマ的な小説です。 日本ではあまり考えられないような差別や制度上の矛盾を読むにつけ、心が痛くなります。 その一方でストーリー自体は緩慢でやや単調。 なので、個人的には評価が低めになりました。 それでも最後まで読破できたので、小説の出来自体は悪くないのだと思います。 | ||||
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「喪失の冬を刻む "Winter Counts"」(デイヴィッド・ヘスカ・ワンブリ・ワイデン ハヤカワ・ミステリ文庫)を読み終えました。 サウスダコタ、ローズバッド居留地。主人公(探偵?)は、ヴァージル・ウンデッドホース。居留地に於ける部族警察とFBIの住み分けは?彼は、自警団として認められた「雇われの処刑屋」が、職業と言っていい。それは、この地では必要な職業として成立しています。彼はまたスー族の支族である「ラコタ族」の出身でもあります。 部族評議会の議員でもあるベン・ショートベアから、かつてそのヴァージルを虐めていた悪党、リック・クロウがその居留地でヘロインを売ろうとしていることで、その彼を何とかして欲しいとの依頼を受けます。一方、彼の十四歳の甥・ネイサンが薬物をロッカーに隠していたと告発され、逮捕されてしまいます。いかに物語は、そのパズルは、収束するのか?それらの顛末が、「ラコタ族」の文化、信仰、儀式と絡められながら、エネルギッシュに進行していき飽きさせません。 とは言え、スリラーとしては、特筆すべきものがあるわけではありません。いくつか的確に配置された伏線はしっかりと回収されていると思いますが、逆に、そこに行き着くしかないストーリー・テリングに少し不満を覚えたと言えるかもしれません。 インディアン文化と言ってはいけないのか、先住民族文化を背景にして、「ラコタ族」の一員として生きる処刑屋・ヴァージルの生き様がこの物語の肝であり、それは米国の中に確かにある暴力を伴う<自警の論理>の発露が、或る痛みと共に描かれていることにあるのでしょう。その痛みは、確立したはずのアイデンティティの揺らぎから発しています。 そして、十四歳の甥・ネイサンのアンダーカバー、恋人・マリーの生き方によって引き起こされるその<揺らぎ>は、暴力をその職業としたヴァージルにとっては常に直面せざるを得ない必要とされる<揺らぎ>だったのでしょう。自問自答を繰り返すヴァージルもまた、幾多のハードボイルド小説の<光背>を受けながら、その末裔の一人としてこれからも生き長らえることになると思います。 | ||||
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