アデル 人喰い鬼の庭で
- 人形 (161)
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 | 2020年07月17日 アデル 人喰い鬼の庭で (集英社文庫) アデルは公園を走る。四日間で三十二キロ走り、アルコールを絶ち、早寝を心がけ、一週間は我慢できた。しかし、今夜はじっとりとした悪夢で目覚め、もう「それ」しか考えられない。愛撫されたい。人喰い鬼の庭で人形になりたい…。医者の夫を持ち、息子にも仕事にも恵まれたアデルはなぜ、夫以外の男とのセックスを求めてしまうのか!?ゴンクール賞受賞作家レイラ・スリマニ、衝撃のデビュー作。(「BOOK」データベースより) |
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| アルジェリアとモロッコの血をひくフランス女性作家の初めての小説。解説者はこれがポルノでないと力説するが、これがポルノでなければ、何がポルノだろうか。女性が男性に欲情を覚え、結果、女性の側から性行為を求める、または男の欲情を喚起して性行為を求めさせる点で、女性主導ポルノ小説。医師の妻で、ジャーナリストで、子供もいる３０代女性が、手当たり次第に、回りの男、行きずりの男に抱かれている。それでも夫にばれるのは怖く、完璧な偽装工作。それでも、夫の同僚と愛人関係になり、夫の主治医の後まで追いかけて誘惑する。性行為描写は男性ポルノ作家よりも激烈で、ポルノとして十分楽しめる。ただし、本来のテーマは性依存女性の行為時の歓喜と行為後の空虚か。面白い話は前半で終わってしまい、夫バレしてしまったあとの後半は、壊れたのに壊れ切れない夫婦関係、都会から田舎へ、病気治療、危ういバランス等のおとなし難しい話になって、ポルノは終わってしまう。残念。 | ||||
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