ホープは突然現れる
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クレアノース3柵目、完読! 人に忘れられる特殊体質の女泥棒ホープ。 人を無個性単一化し思考を放棄させていくパーフェクションという魔物アプリの存在。 今回もまたすごく美味しい設定です。 読み手も相当エネルギー使うから。1、2日で読み切るタイプの本ではない。 あらゆる雑学、学識、哲学、考察がほとんど1、2段落ごとに描かれるし、 何度「あれ、今結局どこにいるんだっけ?」状態になったか。今回はやりすぎ。 (まあその各エピソードも面白く描かれてはいるんだけど) 後半は「寄り道はもうおなかいっぱい!!早くラストを、物語を見せてよ!」とキレそうになり・・。 どうもいたるところに散りばめた考察・雑学で煙に巻いてる感も否めない。 やりすぎたせいでいまいち肝心のホープの悲愴が表層的にしか伝わってこなかったような。 あと、ハリー・オーガストなら何度転生したかしれないリプレイ設定だったから、 何カ国語も操りあらゆる素養を身につけても納得だったところが・・ 10数年の孤独を埋めるために知識を詰め込んだにしては・・うーん。 カードカウンティングまでできて、アラビア語・英語・フランス語・ドイツ語・中国語・日本語も少し。 哲学、音楽もわかってて歴史、政治経済も語れる。ダークウェブもお手の物。 もはやIQ160とかありそう。チートすぎかなあ。 まー疲れつつも面白かったんですけどね。 ジョージ・オーウェルとヴォーグ。リベラルさとシニカルさとディオールのドレス。 なかなかそのどちらも巧みに描ける作家さんはレアでしょうし、さすが時代の申し子というか。 そして今のこの世界。限りなくディストピアに向かってる管理社会。 テレビもニュースもCMも気持ち悪いし、SNSも大衆操作ツールになってる昨今。 (私にもずいぶん前からわめき声が聞こえてきてます笑) クレアノース流のまさに時流に乗った1984・・と見ても十分面白かった。 ただサラっと数ページの回想を描いてもすごく面白く描ける力量のある作家さんだと思うので、 時間軸ジグザグ考察雑学寄り道バシバシでないヤツを・・描いて欲しいなあ。 | ||||
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どこか自己啓発セミナーでも流されていそうな容姿やライフスタイルなどが完璧な自分を作ることを宣伝するアプリの「パーフェクション」。 しかし、ハリウッドスターのようなスリムな白人女性に代表される、消費社会の画一的な理想イメージに抗い、自分だけの個性やアイデンティティーを大切にし、また追求しようとするホープ。 唯一、ホープと同じ他人から忘れられる特性を持った男性が「パーフェクション」と出会い、ホープがそれまでの個性的で素敵で魅力的な彼ではなくなったと嘆く場面が大変に切ない。 また、自分を捜索し続けていた刑事への恋の顛末もこれまたほろ苦くて、切ない。 このように彼女が恋心を寄せたり、友情を抱いたりした人々からも結局は忘れられてしまうという、ホープの孤独や切なさや自己存在の不確かさが終始漂う物語。 とはいえ、こんな普通の人生を生きるのが難しい特性を持ちつつも、そんな特性を活かし、世界をまたにかけて高額な宝石を盗み出したりする、ある意味では彼女にしかできない生き方をしている部分は逞しさを感じたりもする。 特に最初の頃は冒険要素が強くて、その点は面白い。 そして結末としては幸せはごく身近な所にあったという、「幸せの青い鳥」のようなものとして解釈してもいいのだろうか。 このように最後はホープが自分の名前の通り、希望を見い出すこと、自分の存在を世界に繋ぎとめてくれる、絆を見出すことができたようなので、そこが救いかもしれない。 世界一孤独にして、世界一自由な女性の不思議な物語だった。 | ||||
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主人公ホープは、誰からも記憶されない特殊体質を16歳で発現してしまう。両親や友人から徐々に忘れられ、人と会っても数分で忘れ去られてしまう。 そんな彼女の生きる術は、泥棒。 舞台は「パーフェクション」というスマホアプリが広まりつつある世界。この生活改善アプリによって画一化されつつある人々の暮らしぶりは、どことなくオーウェルの『1984年』で描かれたディストピアを彷彿とさせる。オーウェルが描いた「ビッグ・ブラザー」の役割を、本作では「パーフェクション」というアプリが担っている。 作者クレア・ノースの第一作『ハリー・オーガスト、15回目の人生』は心に残る名作だったが、こちらも「世界幻想文学大賞」を受賞したのが頷ける素晴らしい作品だった。 | ||||
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人から認知されなくなった主人公が犯罪に手を染めやがて・・・というお話。 700ページもある作品なので、上記だけでは何だか判らないと思いますが、主人公が人から認知されない性質を利用して窃盗を繰り返しているうちに、特殊なアプリを開発している企業の謀略に巻き込まれ・・・というのが骨子の小説でした。 スマホを持っているのが当たり前の時代だけに、電子機器の専門用語が乱れ飛び、サイバーパンク的な展開も見せますが、一人の女性が自分のアイデンティティを取り戻す為に命懸けで戦う自己再生小説だと思いましたがどうでしょうか。 それと、やたらと作られるアプリケーションに振り回される現代社会への警鐘を含んだ社会派の小説とも思いました。 舞台も東京やドバイやロンドンや様々な場所を移動し、700ページをへとへとになるまで引きずり回されます。個人的には自分が住んでいる日本の描写が正確で驚きました。多分、他の国の描写もよく調べて書いてあるらしいです。 ノース氏の作品はこれが初めてでしてが、本書で世界幻想文学大賞を受賞したそうで、相当な力量の作家だと思いました。 個人的な事を書くと、フジ・ロック・フェスティバルに持って行って空き時間等に読んだのもいい思い出です。 スマホ時代の自己再生小説。是非ご一読を。 | ||||
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主人公のホープは強く美しい女性ですが、高校生くらいの時に親にすら忘れられてしまいます。誰と何度会っても「はじめまして」。 ホープの絶望的な孤独には胸が痛くなりますが、東京での友情(相手がすぐに忘れてしまうのが切ないのですが…)は一番好きな場面でした。 それにしても分厚い本です。世界中を旅するので舞台が変わっているとは言え、途中で読み疲れました。中だるみの分、星を-1しました。 | ||||
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