境界 横浜中華街・潜伏捜査(希望の獅子)
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 | 2015年07月15日 境界 横浜中華街・潜伏捜査 (講談社文庫) 横浜中華街、国慶節前夜。中国籍の男が殺された。彼は31年前に獅子舞仲間2人と消息を絶ち、さらに同時期に警察官も失踪していた。殺人と過去の事件を結ぶのは、かつて中華街を統べた男と、見えない国境に阻まれた恋。日中関係激変の時代、少年たちはどこへ消えたのか。今なお爪痕が残る街で刑事が謎に挑む。(「BOOK」データベースより) |
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| 以前より愛くるしい容姿や動作の中国獅子舞が大好きだったので、将一、亮仔の二人が獅子舞を練習する場面から始まる話しにぐんぐん引き込まれて行った。横浜中華街を取り巻く時代、状勢、登場人物など、自分の興味と重なる事が多く、興味深く一気に読んでしまった。読んだ後、時々、主人公の一人、亮仔の姿を思い出し、彼の演じる獅子舞を想像している。 | ||||
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| この作品は実に詳細に中華街周辺を描いた警察小説だが、過去と現在を交錯させる手法を作品の中で何度も行うのはやや疲労感を感じる。私は伊勢佐木周辺に30年以上住んでいたことから、散策コースで歩き回った場所が次々と登場するので読みながら脳裏に映像が浮かんでくるので楽しかった。 | ||||
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| 彼は上質かつ硬質なエンターテイメント小説を上梓する作家として非常に貴重だと 私は認識しています。 在日中国人の葛藤や警察との確執についての描写も緻密で、読んでいて非常にスピ ード感があります。残念ながら今一つ世間への認知度は低いですが、作品のレベル は総じて高く、元スポーツ記者だけあってよく練られた文章には非常に好感が持て ます。 ただこの作品に関してひとつだけ残念な点を挙げるとするなら、やや最後になって 一気に物語を畳みこんだ感が否めないという事ですかね。その分、☆を一個減らし ています。 あくまでも読書は人の好き好きでしょうが、流行りに流されないこんな作家も今は 貴重だと私は思います。 | ||||
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