人形は眠れない



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初公開日(参考)1996年04月
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長編小説

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人形は眠れない (講談社文庫)

1996年04月01日 人形は眠れない (講談社文庫)

お久しぶりです。妹尾睦月です。今回は、私の住む街で起きた連続放火事件に腹話術師の朝永さんと人形の鞠夫が果敢に挑戦します。その最中、なんと私に言い寄ってくる好青年が現れて、もう大変。と、とにかくときめいて、そしてちょっぴり切ないひと夏の出来事の御報告です。 (「BOOK」データベースより)




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人形は眠れないの総合評価:5.75/10点レビュー 4件。Dランク


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全2件 1~2 1/1ページ
No.2:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(4pt)

なぜ人形は眠れないのか?

人形探偵シリーズ3作目の本書は前作に続いて長編物。
正直読んだのがはるか昔なため、ストーリーは朧げに覚えているものの、作品のトーンは忘れてしまった。しかし本書はそれまでのシリーズとは一線を画してシリアスなムードが漂う。

それというのも本書では冒頭で鞠小路鞠夫誕生秘話が語られるのだが、これが結構重い話だからだ。

潜在的に友人を疑ったことで人柄ゆえかなかなか本心を出せない朝永自身が敢えて思いのままをさらけ出す存在として鞠夫が生まれた。
友達を疑うという罪悪感、または友人を疑うことへの拒否感、そして人を殺していながらも普通に振る舞う、いやあまつさえその死を悼む姿をさらけ出す友人に対する不信感に対して、良心の呵責に耐え切れずに生れ出た存在、そのように解釈もできるだろう。やがて鞠夫は朝永自身が「見て」いても「観て」いなかったことについても語るようになり、一つの人格を形成するようになる。
つまり主体である朝永が認識しなくとも鞠夫という人格が主体的に認識することで朝永と鞠夫との間で会話が生まれるのだ。腹話術師とその人形というコミカルな設定だが、その実、二重人格、多重人格物が横行した当時だからこそ生まれた興味深いキャラクターである。

さて1991年に刊行された本書。開巻直後の舞台は銀座での立食パーティに2次会が六本木でのディスコ、そして三高の男子―ところで今“三高”なんて言葉が解る人がいるのだろうか。背が“高く”、“高”学歴、“高”収入の意味なのだが―、スポーツカーに乗って海辺の道をドライブし、プレゼントは赤いバラの花束にティファニーのネックレス―やはりオープンハートか?―と非常にバブルの香りが漂う内容である。当時の世相を表しているという意味では非常に貴重な資料にもなりうるだろう。

また時代が変われば価値観も変わるのか、睦月の恋愛感情について今の女性では一種理解しがたい部分が出てくる。

絵に描いたように三高の男性関口になぜか気に入られるようになった睦月。朝永のことを思っていることもあり、関口の誘いを断り続けるが、それでもしつこく関口はモーション―この言葉ももはや死語だなぁ―を掛けてくる。どうやって調べたか解らないアパートの電話番号に毎日の如く電話をし、なかなか逢えないと見るや近所と思えるスーパーの前の喫茶店に有休を採ってまで張り込みをして3日目にとうとう睦月を待ちかまえて捕まえる。
自分なんかのためにそんな苦労を掛けたと睦月は関口に対して心が揺れるのだが、これは現代ではもはやれっきとしたストーカーだろう。現代の女性ならば気味悪がって身の危険を感じるはずであるのに、逆に睦月は心を動かれるのだ。これはもはや喜劇である。

妹尾睦月に付きまとう関口という世の女性の理想を形にしたような男性の心理も不思議だが、本書のメインの謎は連続する放火事件だ。

それ以外にも朝永の大学時代の友人で美人腹話術師柿沼遥が涙を浮かべて朝永の家から出ていった真相は不明だが、それが睦月に朝永宅へお泊りを決意させるトリガーになった。しかし、この牧歌的ミステリにはそんな大人の恋愛では描かれるはずの男女の一夜は省略される。

このシリーズはあと1冊の短編集が最終巻となっている。作者もそれを意図してか人形を介して推理を披露する腹話術師という奇抜さが先行した朝永嘉夫のルーツも描いており、戯画的なキャラクターから友人の犯罪を機に二重人格を持つようになった哀しい過去を持つ一人の男として人間味を与えている。
加えてそれまでただ何となく一緒に行動を共にするような感じでしかなかった妹尾睦月との関係もより踏み込んでいっている。

しかしこれらは云わば物語の縦の軸でありバックストーリーである。主軸となるミステリの部分、色々散りばめられた謎の部分が全く別々に進んで実に纏まりに欠けている。何とも散漫な印象しか残らなかった。

しかしさすがにバブル臭漂うこの物語は今読むとかなり辛いものがある。
軽めのミステリであるが、バブル時代の浮ついた感じと朝永嘉夫と妹尾睦月という大の大人2人が腹話術人形の鞠小路鞠夫にいじられているだけであり、何か物語として心に残る芯がないのである。『人形は眠れない』もそれまでのシリーズのタイトルと比べるとシリアスで意味深だが、読み終わった今、結局何を意味しているのかがよく解らない。

全てにおいてちぐはぐな印象で何か一つ突き抜けないミステリだった。


▼以下、ネタバレ感想

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Tetchy
WHOKS60S
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(3pt)

人形は眠れないの感想

ライト

その一言に尽きます

DJANTI
V1E5CPIL
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No.2:
(4pt)

よかった。

懐かしい。
人形は眠れない (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:人形は眠れない (講談社文庫)より
4062632276
No.1:
(4pt)

人形シリーズ第三弾!

我孫子武丸の人形探偵シリーズの第三弾!
今回はところどころにミステリ色をちりばめながらも、睦月と朝永の恋愛話に重点がおかれている。
なかなかはっきりした態度をとれない朝永に恋のライバルが出現。
一方、恋愛話と同時進行で、連続放火事件にも巻き込まれていく。
さらには鞠夫誕生にいたる朝永の過去の話も語られる。
サービス精神いっぱいの娯楽ミステリ。
誰でも気軽に楽しめる作品です。
人形は眠れない (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:人形は眠れない (講談社文庫)より
4062632276



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