壊れた偶像
- オカルト (136)
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売春婦と見られる女の死体が、町外れの川で発見された。売春婦と思われたその女は、実はロシアの女スパイであったらしい。英国外務省情報局長カーク将軍が捜査に乗り出す。 物語はこんな感じで始まっていくが、読み進んでいくうちに、読者は、これはミステリーなのかといった違和感を感じるようになるだろう。物語の基本構造はサスペンスで、そこにSFやホラーやオカルト的な要素が混ぜ込まれているからだ。 ブラックバーンの小説には、上述のようにさまざまなジャンルが混じり合っているが、特徴的なのは、「溶け合っているのではない」ということだろうか。例えばSFの約束ごとと、ミステリーの論理がうまく溶け合って、SFでもあり、ミステリーでもあるといった感じではない。ブラックバーンの作品は、読み進んでいくうちに、サスペンスがいきなりオカルトものになったり、次にはホラー的になったりする。つまり、うまく溶け合っているというよりは、いくつものジャンル、要素が混じり合っているといった感じを受ける。読者によって、けっこう好き嫌いが分かれるかもしれない。それでも、ストーリー自体はおもしろく、一読の価値はあると思う。 | ||||
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ジョン・ブラックバーンの小説は、どれも文句なしに面白い。翻訳は、現在全部で6冊 昔創元推理文庫にはいっていた「小人たちがこわいので」小人たちがこわいので (創元推理文庫 (160‐1))「薔薇の環」薔薇の環 (創元推理文庫 160-2)「リマから来た男」そして論創海外ミステリから近年でた、闇に葬れ (論創海外ミステリ)[[ASIN:484600757X 刈りたての干草の香り (論創海外ミステリ)]そして本作「壊れた偶像」である。ブラックバーンは、デニス・ホイットリー等の怪奇、幻想、冒険小説の伝統を汲むイギリスの作家でミステリー的な構成の怪奇・ホラー小説を得意とする。そして毎度、毎度、マッドサイエンティストやナチの細菌部隊、得体の知れないモンスター等、B級ホラーネタを作品に盛り込み まるで、ハマープロ+「怪奇大作戦」+「Xファイル」のような異様な世界観を表現している。ブラックバーンの小説が1970年代初頭に日本に初めて紹介された時、モダンホラーの第一人者として紹介されているが、モダンホラーが日本でも一般的になるのは、スティーブンキングとかD・Rクーンツとかもうちょっと後なので、実に早すぎた作家だったわけだ。 「壊れた偶像」は、今まで読んだブラックバーン作品の中で一番ミステリー的な謎解き小説になっている。奇天烈なところはそのままだが。 そして「BROKEN BOY]の意味とは、? どうにも、やりきれない真相にうちのめされること、うけあいの小説だ。 | ||||
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近年過去の秀作が発掘紹介されて再評価の機運が盛り上がりつつあるイギリス・モダンホラー界の巨匠ブラックバーンの待望の邦訳6冊目となる傑作長編小説です。著者を愛するファンの間ではすっかりお馴染みのクロス・ジャンルの要素は本書でも健在で、スパイ小説+警察捜査小説+オカルトスリラーの見事な合わせ技を披露してくれています。本書は過去に紹介された作品の中では一番まともな部類と思われますが、それでもカバーイラストに描かれた呪術を連想させる不吉な偶像が、ありきたりでないねじれた物語の面白さを十分に期待させてくれます。物語は売春婦と見られる女性の死体がイギリス・マインチェスターの町外れの川辺で発見されて始まります。当初は平凡な事件と思われたが、やがて地元署のエリス警部が調べる内に女は処女であり元ロシアの女スパイらしいという事実が判明する。国際問題に発展する可能性が出て来た事件に、久々の休暇で狩猟場にいた英国外務省情報局長カーク将軍が駆り出され、部下のマイケルとその恋人ペニーと3人で現場の町へと向かう。本書のトリックは犯行の時間を錯覚させる本格推理としても優れていて感心する出来ですし、独創的ではないですがもっと大きな意外性が待ち受けていて著者の巧妙な仕掛けに大いに満足出来るでしょう。著者は一見恐持てのカーク将軍を使って医者の調査に来て患者と間違われたり、嫌がる将軍を否応なしに狩猟場へ連れて行こうとする人物を登場させたりと独特の愉快なユーモアで楽しませてくれます。難を言えば地元警察が無能過ぎるのと将軍以下3人が犯人をなめて自分達だけで行動する軽率さですが、著者は犯罪の様相が掴めた後もオカルティズムの恐怖と危機一髪の手に汗握るサスペンスで読者をがっちりと繋ぎとめますので、まあ些細な傷と許したいと思います。一作毎に工夫を凝らした著者の高水準の作品を今後もっと読ませて頂きたいと出版社様にお願いします。 | ||||
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